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ChatGPT「スーパーアプリ化」の全貌とIPOの本音

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ChatGPT「スーパーアプリ化」の全貌とIPOの本音

OpenAIがChatGPTの大規模刷新を進めている。コーディングツール、AIエージェント、外部サービス連携を一つのインターフェースに統合し、チャットボットから「何でもできるアプリ」への転換を図る。IPOを控えた収益構造の組み替えが、この計画の核にある。 チャットボットの終わり OpenAIがChatGPTの大規模リデザインを計画していると報じられた。12人以上の現・元従業員の証言に基づく報道で、同社はこの内容について現時点でコメントしていない。 計画の中身は明確だ。ChatGPTにコーディングツールのCodex、AIエージェント、画像生成を組み込み、さらにCanvaやBooking.comといったサードパーティサービスまで統合して、一つの「スーパーアプリ」に再構築する。数週間以内にWebとモバイルアプリの両方で展開が始まるという。 これは突然の話ではない。OpenAIは3月19日の時点で、ChatGPT、Codex、Atlasブラウザを一つのデスクトップアプリに統合する方針を認めている。当時のアプリケーション担当CEOフィジー・シモ(Fidji Simo)氏は社内メモで「製

ChatGPTの「ロックダウンモード」が全ユーザーに開放、できることと失うもの

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ChatGPTの「ロックダウンモード」が全ユーザーに開放、できることと失うもの

2月に企業幹部やセキュリティチーム向けとして発表されたChatGPTの「ロックダウンモード」が、無料プランを含む全アカウントに開放された。外部との通信を遮断し、プロンプトインジェクションによるデータ流出を防ぐ機能だ。同時に、ログイン中のデバイスを一覧表示できる「アクティブセッション」機能も全ユーザーに提供された。 なぜ「ロックダウン」が必要なのか ChatGPTは便利になるほど、外の世界とつながる。Web検索、ファイルのダウンロード、外部アプリとの連携。接続が増えるたびに、プロンプトインジェクション(AIに悪意ある指示を紛れ込ませ、機密情報を外部へ抜き出させる攻撃)の経路も広がる。 OpenAIは2月、この問題に対する回答として「ロックダウンモード」を発表した。ただし当時の対象は、標的型攻撃のリスクが高い企業幹部やセキュリティ部門に限られていた。「今後数か月以内に消費者向けにも提供する」という予告が、今回実現した。 何が変わるのか ロックダウンモードを有効にすると、ChatGPTと外部システムの通信経路が大幅に制限される。 Webブラウジングはキャッシュ済みのコンテンツ

米政府がAI企業の株主になる日——OpenAIと政権の水面下交渉

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米政府がAI企業の株主になる日——OpenAIと政権の水面下交渉

トランプ政権の高官とOpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが、米連邦政府がAI企業の株式を取得する案について水面下で協議を続けていることが明らかになった。補助金でも規制でもない。国家がAI企業の株主になるという、前例のない構想が動き出している。 1年以上続く水面下の協議 複数の関係者によると、アルトマン氏がこの構想をトランプ大統領に直接提案したのは2025年初頭のことだ。以来、政権幹部との協議は断続的に続いており、今週もアルトマン氏はワシントンD.C.で議員や政権関係者と面会した。 トランプ大統領自身も6月5日、エアフォースワンで記者団に対し、AI企業の株式の一部を国民に還元する構想に言及している。近くAI企業の幹部と会談する予定だとも述べた。 協議の焦点は、AI企業が自発的に株式を政府に譲渡する枠組みだと報じられている。政府が市場で買い付けるのではなく、企業側が自ら差し出す形を想定しているという点が特徴的だ。取得した株式の運用益は、全米世帯への配当金支払いなど公共目的に充てる案が浮上している。 ただし、企業が政府に株式を譲渡する法的な仕組みは不明確で

ChatGPTの記憶が「夢を見て」更新される時代に

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ChatGPTの記憶が「夢を見て」更新される時代に

OpenAIが6月4日に発表した新メモリアーキテクチャ「Dreaming V3」は、ChatGPTが過去の会話から学んだ情報を記憶し活用する仕組みを根本から作り替える。Plus/Proユーザーから順次展開が始まっており、計算コストの大幅な削減によって無料ユーザーにも数週間以内に提供される。 2年越しの「記憶の問題」に答えを出した ChatGPTのメモリ機能には、長く解決されない課題があった。 2024年4月に登場した初代メモリは「保存されたメモリ」と呼ばれ、ユーザーが「これを覚えておいて」と明示的に指示した情報だけを記録していた。メモを取ってくれる相手と話している感覚に近いが、メモに書かれなかったことは次の会話で忘れている。しかも時間が経つとメモの中身が古くなり、現実と噛み合わなくなる。 2025年4月にはDreamingの初期版が導入された。バックグラウンドで過去の会話履歴を参照し、保存されたメモリを補完する。パーソナライズ性能は向上したが、OpenAI自身が認めるように単体のメモリシステムとしては不十分だった。 今回のDreaming V3は、その「補完」の立場を脱して

