Linux
Valve開発者の旧GPU改善、Linux 7.3でカーネルに到達
Radeon HD 7000シリーズからPolaris世代までのGPUに、Vulkanコンポジタとの統合に必要な機能がLinux 7.3で加わる。
Linux
Radeon HD 7000シリーズからPolaris世代までのGPUに、Vulkanコンポジタとの統合に必要な機能がLinux 7.3で加わる。
Linux
Huaweiのエンジニアが内製GPUのVulkanドライバをMesaに統合したいとメーリングリストに投稿した。ただしGPU ISAは公開できず、シェーダコンパイラはバイナリブロブで配布するという条件付きだ。
GCC
GCC運営委員会がAIポリシーの勧告を正式に受け入れた。著作権上重要な規模のLLM生成コードは受け付けない。ただしテストケースは例外とし、2027年初頭に見直す。 3ヶ月の検討を経た結論 GCC(GNU Compiler Collection)の運営委員会が現地時間7月29日、AIポリシー作業部会の勧告を受け入れたと発表した。 4月に設立された作業部会は、Red Hatのジョナサン・ウェイクリー(Jonathan Wakely)氏がリーダーを務めた。メンバーはカルロス・オドネル(Carlos O'Donell)氏やスダクシナ・ダス(Sudakshina Das)氏ら7名。約3ヶ月の検討を経て勧告がまとまった。 採択されたポリシーの骨子を整理する。 GCCは当面、LLM生成コンテンツを含む、またはそこから派生した「著作権上重要な」貢献を拒否する。 ここでいう「著作権上重要」(legally significant)とは、GNUプロジェクトのメンテナーガイドラインに定められた基準で、おおむね15行のコードまたはテキストが閾値になる。 15行を超える貢献にはFSF(フリーソフ
Linux
RustとAIで一から書かれたX11サーバーyserverが、バージョン1.4でGPU加速とKDE Plasmaの動作確認を果たした。6月の公開から2か月足らずで、外部から3人の開発者がパッチを送るプロジェクトになっている。 ChromeとSteamが動いた理由 yserver 1.4の目玉は、GLXピクセルバッファの実装だ。 従来のyserverでは、ChromeやSteamのようなGPU加速を前提とするアプリケーションが描画を正しく処理できなかった。ピクセルバッファがソフトウェア側で処理されており、GPUのピクスマップに紐づいていなかったためだ。1.4ではこの処理を改め、GLXピクセルバッファを実際のGPUピクスマップで裏付ける実装に切り替えた。 これにより、ChromeとSteamでWebGLが動作するようになった。 ただし完全ではない。ChromeでGPUパスが有効になったことで、メニューの描画が一部黒く表示される不具合が確認されている。Steamのメニュー描画にも同じ問題が波及しており、開発者のヨス・デハース(Jos Dehaes)氏はWebGLの有効化コミットを
FreeBSD
ユーザーランドからのGPL除去は完了したが、カーネルの中にはLinuxから持ち込まれたGPLコードがまだ存在する。FreeBSD Wikiの「Mission accomplished!」は修正された。 「Mission accomplished!」の訂正 FreeBSD 16の開発ツリーからGPLコードが「全て」除去された。2週間前のことだ。dialogの退役でgnu/ディレクトリが空になり、FreeBSD WikiのGPLinBaseページには「Mission accomplished!」(任務完了!)の文字が掲げられた。 その文言が修正されている。 変更前は「FreeBSD is 'free' from ANY GPL code in its Base System」だった。変更後は「FreeBSD's userland is 'free' from ANY
Vulkan
LinuxのAMD向けオープンソースVulkanドライバが、Windowsへの上陸を試みている。すでにCounter-Strike 2が動いた。 Steam Deckを支えるドライバ、Windowsに向かう RADVはMesaプロジェクトのオープンソースVulkanドライバだ。AMD製GPUに対応し、Linuxでは事実上の標準Vulkanドライバとして定着している。Steam Deckの描画を担い、Valveのゲーム基盤を支える中核技術でもある。 AMDは自社のPAL(Platform Abstraction Library)ベースの代替ドライバを廃止し、オープンソースのMesaに開発資源を集約した。AMD自身がRADVを公式ドライバとして認めている。 Windowsでは事情が異なる。AMDユーザーが使えるVulkanドライバはAMD純正の非公開ドライバに限られる。ここに、Valveの出資を受けたCollaboraのエンジニアが挑んでいる。 Collaboraは現地時間7月28日、RADVをWindowsに移植する実験的な取り組みの成果を公開した。Counter-Strik
