セキュリティ
写真のピースサインから指紋を復元する技術 生体認証リスクと対策
自撮り写真のピースサインから指紋が復元できる――AIの進化は、パスワードより安全とされてきた生体認証の前提を揺さぶり始めている。歩行パターン、虹彩、声。変えられない「自分自身」が漏れるリスクを整理する。 自撮りの指が語る情報 2026年4月、中国のテレビ番組で金融専門家のリー・チャン(Li Chang)氏が実演した内容が波紋を広げている。タレントの自撮り写真を画像編集ソフトとAIツールで処理したところ、指紋の隆線が浮かび上がった。 カメラから1.5メートル以内でレンズに指を向けていれば、指紋を高い確率で復元できる。1.5〜3メートルの距離でも、手の細部の約半分は回復可能だという。中国科学院大学の暗号学教授ジン・ジーウー(Jing Jiwu)氏も、高解像度カメラで撮影されたポートレートなら、ピースサインから手の詳細を再構成できる可能性を認めている。 指紋は顔と同じく変更できない生体情報だ。一度漏れれば、パスワードのようにリセットはできない。 この問題は2017年に国立情報学研究所(NII)の越前功教授の研究チームが指摘していた。写真から3メートル離れた位置でも指紋を読み取れる