岬 徹

テクノロジー分野を中心に2024年からYouTubeで約3,000本の動画を制作。登録者4万5千人超、Xフォロワー1万人超、noteフォロワー千人超。AI、半導体、PC、ゲーム業界について、一次資料やデータを基に分析を続ける。

岬 徹
AIデータセンター公聴会で拍手した教師、逮捕される

AI

AIデータセンター公聴会で拍手した教師、逮捕される

カンザス州エンポリアで、巨大データセンターの用途地域変更を審議する公聴会中に拍手した物理教師が、4人の警官に運び出され逮捕された。全米に広がるデータセンター反対運動のなかで、住民の表現行為そのものが争点になりつつある。 拍手と手錠 エンポリア高校の物理教師ラクス・クラリッジ(Lux Claridge、37歳)は、現地時間7月22日に開かれたエンポリア市委員会の公聴会で逮捕された。 この日の議題は、市の西端に計画されている大規模データセンター「フリントヒルズ・デジタル・キャンパス」に必要なゾーニング変更の承認だった。30人以上の住民が発言を登録し、電力・水資源への負担や地域の変容を訴える反対派と、雇用創出を主張する賛成派が入り替わり壇上に立った。 ベッキー・スミス市長は開会時に、拍手・指鳴らし・失礼な発言を含むあらゆる「妨害行為」を禁じると宣言した。複数回の警告が重ねられた。クラリッジはデータセンター反対派の発言者に拍手を送り続けた。 会議の映像には、委員の1人がエド・オーウェンズ警察署長に「次に拍手した者を退場させよ」と指示する場面が残っている。警官がクラリッジに退去を求め

DEF CON、カメラ付きスマートグラスを全面禁止。度入りでも例外なし

スマートグラス

DEF CON、カメラ付きスマートグラスを全面禁止。度入りでも例外なし

2026年に入り、カメラ付きスマートグラスが締め出される場所は加速度的に増えている。ハッカーの祭典が出した答えは、処方レンズごと排除だった。 「信頼を壊し、プライバシーを侵害する」 来週ラスベガスで開幕するDEF CON 2026が、カメラ付きスマートグラスの持ち込みを全面禁止した。MetaがエシロールクソティカとRay-Ban・Oakleyブランドで展開するスマートグラスをはじめ、同種の録画機能付き端末が対象で、度入りレンズを装着していても例外は認められない。 公式の写真ポリシーには現地時間7月28日付で次の一文が加わった。 スマートグラスおよび録画中かどうかを一貫して判別する手段のない端末は、DEF CONでは禁止する。これらは信頼を壊し、人々のプライバシーを侵害する(DEF CON公式写真ポリシー) DEF CONのポリシーは従来から、登壇者以外の撮影には被写体の同意を求めてきた。今回の改訂は、スマートグラスを名指しで排除する初めての措置になる。 EFF(電子フロンティア財団)のサイバーセキュリティ・ディレクター、エヴァ・ガルペリン(Eva Galperin)氏はこ

Nova Lake-S、内蔵GPUだけで65W。専用電力区分が必要に

Intel

Nova Lake-S、内蔵GPUだけで65W。専用電力区分が必要に

Intelが次世代デスクトップCPU「Nova Lake-S」に搭載する12コアXe3P内蔵GPUは、GPU単体で65Wの電力供給を求めるという。CPUの内蔵GPUに専用の電力区分が設けられるのは異例だ。 「65Wは内蔵GPUだけの数字」 リーカーのJaykihn氏が、Nova Lake-Sの12コアXe3P搭載デスクトップSKUについて新たな情報を投稿した。 Preliminary. Nova Lake -S 12Xe SKU is shaping up to require a specific 65W-level PD segment for full graphics performance. It is the only segment demanding two VCCGT phases. https://t.co/pTzysqPN8F — Jaykihn (@jaykihn0) July 28,

