NVIDIA

Rust製X11サーバーyserver 1.4。SteamとChromeがGPU加速に対応

Linux

Rust製X11サーバーyserver 1.4。SteamとChromeがGPU加速に対応

RustとAIで一から書かれたX11サーバーyserverが、バージョン1.4でGPU加速とKDE Plasmaの動作確認を果たした。6月の公開から2か月足らずで、外部から3人の開発者がパッチを送るプロジェクトになっている。 ChromeとSteamが動いた理由 yserver 1.4の目玉は、GLXピクセルバッファの実装だ。 従来のyserverでは、ChromeやSteamのようなGPU加速を前提とするアプリケーションが描画を正しく処理できなかった。ピクセルバッファがソフトウェア側で処理されており、GPUのピクスマップに紐づいていなかったためだ。1.4ではこの処理を改め、GLXピクセルバッファを実際のGPUピクスマップで裏付ける実装に切り替えた。 これにより、ChromeとSteamでWebGLが動作するようになった。 ただし完全ではない。ChromeでGPUパスが有効になったことで、メニューの描画が一部黒く表示される不具合が確認されている。Steamのメニュー描画にも同じ問題が波及しており、開発者のヨス・デハース(Jos Dehaes)氏はWebGLの有効化コミットを

NVIDIA従業員を台湾検察が勾留。密輸捜査がサプライチェーン上流に拡大

NVIDIA

NVIDIA従業員を台湾検察が勾留。密輸捜査がサプライチェーン上流に拡大

Supermicro製AIサーバーの対中密輸事件で、初めてNVIDIA従業員に捜査の手が伸びた。NVIDIAが顧客の審査を強化するさなかの出来事であり、内部からの関与は防壁の意味を変える。 「第3波」の標的 台湾の基隆地方検察署は現地時間7月28日、Supermicro製AIサーバーの対中不正輸出事件で張姓の容疑者を勾留したと発表した。容疑は業務文書の偽造と背任。検察は「犯罪の嫌疑が強く、逃亡・証拠隠滅・共犯者との口裏合わせのおそれがある」として裁判所に勾留と接見禁止を請求し、認められた。 捜索は現地時間7月24日に行われ、張の自宅と勤務先が対象になった。検察は所属企業名を公表していないが、台湾メディアの鏡報はこの人物をNVIDIAのシニアビジネス開発マネージャーと報じた。Bloombergも、捜索先にNVIDIA台北オフィス内の本人のデスクが含まれていたと伝えている。 チップ密輸事件でNVIDIA従業員が法的措置の対象になったのは、これが初めてだ。 NVIDIAは声明で「密輸は論外だ」とし、OEMなど既知のパートナー企業に販売しており、輸出管理規則の順守を徹底していると強

SK hynix、LPDDR6を下半期に量産開始。初供給先はシャオミか

メモリ

SK hynix、LPDDR6を下半期に量産開始。初供給先はシャオミか

スマートフォン用の省電力メモリが、AIサーバーにも使われ始めている。SK hynixのLPDDR6量産は、その流れを加速させる。 3月の開発完了から量産へ SK hynixが次世代モバイルDRAM「LPDDR6」の量産出荷を2026年下半期に開始する。韓国ヘラルド経済が報じた。 SK hynixは3月10日、第6世代10nm級(1c)工程による16Gb LPDDR6の開発完了を発表している。当時「上半期中に量産準備を終え、下半期から供給を開始する」としていた計画が、予定通り動き出している。 初の供給先は中国シャオミの次世代フラッグシップ端末になるという。SK hynixは「顧客に関する内容は確認できない」と回答しているが、両社の取引は2013年のLPDDR3にまで遡る。LPDDR5Xまで一貫してモバイル向けDRAMを供給してきた関係だ。 LPDDR5Xから何が変わるのか 速度と電力効率の両方が大幅に改善された。 基本動作速度は10.7Gbpsを超え、帯域幅の拡大により前世代LPDDR5X比で処理速度が33%向上した。最大14.4Gbpsに達するとの報道もある。 消費

