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MicrosoftのAIデータセンター、年間水消費をレストラン1軒分の水準へ

AI

MicrosoftのAIデータセンター、年間水消費をレストラン1軒分の水準へ

AIデータセンターの水問題は、建設反対運動を引き起こすほど地域社会との摩擦を深めてきた。Build 2026の基調講演でサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOが示した数字は、その背景と一緒に置いておきたい。 一度充填して、あとは回し続ける ナデラ氏が指摘したのはシンプルな原理だ。新型データセンターは密閉ループの液体冷却を採用しており、建設時に冷却水を充填したあとは同じ水を循環し続ける。蒸発しない、補給しない。その結果、年間消費量は「近所のレストラン1軒が使う量と同程度」という水準に収まる。 この技術が実際に稼働しているのが、ウィスコンシン州マウントプレザントの315エーカー(約1.3km²)のFairwaterキャンパスだ。Microsoftはここを次世代AIインフラの旗艦として位置づけている。 Microsoftデータセンター冷却技術の変遷 2000年代 初頭従来型チラー冷却産業用水冷チラーが主流。現在も一部で稼働2012年〜外気冷却の導入温帯地域で外気のみで冷却。年間の大半を水不要で運用2015年海中データセンター実験Pr

セキュアブート証明書の期限まで2週間、マイクロソフトが踏み込んだ回答

セキュリティ

セキュアブート証明書の期限まで2週間、マイクロソフトが踏み込んだ回答

セキュアブートを支えてきた証明書「Microsoft Corporation KEK CA 2011」の有効期限が6月24日に迫っている。マイクロソフトは6月4日、企業管理者向けに第2回のAMA(公開質疑応答セッション)を開き、前回で答えきれなかった現場の疑問に正面から答えた。 6月24日は「即シャットダウン」の日ではない 何が起きるのか。 セキュアブートは、電源投入直後にUEFIが「正規のブートローダーだけを起動させる」仕組みだ。この仕組みを管理する鍵の一つがKEK(キー登録キー)で、マイクロソフトが保持している。KEKを使って、信頼できるブートローダーのリスト(DB)や、危険なブートローダーを排除する失効リスト(DBX)を更新する。 「KEK CA 2011」については、セッションに登壇したスコット・シェル(Scott Shell)氏がハードリミットではないとした。既に配布済みのDB更新パッケージやレジストリを使った手動展開の仕組みは、期限後も機能し続ける。「レジストリキーと更新プログラムには終了日がない」と明言された。 何が変わるかというと、マイクロソフトが今後新しい

「欧州主権」を掲げるEuro-Officeに、LibreOfficeが公開状で反論

オープンソース

「欧州主権」を掲げるEuro-Officeに、LibreOfficeが公開状で反論

「欧州初のオープンソースオフィス」として鳴り物入りでリリースされたEuro-Officeに、The Document Foundation(TDF)が真っ向から異議を唱えた。技術仕様への批判ではなく、「デジタル主権」という言葉の中身への問いかけだ。 「欧州初」は事実ではない 6月8日、TDFのイタロ・ヴィニョーリ(Italo Vignoli)氏がオープンレターを公開した。翌日のリリース直前を狙った公開だ。 欧州オープンソースオフィスの系譜 2001年OpenOffice.org 公開StarOfficeのソースコードを基に欧州で開発。欧州初のオープンソースオフィスとしてODFを標準形式に採用した。2006年ODF、ISO/IEC標準にOpenDocument Format(ODF)がISO/IEC 26300として国際標準化。デジタル主権の礎となる形式が確立された。2010年LibreOffice 誕生OpenOffice.orgからフォーク。The Document Foundation(TDF)が設立され、ODFネイティブ対応のオープン