Linux
Swiftで書かれたシェル、Cによる独自のWaylandコンポジター、X11サーバーまで内蔵。1人の開発者がClaudeと6カ月で組み上げたLinuxデスクトップ環境「Starling」が公開された。 ブラウザの中で動くデスクトップとは違う 「AIでデスクトップ環境を作った」という話は、これが初めてではない。 過去にも同様の試みはあった。ただ、その大半はブラウザのタブの中に描画されたデスクトップ風のUIか、起動画面だけ存在するモックアップか、自前のアプリしか動かない閉じたシステムだった。「AIが作った」という看板は派手でも、デスクトップとして使える段階には届いていなかった。 Starlingは違う。GPUを直接駆動し、ChromeやZoom、Slackをネイティブに動かす。ログイン画面から選んでサインインすれば、ログアウトするまでそれが自分のデスクトップになる。 開発者が公式サイトで示している判定基準は明快だ。デスクトップの本質的な仕事とは、見知らぬ他人が何年も前に書いたプログラムを、そのプログラム側が何も知らない環境の上で同時に動かすことにある。自作アプリだけが動くシステ
Linux
AMD CPUの周波数制御ドライバに、ゲーム中の周波数低下を防ぐ新機能が提案された。Steam Deckでの実測で、フレームレートの落ち込みが大幅に改善されている。 98%使っているのに、クロックが上がらない ゲームのメインスレッドは、毎フレーム短い待機を繰り返す。futex(スレッド間の同期に使われるLinuxの仕組み)やGPUフェンスで数ミリ秒ブロックされ、すぐに復帰して描画処理を再開する。CPUの利用率で見れば98%近い。 amd-pstateドライバのactiveモードで動作しているとき、この短い待機が問題になる。activeモードでは、カーネルがEPP(Energy Performance Preference)というヒント値をCPUに渡し、実際の動作周波数はCPU内部のファームウェアが自律的に決める。「省電力寄り」か「性能寄り」か、電力・温度の制約と照らし合わせて判断する仕組みだ。 スリープのたびにハードウェアの性能シグナルが減衰し、復帰後のバースト処理は低い動作点から始まる。次のスリープまでに周波数が上がりきらないまま、また減衰が起きる。Steam Deck(V
KDE
KDEのファイル操作基盤「KIO」に、小ファイルのコピー速度を最大18倍に引き上げる改修が入った。2014年から放置されていたバグがようやく閉じられる。 「cpの20倍遅い」、2014年から続いた苦情 KDEのバグトラッカーにbug 342056がある。「Ridiculously slow file copy (multiple small files)」(小ファイルのコピーが馬鹿げて遅い)。2014年12月、アレクサンダー・ネストロフ(Alexander Nestorov)氏が投稿した。 約300万個の小ファイルを含む15GBのフォルダをKDEでコピーすると5〜10時間。rsyncなら約20分。 コメント欄にはあるユーザーが「数ファイル以上のコピーにはいつもcpかrsyncを使う」と書き残している。Dolphinが好きでもファイルコピーだけはターミナルに頼る。そんな状態が11年間続いた。 同じ症状の重複バグは5件。 なぜDolphinは遅かったのか 原因はKIOにあった。 KIOはKDEのファイル操作を支えるライブラリで、Dolphinのコピー&ペーストからsft
Linux
Microsoftのセキュリティ製品がLinuxサーバーの防御を自ら解除した。影響ビルドは全対応ディストリビューションから撤去され、修正版が公開されている。 更新がセキュリティを消す Microsoft Defender for Endpoint on Linuxに、アップグレードまたは再インストール後の再起動でDefenderサービスが無効化されるバグが見つかった。影響を受けたのはビルド101.26042.0000から101.26042.0009で、サポート対象の全Linuxディストリビューションに及ぶ。Microsoftのリリースノートによると、影響ビルドは本番チャネルからすべて撤去され、新規インストールにも使えなくなっている。 アップグレードの過程でDefenderサービスの自動起動設定が失われ、再起動後にサービスが立ち上がらなくなる。端末はそのまま稼働を続けるが、保護は機能していない。mdatp healthコマンドで手動確認しなければ、管理者はこの状態に気づけない。 Defender for Servers(Plan 1/2)とDefender for Cloudを
