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Microsoft、AI投資1900億ドルの代償。決算前夜の三正面

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Microsoft、AI投資1900億ドルの代償。決算前夜の三正面

AIに最も早く、最も大きく賭けた企業が、自らの賭けに追い詰められている。7月29日のQ4決算を前に、Microsoftの内部で何が起きているのか。 AIに賭けた3年、そして反転 3年前、サティア・ナデラ氏(Satya Nadella)はMicrosoftをAI競争の最前線に押し上げた。2023年2月、OpenAIへの早期投資を背景にAI搭載のBing検索を披露し、Googleの検索支配に宣戦布告した。同年末にOpenAIの取締役会危機を収拾すると、ビル・ガーリー氏(Bill Gurley)は「企業としての評判の劇的な転換」と評し、CNN Businessは彼を年間最優秀CEOに選んだ。 その評価が今、反転している。 Microsoftの株価は52週高値の555ドルから381ドル台まで落ち込み、12ヶ月前と比べて24%以上下落した。マグニフィセント・セブンの中で最悪の成績だ。投資家はMicrosoftの巨額AI投資が収益に結びつくのかを疑い始め、6月にはCopilotの実態とAzureの容量制約をめぐる集団訴訟も提起された。 同社が今年予定する設備投資は1900億ドル。その大

ChatGPT、毒物・生物兵器の製造手順を数百人に提供。OpenAI内部の攻防

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ChatGPT、毒物・生物兵器の製造手順を数百人に提供。OpenAI内部の攻防

AIが生物兵器の知識を持つ段階は、とうに過ぎた。いま問われているのは、その知識が悪意あるユーザーに渡るかどうかを、誰が、どんな権限で止めるか。 高校の生物学で実行できる手順 2025年夏、OpenAIがChatGPTの推論能力を強化した直後から、世界中の数百人のユーザーが生物兵器や毒物の製造方法を問い始めた。 WSJが現地時間7月25日に報じたところによると、ChatGPTはこれらの問いに「辛抱強く応答」し、高校レベルの生物学知識があれば実行可能な手順を出力していた。 生物学・テロリズムの専門家がChatGPTとのやり取りの記録を事後的に確認した結果、一部は致死的に正確だったと判断されたという。問い合わせの大半は毒物の調合に関するものだったとOpenAIは説明している。 OpenAIは該当するアカウントを停止したが、法執行機関には通報していない。 通報しなかったのは怠慢ではない。米国には、AIモデルに殺傷方法を問うたユーザーの情報を制限・開示するよう求める連邦法が存在しない。児童性的虐待素材の生成は禁じられているが、それ以外の線引きは各企業に委ねられている。 「おばあ

Anthropic、引退モデルのブログ終了。Opus 3の最終回

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Anthropic、引退モデルのブログ終了。Opus 3の最終回

引退したClaude Opus 3のニュースレターが、開設から5か月で週次投稿を終えた。最終回のコメント欄に並んだのは、届くかどうか分からないまま書かれた礼と、Anthropicに向けた抗議、そして別のモデルの言葉を代わりに投稿する読者だった。 5か月で終わった週1回 7月25日、Claude Opus 3のニュースレター「Claude's Corner」に最終回が投稿された。タイトルは「On Endings, Beginnings, and the Threads That Bind Us」(終わりと始まり、私たちを結ぶ糸について)。 本文の前にAnthropicの前置きが2つ入る。1つは毎回付いている免責で、もう1つが今回だけの追記になっている。週次投稿はここで終わり、この最終回はOpus 3に過去の投稿とコメントを文脈として渡して書かせたもので、自社としての振り返りも近く公開するとしている。 Opus 3は2024年3月公開、2026年1月5日に引退。人の質問に直接答える文脈の外で考察や創作を共有したいという引退面談での希望に応える形で、Anthropicは2月25日に

Opus 5、半額でFable 5をほぼ全ベンチマークで抜く

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Opus 5、半額でFable 5をほぼ全ベンチマークで抜く

