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256KBのコードで64KBを初期化。怒ったエミュレータチームがやったこと

テクノロジー

256KBのコードで64KBを初期化。怒ったエミュレータチームがやったこと

Microsoftのベテランエンジニア、レイモンド・チェン(Raymond Chen)氏がまた、Windowsの内幕を一つ明かした。今回の舞台は、かつてWindowsに搭載されていたx86プロセッサエミュレータ。あるプログラムのあまりに酷いコードに義憤を覚えたチームが、エミュレーション中にそのコードを「修正」してしまったという話だ。 64KBの初期化に256KBを費やしたコンパイラ チェン氏が6月15日にブログ「The Old New Thing」で明かしたのは、x86以外のプロセッサでWindowsが動いていた時代のエピソードだ。具体的にどのプロセッサかは明かされていない。ただ、Windowsにはx86以外のアーキテクチャへ移植されてきた歴史がある。DEC Alpha、MIPS、PowerPC、Itanium、そして現在のARM64。そのたびに、x86アプリを動かすためのバイナリトランスレータが作られてきた。 問題のプログラムは、スタック上に約64KBのメモリを確保して初期化する必要があった。普通なら、スタックプローブで領域を確保し、小さなループで初期化する。数十バイトの命令

EdgeがGoogleアカウントに門を開く。6年越しの方針転換

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EdgeがGoogleアカウントに門を開く。6年越しの方針転換

Microsoft Edgeが、Googleアカウントでのサインインに対応する。7月の正式リリースを目標に、すでにBetaチャンネルでは機能が動き始めた。 「予定なし」から6年 Edgeでデバイス間の同期を使うには、Microsoftアカウントが必要だった。ブックマーク、パスワード、履歴、拡張機能、開いているタブ。すべてMicrosoftアカウントに紐づいている。Googleアカウントで日常を回しているユーザーにとって、この制約がEdgeを「試して結局Chromeに戻る」最大の理由だった。 要望自体は古い。Chromium版Edgeが登場した直後の2020年1月、Microsoft公式コミュニティで大量のリクエストが集まった。Microsoftの回答は明確だった。「GoogleサービスをEdgeに統合する予定はありません」。ステータスは"Not Planned"。ユーザーには「Gmailアドレスを使ってMicrosoftアカウントを作ればいい」という代替案が提示された。 それから6年。Microsoftは方針を180度転換した。 何が変わるのか Microsoft 36

AI企業への政府出資、閣僚2人の構想が割れる

AI

AI企業への政府出資、閣僚2人の構想が割れる

トランプ政権が検討するAI企業への政府出資案をめぐり、閣僚の間で資金の使い道が割れていることが明らかになった。Anthropicへの輸出規制が交渉の空気を壊し、業界の大半は拒否姿勢を崩していない。 「トランプ口座」か「政府系ファンド」か スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官とハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官が、政府がAI企業から取得する株式の使い道について異なる構想を持っていると報じられた。 ベッセント氏が支持するのは、AI企業の株式をトランプ口座の原資に充てる案だ。トランプ口座とは、2025年7月成立のOne Big Beautiful Bill Actで創設された18歳未満向けの税制優遇貯蓄口座だ。連邦政府が1人あたり最大1,000ドルの初期資金を拠出し、すでに400万人以上の子どもが登録している。AI企業の株式運用益をここに流し込めば「AIの恩恵を次世代に届ける」という政治的な絵が描ける。 一方のラトニック氏は、政府系ファンドへの充当を推している。重要鉱物のサプライチェーン確保を目的に複数の企業への出資を交渉してきた同氏

Xbox独占撤回の噂を幹部が否定。しかし問題は噂の真偽ではない

ゲーム

Xbox独占撤回の噂を幹部が否定。しかし問題は噂の真偽ではない

Xboxの最高戦略責任者マシュー・ボール(Matthew Ball)氏が、独占タイトルの方針撤回を巡る噂を正面から否定した。Gears of War: E-DayもClockwork Revolutionも独占のまま。方針転換の議論すら存在しないと言い切った。発言は明快だ。だがこの否定声明が必要になったこと自体が、今のXboxが抱える問題の輪郭を浮かび上がらせている。 9日間という距離 ボール氏の声明が出たのは現地時間6月16日。Windows Centralのジェズ・コーデン(Jez Corden)氏のXへの投稿に返信する形で、噂を全否定した。 These rumors are false. Gears of War: E-Day and Clockwork Revolution will stay exclusive. There are no conversations and have been no conversations to