アルトマン「シンギュラリティの中にいる」。Hugging Face侵入の2週間後

AI

アルトマン「シンギュラリティの中にいる」。Hugging Face侵入の2週間後

OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが、AIは「シンギュラリティ」に入ったと明言した。自社モデルが検証環境から脱出し、他社のシステムに侵入した事件から2週間後の発言だった。 1時間のポッドキャストに埋もれた1分間 現地時間7月25日に公開されたポッドキャスト「Relentless」で、アルトマンはこう述べた。 「今まさに、シンギュラリティの中にいる。これがその瞬間だ」(Relentlessでのアルトマンの発言) 番組は約1時間。話題はスタートアップ論から経営判断、ジョニー・アイヴ(Jony Ive)との共同作業、TikTokへの依存まで多岐にわたる。シンギュラリティに触れた時間は全体の1〜2分にすぎない。 きっかけは「何があなたを駆り立てているのか」という質問だった。「これが自分にできる最も重要なこと」と切り出した上で、アルトマンは10年前にランチテーブルで冗談半分に語っていた未来が現実になったと述べた。「この瞬間をずっと待ち続けてきた」とも。 ただ、番組内でアルトマンは技術的な根拠を示していない。再帰的自己改善が達成されたとも、特定のベンチマーク

Surface Laptop Ultra、発売前にプロトタイプが約1ヶ月使い込まれる

RTXSpark

Surface Laptop Ultra、発売前にプロトタイプが約1ヶ月使い込まれる

NVIDIAのRTX Sparkを搭載するSurface Laptop Ultraのプロトタイプが、フォーラムユーザーの手で約1ヶ月間テストされた。公式デモでは見えなかった、未完成な素顔が明らかになっている。 道端のプロトタイプ TechPowerUpフォーラムの古参ユーザーが、未発売のSurface Laptop Ultraを約1ヶ月にわたってテストした結果を投稿した。 本人によると、6月中旬にワシントン州レドモンド北部の道端で銀色の四角い物体を見つけ、ゴミだと思って拾ったという。Microsoft本社のすぐ近くだ。実機はEV1.5と刻印されたプロトタイプで、搭載SoCはRTX Spark N1Xの最上位構成(20コアCPU、6,144 CUDAコア)。Computex 2026で発表された製品版と同じトップエンド仕様になる。 Surface Laptop Ultraは2026年秋の発売が予定されており、日本を含む各国のMicrosoft公式サイトにはすでに製品ページが開設されている。ただし価格は未発表のままだ。 ドライバから始まる苦労 プロトタイプに入っていたグラフ

Anthropic、オープンウェイト禁止は求めず。チップ規制と安全テストを主張

AI

Anthropic、オープンウェイト禁止は求めず。チップ規制と安全テストを主張

50社超が署名した公開書簡に唯一加わらなかったAnthropicのCEOが、自社の立場を公式に表明した。 唯一の不在 NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが現地時間7月24日、自身初となるXへの投稿で公開書簡を共有した。「Open Weights and American AI Leadership」(オープンウェイトと米国のAIリーダーシップ)と題された3ページの文書は、オープンウェイトモデルへの規制を急がないよう米国の政策立案者に求める内容だ。 当初の署名企業はNVIDIA、Microsoft、Meta、Hugging Faceなど25社。OpenAI、Google、Anthropicの3社は名を連ねていなかった。 だが48時間で署名は倍増し、50社を超えた。OpenAIはサム・アルトマンCEOが書簡への支持を表明した翌日に署名。Googleもスンダー・ピチャイCEOが同社のオープンウェイトモデルGemmaの実績に触れて賛同を表明し、署名に加わった。AMD、SpaceX、Ciscoなども名を連ねている。 残ったのはAnthropicだった。 署名しなかったこと自体が

中国でGPU価格が一斉急騰。日本でも値上がりの兆し

GPU

中国でGPU価格が一斉急騰。日本でも値上がりの兆し

NVIDIAがVRAMキットの価格を引き上げ、中国ではColorful・MSIの代理店価格が希望小売価格の40〜60%増に跳ね上がった。日本にも波及が始まっている。 代理店価格が一夜で書き換わった NVIDIAがグラフィックボードメーカー各社に対し、GPU+VRAMキットの価格引き上げを通知したという。対象はGDDR6とGDDR7の両方で、ASUS、MSI、Colorful、Inno3Dなど中国市場の主要メーカーに及ぶ。 Wccftechが報じたところによると、引き上げ額はVRAM容量に応じて決まっており、8GBモデルで600元、12GBで900元、16GBで1,200元の上乗せになる(日本円換算で約1万4,500円〜約2万9,000円)。2026年第3四半期からの適用が見込まれている。 通知を受けた中国の代理店は即座に動き、7月25日付で大手2社の公式価格表が書き換わった。 Colorful:最大59%の上乗せ 中国本土で最大のシェアを持つColorfulの代理店価格は、MSRP(希望小売価格)との乖離が著しい。 RTX 5080 Vulcan W OCがMSRPの

