OneDriveの削除ファイル、5月からローカルごみ箱に残らなくなる
ある日、消したはずのファイルを復元しようとして、ごみ箱を開く。そこに、あるはずのファイルがない。来月から、これが現実になる。
ある日、消したはずのファイルを復元しようとして、ごみ箱を開く。そこに、あるはずのファイルがない。来月から、これが現実になる。
クラウド削除がローカルに反映されなくなる
MicrosoftがOneDriveの同期方式を変更する。2026年5月以降、クラウド上で削除されたファイルは、同期しているPCのごみ箱(Windows)やゴミ箱(macOS)に表示されなくなる。
これまでの仕組みでは、OneDrive上でファイルを消すと、ローカルにも「削除」として反映され、ごみ箱からいつでも復元できた。この安全網が取り払われる。
クラウドで削除されたファイルがローカルに同期されている場合、そのファイルはローカルディスクから直接削除され、ローカルのごみ箱には表示されません。復元はOneDriveまたはSharePointのWebごみ箱から行ってください。
Microsoft 365管理センターに掲載されたメッセージ(MC1269861)には、こう記されている。
パフォーマンス向上が目的、だが代償もある
Microsoftはこの変更の理由を「同期パフォーマンスの向上」と「ファイル復元の予測可能性向上」としている。
大量のファイルライブラリを持つユーザーの同期パフォーマンスが向上し、削除操作が高速化されます。復元は単一のWebごみ箱に集約され、よりシンプルで予測可能になります。
Microsoftの説明によれば、これがメリットだという。だが、見落としてはいけない点がある。これまで何気なく使っていた「ローカルごみ箱からの復元」という習慣が通用しなくなるのだ。
ファイルを復元したければ、ブラウザでOneDriveまたはSharePointにアクセスし、Webのごみ箱を開く必要がある。オフライン環境やサインアウト状態では、復元がすぐにできない。
93日間の猶予、ただし自動削除
救いがあるとすれば、Webごみ箱の保持期間だ。個人アカウントでは30日間、職場・学校アカウントでは最大93日間、削除されたファイルが保持される。この期間を過ぎると、ファイルは完全に消える。
ただし、この猶予期間も万能ではない。ランサムウェアや誤操作でファイルが大量に消された場合、OneDriveだけに頼っていると対処が難しくなる可能性がある。OneDriveはあくまで同期サービスであり、完全なバックアップソリューションではないという認識が重要だ。
管理者にオプトアウトの選択肢なし
企業のIT管理者にとって気がかりなのは、この変更を拒否する手段がないことだろう。
管理者のアクションは不要です。この変更に対する管理者設定やオプトアウトはありません。
Microsoftの通知にはこう書かれている。「アクション不要」と言えば聞こえはいいが、裏を返せば「変更を止める手段もない」ということだ。
ロールアウトは2026年5月上旬から始まり、5月末までに完了する予定。Worldwide、GCC、GCC High、DoDの全テナントが対象となる。
ローカル削除は従来通り
一点、安心材料もある。ローカルで削除したファイル、つまりPCのエクスプローラーやFinderから直接削除したファイルは、これまで通りローカルのごみ箱に残る。変更の影響を受けるのは、あくまで「クラウド側で発生した削除」がローカルに同期されるケースだ。
とはいえ、どこで削除したかを常に意識しているユーザーがどれだけいるだろうか。
スピードと引き換えに、ひとつの安全網が消える。拒否権はない。バックアップ体制を見直すなら今だ。
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