Windows 11のタスクバー、動くだけでなく「縮む」時代へ

タスクバーの位置変更だけでは終わらない。Microsoftが次に取り組むのは、5年間ユーザーが求め続けた「コンパクトタスクバー」の復活だ。

Windows 11のタスクバー、動くだけでなく「縮む」時代へ

タスクバーの位置変更だけでは終わらない。Microsoftが次に取り組むのは、5年間ユーザーが求め続けた「コンパクトタスクバー」の復活だ。


「ボタンを小さくする」と「タスクバーを小さくする」は違う

Windows 11のタスクバーに、ようやく本物のサイズ変更が来る。

Windows + Devices担当のパバン・ダブルリが、Xでユーザーからの「タスクバーを短くするオプションを復活させてほしい」という要望に対し、「実装を検討している」と回答した。Windows Latestの追加取材によれば、Windows 10と同様のコンパクトタスクバーが導入される見込みだという。

ここで重要なのは、すでにWindows 11にある 「タスクバーボタンを小さく表示する」 という設定との違いだ。この設定を「常にオン」にしても、縮むのはアイコンだけ。タスクバー自体の高さは1ピクセルも変わらない。

名前だけ見れば「タスクバーが小さくなる」と期待するだろう。Windows 10では実際にそうなった。だがWindows 11では、アイコンの周囲に広大な余白が残り、タスクバーは画面下部に居座り続ける。14インチのノートPCで作業している人にとって、画面の数パーセントを奪われるこの差は切実だ。

Windows 10にはあった「当たり前」の自由

Windows 11のタスクバーには、Windows 10と比べて決定的に欠けているものがある。タスクバー自体のサイズを変える手段だ。

Windows 10には2つのサイズ調整機能が共存していた。ひとつは「小さいタスクバーボタンを使う」トグル。これをオンにすると、アイコンだけでなくタスクバー全体の高さが連動して縮小された。もうひとつは「タスクバーのロック」を解除した状態でのドラッグ操作だ。タスクバーの端をつかんで上下にドラッグすれば、任意の高さに調整できた。

Windows 11はこの両方を削除した。タスクバーの高さは固定、ドラッグによるサイズ変更もなし。2025年に追加された「ボタンを小さく表示する」機能はアイコンのスケーリングに過ぎず、Windows 10の同名機能とは別物だ。

同じ名前で、中身が違う。ここに5年間のフラストレーションが凝縮されている。

レジストリ改変とサードパーティの5年間

タスクバーのサイズ変更を求めるユーザーの声は、Microsoft Q&Aに何年分も蓄積されている。公式が動かない間、ユーザーは自力で解決を試みてきた。レジストリの TaskbarSi キーを書き換える方法が一時期は有効だったが、アップデートのたびに動作が不安定になり、最終的に無効化された。WindhawkやExplorerPatcherといった非公式ツールに頼るユーザーが後を絶たなかった。

あるユーザーの声が象徴的だ。「何百もの設定項目を増やしておきながら、本当に必要な数少ない設定だけ削除する」。正直なところ、これは多くのWindows 11ユーザーが感じている矛盾そのものだろう。


タスクバー「位置」の次は「サイズ」——品質改善の第2章

今回のコンパクトタスクバーは、3月21日(日本時間)にダブルリが発表した品質改善ロードマップの延長線上にある。タスクバーの位置変更、Copilotの縮小、Windows Updateの改善——これらの「第1弾」はInsider向けに展開が始まっている。

コンパクトタスクバーは、その第2弾にあたる。位置を動かせるようになっても、巨大なまま画面を占拠していたら意味が半減する。特に低解像度の14インチノートPCや、縦型ディスプレイを使う環境では、タスクバーの高さが作業領域を直接圧迫する。

ダブルリの回答はあくまで「検討中」であり、具体的なリリース時期は明言されていない。だがWindows 10と同等のコンパクトモードが導入されるなら、「アイコンだけ縮む」という現状のちぐはぐな挙動は過去のものになる。


名前と中身を一致させるという、基本的なこと

正直に言えば、今回の話は「新機能」ではない。30年間あった機能を戻し、5年間紛らわしかった設定名の中身を本来の動作に揃えるだけだ。

それでも意味がある。Microsoftが「ユーザーの声を聞いている」と繰り返すなら、こういう細部にこそ本気度が見える。大きなロードマップを発表するより、「設定の名前通りに動く」ことのほうが、信頼の基盤としてはよほど大事だ。

タスクバーが動き、縮み、ユーザーの手に戻る。Windows 11が本当に「自分のPC」として使えるようになる日は、もう少しだけ近づいたのかもしれない。


参照元


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