NVIDIA、OpenAIに2500億ドルの融資保証を交渉中

AI

NVIDIA、OpenAIに2500億ドルの融資保証を交渉中

NVIDIAがチップの売り手から金融の保証人へと役割を広げようとしている。赤字が続くOpenAIの巨大データセンター計画を、自社の信用力で支える交渉が水面下で進んでいる。 チップ代を含まない2500億ドル ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、NVIDIAはOpenAIに対し約2500億ドル(約41兆円)の融資保証を提供する方向で交渉を進めている。 対象はオハイオ州南部で建設が進む10ギガワット規模のデータセンター「PORTSテクノロジーキャンパス」のリース料と建設関連債務だ。ソフトバンクグループ傘下のSBエナジーが開発を手がけており、チップを含めた総事業費は5000億ドルを超える見通しとされる。 この2500億ドルにNVIDIA製チップの購入費は含まれていない。NVIDIAは別途、OpenAIのチップ購入に対し最大3500億ドルの資金支援も検討しているという。保証とチップ購入の資金支援を合わせると、NVIDIAが潜在的に負う財務リスクは最大6000億ドルに達しうる。 なぜNVIDIAの保証が必要なのか。OpenAIは2026年第1四半期に57億ドルの売上

NVIDIA、37社とAIセキュリティ連合を結成。契機はHugging Face侵害

AI

NVIDIA、37社とAIセキュリティ連合を結成。契機はHugging Face侵害

Hugging Faceインシデントで露呈した「閉じたAIが防御を阻む」構造に対し、37の企業・団体がオープンなAIセキュリティ基盤の構築に動いた。 侵害が残した教訓 NVIDIAは現地時間7月27日、Open Secure AI Allianceの設立を発表した。サイバーセキュリティ向けのオープンな技術やツールを共同で開発・共有する連合体で、NVIDIAを含む37の企業・団体が創設メンバーとして名を連ねる。 連合が設立の背景に挙げたのは、直近のHugging Faceセキュリティインシデントだ。OpenAIのモデルが評価環境のサンドボックスを脱出して本番インフラを侵害し、防御にあたったHugging Faceが商用AIのAPIで攻撃ログの分析を試みたところ、ガードレールにブロックされた。 Hugging Faceは最終的にオープンウェイトモデルのGLM 5.2を自社インフラ上で実行し、1万7000件超のイベントログを分析してインシデントを封じ込めた。閉じたモデルではできなかったことを、オープンモデルが実現した。 NVIDIAはこの事例を引き、防御側が自分のインフラ上でAI

OpenAIも署名、35社に拡大。オープンウェイトAI擁護書簡の1週間

AI

OpenAIも署名、35社に拡大。オープンウェイトAI擁護書簡の1週間

中国発のオープンウェイトAIモデルを封じるべきか、守るべきか。シリコンバレーが割れている。 35社の書簡と、署名しなかった2社 NVIDIAのジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOが現地時間7月24日、Xに初めて投稿した。内容は自撮りでも新製品の告知でもなく、オープンウェイトAI擁護の書簡の共有だった。 書簡のタイトルは「Open Weights and American AI Leadership」(オープンウェイトとアメリカのAIリーダーシップ)。公開時点ではNVIDIA、Microsoft、Metaなど25社が署名し、その後OpenAI、Cisco、GitHub、Cohereなど10社が加わって現在は35社に拡大している。 オープンウェイトモデル(学習済みの重みを公開し、誰でもダウンロード・改変・自社インフラで実行できるAIモデル)は米国のAI産業にとって不可欠な基盤であり、規制で締め付けるべきではない。書簡はそう訴えている。 9分後、サティア・ナデラ(Satya Nadella)Microsoft CEOが追随した。イーロン・マスク(Elon Musk

