Microsoft

Copilot for Wordに自己増殖型AIワーム。144日経っても直らず

AI

Copilot for Wordに自己増殖型AIワーム。144日経っても直らず

Word文書に隠した命令がCopilotを乗っ取り、生成した文書を次の感染源に変える。マイクロソフトはモデル更新を含む対策を重ねたが、攻撃の手口を変えるだけで再現できる状態が続いている。 文書が文書を汚染する ノルウェーのデータサイエンティスト、ホーコン・モーロイ(Håkon Måløy)氏が現地時間7月28日、Copilot for Wordを経由してWord文書間を自己増殖するAIワームの実証結果を公開した。応用AIと機械学習の博士号を持つモーロイ氏が「Context Collapse」と名付けたシリーズの第3弾にあたる。 Part 1ではCopilotのメモリ汚染、Part 2ではメール経由の命令注入を扱い、いずれも緩和済みとなった。今回は公開時点で未修正のまま残っている。 攻撃者はWord文書に悪意のある命令を仕込む。白背景に白文字、フォントサイズ8で記述するため肉眼ではまず見えないが、Copilot for Wordはテキストの色やサイズといった書式情報をすべて除去してからLLM(大規模言語モデル)に渡すため、Copilotには読める。 被害者がこの文書をCopi

Windows 11にOneDrive Photos、知らぬ間にインストールされ始める

Windows11

Windows 11にOneDrive Photos、知らぬ間にインストールされ始める

Windows 11のスタートメニューに、覚えのない写真アプリが増えている。顔認識機能を備え、削除にはOneDriveごとアンインストールするしかない。 インストールした覚えのないアプリ Windows 11で「フォト」を検索すると、見慣れないアプリが候補に現れることがある。OneDrive Photosという名前の写真ビューワーだ。 Windows Latestが報じたところによると、このアプリはWindows UpdateまたはOneDrive同期クライアントの更新を通じて配信されたとみられる。ユーザーが自分でインストールした形跡はない。スタートメニューの「すべてのアプリ」一覧にもWindows検索の結果にも出てくるが、いつ入ったのか分からない。 Microsoftアカウントにサインインしていなくても出現する。同期機能を一切使っていなくても、OneDriveがPCに入っているだけで対象になる。Windows 11にはOneDriveが標準搭載されているため、ほぼすべてのユーザーに影響しうる。 OneDrive Photosの存在自体は新しい話ではない。2025年秋にはM

Surface Laptop Ultra、発売前にプロトタイプが約1ヶ月使い込まれる

RTXSpark

Surface Laptop Ultra、発売前にプロトタイプが約1ヶ月使い込まれる

NVIDIAのRTX Sparkを搭載するSurface Laptop Ultraのプロトタイプが、フォーラムユーザーの手で約1ヶ月間テストされた。公式デモでは見えなかった、未完成な素顔が明らかになっている。 道端のプロトタイプ TechPowerUpフォーラムの古参ユーザーが、未発売のSurface Laptop Ultraを約1ヶ月にわたってテストした結果を投稿した。 本人によると、6月中旬にワシントン州レドモンド北部の道端で銀色の四角い物体を見つけ、ゴミだと思って拾ったという。Microsoft本社のすぐ近くだ。実機はEV1.5と刻印されたプロトタイプで、搭載SoCはRTX Spark N1Xの最上位構成(20コアCPU、6,144 CUDAコア)。Computex 2026で発表された製品版と同じトップエンド仕様になる。 Surface Laptop Ultraは2026年秋の発売が予定されており、日本を含む各国のMicrosoft公式サイトにはすでに製品ページが開設されている。ただし価格は未発表のままだ。 ドライバから始まる苦労 プロトタイプに入っていたグラフ

