量子コンピュータ
ノートPCが「量子超越」を覆した2026年、量子コンピュータの現在地
2026年は国連が定めた国際量子科学技術年にあたる。量子コンピュータをめぐる期待と現実の距離が、この1年半で急速に変わり始めている。 量子超越はどこへ行ったのか 2019年、Googleは量子プロセッサSycamoreが古典的なスーパーコンピュータで1万年かかる計算を200秒で終えたと発表した。量子コンピュータが古典コンピュータに対して圧倒的な計算能力を示す「量子超越(quantum supremacy)」の実証とされ、世界的なニュースになった。 ところが2026年5月、その前提を揺るがす論文がScienceに掲載された。 サイモンズ財団フラットアイアン研究所とボストン大学の研究チームが、量子コンピュータでしか解けないと主張されていた数百量子ビットの相互作用シミュレーションを、古典コンピュータで解いてみせた。テンソルネットワークと呼ばれる数学的圧縮技術と、1980年代の「ビリーフ・プロパゲーション(belief propagation)」アルゴリズムを組み合わせた手法だ。 驚くべきは、初期計算の一部が個人用のノートPCで実行されたという点にある。スーパーコンピュータですらな