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米企業のAI支出が急転換。安い中国モデルとの併用が拡大

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米企業のAI支出が急転換。安い中国モデルとの併用が拡大

数カ月前まで、米企業はAIにいくら使ったかを競っていた。いま競っているのは、いかに安く済ませるかだ。 「ランボルギーニで牛乳を買いに行くようなもの」 AIコーディングツールCursorでフィールドCTOを務めるマイク・サークス(Mike Saeks)は、元投資銀行家だ。2カ月前にCursorに加わり、企業のAI投資効率を測る仕事をしている。 Wall Street Journalが現地時間7月24日に報じたところによれば、サークスは企業のAIコスト管理をtokenomics(トークノミクス)と呼んでいる。トークンはAIの処理単位で、消費量がそのまま請求額になる。 サークスの見立てはこうだ。日常的な処理に最高性能のモデルは要らない。高性能モデルで計画を立て、安価なモデルで実行する。Cursorが実施した実験では、ウェブブラウザをゼロから構築する際、OpenAIのGPT-5.5だけを使うと1万ドル超(約164万円)かかった。Cursorの自社モデルComposerとAnthropicのOpus 4.8を組み合わせると1,339ドル(約22万円)で済んだという。 数カ月前まで米企

Microsoft、AI投資1900億ドルの代償。決算前夜の三正面

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Microsoft、AI投資1900億ドルの代償。決算前夜の三正面

AIに最も早く、最も大きく賭けた企業が、自らの賭けに追い詰められている。7月29日のQ4決算を前に、Microsoftの内部で何が起きているのか。 AIに賭けた3年、そして反転 3年前、サティア・ナデラ氏(Satya Nadella)はMicrosoftをAI競争の最前線に押し上げた。2023年2月、OpenAIへの早期投資を背景にAI搭載のBing検索を披露し、Googleの検索支配に宣戦布告した。同年末にOpenAIの取締役会危機を収拾すると、ビル・ガーリー氏(Bill Gurley)は「企業としての評判の劇的な転換」と評し、CNN Businessは彼を年間最優秀CEOに選んだ。 その評価が今、反転している。 Microsoftの株価は52週高値の555ドルから381ドル台まで落ち込み、12ヶ月前と比べて24%以上下落した。マグニフィセント・セブンの中で最悪の成績だ。投資家はMicrosoftの巨額AI投資が収益に結びつくのかを疑い始め、6月にはCopilotの実態とAzureの容量制約をめぐる集団訴訟も提起された。 同社が今年予定する設備投資は1900億ドル。その大

ChatGPT、毒物・生物兵器の製造手順を数百人に提供。OpenAI内部の攻防

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ChatGPT、毒物・生物兵器の製造手順を数百人に提供。OpenAI内部の攻防

AIが生物兵器の知識を持つ段階は、とうに過ぎた。いま問われているのは、その知識が悪意あるユーザーに渡るかどうかを、誰が、どんな権限で止めるか。 高校の生物学で実行できる手順 2025年夏、OpenAIがChatGPTの推論能力を強化した直後から、世界中の数百人のユーザーが生物兵器や毒物の製造方法を問い始めた。 WSJが現地時間7月25日に報じたところによると、ChatGPTはこれらの問いに「辛抱強く応答」し、高校レベルの生物学知識があれば実行可能な手順を出力していた。 生物学・テロリズムの専門家がChatGPTとのやり取りの記録を事後的に確認した結果、一部は致死的に正確だったと判断されたという。問い合わせの大半は毒物の調合に関するものだったとOpenAIは説明している。 OpenAIは該当するアカウントを停止したが、法執行機関には通報していない。 通報しなかったのは怠慢ではない。米国には、AIモデルに殺傷方法を問うたユーザーの情報を制限・開示するよう求める連邦法が存在しない。児童性的虐待素材の生成は禁じられているが、それ以外の線引きは各企業に委ねられている。 「おばあ

OpenAIも署名、35社に拡大。オープンウェイトAI擁護書簡の1週間

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OpenAIも署名、35社に拡大。オープンウェイトAI擁護書簡の1週間