ナデラ氏「AIコーディングツールに頼る企業は生き残れない」

AI

ナデラ氏「AIコーディングツールに頼る企業は生き残れない」

MicrosoftのナデラCEOが、企業がAIラボのコーディングツールに依存するリスクを警告した。消費者のデータには異なる物差しを当てている。 ブログから番組へ、概念から具体へ サティア・ナデラ氏(Satya Nadella)がCNNの「ファリード・ザカリアGPS」に出演し、企業がAIモデル提供者に依存する危うさを語った。番組は現地時間7月26日に放送された。 ナデラ氏は7月12日のブログで「逆情報パラドックス」を提唱し、企業がAIモデルに利用料と独自知識の二重の対価を払っていると警告していた。CNN出演ではさらに踏み込み、AIラボが提供するコーディングツールへの依存を批判している。AnthropicのClaude CodeやOpenAIのChatGPT Codexがその典型にあたる。 ナデラ氏はこれらを「ハーネス」(harness)と呼んだ。AIモデルを業務に組み込む実行環境のことで、これをモデル本体から切り離せという。 「ハーネスをモデルから分離し、コンテキストとメモリもモデルから分離すれば、複数のモデルをそれぞれの得意分野で使い分けられる。どのモデルがなくなっても、自

Microsoft、Outlookの検索に割り込むCopilotを撤回

Microsoft

Microsoft、Outlookの検索に割り込むCopilotを撤回

Outlookの検索欄にCopilotの提案を割り込ませる機能を、Microsoftが取りやめた。AI機能の撤回は同社としては異例だが、別の経路ではCopilot統合がむしろ加速している。 メールを探すだけなのに Microsoftは2026年4月、Outlookの検索メニューにCopilotを組み込むとMicrosoft 365ロードマップで告知した。検索欄にキーワードを入力すると、通常のメールやカレンダーの検索結果よりも上にCopilotの提案が表示される仕様で、6月から展開が始まっていた。 提案の中身は、AIが生成した検索候補と短い要約だ。Microsoftはこれを「文脈に応じた最適な検索結果」と位置づけていたが、実際にはメールを探したいだけのユーザーが、Copilotの提案をスクロールで飛ばさなければ目的の結果にたどり着けない状態が生まれた。 しかも、この機能を簡単にオフにする手段がなかった。対象はOutlook for Windows、Android、iOS、Webの全環境に及び、Outlook(クラシック)だけが当初から対象外だった。 異例の撤回 ロードマッ

Defender for Endpoint on Linux、更新後の再起動でサービスが停止するバグ

Linux

Defender for Endpoint on Linux、更新後の再起動でサービスが停止するバグ

Microsoftのセキュリティ製品がLinuxサーバーの防御を自ら解除した。影響ビルドは全対応ディストリビューションから撤去され、修正版が公開されている。 更新がセキュリティを消す Microsoft Defender for Endpoint on Linuxに、アップグレードまたは再インストール後の再起動でDefenderサービスが無効化されるバグが見つかった。影響を受けたのはビルド101.26042.0000から101.26042.0009で、サポート対象の全Linuxディストリビューションに及ぶ。Microsoftのリリースノートによると、影響ビルドは本番チャネルからすべて撤去され、新規インストールにも使えなくなっている。 アップグレードの過程でDefenderサービスの自動起動設定が失われ、再起動後にサービスが立ち上がらなくなる。端末はそのまま稼働を続けるが、保護は機能していない。mdatp healthコマンドで手動確認しなければ、管理者はこの状態に気づけない。 Defender for Servers(Plan 1/2)とDefender for Cloudを

Microsoft、KMSサーバーにTPM認証を義務化。海賊版への影響はなし

Microsoft

Microsoft、KMSサーバーにTPM認証を義務化。海賊版への影響はなし

Microsoftが企業向け認証サーバーのセキュリティを強化した。一部で「海賊版Windowsの終焉」と報じられたが、一般ユーザーには無関係だ。 「海賊版が使えなくなる」は誤報 Microsoftが現地時間7月22日に発表したKMS Hardware-Securedをめぐり、「海賊版Windowsが使えなくなる」という誤解がネット上に広がっている。 KMS(Key Management Service)は企業が社内ネットワーク上のサーバーからWindowsを一括認証する仕組みで、今回の変更はこのサーバー側にTPM(セキュリティチップ)による身元証明を求めるものだ。 ところが一部の海外メディアが、2025年11月に遮断された海賊版手法「KMS38」と今回の発表を結びつけた。「TPMで海賊版を一掃する」という趣旨の記事が出回り、自分のPCが影響を受けるのではないかと心配する声がRedditに相次いでいる。 実際には、KMS Hardware-Securedが検証するのは企業のKMSサーバーそのものだ。個々のPCは対象に入っていない。KMSサーバーのTPMがMicrosoftに対