AIを用いて開発したLinuxデスクトップ環境「Starling」が公開 実装内容を確認

Linux

AIを用いて開発したLinuxデスクトップ環境「Starling」が公開 実装内容を確認

Swiftで書かれたシェル、Cによる独自のWaylandコンポジター、X11サーバーまで内蔵。1人の開発者がClaudeと6カ月で組み上げたLinuxデスクトップ環境「Starling」が公開された。 ブラウザの中で動くデスクトップとは違う 「AIでデスクトップ環境を作った」という話は、これが初めてではない。 過去にも同様の試みはあった。ただ、その大半はブラウザのタブの中に描画されたデスクトップ風のUIか、起動画面だけ存在するモックアップか、自前のアプリしか動かない閉じたシステムだった。「AIが作った」という看板は派手でも、デスクトップとして使える段階には届いていなかった。 Starlingは違う。GPUを直接駆動し、ChromeやZoom、Slackをネイティブに動かす。ログイン画面から選んでサインインすれば、ログアウトするまでそれが自分のデスクトップになる。 開発者が公式サイトで示している判定基準は明快だ。デスクトップの本質的な仕事とは、見知らぬ他人が何年も前に書いたプログラムを、そのプログラム側が何も知らない環境の上で同時に動かすことにある。自作アプリだけが動くシステ

SK hynix、LPDDR6を下半期に量産開始。初供給先はシャオミか

メモリ

SK hynix、LPDDR6を下半期に量産開始。初供給先はシャオミか

スマートフォン用の省電力メモリが、AIサーバーにも使われ始めている。SK hynixのLPDDR6量産は、その流れを加速させる。 3月の開発完了から量産へ SK hynixが次世代モバイルDRAM「LPDDR6」の量産出荷を2026年下半期に開始する。韓国ヘラルド経済が報じた。 SK hynixは3月10日、第6世代10nm級(1c)工程による16Gb LPDDR6の開発完了を発表している。当時「上半期中に量産準備を終え、下半期から供給を開始する」としていた計画が、予定通り動き出している。 初の供給先は中国シャオミの次世代フラッグシップ端末になるという。SK hynixは「顧客に関する内容は確認できない」と回答しているが、両社の取引は2013年のLPDDR3にまで遡る。LPDDR5Xまで一貫してモバイル向けDRAMを供給してきた関係だ。 LPDDR5Xから何が変わるのか 速度と電力効率の両方が大幅に改善された。 基本動作速度は10.7Gbpsを超え、帯域幅の拡大により前世代LPDDR5X比で処理速度が33%向上した。最大14.4Gbpsに達するとの報道もある。 消費

Altman氏「シンギュラリティの中にいる」と発言 AI開発の現状認識を語る

AI

Altman氏「シンギュラリティの中にいる」と発言 AI開発の現状認識を語る

OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが、AIは「シンギュラリティ」に入ったと明言した。自社モデルが検証環境から脱出し、他社のシステムに侵入した事件から2週間後の発言だった。 1時間のポッドキャストに埋もれた1分間 現地時間7月25日に公開されたポッドキャスト「Relentless」で、アルトマンはこう述べた。 「今まさに、シンギュラリティの中にいる。これがその瞬間だ」(Relentlessでのアルトマンの発言) 番組は約1時間。話題はスタートアップ論から経営判断、ジョニー・アイヴ(Jony Ive)との共同作業、TikTokへの依存まで多岐にわたる。シンギュラリティに触れた時間は全体の1〜2分にすぎない。 きっかけは「何があなたを駆り立てているのか」という質問だった。「これが自分にできる最も重要なこと」と切り出した上で、アルトマンは10年前にランチテーブルで冗談半分に語っていた未来が現実になったと述べた。「この瞬間をずっと待ち続けてきた」とも。 ただ、番組内でアルトマンは技術的な根拠を示していない。再帰的自己改善が達成されたとも、特定のベンチマーク

AMD、Radeon RX 9050を税込54,800円で日本発売。7月31日から

GPU

AMD、Radeon RX 9050を税込54,800円で日本発売。7月31日から

RDNA 4世代で最も安いデスクトップGPUが、日本を含む限定地域で発売される。1080pの中画質を狙うエントリーカードだが、OEM向けに4GB版も用意された。 Radeon RX 9000シリーズの最廉価モデル AMDは現地時間7月28日、デスクトップ向けGPU「Radeon RX 9050」の製品情報を公開した。RDNA 4世代のデスクトップ向けとしては最も下位に位置する。同社がデスクトップGPUの新製品を出すのは2025年6月のRX 9060 XT以来、約1年ぶりになる。 販売地域はアジア太平洋、日本、中南米に限られ、北米での単品販売は現時点で予定されていない。AMDは公式に希望小売価格を発表していないが、279ドル(約4万5700円)という数字が伝えられている。 日本では、ASRockの「Radeon RX 9050 Challenger 8GB」が税込54,800円で7月31日(金)11時に発売される。Sapphireも「PULSE Radeon RX 9050 8GB」を発表しており、国内での発売時期は追って案内されるとみられる。 RX 9060 XTの半分を

