Nova Lake-HXのコア構成が流出——28コアの強さと、2コアiGPUという割り切り
ゲーミングノート向けIntelの次世代フラグシップ「Nova Lake-HX」の内部構成が、信頼性の高い情報源から明らかになった。コア数は増えるが、GPU側の構成には意外な「選択」が見えてくる。
ゲーミングノート向けIntelの次世代フラグシップ「Nova Lake-HX」の内部構成が、信頼性の高い情報源から明らかになった。コア数は増えるが、GPU側の構成には意外な「選択」が見えてくる。
IntelのフラグシップノートPCは28コア構成へ
Intel次世代ハイエンドモバイルプロセッサー「Nova Lake-HX」のコア構成が、インテルのリーク情報を多数的中させてきたJaykihn(@jaykihn0)によって公開された。
投稿されたのはシンプルな数字の羅列だ。
NVL-HX 4+8+4+2 8+16+4+2
NVL-HX
— Jaykihn (@jaykihn0) April 1, 2026
4+8+4+2
8+16+4+2
これを読み解くと、上位モデルは「Pコア8基+Eコア16基+LP-Eコア4基+iGPU 2コア」、下位モデルは「Pコア4基+Eコア8基+LP-Eコア4基+iGPU 2コア」という構成になる。上位モデルの総コア数は28コアだ。
現行のArrow Lake-HXフラグシップ「Core Ultra 9 290HX」は24コア(Pコア8+Eコア16)構成。Nova Lake-HXの上位モデルはそこに低電力コアを4基加えた格好で、コア数では約17%の増加となる。
アーキテクチャ面でも世代交代が確認されている。PコアはCougar Coveから「Coyote Cove」へ、EコアはDarkmont / Skymontから「Arctic Wolf」へ更新される。単なるコア数の水増しではなく、コアそのものが刷新される——この点は見逃せない。
iGPUは2コア——これは退化か、割り切りか
| Arrow Lake-HX(現行) | Nova Lake-HX(次世代)* | |||
|---|---|---|---|---|
| Core Ultra 9 290HX Plus |
Core Ultra 7 270HX Plus |
NVL-HX 上位 |
NVL-HX 下位 |
|
| Pコア | 8 | 8 | 8 | 4 |
| Eコア | 16 | 12 | 16 | 8 |
| LP-Eコア | — | — | 4 | 4 |
| 総コア数 | 24 | 20 | 28 | 16 |
| iGPU | Xe×4 | Xe×4 | Xe3×2 | Xe3×2 |
| Pコア世代 | Lion Cove | Lion Cove | Coyote Cove | Coyote Cove |
| Eコア世代 | Skymont | Skymont | Arctic Wolf | Arctic Wolf |
| TDP | 55W | 55W | 〜55W | 未公開 |
| 発売時期 | 2026年3月 | 2026年3月 | CES 2027以降 | CES 2027以降 |
* Nova Lake-HX欄はすべてリーク情報(Jaykihn, 2026年4月)。公式未発表。〜55WのTDPは推測値。
最も注目すべき点は、CPU側のコア増加と対照的なiGPUの構成だ。
Nova Lake-HXの統合グラフィックスはXe3コアが2基のみ。現行Arrow Lake-HXのXe-LPGが4コア(Xe2世代)であることを踏まえると、コア数として見れば後退している。
Jaykihnは「NVL-HXファミリーのGPUコアは最大2基」と明記しており、これはデスクトップ版Nova Lake-Sと同じ構成だとされている。
ただし、コア数の減少がそのまま性能低下を意味するわけではない。Xe3アーキテクチャは世代として前進しており、「2コアのXe3が4コアのXe-LPGより遅い」とは言い切れない部分もある。
それでも、この設計には明確な思想がある。HXシリーズはもともと「常に外付けGPUとセットで使われるプラットフォーム」として設計されており、強力な統合グラフィックスを載せてもほぼ使われない。ならばトランジスタをCPU側に振り向ける——という合理的な判断だ。同様の割り切りはArrow Lake-HXでも踏襲されてきた。GeForce RTX 5000番台と組み合わせて使うユーザーにとって、iGPUのコア数は実用上ほぼ関係がない。
デスクトップ版との差と、Intelの戦略的判断
デスクトップ版のNova Lake-Sが最大52コア(Pコア16+Eコア32+LP-Eコア4)という桁違いの構成を持つのに対し、HXモバイルは28コア止まり。デュアルコンピュートタイル構成はノート向けには採用しないとされており、これはTDPや熱設計の現実的な制約だ。
Nova Lake-Sのデスクトップ版は288 MBにのぼるbLLC(ビッグL3キャッシュ)も搭載するとされており、モバイル版との差は「コア数」だけに留まらない可能性がある。
一方、HXモバイル版のTDPは現行と同様の55W前後が見込まれており、「デスクトップ並みの性能を薄いノートに」というコンセプトは維持される。28コア・55Wというのは、熱密度として相当タイトな設計になるはずで、OEMの冷却設計が試されることになる。
CES 2027が最短のランウェイ
Nova Lake-HXの発売時期についてはっきりしたことは何もない。
Intelは2026年3月中旬にArrow Lake HXをリフレッシュしたばかり(Core Ultra 9 290HX Plus / 270HX Plus)であり、そのサイクルから考えてもNova Lake世代の登場は早くない。VideoCardzは「CES 2027が最初の発表の場として最も現実的」と見ており、これはIntelの通常アップデートサイクルとも一致する。
Jaykihnは下位モデルとして「Pコア4基+Eコア8基+LP-Eコア4基」の16コア構成も存在すると述べている。この構成がCore Ultra 7相当のHXとして展開されるなら、ミドルレンジのゲーミングノートにも新世代が届くことになる。
今回のリークはコア構成のみで、クロック速度やキャッシュ量、TDP詳細は含まれていない。数字の骨格は見えてきたが、性能の「肉付け」はこれからだ。
参照元
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