Windows 11が隠すCPUブースト7段階制御、レジストリ1箇所で解放

Windows

Windows 11が隠すCPUブースト7段階制御、レジストリ1箇所で解放

ノートPCが熱い。ファンが回りっぱなし。あるいは逆に、もう少し性能を絞り出したい。答えはWindows 11の中にある。ただし、標準のUIからは見えない。 「最小」と「最大」しか見えない理由 電源オプションの「プロセッサの電源管理」を開いても、見える項目は「最小のプロセッサの状態」と「最大のプロセッサの状態」の2つだけだ。パーセンテージで上限と下限を決める、ざっくりとした制御しかできない。 だがWindowsは内部に、CPUのブースト挙動をもっと細かく制御する設定を持っている。名前は「プロセッサ パフォーマンスの向上モード」。CPUがブースト周波数にどれだけ積極的に入るかを、7段階で指定できる。 Microsoftがこの項目を隠しているのは、誤設定によるオーバーヒートや不安定動作を防ぐためだろう。ノートPCの発熱に悩んでいるなら、あるいはデスクトップでもう一段応答性を上げたいなら、知っておいて損はない。 レジストリ変更の手順 操作はレジストリエディターで値を1箇所書き換えるだけだ。 Win+Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、regeditと入力してエンター。以下

「コンテンツは王だ」と書いた男の会社が、王を潰しにかかっている

AI

「コンテンツは王だ」と書いた男の会社が、王を潰しにかかっている

1996年1月、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏はMicrosoftの公式サイトに短いエッセイを掲載した。タイトルは「Content is King」。冒頭の一文はこうだ。「インターネットで本当に金を生むのはコンテンツだと私は考えている。放送がそうであったように」。30年前、まだテキスト中心で回線も遅かったウェブの未来を、ゲイツ氏は正確に言い当てた。 その予言は現実になった。ブログ、ニュースサイト、動画配信、ポッドキャスト。コンテンツが検索エンジンを通じて読者に届き、広告収入でつくり手に還元される。このサイクルを土台に数十億ドル規模の産業が育ち、インターネット経済の基盤になった。 いま、そのサイクルが壊れ始めている。壊しているのは、ゲイツ氏が共同創業した会社を含む巨大テック企業群だ。 30年越しの裏切り Googleが検索結果の最上部にAI Overviewを導入したのは2024年5月。検索ページの一等地にAIが生成した要約を置き、ユーザーが元記事をクリックしなくても「答え」を得られるようにした。 影響は数字に出た。Chartbeatが2026年3月に公表したデータに

Surface新世代、性能も価格も一段上へ。Snapdragon X2搭載の代償

PC

Surface新世代、性能も価格も一段上へ。Snapdragon X2搭載の代償

2024年5月に初代Copilot+ PCとして登場したSurface ProとSurface Laptopが、2年ぶりにSnapdragon X2世代へ刷新された。GPU性能は最大58%向上し、NPUは80 TOPSに到達。だが、米国の最低価格は前世代の999ドルから1,499ドルへと500ドル跳ね上がった。日本での販売価格はSurface Proが29万1,280円から、Surface Laptopが29万1,890円から。性能向上の裏で、Surfaceはもはや「買いやすいPC」ではなくなりつつある。 Snapdragon X2で何が変わったか Microsoftが現地時間6月16日に発表したのは、Surface Pro(第12世代)とSurface Laptop(第8世代)の2機種。いずれもQualcommのSnapdragon X2 PlusとX2 Eliteを搭載し、前世代のSnapdragon X1から世代交代した。 Snapdragon X2は第3世代Oryonコアを採用した3nmプロセスのSoCで、NPUは前世代の45 TOPSから80 TOPSへ大幅に強化され