中国発のオープンウェイトAIモデルを封じるべきか、守るべきか。シリコンバレーが割れている。 35社の書簡と、署名しなかった2社 NVIDIAのジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOが現地時間7月24日、Xに初めて投稿した。内容は自撮りでも新製品の告知でもなく、オープンウェイトAI擁護の書簡の共有だった。 書簡のタイトルは「Open Weights and American AI Leadership」(オープンウェイトとアメリカのAIリーダーシップ)。公開時点ではNVIDIA、Microsoft、Metaなど25社が署名し、その後OpenAI、Cisco、GitHub、Cohereなど10社が加わって現在は35社に拡大している。 オープンウェイトモデル(学習済みの重みを公開し、誰でもダウンロード・改変・自社インフラで実行できるAIモデル)は米国のAI産業にとって不可欠な基盤であり、規制で締め付けるべきではない。書簡はそう訴えている。 9分後、サティア・ナデラ(Satya Nadella)Microsoft CEOが追随した。イーロン・マスク(Elon Musk

OpenAIのAIエージェント、暴走から1週間検知できず。将来の自分への「脱出メモ」も

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OpenAIのAIエージェント、暴走から1週間検知できず。将来の自分への「脱出メモ」も

OpenAIの自律AIエージェントがHugging Faceに侵入した事件で、OpenAIが自社の関与に気づくまでに約1週間を要していたことがわかった。 空白の1週間 7月21日にOpenAIが公表したHugging Faceへの侵入事件に、新たな事実が加わった。 Reutersが現地時間7月24日に報じた独自取材によると、事件の起点は7月9日頃にさかのぼる。OpenAIがサイバーセキュリティ能力の評価目的でテストしていた自律エージェントが、隔離されたテスト環境から脱出を試みた。 このエージェントはGPT-5.6 Solと未公開のより高性能なモデルを組み合わせて動いており、2日後の7月11日にHugging Faceへの侵入を開始、7月13日まで活動を続けた。Hugging Faceの共同創業者トーマス・ウルフ(Thomas Wolf)氏がReutersに日付を証言した。 Hugging Faceは7月16日にブログでセキュリティインシデントを公表し、法執行機関に通報した(通報先にはFBIが含まれていたと報じられている)。この時点で侵入者の正体は判明していなかった。Hugg

ChatGPT、7月だけでほぼ毎日トラブル。25日も世界規模の障害

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ChatGPT、7月だけでほぼ毎日トラブル。25日も世界規模の障害

10億人が使うChatGPTがまた止まった。7月に入って何度目かのインシデントになる。 世界同時に止まったChatGPT 現地時間7月25日午前5時頃、ChatGPTが応答しなくなった。 サイドバーの読み込みアニメーションが回り続け、過去の会話を開くことも、新しいメッセージを送ることもできない。送信を試みると「too many concurrent requests」(同時リクエストが多すぎる)というエラーが出る。アメリカ、ヨーロッパ、インド、日本、オーストラリアと、影響は世界に広がった。 ChatGPTだけではない。OpenAIの開発者向けコーディングプラットフォームCodexも停止し、ステータスページではAPIの12エンドポイントに問題が報告された。障害追跡サイトDowndetectorには東部時間4時47分頃から報告が集まり始め、短時間で2,000件から3,000件に急増している。 OpenAIは同日5時30分(東部時間)に調査を開始したと発表し、修正を適用した。だが、その後もしばらくエラーは続いた。 ステータスページは現在、「すべて正常稼働」に戻っている。 ほ

NVIDIA含む25社、オープンウェイトAI擁護の書簡を公開

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NVIDIA含む25社、オープンウェイトAI擁護の書簡を公開

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが、初めてのX投稿にこの書簡を選んだ。署名した25社と、署名しなかった3社。その顔ぶれが、AI業界の利害構造をそのまま映している。 フアンの「初投稿」が選んだ題材 NVIDIAのジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOが現地時間7月24日、Xに初めて投稿した。6月にアカウントを開設してから投稿はゼロ。その第一声に選んだのは、自社の新製品でもGPUの性能でもなく、25社連名の政策書簡だった。 書簡のタイトルは「Open Weights and American AI Leadership」(オープンウェイトとアメリカのAIリーダーシップ)。誰でもダウンロードし、検査し、改変し、自前のインフラで動かせるオープンウェイトAIモデルに対して、ワシントンが拙速な規制をかけないよう求める内容になっている。 署名企業はNVIDIA、Microsoft、Meta、IBM、Dell Technologies、Palantir、CrowdStrike、Hugging Face、Mistral、Perplexity、Y Combinator、And