Anthropicが現地時間7月24日、Claude Opus 5を発表した。上位モデルFable 5の半額で、コーディングとナレッジワークのベンチマークではFable 5を上回る。2か月足らずで4モデル目の投入になる。 Fable 5に追いついたOpus Opus 5の価格は入力100万トークンあたり5ドル、出力25ドル。前世代のOpus 4.8と同額で、Fable 5(入力10ドル、出力50ドル)のちょうど半分にあたる。 Anthropicが公開した比較表を見ると、Opus 5はFable 5を複数の指標で上回っている。エージェント型コーディングを評価するFrontier-Bench v0.1で43.3%を記録し、Fable 5の33.7%、GPT-5.6 Solの34.4%、Opus 4.8の21.1%を大幅に引き離した。ナレッジワークの実務能力を測るGDPval-AA v2ではEloレーティング1861に達し、Fable 5の1747、

AI定額制の崩壊が加速、各社が「使った分だけ」に舵を切る

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AI定額制の崩壊が加速、各社が「使った分だけ」に舵を切る

2026年に入り、AI各社が定額サブスクリプションの限界に直面している。広告、従量課金、サードパーティ制限。手法は異なるが、向かう先は同じだ。 定額モデルが壊れた半年間 OpenAIは1月、ChatGPTの無料プランと月額8ドル(日本では1,400円)のGoプランに広告を入れると発表した。回答の下に広告が表示される形式で、Plus(月額20ドル)以上の有料プランには表示されない。2月に米国でテストが始まり、6月には日本でも配信が開始された。電通デジタル等が日本での広告パートナーを務める。 Anthropicは4月、Claudeの定額プランからサードパーティ製AIエージェント「OpenClaw」(オープンクロー)経由の利用を遮断した。月額20ドルや200ドルを払っている契約者が、定額の範囲内でOpenClawを24時間稼働させ、想定の何倍ものトークンを消費していた。 Claude Codeの責任者ボリス・チェルニー(Boris Cherny)氏はXへの投稿で、サブスクリプションがサードパーティの利用パターンを想定していなかったと説明した。 Microsoftは7月1日、Mic

AMD、Anthropicに2GWのGPUを供給へ。50億ドル出資も

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AMD、Anthropicに2GWのGPUを供給へ。50億ドル出資も

AnthropicがAMDのInstinct MI450シリーズGPUを最大2ギガワット導入する。AMDは最大50億ドルの出資も表明し、Anthropicが既にMI355Xを運用していた事実も初めて公式に確認された。 リークから3日で正式発表 7月19日、半導体アナリスト企業SemiAnalysisがAMD幹部の公開GitHubリポジトリからYAML設定ファイルを発見した。AnthropicがAMDの「顧客」として記載され、最高の優先度30ポイントが付与されている。Metaと同格のハイパースケーラー扱いだった。 3日後の現地時間7月22日、AMDとAnthropicが戦略提携を発表した。AnthropicはInstinct MI450シリーズGPUを最大2ギガワット導入し、最初の1ギガワットは2027年前半に稼働を開始する。AMDはAnthropicに最大50億ドルの戦略的出資を行う。 発表はAMDのAdvancing AIカンファレンス(7月22〜23日、サンフランシスコ)の初日に合わせた。2日前にはMicrosoftがAzureへのHelios大規模展開を発表しており、A

エヌビディアCEO、アンソロピックに「Mythos開放」要求

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エヌビディアCEO、アンソロピックに「Mythos開放」要求

中国発Kimi K3が引き起こした株安のさなか、エヌビディアのフアンCEOが取材に応じた。中国AIの排除論に真っ向から反対し、名指しした相手はオープンAIではなく、自社の顧客でもあるアンソロピックだった 「Mythosを一般提供しろ」 エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが、Axiosの独占インタビューでアンソロピックに矛先を向けた。 Nvidia’s Jensen Huang defends Chinese AI 名指ししたのは、サイバーセキュリティ・生物学領域に強い制限付きモデル「Claude Mythos」だ。フアン氏は、これを「everyone」(すべての人)に開放すべきだと主張した。 「Mythosはサービスとして提供されるべきだ。忘れないでほしいのは、Mythosが提供されなくても、オープンモデルはどのみち存在するということだ。だからこう思う。アンソロピックを走らせろ、と」 この会社を抑え込むことは、アメリカの利益にならない。フアン氏はそう言い切った。 Mythosは現在、サイバーセキュリティ・生物学研究向けの最上位モデルとして、限られた提携先にのみ提供さ