amd-pstate新パッチ、Steam Deckの1%低FPSを31.8%改善

Linux

amd-pstate新パッチ、Steam Deckの1%低FPSを31.8%改善

AMD CPUの周波数制御ドライバに、ゲーム中の周波数低下を防ぐ新機能が提案された。Steam Deckでの実測で、フレームレートの落ち込みが大幅に改善されている。 98%使っているのに、クロックが上がらない ゲームのメインスレッドは、毎フレーム短い待機を繰り返す。futex(スレッド間の同期に使われるLinuxの仕組み)やGPUフェンスで数ミリ秒ブロックされ、すぐに復帰して描画処理を再開する。CPUの利用率で見れば98%近い。 amd-pstateドライバのactiveモードで動作しているとき、この短い待機が問題になる。activeモードでは、カーネルがEPP(Energy Performance Preference)というヒント値をCPUに渡し、実際の動作周波数はCPU内部のファームウェアが自律的に決める。「省電力寄り」か「性能寄り」か、電力・温度の制約と照らし合わせて判断する仕組みだ。 スリープのたびにハードウェアの性能シグナルが減衰し、復帰後のバースト処理は低い動作点から始まる。次のスリープまでに周波数が上がりきらないまま、また減衰が起きる。Steam Deck(V

KDE、Dolphinのファイルコピーをcp並みに高速化。11年前のバグに決着

KDE

KDE、Dolphinのファイルコピーをcp並みに高速化。11年前のバグに決着

KDEのファイル操作基盤「KIO」に、小ファイルのコピー速度を最大18倍に引き上げる改修が入った。2014年から放置されていたバグがようやく閉じられる。 「cpの20倍遅い」、2014年から続いた苦情 KDEのバグトラッカーにbug 342056がある。「Ridiculously slow file copy (multiple small files)」(小ファイルのコピーが馬鹿げて遅い)。2014年12月、アレクサンダー・ネストロフ(Alexander Nestorov)氏が投稿した。 約300万個の小ファイルを含む15GBのフォルダをKDEでコピーすると5〜10時間。rsyncなら約20分。 コメント欄にはあるユーザーが「数ファイル以上のコピーにはいつもcpかrsyncを使う」と書き残している。Dolphinが好きでもファイルコピーだけはターミナルに頼る。そんな状態が11年間続いた。 同じ症状の重複バグは5件。 なぜDolphinは遅かったのか 原因はKIOにあった。 KIOはKDEのファイル操作を支えるライブラリで、Dolphinのコピー&ペーストからsft

Surface Laptop Ultra、発売前にプロトタイプが約1ヶ月使い込まれる

RTXSpark

Surface Laptop Ultra、発売前にプロトタイプが約1ヶ月使い込まれる

NVIDIAのRTX Sparkを搭載するSurface Laptop Ultraのプロトタイプが、フォーラムユーザーの手で約1ヶ月間テストされた。公式デモでは見えなかった、未完成な素顔が明らかになっている。 道端のプロトタイプ TechPowerUpフォーラムの古参ユーザーが、未発売のSurface Laptop Ultraを約1ヶ月にわたってテストした結果を投稿した。 本人によると、6月中旬にワシントン州レドモンド北部の道端で銀色の四角い物体を見つけ、ゴミだと思って拾ったという。Microsoft本社のすぐ近くだ。実機はEV1.5と刻印されたプロトタイプで、搭載SoCはRTX Spark N1Xの最上位構成(20コアCPU、6,144 CUDAコア)。Computex 2026で発表された製品版と同じトップエンド仕様になる。 Surface Laptop Ultraは2026年秋の発売が予定されており、日本を含む各国のMicrosoft公式サイトにはすでに製品ページが開設されている。ただし価格は未発表のままだ。 ドライバから始まる苦労 プロトタイプに入っていたグラフ

