NVIDIAドライバー595.97、静かなバグ修正の意味
R595ブランチは5度目のアップデートで、ようやく「普通のドライバー」に近づいてきた。新ゲーム対応はなし。修正と安定性に徹した一本だ。
R595ブランチは5度目のアップデートで、ようやく「普通のドライバー」に近づいてきた。新ゲーム対応はなし。修正と安定性に徹した一本だ。
GeForce 595.97 WHQLの中身は何か
NVIDIAが3月24日(日本時間)に公開したGeForce 595.97 WHQLドライバーは、新作ゲームへの最適化を含まない純粋なバグフィックスリリースだ。派手さはないが、それがむしろ安心材料になる。
R595ブランチを振り返れば、この「地味さ」の価値がわかる。2月末にリリースされた初版の595.59は、ファン検知が機能しなくなるという深刻な不具合を抱え、公開当日に配布停止となった。GPUのファンが回らない状態に気づかなければ、最悪の場合、熱暴走につながりかねない問題だった。
https://x.com/tomwarren/status/2027095502039154805
その修正版として595.71がWHQL認証を取得して登場し、電圧制御の不具合を修正する595.76ホットフィックスを挟んだ後、595.79ではCrimson DesertとDEATH STRANDING 2への対応が追加された。わずか1か月足らずで5回のリリースを重ねた異例のブランチだ。
595.97は、その最新版にあたる。
今回の修正対象はゲーミングバグ3件のみ。一般バグの修正はなし(Fixed General Bugs: N/A)。必要な人にだけ刺さる、外科的なアップデートだ。
Halo Infiniteのテクスチャ破損がようやく解消
今回修正された3件のうち、最も影響が大きいのはHalo Infiniteのテクスチャ破損だ。R595ドライバー全体で発生していたこの問題は、ゲーム画面にテクスチャの乱れが生じるもので、プレイヤーの没入感を著しく損なう。
Halo InfiniteとNVIDIAドライバーの相性問題には前例がある。2024年6月リリースの555.99ドライバーでは、ゲームが起動前にクラッシュするという致命的なバグが発生し、開発元のHalo Studios(当時343 Industries)が公式にドライバーのロールバックを推奨する事態にまで発展した。今回のテクスチャ破損は起動不能ほど深刻ではなかったが、R595ブランチ全体にわたって存在していた点を考えると、修正までに約1か月を要したことになる。
修正されたこと自体は歓迎だが、対応の速度には疑問が残る。
DLSS FGとSmooth Motionの安定性も改善
残りの2件も見逃せない。DLSS Frame Generationとインスタントリプレイを同時に有効化した際の安定性問題が修正された。録画しながらプレイする配信者やクリエイターにとっては、地味ながら切実な修正だ。
もう1件は、Hitman: World of AssassinationでNVIDIA Smooth Motionを有効にした際のクラッシュ。Smooth Motionは、DLSSフレーム生成に対応していないゲームでもドライバーレベルでフレーム補間を行う機能で、RTX 50シリーズで登場し、RTX 40シリーズにも拡大された。
対応ゲームの裾野が広い分、個別タイトルとの衝突が今後も散発する可能性はある。
Smooth Motionはゲーム統合型のDLSS FGとは異なり、ドライバー側で一律にフレームを生成する。万能さの裏返しとして、タイトル固有の不具合が見つかりやすい構造を持っている。
未解決のバグと対応アーキテクチャ
既知の未解決バグとして、Enshroudedでの地形欠落と、Arknights: Endfieldでのスタッターが引き続き記載されている。どちらも595.79の時点から存在するもので、今回のリリースでは手つかずだ。
対応アーキテクチャは、Blackwell、Ada Lovelace、Ampere、Turingの4世代。つまりGeForce RTX 50/40/30/20シリーズとGTX 16シリーズが対象となる。GTX 10シリーズおよび900シリーズは、2025年末のR590ブランチ以降サポートが打ち切られており、595.97にも含まれていない。
Windows 10のサポート終了とも時期が重なり、旧世代GPUを取り巻く環境は急速に変わりつつある。
GTX 1080 Tiの発売は2017年。約9年にわたるドライバーサポートの終焉は、一つの時代の区切りだった。最新機能が必要なら、GTX 16シリーズ以降が最低ラインになる。
R595ブランチは安定したのか
ファンが回らない初版、緊急修正の2版、電圧制御を直したホットフィックス、ゲーム対応の4版、そしてバグフィックスの5版。R595ブランチはここに来て、ようやく落ち着きを見せている。
595.97はNVIDIAの公式サイトまたはNVIDIAアプリからダウンロードできる。リリースノート(PDF)も公開されている。特定のゲームで問題を抱えているユーザー以外は、急いで適用する必要はない。だが 「不具合修正しかないドライバー」 は、裏を返せば「新たな問題を持ち込まないドライバー」でもある。
R595ブランチの船出は荒れた。だが、嵐のあとの静けさには、それなりの価値がある。
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