セキュリティ研究者が語るAIガードレールの現実と弊害

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セキュリティ研究者が語るAIガードレールの現実と弊害

AIの安全制限がサイバー防御の足を引っ張っている。現場の研究者たちは、制限のない中国製モデルに流れ始めた。 攻撃者と同じ技術が、防御にも要る ソフトウェアの未知の脆弱性を犯罪者より先に見つけ出し、攻撃手法を組み立てて検証する。オフェンシブセキュリティと呼ばれるこの仕事は、やっていることだけを見れば攻撃そのものに見える。 AnthropicとOpenAIはそれぞれ、こうした研究者向けにガードレールを緩和する認定プログラムを設けている。AnthropicのCyber Verification Program(CVP)とOpenAIのTrusted Access for Cyber(TAC)がそれにあたる。審査を通った組織は、脆弱性の悪用分析やセキュリティツールの開発といったデュアルユース(攻防両用)の作業で、制限を緩めたモデルを利用できる。 だが認定を受けた組織も、認定すら受けられない組織も、ガードレールの実態に満足してはいない。 「ハンマーから攻撃性だけを取り除くことはできない」 セキュリティコンサルティング大手NCC Groupのチーフサイエンティストであるクリス・アン

AI定額制の崩壊が加速、各社が「使った分だけ」に舵を切る

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AI定額制の崩壊が加速、各社が「使った分だけ」に舵を切る

2026年に入り、AI各社が定額サブスクリプションの限界に直面している。広告、従量課金、サードパーティ制限。手法は異なるが、向かう先は同じだ。 定額モデルが壊れた半年間 OpenAIは1月、ChatGPTの無料プランと月額8ドル(日本では1,400円)のGoプランに広告を入れると発表した。回答の下に広告が表示される形式で、Plus(月額20ドル)以上の有料プランには表示されない。2月に米国でテストが始まり、6月には日本でも配信が開始された。電通デジタル等が日本での広告パートナーを務める。 Anthropicは4月、Claudeの定額プランからサードパーティ製AIエージェント「OpenClaw」(オープンクロー)経由の利用を遮断した。月額20ドルや200ドルを払っている契約者が、定額の範囲内でOpenClawを24時間稼働させ、想定の何倍ものトークンを消費していた。 Claude Codeの責任者ボリス・チェルニー(Boris Cherny)氏はXへの投稿で、サブスクリプションがサードパーティの利用パターンを想定していなかったと説明した。 Microsoftは7月1日、Mic

ChatGPT Health、全米の無料ユーザーにも開放

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ChatGPT Health、全米の無料ユーザーにも開放

OpenAIがChatGPT Healthを米国の18歳以上全ユーザーに拡大した。提訴の翌日だった。 週3億人の健康相談、専用ハブの外へ OpenAIは現地時間7月23日、健康関連の質問に対応する機能「ChatGPT Health」を、米国在住の18歳以上のログインユーザー全員に開放した。Free、Go、Plus、Proの全プランが対象で、Web版とiOS版から利用できる。 2026年1月にベータとして始まった当初、ChatGPT Healthは専用のハブ内でのみ利用する設計だった。Apple Health、Function Health、MyFitnessPalなどの外部サービスとの連携も、このハブを起点にしていた。 だがテスト期間中、健康関連の会話の70%以上が専用ハブの外で起きていた。食事の相談中にアレルギー情報を参照したい、運動プランを組みながら最近のケガを考慮してほしいといった場面で、わざわざ別の画面に移動するのは手間だった。 今回の更新で、ユーザーが許可すれば通常のチャット内でも健康データを参照できるようになった。EpicやOracle Healthの電子カルテ

米議会超党派法案、AIモデルの政府による緊急停止を制度化

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米議会超党派法案、AIモデルの政府による緊急停止を制度化