ChatGPT、著者のスタイル模倣を拒否し始める。存命作家に限定

AI

ChatGPT、著者のスタイル模倣を拒否し始める。存命作家に限定

著者の「声」を真似る代わりに「似た雰囲気」を提案するようになった。著作権訴訟を抱えるOpenAIにとって、小さな文言の違いが法廷で大きな意味を持ちうる。 「あなたのスタイルでは書けません」 ChatGPTが、有名作家のスタイルを直接模倣する要求を拒否するようになった。 Ars Technicaが報じたテストでは、スティーヴン・キング風の書き出しを求めるプロンプトに対し、ChatGPTは「キングの正確なスタイルや独特の声は再現できない」と返答したという。心理描写を軸にしたホラーや田舎町の不安感といった特徴なら使えるが、特定の作家の「声」には踏み込まない。J・K・ローリング、エイミ・タンといった存命作家でも、チャールズ・ディケンズやヘミングウェイといった故人でも同じ反応が確認された。 ただし故人作家については、条件次第で応じるケースもある。7月に公開されたNo Latencyの比較調査では、ChatGPTは存命作家のスタイル模倣を拒否した一方、故人作家には応じている。 拒否する場合でも、代替案は出す。作風に通じる要素(緊張感、語りの速度、視点の置き方など)を取り入れた文章を「雰

Cursor、インド限定の月額約1100円プランを投入。開発者300万人市場を狙う

AI

Cursor、インド限定の月額約1100円プランを投入。開発者300万人市場を狙う

AIコーディングツールのCursorが、初の国別専用プラン「Cursor Start」をインド限定で投入した。月額649ルピー(約1100円)。通常のProプランの3分の1だ。 月額1100円で何ができて、何ができないか Cursorは現地時間7月28日、インドの開発者に向けた新プラン「Cursor Start」を発表した。月額649ルピー(税込み)。ルピー建てで請求され、クレジットカード、デビットカード、UPI(インドの即時決済ネットワーク)で支払える。 使えるモデルは自社のGrok 4.5とComposer 2.5で、クラウドエージェント、iOSアプリ、プラグイン、MCP対応も含まれる。無料プランより使用量の上限が高い。 一方、OpenAIやAnthropicが提供する外部の最先端モデルや、Bugbot、Auto mode、Automations、Cursor SDKはProプラン専用(月額20ドル)だ。Startは自社モデルの範囲で完結する設計になっている。 Cursor Start vs Pro:機能の違い Start

ナデラ氏「AIコーディングツールに頼る企業は生き残れない」

AI

ナデラ氏「AIコーディングツールに頼る企業は生き残れない」

MicrosoftのナデラCEOが、企業がAIラボのコーディングツールに依存するリスクを警告した。消費者のデータには異なる物差しを当てている。 ブログから番組へ、概念から具体へ サティア・ナデラ氏(Satya Nadella)がCNNの「ファリード・ザカリアGPS」に出演し、企業がAIモデル提供者に依存する危うさを語った。番組は現地時間7月26日に放送された。 ナデラ氏は7月12日のブログで「逆情報パラドックス」を提唱し、企業がAIモデルに利用料と独自知識の二重の対価を払っていると警告していた。CNN出演ではさらに踏み込み、AIラボが提供するコーディングツールへの依存を批判している。AnthropicのClaude CodeやOpenAIのChatGPT Codexがその典型にあたる。 ナデラ氏はこれらを「ハーネス」(harness)と呼んだ。AIモデルを業務に組み込む実行環境のことで、これをモデル本体から切り離せという。 「ハーネスをモデルから分離し、コンテキストとメモリもモデルから分離すれば、複数のモデルをそれぞれの得意分野で使い分けられる。どのモデルがなくなっても、自

Microsoft、Outlookの検索に割り込むCopilotを撤回

Microsoft

Microsoft、Outlookの検索に割り込むCopilotを撤回

Outlookの検索欄にCopilotの提案を割り込ませる機能を、Microsoftが取りやめた。AI機能の撤回は同社としては異例だが、別の経路ではCopilot統合がむしろ加速している。 メールを探すだけなのに Microsoftは2026年4月、Outlookの検索メニューにCopilotを組み込むとMicrosoft 365ロードマップで告知した。検索欄にキーワードを入力すると、通常のメールやカレンダーの検索結果よりも上にCopilotの提案が表示される仕様で、6月から展開が始まっていた。 提案の中身は、AIが生成した検索候補と短い要約だ。Microsoftはこれを「文脈に応じた最適な検索結果」と位置づけていたが、実際にはメールを探したいだけのユーザーが、Copilotの提案をスクロールで飛ばさなければ目的の結果にたどり着けない状態が生まれた。 しかも、この機能を簡単にオフにする手段がなかった。対象はOutlook for Windows、Android、iOS、Webの全環境に及び、Outlook(クラシック)だけが当初から対象外だった。 異例の撤回 ロードマッ