ノスタルジア

ワードアートを覚えているか。誰も使わないのに消えない機能の話

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ワードアートを覚えているか。誰も使わないのに消えない機能の話

Wordの「挿入」タブの奥に、ワードアートはまだいる。虹色のグラデーション、立体の影、弧を描く文字列。1990年代に学校の課題でタイトルを飾り立てたあの機能を、今も使っている人がどれだけいるだろう。消されてもいない。廃止もされていない。ただ、誰にも開かれなくなっただけだ。 あの時間は、本文より長かった 課題の表紙を作るとき、本文より先に触るのはタイトルだった。Wordを開いて最初にやることが「ワードアートの選択」だった時代がある。 影を付ける。文字を弧に沿わせる。色を虹色に変える。3Dの角度を微調整する。中身の文章は3行で終わるのに、表紙のタイトルには30分かけた。隣の席のやつがもっと派手なエフェクトを見つけてくると、次の課題ではさらに上を狙った。あれは装飾ではなく競技だった。 Office 97で正式に搭載されたワードアート。PCが家庭に入り始めた頃の話だ。ワープロソフトが「文字を打つ道具」から「見た目を作る道具」に変わろうとしていた。プロ向けのデザインソフトなど持っていない。それでも文字に影を落とし、色のグラデーションをかけ、立体的に回転させることがワンクリックでできた。