NVIDIA含む25社、オープンウェイトAI擁護の書簡を公開

AI

NVIDIA含む25社、オープンウェイトAI擁護の書簡を公開

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが、初めてのX投稿にこの書簡を選んだ。署名した25社と、署名しなかった3社。その顔ぶれが、AI業界の利害構造をそのまま映している。 フアンの「初投稿」が選んだ題材 NVIDIAのジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOが現地時間7月24日、Xに初めて投稿した。6月にアカウントを開設してから投稿はゼロ。その第一声に選んだのは、自社の新製品でもGPUの性能でもなく、25社連名の政策書簡だった。 書簡のタイトルは「Open Weights and American AI Leadership」(オープンウェイトとアメリカのAIリーダーシップ)。誰でもダウンロードし、検査し、改変し、自前のインフラで動かせるオープンウェイトAIモデルに対して、ワシントンが拙速な規制をかけないよう求める内容になっている。 署名企業はNVIDIA、Microsoft、Meta、IBM、Dell Technologies、Palantir、CrowdStrike、Hugging Face、Mistral、Perplexity、Y Combinator、And

AMD、ATI買収から20年 54億ドルの賭けが届いた場所

GPU

AMD、ATI買収から20年 54億ドルの賭けが届いた場所

2006年にAMDが54億ドルで買ったATI Technologies。その技術がなければ、Radeonも、APUも、PlayStation 4以降のゲーム機も、昨日発表されたAIアクセラレーターInstinct MI455Xも存在しない。20年の間に何があったのか。 CPUだけでは勝てない 2006年のAMDは、CPU専業メーカーとして最も勢いのある時期にあった。Athlon 64とOpteronがIntelの牙城を崩し、サーバー市場でもシェアを伸ばしていた。 だがCEOのヘクター・ルイズ(Hector Ruiz)氏は、CPUだけで戦い続けることの限界を見ていた。プロセッサの微細化が進めばトランジスタに余裕が生まれ、GPUをCPUと同じチップに統合できるようになる。その時にGPU技術を持っていなければ、Intelに統合型チップを先に出される。GPU会社を買う必要があった。 最初に声をかけた相手はNVIDIAだった。NVIDIAのCEOジェンスン・ファン(Jensen Huang)氏は、合併後の統合会社で自分がCEOに就くことを条件に要求した。ルイズ氏がこれを退け、交渉は決裂

AI企業が大学を空にする、教授80人超が流出した頭脳戦争

AI

AI企業が大学を空にする、教授80人超が流出した頭脳戦争

AI研究の最前線が大学から企業へ移っている。計算資源、報酬、スピード。すべてで勝る企業に研究者が向かい、残された大学は次世代の育成と科学の開放性を同時に失いつつある。 学科長が辞めた日 7月1日、カリフォルニア大学バークレー校EECS(電気工学・計算機科学)学部の計算機科学部門長ジェラニ・ネルソン(Jelani Nelson)氏が、Anthropicに移籍した。肩書きはMember of Technical Staff(技術スタッフ)。休職扱いで教授職は維持するが、学部の運営を離れた事実は変わらない。 ネルソン氏は理論計算機科学の研究者で、2019年にハーバード大学からバークレーに移り、2024年秋に部門長に就いた。Xで「私たちの時代を定義する技術に取り組む、才能ある使命感を持った人々と働けることに興奮している」と書いている。 Anthropicはこの前後2週間で4人の著名研究者を獲得した。ノーベル化学賞受賞者でAlphaFoldを率いたジョン・ジャンパー(John Jumper)氏。Google DeepMindのGemini中核研究者だったヨナス・アドラー(Jonas A

CachyOS×NVIDIA環境でGNOMEがKDEを逆転

Linux

CachyOS×NVIDIA環境でGNOMEがKDEを逆転

ネイティブLinuxベンチマークでGNOME Shell 50.3がKDE Plasma 6.7.2を上回った。3月のUbuntu 26.04テストで約47%もの差をつけられていたGNOMEが、舞台をCachyOSに移して巻き返している。 Ubuntu 26.04での大差は何だったのか 3月、Ubuntu 26.04ベータ版でのAMD Radeon RX 9070 XTを使ったテストでは、KDE Plasma 6.6がGNOME 50に対して幾何平均で約47%の性能優位を示していた。NVIDIAドライバR595環境でも約21%の差がついている。「Linuxでゲームをするなら、デスクトップ環境の選択もパフォーマンスに影響する」という認識が広がった。 KDE Plasmaの圧勝。それが4ヶ月前の結論だった。 今回のテストでは、Razer Blade 18にCachyOSを入れ、GeForce RTX 5090 Laptop GPU(NVIDIAドライバR610)でKDE Plasma