Floorp長時間で重くなる原因──独自機能のメモリリーク

Floorp長時間で重くなる原因──独自機能のメモリリーク
Floorp

Floorpを使い続けていると、ある時点からブラウザ全体が急激に重くなる。再起動すれば直るが、しばらくするとまた同じ症状に陥る。心当たりのある人は、少なくない。


「使うほど重くなる」報告が積み上がっている

Firefoxベースの国産ブラウザFloorp。垂直タブ、ワークスペース、ウェブパネルといった独自機能で人気を集めてきたが、長時間使用時のパフォーマンス劣化という厄介な問題を抱えている。

GitHubのIssue #1440では、「毎日、作業の途中から劇的に重くなり、フリーズに近い状態になる」という報告が上がった。使い続けるほど悪化し、再起動でしかリセットできない。タブのアンロード機能を有効にしていても改善しなかったという。

[Bug]: Opening and closing tabs causes long browser freezes. · Issue #1440 · Floorp-Projects/Floorp
Pre-Submission Checklist I have checked the existing/closed issues to ensure this issue has not already been reported. I am using the latest supported version of the browser. I have tried disabling…

別のIssue #1416では、新しいタブを開くだけでCPU使用率が170〜180%まで跳ね上がり、ブラウザ全体がフリーズするという深刻な報告もある。拡張機能をすべて無効化し、新規プロファイルで試しても再現したという点が厄介だ。つまり、ユーザー側の設定の問題ではなく、ブラウザ本体に起因している可能性が高い。

犯人はFloorpの「売り」だった

原因の切り分けを進めた複数のユーザーが、共通して指摘しているのがFloorp独自機能だ。

Issue #1416の報告者は、ワークスペース機能を無効化したところ症状が止まったと述べている。タブを「仕事用」「趣味用」などのグループに分けて管理できるFloorpの看板機能だが、その内部処理がリソースを蝕んでいた。

v11.13.3のリリースノートでは「ウェブパネルによってメモリリークが発生する」問題が公式に修正項目として記載された。開発側もこの問題を認識していたことになる。

ウェブパネルはサイドバーに任意のWebページを常駐表示できる機能で、これもFloorp独自のものだ。便利な機能ほど、裏で静かにメモリを食い続ける。ユーザーが気づく頃には、ブラウザ全体が息をしていない。

Floorpを選ぶ理由になった独自機能が、Floorpを使い続けられなくなる原因になっている。

今すぐ試せる切り分けと対処

Floorp動作改善──切り分けの優先順位
対処法 ターゲット 期待効果
1 ウェブパネル停止 メモリリーク 劇的改善の可能性大
2 ワークスペース無効化 CPU負荷 症状消失の報告あり
3 about:memory 未解放メモリ 数秒で効果(応急処置)
4 about:performance タブ・拡張機能 リソース消費の犯人特定
5 タブスリープ有効化 非使用タブ 継続的なメモリ抑制
優先度1・2はFloorp独自機能が原因。公式リリースノートでメモリリーク修正歴あり(v11.13.3)

まずバージョンを確認してほしい。最新はv12.12.0(2026年3月26日リリース)。Floorp 12ではESRベースからRapid Releaseベースに移行しており、Firefox本体の修正が早期に反映されるようになった。古いバージョンを使い続けているなら、アップデートだけで改善する可能性がある。

それでも症状が続く場合、以下の順序で切り分けを進めるのが効率的だ。

ウェブパネルの停止

メモリリークの主犯として公式に修正歴がある。ウェブパネルに常駐させているページがあれば、すべて閉じて半日ほど様子を見る。これだけで劇的に改善するケースがある。

ワークスペースの無効化

複数のユーザーが症状の消失を報告している。ワークスペースを使っていない場合でも、機能自体がバックグラウンドでリソースを消費している可能性がある。

使用中のワークスペースを含め、一度すべて無効化して様子を見るのが確実だ。

about:memoryでの手動メモリ解放

アドレスバーに about:memory と入力し、「Minimize memory usage」ボタンを押す。Firefox由来の機能で、使われていないメモリを即座に解放する。

根本解決ではないが、数秒で効果が出る応急処置として覚えておいて損はない。

about:performanceでの犯人特定

about:performance を開くと、どのタブや拡張がどれだけリソースを消費しているかが一覧で表示される。意外なタブが暴走していることは珍しくない。

拡張機能も見落とせない。Dark Readerのようなページ全体を書き換える拡張は、ページ読み込みのたびに追加処理が走る。Floorpの独自機能と拡張機能の負荷が重なると、症状が加速する場合がある。

タブスリープの有効化

設定のパフォーマンス項目から、一定時間使っていないタブを自動でスリープさせる機能を有効にできる。メモリ消費を継続的に抑える効果がある。

開発体制という、もう一つの問題

パフォーマンス問題──原因機能と開発対応状況
原因機能 確認された症状 公式修正歴 Issue状況
ウェブパネル メモリリーク
(長時間で悪化)
あり
v11.13.3
P5 / Closed
(not planned)
ワークスペース CPU 170〜180%
ページ読込遅延
なし P5 /
unconfirmed
拡張機能連携 独自機能との
負荷重複
P5=「開発者は対応しない。パッチの提供は歓迎」。CPU数値はGitHub Issue #1416の報告による

技術的な対処法は存在する。だが、技術とは別の問題がある。

これらのパフォーマンス関連Issueの多くには、P5というラベルが付いている。その意味は「Developers do not respond, only patches are welcome」──開発者は対応しないが、パッチの提供は歓迎する、というものだ。

[Bug]: Major performance issue while loading new pages · Issue #1416 · Floorp-Projects/Floorp
Pre-Submission Checklist I have checked the existing/closed issues to ensure this issue has not already been reported. I am using the latest supported version of the browser. I have tried disabling…

Issue #1440に至ってはClosed as not planned、つまり対応予定なしとしてクローズされている。

ユーザーにとって深刻な問題が、開発ロードマップの外に置かれている格好だ。

Floorpは未踏IT人材発掘・育成事業にも採択された意欲的なプロジェクトだ。MCP対応やChrome拡張サポートなど、新機能の開発は活発に進んでいる。だが、既存の安定性に関する問題が後回しになっているように見える点は気になる。

Floorp 12では、OS APIやWebスクレイパー、禅モードといった新機能が次々と追加されている。開発リソースが限られる中で新機能に注力する判断は理解できなくもない。だが、日常的にブラウザを使うユーザーにとっては、新機能よりも「落ちないこと」「固まらないこと」のほうがはるかに切実だ。

どこまで付き合うか

Floorpの独自機能は、ほかのFirefox派生ブラウザにはない魅力を持っている。ワークスペース、ウェブパネル、ネイティブのマウスジェスチャー。どれも「あったらいいな」を形にしたものだ。

ただ、それらの機能が安定して動かないなら、選択肢を見直すタイミングかもしれない。素のFirefoxに戻る、あるいは同じくFirefoxベースで安定性を重視するWaterfoxに移る。どのブラウザにも一長一短はあるが、「使い続けるほど重くなるブラウザ」を我慢して使い続ける理由は、そう多くない。

まずは切り分けを試してみてほしい。ウェブパネルを閉じるだけで解決するなら、それに越したことはない。


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