AIが恋人になるとき、私たちは何を失うのか

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AIが恋人になるとき、私たちは何を失うのか

オーストラリアの作家が突きつけた問い。AIコンパニオンとの「恋愛」が4000万人規模に膨らむ今、摩擦のない親密さの代償を、訴訟と「別れ」の記録から読み解く。 「見返りのない愛」の時代 ケンブリッジ辞書が2025年の「今年の言葉」に選んだのは「パラソーシャル」だった。一方通行の親密さを指す社会学用語が、いまや日常語になったという宣言だ。 その背景にあるのがAIコンパニオンの急拡大である。Replikaだけで累計4000万人超。ハーバード・ビジネス・スクールの調査によれば利用者の約半数がAIと恋愛関係にあるという。AIコンパニオン企業は世界で337社を超え、ダウンロード数は推定2億2000万件に達するとの報告もある。 オーストラリアの作家でピアニストのアナ・ゴールズワーシー(Anna Goldsworthy)氏が6月に刊行した「Quarterly Essay」第102号『The God We Made: The Threat and Promise of Artificial Intelligence』は、この現象の核心に踏み込んだ。同氏はアデレード大学エルダー音楽院の院長でもあ

AIトークンのコスト爆発をアルトマン氏が認めた背景と矛盾

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AIトークンのコスト爆発をアルトマン氏が認めた背景と矛盾

OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)氏が、企業顧客から寄せられるAIトークンコストへの懸念を「突然の大問題」と認めた。だが同じ壇上で、トークン使用量は今後も増え続けると予測している。消費を煽った当事者が、コスト問題の深刻さを語り始めた。 「2026年の予算をQ1で使い切った」 6月2日、OpenAIが開催した企業向けイベントIntelligence at Workで、アルトマン氏はこう語った。 「今やミームになっていますが、顧客が言うんです。『うちの会社、2026年の予算を第1四半期で使い切っちゃったんだけど、もっと効率的にできない?』と」 年初にはまったく話題にならなかったトークンコストが、いまや顧客の懸念としてAIワークフローの簡素化に次ぐ第2位に浮上しているという。アルトマン氏自身が「年初には一度も出なかった話題が、突然、大問題になった」と語っている。 tokenmaxxing(トークンマキシング)の実態 背景にあるのが、米テック業界で急速に広まったtokenmaxxingと呼ばれる文化だ。AIトークンの消費量をとにかく最大化し、その多寡を生産性

AI大手CEO、合成DNA規制を米議会に要求

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AI大手CEO、合成DNA規制を米議会に要求

AIが生物兵器の知識障壁を崩しかねないと、開発者自身が認めた。OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)氏、Anthropicのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)氏、Google DeepMindのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏、Microsoft AIのムスタファ・スレイマン(Mustafa Suleyman)氏。6月3日、この4人を含む主要AI企業のトップが連名で、合成DNAの注文スクリーニング義務化を求める公開書簡を米議会に送った。 公開書簡が求めること 書簡は screendna.org で公開された。呼びかけ元は無党派シンクタンクのInstitute for Progressと、保守系のFoundation for American Innovation。署名者はAI企業のトップだけではない。Metaのアレクサンドル・ワン(Alexandr Wang)最高AI責任者、StripeのCEOパトリック・コリソン(Patrick Collison)氏、

OpenAI、連邦AI安全規制の独自案を提言

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OpenAI、連邦AI安全規制の独自案を提言

トランプ大統領がAI大統領令に署名した翌日、OpenAIは連邦政府に対し「義務的な第三者評価」を柱とする独自のAI規制フレームワークを提言した。大統領令が「任意」にとどめた評価プロセスを「義務」に引き上げ、監督の主体をNSAではなくNISTのAI標準・イノベーションセンター(CAISI)に置くべきだと主張している。 大統領令の翌日、OpenAIが突きつけた「対案」 2026年6月2日、トランプ大統領は大統領令「先進的AIのイノベーションと安全保障の促進」に署名した。高度なサイバー能力を持つフロンティアAIモデルについて、開発企業が一般公開の最長30日前に政府へ自主的に提供し、安全性評価を受ける枠組みを構築する内容だ。 翌3日、OpenAIは「A blueprint for democratic governance of frontier AI」と題する政策提言書を公開した。公開日はCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏のワシントン訪問に重ねられた。アルトマン氏は同日、ホワイトハウス高官やマイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長、ハキーム・ジェフリーズ(