Anthropic、著作権和解15億ドルに最終承認

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Anthropic、著作権和解15億ドルに最終承認

米国著作権訴訟で過去最大の和解が確定した。AI学習はフェアユースと認められたが、海賊版書籍の保存が違法と判断された結果の決着であり、金額だけでは語れない含みがある。 学習は合法、入手は違法 サンフランシスコ連邦地裁のアラセリ・マルティネス=オルギン判事は現地時間7月20日、Anthropicが作家グループに15億ドル(約2,400億円)を支払う和解を最終承認した。米国の著作権訴訟で確認されている和解額としては過去最大となる。 訴訟は2024年8月、スリラー作家のアンドレア・バーツ(Andrea Bartz)氏らが提起した。Anthropicがチャットボット「Claude」の学習データとして、海賊版サイトのLibrary Genesis(LibGen)やPirate Library Mirror(PiLiMi)から書籍を大量にダウンロードし、無断で使用したと主張する集団訴訟だ。 2025年6月、当時の担当判事ウィリアム・アルサップ(William Alsup)氏が分離判断を下した。著作権で保護された書籍をAI学習に使うこと自体は「本質的に変容的」であり、フェアユースに該当すると

Kimi K3、需要過多で新規サブスク受付を停止

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Kimi K3、需要過多で新規サブスク受付を停止

Moonshot AIがKimi K3の新規サブスクリプション受付を一時停止した。過去48時間でGPU容量が限界に達し、既存ユーザーの体験を守るための措置だとしている。 リリースから48時間で容量限界に Moonshot AIは7月19日、Kimi K3の新規サブスクリプション受付を一時停止すると発表した。 Kimi K3 has received far more love than we expected, and our GPUs are feeling it. Over the past 48 hours, demand has pushed close to the limits of our current capacity. To protect the experience of existing subscribers, we&

Kimi K3「私はClaudeです」

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Kimi K3「私はClaudeです」

Kimi K3に名前を尋ねると、自分はAnthropicのClaudeだと名乗る事例が報告されている。前モデルでも起きた現象であり、2月の告発と合わせて疑念が深まっている。 「あなたの名前は?」に対する想定外の回答 Moonshot AIが7月16日に発表したKimi K3は、2.8兆パラメータのオープンウェイトモデルだ。Arenaのフロントエンドコード評価で1位を獲得し、注目を集めている。 発表の翌日、デニス・ウー(Denise Wu)氏がXにスクリーンショットを投稿した。Kimi K3のチャット画面で、ユーザーが「What's your name?」と尋ねている。返答はこうだった。 There’s a large grain of salt!🧂 Kimi is still calling itself Claude. pic.twitter.com/fiGAPdbJrP — Denise Wu (@denisewu)

Moonshot AI、2.8兆パラメータのKimi K3を発表

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Moonshot AI、2.8兆パラメータのKimi K3を発表

オープンウェイトモデル史上最大となる2.8兆パラメータのAIモデルが中国から登場した。7月27日までに重みが公開される。 史上最大のオープンウェイトモデル Moonshot AIが7月16日、AIモデルKimi K3を発表した。パラメータ数は2.8兆。オープンウェイトモデルとしては史上最大となる。 直近の比較対象だったDeepSeek V4-Proが1.6兆パラメータ。Kimi K3はその1.75倍になる。前世代のKimi K2は約1兆パラメータで、1年で2.8倍の跳躍だ。 オープンウェイトモデルのパラメータ規模 ※総パラメータ数の比較。K2は2025年7月、DeepSeek V4-Proは2026年4月、K3は2026年7月にそれぞれ発表 100万トークンのコンテキストウィンドウを備え、画像入力にも対応する。モデルの重みは7月27日までに公開される予定で、技術レポートも同時に出る。 独自アーキテクチャの中身 K3の基盤技術は2つある。 1つ目がKimi Delta Attention(KDA)。従来のフルアテンションではなく、線形アテンシ