Microsoftが「最終報告」で認めたこと、認めなかったこと

AI

Microsoftが「最終報告」で認めたこと、認めなかったこと

Microsoftが、イスラエル国防省へのクラウド・AI提供をめぐる外部調査の最終報告を公表した。利用規約違反を認め、サービスの一部を遮断し、再発防止策を打ち出した。だが10カ月かけてたどり着いた結論は、批判の声を収めるどころか、新たな問いを突きつけている。 調査が明らかにしたもの 発端は2025年8月の調査報道だった。イスラエル軍の諜報機関「8200部隊」(Unit 8200、米NSAに相当)が、MicrosoftのAzureクラウド上でパレスチナ人の携帯通話を日常的に大量収集・保存・分析していた事実が報じられた。オランダのAzureデータセンターが、ガザ地区とヨルダン川西岸の住民数百万人分の通話の保管先として使われていた。 Microsoftは法律事務所コヴィントン&バーリング(Covington & Burling)に外部調査を委託。6月4日に公表された5ページの最終報告で、報道内容を裏付ける証拠が見つかったと認めた。8200部隊によるAzureストレージとAIサービスの利用がMicrosoftの利用規約に違反していたという2025年9月時点の認定も、変わっていない。

あの半透明グリーンが帰ってきた、Xbox 25周年記念モデル

ゲーム

あの半透明グリーンが帰ってきた、Xbox 25周年記念モデル

2001年、黒くて重い箱がゲーム業界に殴り込んだ。あれから25年。Microsoftが持ち出したのは、あの頃のスケルトンを現代に蘇らせた記念モデルだった。 初代の記憶を纏ったXbox Series X25 「Xbox Series X25 Limited Edition」がXbox Games Showcase 2026で発表された。初代Xboxの半透明グリーン(OG Green)をXbox Series Xに落とし込んだ25周年記念モデルだ。2026年11月に一部地域で限定発売される。 中身は現行のXbox Series Xと同等で、ストレージは1TB。次世代機ではなく、25年の歴史を筐体に刻んだ コレクターズモデル だ。 細部にこそ仕掛けがある。天面の「X」ロゴはグリーンに発光し、初代Xboxの起動演出を再現する。前面には25周年ロゴ。Microsoftは「コミュニティが見つけられる隠しサプライズ」がほかにも仕込まれていると予告している。届いた本体を隅々まで眺める楽しみも、このモデルの一部だろう。 コントローラーは10月に先行発売 本体とあわせて「Xbox Wire

企業のAIコスト、74%が正確に把握できていない

AI

企業のAIコスト、74%が正確に把握できていない

AI投資が急拡大する中、多くの企業が自社のAIコストを正確に把握できていない実態が明らかになった。KPMGの未公開調査によると、AIコストを包括的に把握している企業はわずか26%。50%は「ある程度把握」、残る22%は請求書が届くまでコストを確認すらしていない。 「トークン」が企業財務を揺るがしている 従来のソフトウェアは、1人あたり月額いくらというライセンス課金が基本だった。CFOにとっては予算が組みやすく、来年の支出も見通せる。AIはその前提を壊した。 AIの課金単位は「トークン」だ。テキストや画像、コードを処理するたびにトークンが消費され、使った分だけ請求が来る。問題は、この消費量が事前に予測しにくいことにある。AIの利用が社内に広がるほどトークン消費は加速し、従来の年間予算の枠組みでは制御できなくなる。 KPMGでAIグローバル責任者を務めるスティーブ・チェイス(Steve Chase)氏は「これまで存在しなかった種類のリソース」と表現し、指数関数的な成長が見られると指摘している。 企業のAIコスト把握状況 把握レベル割合包括

Surface新型、Snapdragon X2搭載の全貌がリーク

PC

Surface新型、Snapdragon X2搭載の全貌がリーク

6月16日に発表されるとみられるMicrosoftの一般消費者向け新型Surfaceシリーズ。欧州の小売業者経由でスペックとマーケティング画像が発売前に明らかになった。 法人Intel先行から、ARM消費者向けへ 今回リークされたのは、Surface Pro 13インチとSurface Laptop 8(13.8インチ/15インチ)のSnapdragon X2搭載モデルだ。 今年のSurfaceは2段階構成になっている。5月にIntel Core Ultra Series 3(Panther Lake)搭載の法人向けモデルが先行発売され、国内でも法人向けSurface Pro(第12世代)が34万4080円からで受注を開始した。今回の第2弾が、ARM版の一般消費者向けラインにあたる。 前世代ではSnapdragon X搭載モデルが先行し、Intel版が半年遅れで追いかけた。今回はその順番が逆転している。部品の供給事情が原因と報じられている。 Surface Pro 13インチ:中身の世代交代 外観に変更はない。キックスタンド、着脱式キーボード、13インチOLEDタッチス