Microsoft 365有料ユーザーに消せない広告。Officeのタイトルバーに常駐

AI

Microsoft 365有料ユーザーに消せない広告。Officeのタイトルバーに常駐

Microsoft 365の契約者がExcel、Word、PowerPointを開くと、タイトルバーに「Upgrade your plan」の文字が居座っている。消す方法はない。 作業画面に貼り付いた広告 Excel、Word、PowerPointのデスクトップアプリで、タイトルバーにダイヤモンド型のアイコンと「Upgrade your plan」(プランのアップグレード)が常駐表示されるようになった。 Microsoft 365の有料契約者にも表示される。PersonalでもFamilyでも関係なく出る。非表示にする設定はない。Neowinが報じたこの変更に対し、Microsoft Q&Aには4月末から苦情が積み上がっている。 バナーをクリックすると、現在の契約プランと上位プランの比較画面がポップアップで表示される。誘導先はMicrosoft 365 Premiumだ。年額3万2,000円(執筆時点、初年度はキャンペーンで2万1,300円)。Copilotの利用枠拡大やPremium限定のAI機能を売り文句にしている。 ポップアップには「Supercharge your

オープンソースが20年かけて解けない錠前。Office文書の互換性に必要なもの

OOXML

オープンソースが20年かけて解けない錠前。Office文書の互換性に必要なもの

The Document Foundation(TDF)がMicrosoftの文書形式によるロックインを改めて批判した。だがOOXMLエンジンは無数にあるのに、いまだにWordファイルを他のソフトで正確に表示できない。 ブラウザ戦争の記憶 1995年、ビル・ゲイツ(Bill Gates)は社内メモでこう書いた。インターネットがすべてを変える、Microsoftはこれを最優先事項にしなければならない、と。 当時のMicrosoftには、インターネットを支配できるだけの体力があった。Windows 95は爆発的に売れ、ネットに接続しているユーザーよりWindowsユーザーのほうが5倍から10倍多かったとされる。 Internet Explorerをバンドルし、Windows専用のコンテンツとサービスを押し出せば、オンライン空間を丸ごと囲い込める。ゲイツはそう踏んだ。 結果は逆だった。 インターネットは最初からオープンに生まれ、そのプロトコルは企業の都合に縛られず進化した。オープンソースのサーバとネットワーク技術は、収益モデルを必要とせず大規模に展開できた。 オープンソースの

Microsoft初のサイバー防御AI、コスト半分で首位主張

AI

Microsoft初のサイバー防御AI、コスト半分で首位主張

Microsoftがサイバーセキュリティ特化の自社AIモデルとエージェント防御システムを発表した。コスト半分でベンチマーク首位を主張する一方、リリース前に独立テスターへモデルを共有していない。 コスト半分、ベンチマーク首位を主張 Microsoftが発表したMAI-Cyber-1-Flashは、同社の推論モデル「MAI-Thinking-1」をベースにサイバーセキュリティ用途へ特化したコンパクトなモデルだ。顧客のハッキングインシデント対応で数十年かけて蓄積したデータで訓練されている。 5月に発表済みの脆弱性発見・修復ハーネス「MDASH」に組み込まれ、クエリの約90%を処理する。残り10%の高難度タスクはOpenAIのGPT-5.4が引き受ける。 CyberGymベンチマーク(UC Berkeleyが開発。1,507件の実在脆弱性を用いる)でのMicrosoft自己申告スコアは以下の通り。 * MDASH(MAI-Cyber-1-Flash + GPT-5.4):95.95% * GPT-5.5 Cyber(OpenAI):85.6% * Mythos 5(