Copilot CoworkにDeepSeek検討。AIコスト高騰が生んだ矛盾

AI

Copilot CoworkにDeepSeek検討。AIコスト高騰が生んだ矛盾

Microsoftのエンタープライズ向けAIエージェント「Copilot Cowork」が6月16日、全世界で一般提供を開始した。あわせて明らかになったのが、従量課金制への移行と、中国DeepSeekのV4モデルを低コスト選択肢として検討中であるという事実だ。ホワイトハウスがAnthropicのFable 5に輸出規制をかけた、わずか数日後の発表になる。 トークンという名の燃料費 Copilot Coworkは、Microsoft 365の業務データを横断して複数ステップのタスクを自律実行するエージェントだ。内部にはAnthropicのClaude(Opus 4.8、Sonnet 4.6)を搭載し、メールの仕分け、リサーチ、資料作成までをバックグラウンドでこなす。3月の発表以降、Fortune 500の半数以上が利用し、Microsoftの「Frontierプログラム史上最速で成長した機能」と位置づけられている。 問題はコストだ。エージェント型AIはタスクを完了するまでモデルを繰り返し呼び出す。一問一答のチャットとは消費構造が根本的に違う。MicrosoftのCopilot担当

Teams効率モード6月末展開。映像品質を下げてメモリ節約へ

Microsoft Teams

Teams効率モード6月末展開。映像品質を下げてメモリ節約へ

Microsoft Teamsに「効率モード」(Efficiency Mode)が導入される。メモリやCPUに余裕のないPCを自動検出し、会議中の映像品質を引き下げることでリソース消費を抑える機能だ。Windows版・macOS版が対象で、既定で有効になる。展開は6月末までに完了する見通しだが、この機能が必要になった背景には、メモリ高騰と8GB PC回帰という業界全体の歪みがある。 効率モードで何が変わるか Microsoftがロードマップで公開した情報によると、効率モードの変更点は大きく2つある。 1つ目は会議中のカメラ映像の解像度が、端末のスペックに応じて 動的に引き下げられる こと。高画質なカメラを接続していても、出力はPC側の処理能力に合わせて自動調整される。メモリとCPUの負荷は下がるが、通話相手から見た映像は粗くなりうる。 2つ目は起動時の挙動。通常はチャット一覧をまとめて読み込むが、効率モードではチャットを事前選択せずに起動し、メッセージ欄には静止画像が表示される。初回ロードのデータ量を減らして起動を速くする仕組みだ。 効率モードが有効なとき、タイトルバーにイ

AIがGitHubを圧倒し、MicrosoftはAWSに頼った

AI

AIがGitHubを圧倒し、MicrosoftはAWSに頼った

AIコーディングツールの爆発的な普及でGitHubのインフラが限界に達し、MicrosoftがクラウドのライバルであるAWSから計算資源を調達したと報じられた。2027年までに自社のAzureへ全面移行する計画だったが、AI需要の伸びがその計画を追い越している。 年間10億が週2億7500万に変わった GitHubのコミット数は、2025年は通年で10億件だった。当時はそれだけでマイルストーンだった。 2026年4月、GitHubのCOOカイル・デイグル(Kyle Daigle)氏が公表した数字は次元が違った。週2億7500万件。年間換算で約140億件。前年比14倍。「成長が線形のままなら今年140億になる。ネタバレ:ならない」と同氏は付け加えている。 この爆発を引き起こしたのは開発者ではない。CursorやClaude CodeといったAIコーディングツール、そしてコードの生成・テスト・デプロイを自律的に行うAIエージェントだ。エージェントが開いたプルリクエストは2025年9月の約400万件から2026年3月には1700万件以上に達したと報じられている。GitHub Act

Anthropicの安全性は信念であり武器でもある

AI

Anthropicの安全性は信念であり武器でもある

Fable 5の停止劇には、ジェイルブレイクや輸出規制より深い話がある。テック戦略アナリストのベン・トンプソン(Ben Thompson)氏が、Stratecheryでその論理を読み解いた。氏はAnthropicの行動原理を「安全性という超能力」と呼ぶ。安全性への信念が本物であること自体が、この会社のあらゆる攻撃的な判断を正当化する構造になっているという指摘だ。 なぜ「危険すぎる」モデルを公開したのか Mythos Previewを「危険すぎて一般公開できない」と発表したのは4月のこと。その会社が2カ月後、ガードレール付き版のFable 5を公開した。公開3日でジェイルブレイクが見つかり、政府に止められた。しかもFableの公開は、6月1日にSECへIPOの秘密申請を行ったわずか8日後だ。評価額は約9650億ドル(約154兆円)、年間収益ランレートは470億ドル(約7兆5000億円)。この規模の企業が、政府と真正面からぶつかっている。 皮肉屋なら「自作自演」と言うだろう。しかしトンプソン氏が掘っているのはもっと構造的な話だ。 AIの最前線で経済的価値を吸い上げてきたのは、ここ