Windows 11の右クリックが遅い原因、Microsoftが正式に認める

Windows

Windows 11の右クリックが遅い原因、Microsoftが正式に認める

右クリックするたびに一瞬もたつく、あの感覚。Windows 11を使っていれば誰もが心当たりがあるだろう。Microsoftがようやく、その原因を名指しで認めた。 「拡張機能の遅延読み込み」という正体 6月3日にマーカス・アッシュ(Marcus Ash)氏がコンテキストメニューの改善方針を表明してから数日。今度はWindowsシェルのプロダクト責任者であるタリ・ロス(Tali Roth)氏が、問題の核心に踏み込んだ。 Windows 11のコンテキストメニューがWindows 10より遅い。原因は 「拡張機能の遅延読み込み」 だと、ロス氏は明言した。 「Clipchampで編集」「メモ帳で編集」「Copilotに質問」といったシェル拡張が、メニューを開いた後から追加で読み込まれる。メニュー自体は瞬時に表示されるが、その直後に項目が増えてメニュー全体のサイズが変わる。性能の低いPCでは読み込みに数秒かかることもあるという。 ここで厄介なのは、見た目だけの問題ではないことだ。拡張機能の読み込みが完了するとメニューが伸び、カーソルの相対位置がずれる。素早く操作する人ほど、意図しな

「誰が書いたか知らない」はずの文書を書いたのはScoutの責任者だった

AI

「誰が書いたか知らない」はずの文書を書いたのはScoutの責任者だった

MicrosoftのAIエージェント「Scout」の社内戦略文書に「ユーザーを中毒にさせる」と書かれていた問題で、サティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOが社内で「この文書が何なのか、誰が書いてリークしたのか知らない」と否定した。だが文書の著者は、ナデラ氏の足元にいた。Scoutプロジェクトを率いるコーポレートバイスプレジデント、オマー・シャヒーン(Omar Shahine)氏だ。 発端は「3つのフェーズ」 6月2日、MicrosoftはBuild 2026でScoutを発表した。OpenClawフレームワーク上に構築された常時稼働型AIエージェントで、Teams、Outlook、OneDrive、SharePointを横断し、ユーザーの代わりにバックグラウンドで業務を処理する。Microsoftはこれを「オートパイロット」という新カテゴリの第一弾と位置づけている。 同じ日に、404 Mediaが内部文書を報じた。文書のタイトルは「ClawPilot: Overview and Plan with Project Lobster」。Scoutの前身であるClawPi

AIトークンの請求書が届き始めた。企業の対応と業界標準化の行方

AI

AIトークンの請求書が届き始めた。企業の対応と業界標準化の行方

企業のAIトークンコスト爆発は既報の通りだが、事態はさらに広がっている。Uber、Microsoft、Walmartに続いてPricelineでも異常な請求が判明し、Linux FoundationがAIコスト管理の標準化団体を設立した。問題の認識から対策の段階に移りつつあるが、標準はまだ存在せず、出血はいまも続いている。 「使い放題」の終わり AIトークンコストの暴走は、一部の企業の話ではなくなった。 Uberが2026年の年間AI予算を4か月で使い切ったことは既報だが、同社はその後、従業員1人あたり月1500ドル(約24万円)のAIコーディングツール利用上限を設けた。Claude CodeやCursorなどのエージェント型ツールごとに個別の上限が適用され、超過には承認が必要になるという。社内リーダーボードで消費量を競わせていた企業が、わずか数か月で上限管理に転じた格好だ。 Microsoftも5月、Experiences + Devices部門(Windows、Microsoft 365、Outlook、Teams、Surfaceを担当)でClaude Codeのライセン