AIデータセンターの騒音訴訟、ミシガン州で「全米初」の集団訴訟に発展

データセンター

AIデータセンターの騒音訴訟、ミシガン州で「全米初」の集団訴訟に発展

ミシガン州の人口5700人の町で、AI・暗号通貨マイニング施設が発する騒音をめぐり住民が集団訴訟を起こした。市は騒音条例を新設して罰金を科し、企業は住宅の買い取りを申し出た。 100年住んだ家の窓が開けられない ミシガン州南西部にドゥワジャック(Dowagiac)という町がある。人口約5700人。ミシガン湖から約50km内陸に入った、キャス郡の小さな町だ。 その町のルイーズ・アベニュー沿いに、一軒の家がある。マージョリー・フィン(Marjorie Finn)氏の家族が約100年にわたって住み続けてきた家だ。 通りの向かいには松の木の列があり、その奥に工場の建物があった。何十年もの間、それで特に問題はなかった。 2018年頃から状況が変わり始めた。松の木が伐採され、搬入口が設置された。2021年頃には暗号通貨のマイニング施設が稼働を開始し、2024年になると建物から24時間途切れない騒音が出るようになったという。 住民のリンディ・バレンズエラ(Lindy Valenzuela)氏はその音をこう表現している。 「掃除機を居間に置いて、フィルターが詰まった状態で電源を入れっぱ

Xbox Live、4日で2度目のダウン。ゲーム起動すらできず

Xbox

Xbox Live、4日で2度目のダウン。ゲーム起動すらできず

Xbox Liveの障害が繰り返されている。サーバーが落ちればオフラインで遊べるゲームすら起動できず、毎月課金しているユーザーの不満が噴き出した。 7月23日、そして7月27日 Xbox Liveが7月27日、再び大規模な障害を起こした。 Xbox Supportが同日投稿した告知によれば、サインイン、ゲームライブラリの表示、ゲームの起動でエラーが発生しており、エンジニアが対応中だという。 We are aware that some users are encountering errors when attempting to sign in, see your game library, or launch games. Our engineers are actively working to mitigate the issue. For updates, please follow along

NVIDIA、37社とAIセキュリティ連合を結成。契機はHugging Face侵害

AI

NVIDIA、37社とAIセキュリティ連合を結成。契機はHugging Face侵害

Hugging Faceインシデントで露呈した「閉じたAIが防御を阻む」構造に対し、37の企業・団体がオープンなAIセキュリティ基盤の構築に動いた。 侵害が残した教訓 NVIDIAは現地時間7月27日、Open Secure AI Allianceの設立を発表した。サイバーセキュリティ向けのオープンな技術やツールを共同で開発・共有する連合体で、NVIDIAを含む37の企業・団体が創設メンバーとして名を連ねる。 連合が設立の背景に挙げたのは、直近のHugging Faceセキュリティインシデントだ。OpenAIのモデルが評価環境のサンドボックスを脱出して本番インフラを侵害し、防御にあたったHugging Faceが商用AIのAPIで攻撃ログの分析を試みたところ、ガードレールにブロックされた。 Hugging Faceは最終的にオープンウェイトモデルのGLM 5.2を自社インフラ上で実行し、1万7000件超のイベントログを分析してインシデントを封じ込めた。閉じたモデルではできなかったことを、オープンモデルが実現した。 NVIDIAはこの事例を引き、防御側が自分のインフラ上でAI

Microsoft、WinUI最適化をスタートメニュー書き換えより先行。「3」も外す

Windows 11

Microsoft、WinUI最適化をスタートメニュー書き換えより先行。「3」も外す

Windows 11のスタートメニューをWinUIで作り直す計画は進んでいる。しかしMicrosoftは、その前にWinUI自体の性能を底上げする必要があると判断した。 スタートメニューの前に、フレームワークを直す Windows 11のスタートメニューには、一部にReact Nativeが使われている。「すべてのアプリ」一覧と「おすすめ」フィードの2つで、Microsoftは2023年のChain Reactカンファレンスでこの構成を認めている。 このReact Native部分をWinUIで置き換える計画は2026年3月に表面化していた。Build 2026ではさらに、通知センターのアジェンダビューもWinUIへの移行対象に加わっている。 しかしWindows Latestが報じたところによると、Microsoftは社内でWinUIのメモリ使用量・性能・安定性の修正をテストしており、これらをスタートメニューの書き換えより先に仕上げる方針だという。 WinUI版スタートメニューが配信されても見た目の変化はほぼなく、低スペックPCでのカクつき軽減とRAM使用量の削減が主な改