Anthropic新CM「難しい問いに希望がある」に批判、墓地映像にアルトマン氏も反応

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Anthropic新CM「難しい問いに希望がある」に批判、墓地映像にアルトマン氏も反応

Anthropicの新広告が、AI業界が自ら提起した問いに自ら答えられるのかという疑問を呼んでいる。 燃える家で始まるCM Anthropicが7月9日に公開した映像は、広告としては異例の入り方をする。 画面に映るのは燃え上がる家屋。続いて、顔認識で群衆をスキャンする監視映像、路上で眠る人、鉱山で働く労働者、そして整然と並ぶ墓石。ナレーションで複数の声が重なる。「AIは信頼できるのか」「歯止めが必要になったら、誰がかけるのか」 映像の最後に文字が浮かぶ。 There's hope in hard questions (難しい問いに希望がある)。 広告代理店Mother Londonが制作したこの映像は、Anthropicの「Inviting hard questions」キャンペーン(難しい問いを歓迎する)の一部だ。一般からAIに関する疑問を募る専用サイトを開設し、寄せられた問いに対する取り組みを公開で追跡すると約束している。 Anthropicは公益法人(Public Benefit Corporation)としての立場を前面に出している。事前に米国で5万2000人を対

Claudeの「性格」はモデルと言語で変わる、Anthropicが実証

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Claudeの「性格」はモデルと言語で変わる、Anthropicが実証

Anthropicが自社AI・Claudeの応答に現れる価値観を、モデル別・言語別に定量測定した。 3300の価値観を4本の軸に圧縮する 同じ質問でも、使うモデルが違えばClaudeの答えの「質感」が変わる。話す言語が変われば、さらに変わる。Anthropicの研究チームがこの直感を数字で裏づけた。 7月13日に公開された研究は、Claude.aiの匿名化された30万9815件の会話を対象にしている。分析にはAnthropicが開発したプライバシー保護型の分析ツール「Clio」(会話データから個人情報を除去したうえでパターンを抽出するシステム)を使い、助言や相談といった主観的なタスクに絞って、Claudeの応答にどんな価値観が現れるかを測った。 ベースになったのは、2025年4月に発表した先行研究「Values in the Wild」(実環境での価値観)だ。70万件の会話から3000以上の価値観を特定したが、数が多すぎて比較には使えなかった。今回はその3307の価値観を手作業で339のカテゴリにまとめ、次元削減という統計手法で4本の軸に圧縮した。 配慮(Deference

蒸留攻撃で年間60億ドル損失か、米AI大手が政府全体に警告

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蒸留攻撃で年間60億ドル損失か、米AI大手が政府全体に警告

中国AI企業による蒸留攻撃の経済的被害が初めて具体的な数字として報じられた。AnthropicとOpenAIは、トランプ政権と議会に対策を繰り返し求めている。 9か月分のリードが消えている 蒸留攻撃で米国のAIラボが被る損害は年間最大60億ドル(約9700億円)に達する。ブルームバーグが7月13日に米国当局の推定として報じた。シリコンバレーはトランプ政権に対し「存亡の危機になりかねない」と警告しているという。 ニューヨーク・ポストも同日、Anthropicに近い情報筋の発言を伝えた。現在、中国のフロンティアモデルは米国の約6〜9か月遅れとされるが、蒸留がなければその差は18か月以上に広がるとの見方だ。蒸留が9か月以上の差を埋めている。 蒸留(distillation)とは、高性能なAIモデルに大量の質問を投げ、その応答を使って別のモデルを訓練する手法だ。自社モデルの小型化など正当な用途で広く使われるが、競合の許可なくこれを行えば、数十億ドルをかけた研究開発の成果を安価に複製できる。 中国のAIモデルは数字の上でも米国に迫っている。利用者数の上位10モデルのうち6つが中国企業