Xbox新CEO「値上げではなくイノベーションで応える」Project Helixの価格戦略が見えてきた

Xbox

Xbox新CEO「値上げではなくイノベーションで応える」Project Helixの価格戦略が見えてきた

XboxのCEOアーシャ・シャルマ(Asha Sharma)氏が、Bloomberg Tech 2026のインタビューで次世代機Project Helixの価格に踏み込んだ。メモリ高騰のさなかに「値上げで乗り切る」選択肢を明確に否定し、ハードウェアのイノベーションで価格を抑えると語った。就任100日を迎えた新CEOの言葉に、Xboxの方向転換が凝縮されている。 メモリコスト「2.75倍」の現実 シャルマ氏がインタビューで最も力を込めたのは、業界全体が直面するメモリ危機の深刻さだった。通常、ゲーム機の世代末期にはメモリやストレージの調達コストが下がる。それが新型機の設計に余裕を生み、価格を抑える原資になってきた。ところが今起きているのはその逆だ。 AI向けデータセンターがDRAMとNANDフラッシュの供給を呑み込み、民生向けの在庫が枯渇している。シャルマ氏によれば、メモリとストレージのコストは従来の世代交代サイクルなら50%下落するところを、逆に2.75倍に跳ね上がっている。CEO就任からわずか100日の間だけでも50%上昇し、今後さらに上がるとの見通しを示した。 この数字は誇

Copilotアプリの強制インストール、3カ月で再開

Windows

Copilotアプリの強制インストール、3カ月で再開

3月に一時停止されたMicrosoft 365 Copilotアプリの自動インストールが、6月4日から再び動き始めた。Microsoftはメッセージセンターで「技術的問題を解消した」と説明しており、方針転換ではなくバグ修正だったことが確定した。ロールアウトは4段階のフィーチャーフラグで進行中で、7月1日までに完了する見通しだ。 止まったのは方針ではなく、配管だった 3月16日、Microsoftはメッセージセンター(MC1152323)で自動インストールの一時停止を告知した。理由は「技術的な問題」。だが公式にはそれ以上の説明がなかった。同時期にCopilot部門のリーダーシップ再編が進んでいたこともあり、強引な配布方針そのものが見直されたのではないかという見方も広がった。 そうではなかった。 6月2日に更新されたMC1152323.3で、Microsoftは自動インストールの再開を正式に通知した。初回のフィーチャーフラグは6月4日に有効化済みで、以降は週単位で順次拡大していく。 フィーチャーフラグの展開スケジュールは4段階に分かれている。 Feature Flag1:6月

Outlookが暗号化設定を無視してメールを平文で受信していた可能性

セキュリティ

Outlookが暗号化設定を無視してメールを平文で受信していた可能性

Outlookの「SSL/TLSを使用する」設定が有効でも、POP3のポート番号が110のままなら暗号化は行われない。この挙動がOutlook 2007以降で放置されていた可能性を、あるサーバー管理者の報告が明るみに出した。 20年近く眠っていた問題が、なぜ今になって見つかったのか きっかけはOutlookではなくサーバー側だった。 ドイツのサーバー管理者マリウス(Marius)氏が2026年5月末、運用するメールサーバーのOSをFedora 42からFedora 43へアップグレードした。これに伴いメールサーバーソフトウェアDovecotが2.3系から2.4.3に上がり、設定ファイルも全面的に書き直された。Dovecot 2.4では設定名が auth_allow_cleartext に変更され、暗号化されていない接続での平文認証をデフォルトで拒否する。旧バージョンでも平文認証の禁止はデフォルトだったが、多くのホスティング環境では互換性のために緩和されていた。設定ファイルの刷新で、その緩和設定が引き継がれなかった。 直後、Outlookを使う顧客の「メールが受信できない」とい

MicrosoftがWinUIを「唯一のネイティブ基盤」と宣言、フレームワーク乗り換えの歴史に終止符

Windows

MicrosoftがWinUIを「唯一のネイティブ基盤」と宣言、フレームワーク乗り換えの歴史に終止符

Build 2026で、MicrosoftはWinUIをWindowsネイティブアプリの正式な基盤と位置付けた。20年近く続いた「次の推奨フレームワーク」の乗り換え要求に終止符を打つ宣言であり、同時にWindows 11内部でもWebベースのシェルをネイティブコードに書き換える作業が加速している。開発者にとっての「また切り捨てられるのではないか」という不信と、ユーザーにとっての「なぜOSがこんなに重いのか」という不満の両方に、Microsoftが正面から答えた。 「新しいフレームワークを作る予定はない」 6月2日から5日にかけてシアトルで開催されたBuild 2026で、MicrosoftのソフトウェアエンジニアリングVPであるクリス・アンダーソン(Chris Anderson)氏は明確に述べた。Microsoftには新たなUIフレームワークを構築する意図はないと。 この一言の重みは、Windows開発の歴史を知らないと伝わらない。WinForms、WPF、Silverlight、UWP、Project Reunion、Windows App SDK。Microsoftは過去2