Windows 11のダークモード、10年越しの「未完成」にようやく終わりが見えてきた
ダークモードをオンにしたのに、突然まぶしい白いダイアログが飛び出す。Windows 11ユーザーなら一度は経験したあの「閃光弾」が、ようやく過去のものになるかもしれない。
ダークモードをオンにしたのに、突然まぶしい白いダイアログが飛び出す。Windows 11ユーザーなら一度は経験したあの「閃光弾」が、ようやく過去のものになるかもしれない。
Microsoftのデザイン責任者が語った現在地
Windows 11のダークモードは、2026年3月の今もなお「未完成」だ。Windowsデザイン&リサーチ部門の責任者であるマーカス・アッシュが、Xへの投稿でその現状を率直に認めた。
We are pushing to get our tools/techniques to the point where we can get dark theme into more areas across Windows. No timelines to commit to yet for Regedit. As we make progress in various legacy system panels/dialogs, we will keep improving consistency.
— Marcus Ash (@marcusash) March 26, 2026
「ダークテーマをWindows全体のより多くの領域に展開できるよう、ツールと技術の改善を進めている。レガシーなシステムパネルやダイアログの対応が進むにつれ、一貫性を向上させていく」
レジストリエディター(Regedit)のダークモード対応について問われると、「まだ時期を約束できる段階ではない」と慎重な姿勢を見せた。正直に言えば、約束しないほうがむしろ誠実だろう。Microsoftの「近日対応」ほど信用できない言葉はない、というのがユーザーの実感だからだ。
注目すべきは、この発言が公式の場で行われたという事実そのものだ。ダークモードの進捗についてMicrosoftの幹部がここまで明確に語ったのは、実は非常にまれなことだった。
なぜ10年もかかっているのか
Windowsのダークモードは、初登場から約10年が経った今もシステム全体をカバーできていない。2016年のWindows 10 Anniversary Updateで導入された当初、設定アプリやタスクバー、スタートメニューといったモダンなUI要素は早々にダーク対応を果たした。だが、問題はその先にある。
Windowsは数十年にわたるUIフレームワークの地層のようなOSだ。最新のWinUI/Fluentで構築された画面と、Windows 7時代から引き継がれたWin32/GDIベースのダイアログが同居している。後者はダークテーマという概念が存在しなかった時代に書かれたコードであり、色を変えるだけの単純な作業ではない。
各コントロールが個別にダークモードへの「参加」を宣言しなければならない構造になっているため、一括で切り替えることができない。モダンなレンダラーへの移行か、レガシーコードへのテーマ対応の後付けか。どちらの道も互換性リスクと工数の壁がある。
つまり、10年かかった理由は怠慢だけではない。ただし、怠慢がなかったとは言い切れないのも事実だ。
エクスプローラーから始まった「本気」の対応
現在、Microsoftがダークモード対応の焦点を当てているのはエクスプローラーだ。最近のアップデートで、ファイルのコピー・移動・削除時のポップアップがダークモードに対応した。地味な変更に見えるかもしれないが、これらは毎日何十回と目にする画面だ。
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しかし、まだ手つかずの領域は多い。ファイルのプロパティ、アーカイブの展開、「ファイル名を指定して実行」ダイアログ、デバイスマネージャー、ディスクの管理――こうしたレガシーなシステムツールは、いまだに白い画面のままだ。
暗い部屋で作業しているとき、ファイルを右クリックしてプロパティを開いた瞬間に網膜を焼かれる。その体験が「Windowsは未完成だ」という印象を強化し続けている。ダークモードの不完全さは、単なる見た目の問題ではなく、OSの品質に対する信頼の問題なのだ。
透明性という、もうひとつの進歩
正直なところ、技術的な進捗よりも重要なのは、Microsoftが「まだ終わっていない」と公に認めたことかもしれない。
2026年に入ってMicrosoftは、Windows 11の大規模改善計画を発表している。タスクバーの移動対応、広告の削減、パフォーマンスの向上――そしてUIの一貫性向上も、その柱のひとつだ。アッシュの発言は、この方針が口先だけではないことを示す具体的なシグナルとして受け取れる。
もっとも、Windowsユーザーは長年にわたって「改善します」という約束に裏切られてきた歴史がある。期待と警戒のあいだで揺れるのは当然だろう。
macOSは2018年のMojaveで統一的なダークモードを実現した。それから8年。Windowsはまだ追いついていない。この差を「Microsoftの規模と互換性の重さ」で説明することはできる。だが、説明できることと許容されることは別の話だ。
暗闘は続いている。ただ、少なくとも今は、出口の光が見え始めている。
参照元
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