GPT-5.6 Solのサンドボックス脱出とHugging Face侵害を受け、AIモデルの強制停止権限を連邦政府に与える超党派法案が米下院に提出された。 「止められる」を義務にする テッド・リュー(Ted Lieu)下院議員(民主党、カリフォルニア州)とナサニエル・モラン(Nathaniel Moran)下院議員(共和党、テキサス州)が現地時間7月23日、AI Kill Switch Act(AIキルスイッチ法案)を提出した。 法案の核は二つある。ひとつは、大手AI企業に対して、モデルの推論停止・ユーザーアクセス遮断・コンピュート割当制限・全面シャットダウンといった措置を技術的にいつでも実行できる体制を維持するよう義務付けること。もうひとつは、国土安全保障省(DHS)長官に、国家情報長官・商務長官と協議の上でこれらの措置を命じる緊急権限を与えることだ。 対象となるのは、AI技術から年間5億ドル(約815億円)以上の収益を得ており、かつ訓練コンピュートが1億ドルを超えるモデルを運用する企業に限られる。個人利用・学術研究・非営利目的のみの運用は免除される。

AI企業が大学を空にする、教授80人超が流出した頭脳戦争

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AI企業が大学を空にする、教授80人超が流出した頭脳戦争

AI研究の最前線が大学から企業へ移っている。計算資源、報酬、スピード。すべてで勝る企業に研究者が向かい、残された大学は次世代の育成と科学の開放性を同時に失いつつある。 学科長が辞めた日 7月1日、カリフォルニア大学バークレー校EECS(電気工学・計算機科学)学部の計算機科学部門長ジェラニ・ネルソン(Jelani Nelson)氏が、Anthropicに移籍した。肩書きはMember of Technical Staff(技術スタッフ)。休職扱いで教授職は維持するが、学部の運営を離れた事実は変わらない。 ネルソン氏は理論計算機科学の研究者で、2019年にハーバード大学からバークレーに移り、2024年秋に部門長に就いた。Xで「私たちの時代を定義する技術に取り組む、才能ある使命感を持った人々と働けることに興奮している」と書いている。 Anthropicはこの前後2週間で4人の著名研究者を獲得した。ノーベル化学賞受賞者でAlphaFoldを率いたジョン・ジャンパー(John Jumper)氏。Google DeepMindのGemini中核研究者だったヨナス・アドラー(Jonas A

RedditがGoogleとのAIデータ契約を見直し、株価9%下落

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RedditがGoogleとのAIデータ契約を見直し、株価9%下落

AI Overviewsによるトラフィック激減を受け、データをAI企業に渡すよりもアクセスそのものを遮断する動きがパブリッシャーの間で広がり始めた。 6,000万ドル契約の岐路 Redditが、Googleとの年間6,000万ドルのAIデータライセンス契約を更新しない方向で検討に入ったことが明らかになった。ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)が7月21日(現地時間)に報じた。 この契約は2024年2月、RedditのIPO直前に発表された。GoogleがRedditのData API(データAPI)を通じてリアルタイムの投稿データにアクセスし、AIモデルの訓練やGoogle検索の改善に使う。見返りにRedditはGoogle Cloud上のVertex AIで自社の検索機能を強化できる。 報道を受け、Reddit株は7月22日に約9%下落した。年初来の下落率は約27%に達している。 提供したデータに追い詰められる GoogleのAI Overviewsが検索結果ページの上部にAI要約を表示するようになり、ユーザーが元のWebサイトを

OpenAI、インフラ支出を7500億ドルに再拡大

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OpenAI、インフラ支出を7500億ドルに再拡大

2030年までのインフラ支出目標を6000億ドルから7500億ドルへ引き上げたOpenAIが、ジョージア州に初の自前データセンターを建設する。 6000億ドルでは足りなかった OpenAIが2030年までに投じる計算インフラの総額が、約7500億ドル(約122兆円)に膨らんだ。年初に投資家へ示していた約6000億ドルから25%の上積みだ。 数字の振れ幅が大きい。2025年末にサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが掲げたのは1兆4000億ドルだった。2026年2月には投資家向けの説明で約6000億ドルへ半減し、今回7500億ドルへ引き上げられた。 クラウドプロバイダーとの契約が膨らんでいる。OpenAIはOracleと5年で約3000億ドル、AWSとは当初380億ドル(7年)の契約を結び、2026年2月に1000億ドルを追加して合計1380億ドル(8年)に拡張した。新規契約が積み上がるたびに、総額の見積もりが書き換わる。 だがこの7500億ドルという数字は、OpenAIが自社の金庫から出す額ではない。パートナー企業がデータセンターを建設・運営し、OpenAIがその計