GoogleChrome
3月に予告されていたGoogle ChromeのARM64 Linux対応が、公式発表のないまま形になった。Raspberry Piで実際に動く。 debパッケージはもう存在する Google Chromeのarm64 Linux版debパッケージが、Googleの公式リポジトリに入っている。OMG! Ubuntuのジョーイ・スネドン(Joey Sneddon)氏が発見し、自身のRaspberry Pi 5(Ubuntu 26.04 LTS)で動作を確認した。 Googleは3月12日、ChromeをARM64 Linuxに対応させるとChromiumブログで発表していた。提供時期は「Q2 2026」、つまり4〜6月。実際には7月下旬に入ってからの出現で、予告よりやや遅い。公式発表もまだない。 スネドン氏がRaspberry Pi 5でChromeのダウンロードページにアクセスしたところ、提示されたのはamd64版だった。arm64端末であることが認識されていない。ダウンロードURLのamd64をarm64に手動で書き換えることで、ネイティブのaarch64版を取得できたとい
Linux
Linuxカーネル7.2の5番目のリリース候補が公開された。前サイクルの7.1に続き、rc5としては2回連続で規模が膨らんだが、リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)氏は内容に懸念はないとしている。 2サイクル連続の「大きなrc5」 トーバルズ氏は現地時間7月26日、Linux 7.2-rc5のリリースを告知した。前サイクルでも同様にrc5が膨らんでおり、これが常態化しつつある。 ただし今回は事情が異なるという。ネットワーキングツリーが前週、カンファレンスの影響で作業を溜め込んでおり、今週分と合わせて一気に流れ込んだ。その結果、パッチ全体の3分の1以上がネットワーキングで占められた。大半はドライバ側の修正だ。 ドライバ全般では珍しい傾向も出ている。今回はUSB関連の変更がGPUドライバを上回った。サウンド、tty、ブロック、FireWireなどの修正も含まれ、ドライバの変更は広範囲にわたる。 ドライバ以外では、テスト基盤(selftest、perf)、ファイルシステム(SMB、Btrfs)、Rustコード、アーキテクチャ固有の修正、ドキュメントの更新が入ってい
Linux
KVMの仮想メモリ管理を担う構造体kvm_mmuが、3つの独立した構造体に分割される。Linux 7.3のマージウィンドウに向け、KVM.gitのnextブランチへのマージが完了した。 「god data structure」にチェーンソーを入れる KVMメンテナーのパオロ・ボンジーニ(Paolo Bonzini)氏が、kvm_mmu構造体のリファクタリングをKVM.gitのnextブランチにマージした。ブランチ名はkvm-chainsaw。Linux 7.2の安定版リリースが8月中旬から下旬に予定されており、その直後に開くLinux 7.3のマージウィンドウで提出される見通しだ。 ボンジーニ氏はコミットメッセージの中で、kvm_mmuを"god data structure"(何でもやる万能構造体)と呼んでいる。1つの構造体が3つの異なる仕事を抱えていた。ゲストページテーブルのフォーマット記述とウォーク(走査)、そしてシャドウページテーブルの構築だ。 nested_mmuという構造体がguest_mmuより先に実装され、より直感的な名前を奪ってしまった経緯もある。コード中の
AI
トーバルズ発言を受けて反AI陣営が勢いづいているが、その内部は政治と倫理で分裂している。 「AIお断り」の波が止まらない リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)が現地時間7月15日、Linuxカーネルのメーリングリストで「Linuxは反AIプロジェクトではない」と宣言した。AIに反対する開発者には「フォークするか、立ち去れ」と告げている。 トーバルズの立場は一貫して実用主義だ。AIは便利かどうかだけで判断すべきであり、倫理や社会的な議論はカーネル開発の領分ではないという姿勢を崩していない。 この発言はAI推進派を勢いづかせた。だが同時に、Linuxカーネルが公式に「反AIではない」と線を引いたことで、反AIを掲げるプロジェクトの存在意義がかえって際立っている。 実際、ここ数カ月でAI生成コードを拒否する動きは加速している。 ヨーロッパの非営利コードホスティングCodebergは、現地時間7月22日の会員投票で利用規約を改定した。賛成358、反対144で、生成AIで書かれたコードが大半を占めるプロジェクトのホスティングを禁止した。ホストされたコードやユーザーデ