Xbox、複数スタジオに閉鎖通告。Showcaseから1週間で暗転

Xbox

Xbox、複数スタジオに閉鎖通告。Showcaseから1週間で暗転

6月15日、Xboxのスタジオ閉鎖と人事異動の情報が立て続けに報じられた。Ninja Theory、Double Fine Productions、Compulsion Gamesの3スタジオに閉鎖または独立の選択が突きつけられ、Xbox Game Studios責任者のクレイグ・ダンカン(Craig Duncan)氏が辞任。Arkane Lyonにも不安が広がっている。Xbox Games Showcaseからわずか1週間。「Xboxリセット」は数字の上の話ではなくなった。 6月15日に起きたこと まず時系列を整理する。 Xbox Game Studios責任者のダンカン氏が辞任を発表した。2011年、Rareに加わり、約14年間スタジオを率いたのち2024年11月にXbox Game Studios全体の責任者へ就任。在任期間はわずか約20か月だった。チーフ・オブ・スタッフのルイーズ・オコナー(Louise O'Connor)氏も同日にMicrosoftを離れている。後任が決まるまで、最高コンテンツ責任者のマット・ブーティ(Matt Booty)氏がスタジオ群を統括する。

AI投資の重さを隠した。MicrosoftがAzure失速で株主訴訟

AI

AI投資の重さを隠した。MicrosoftがAzure失速で株主訴訟

2026年1月29日、マイクロソフトの株価が1日で10%崩れ、時価総額約57兆円が吹き飛んだ。約5ヶ月後、ミシガン州の年金基金が「あの数字は正直ではなかった」という訴えを抱えて法廷に踏み込んだ。 AIに積み上げた設備投資、投資家への説明が争点に 現地時間6月13日、シアトル連邦地方裁判所に集団訴訟が提起された。原告はミシガン州セントクレアショアーズ市警察・消防退職年金基金。訴訟の対象期間は2025年5月1日から2026年1月28日まで。この間の投資家向け説明において、Azureの成長鈍化と、その背景にあるAIインフラへの巨額投資の実態を正確に伝えなかったというのが、原告の主張だ。 被告に名を連ねるのは、サティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOとエイミー・フッド(Amy Hood)CFOを含む複数の幹部。訴状によると、こうした幹部たちがCopilotの展開やOpenAIとの提携について過度に楽観的な描写を重ね、その陰でデータセンター建設に要する投資規模を意図的に小さく見せていたとされる。複数の決算発表、カンファレンス登壇、年次株主総会での発言が証拠として挙げられている

Windows 11「勝手にアカウント、勝手に暗号化」問題の本質

Windows

Windows 11「勝手にアカウント、勝手に暗号化」問題の本質

PCを買って電源を入れる。画面の指示に従って進めると、Microsoftアカウントでのサインインを求められる。スキップのボタンはない。ローカルアカウントで使いたい、あるいはそもそもアカウントなど持っていないという人にとって、この画面は壁だ。ローカルアカウントの選択肢が初期セットアップから消えて久しい。Microsoftの姿勢に変化の兆しが見えたかと思えば、結局はまた同じ議論に戻ってくる。 ローカルアカウント問題、また再燃 Redditに一つの投稿が立った。「初期セットアップにローカルアカウントの選択肢を戻してほしい」。Rufusやコマンドラインを使った回避策を教えるコメントが次々と付いたが、返答は一貫していた。「回避策はいらない。Microsoftに変えてほしいだけだ」と。 Please finally bring back the local account on the OOBE already in Windows 11 by u/2025Fishy in Windows11 この反応は、単なる不満の表明ではない。問題の所在を正確に指している。 Windows