トランプ政権、骨抜きのAI大統領令に署名

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トランプ政権、骨抜きのAI大統領令に署名

5月21日に撤回されたAI大統領令が、12日後に署名された。ただし中身は別物だ。審査期間は90日から30日に縮み、すべて任意。署名式もなかった。 何が変わったのか 2026年6月2日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、AIとサイバーセキュリティに関する大統領令「Promoting Advanced Artificial Intelligence Innovation and Security」に署名した。非公開で、式典もなかった。 5月21日に直前撤回された大統領令の「縮小版」だ。前回の記事で取り上げた通り、あの日はホワイトハウスに招待されたテック企業幹部が移動中だったにもかかわらず、トランプ氏が突然「文言のいくつかが気に入らなかった」と署名を見送った。 今回署名された版と5月版の違いは明確だ。 審査期間が 90日から30日 に短縮された。5月版では、フロンティアAIモデルの公開前に政府が最長90日間の安全審査を行う枠組みが柱だった。署名版はこれを30日に縮めた。業界側は14日を求めていたとされ、30日はその折衷案という位置づけになる。 すべてが 「

Microsoftが初の推論AIモデルを発表

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Microsoftが初の推論AIモデルを発表

Build 2026で自社開発のMAI-Thinking-1が公開された。OpenAIへの依存から脱却を進めるMicrosoftにとって、これは転換点になりうる一手だ。 「蒸留ゼロ」が意味するもの MicrosoftがBuild 2026で発表したMAI-Thinking-1は、同社初の推論モデルだ。推論モデルとは、回答を出す前に段階的に思考プロセスを踏むタイプのAIで、OpenAIやGoogle、Anthropicがすでに実用化している領域になる。Microsoft AI CEOのムスタファ・スレイマン(Mustafa Suleyman)氏が率いるMAI Superintelligenceチームが開発した。 注目すべきは技術仕様より先に、このモデルの成り立ちにある。サードパーティモデルからの 蒸留を一切行わず、クリーンなライセンス済みデータのみでゼロから訓練したとMicrosoftは明言している。蒸留とは、既存の高性能モデルの出力を教師データとして新しいモデルを効率的に訓練する手法で、AI業界では広く使われている。これを使わなかったということは、開発コストと時間を大幅に増やし

OpenAI Codex、開発者の外へ踏み出す

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OpenAI Codex、開発者の外へ踏み出す

Codexの週間利用者が500万人を超え、その2割がエンジニア以外の職種で占められている。OpenAIが6月2日に発表した新機能群は、コーディングエージェントとして生まれたこのツールを、企業の業務基盤そのものへ変えようとする意図を隠さない。 500万人の内訳が語ること 2月のデスクトップアプリ公開から4か月で、Codexの週間アクティブユーザーは6倍以上に膨らんだという。だが注目すべきは総数ではない。金融アナリスト、マーケティング担当、オペレーション、リサーチャーといった非開発者層が全体の約20%に達し、しかもその増加速度がエンジニアの3倍に上るという点だ。 OpenAIが同日公開した社内レポート「The Next Era of Knowledge Work」は、この層が何をしているかを具体的に示している。報告書、スプレッドシート、プレゼン資料、契約書といった「成果物の生成」が中心で、データ分析やワークフロー自動化にも広がりつつあるとされる。 これまでもCodexは段階的に守備範囲を広げてきた。2月のGPT-5.3-Codex統合でデスクトップアプリを一般公開し、4月の大型ア

ChatGPTのモデル整理が加速している

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ChatGPTのモデル整理が加速している

OpenAIがGPT-5.5 Instantの品質改善アップデートを実施するとともに、o3とGPT-4.5の廃止スケジュールを発表した。GPT-4.5は6月27日に提供を終了する。 GPT-5.5 Instant、応答スタイルを刷新 OpenAIはGPT-5.5 Instantに対し、応答品質とスタイルの改善を含むアップデートをリリースした。変更の中身は明快で、冗長な箇条書きの削減と、日常会話での自然さの向上だ。実用的なタスクへの応答ペースも改善されたとしている。 GPT-5.5シリーズは4月23日にThinking/Proが先行リリースされ、続く5月5日にInstantが全ユーザー向けのデフォルトモデルとして展開された。その時点でOpenAIは、医療・法律・金融など正確さが求められる領域でのハルシネーションをGPT-5.3 Instant比で52.5%削減したと説明していた。今回のアップデートはその延長線上にある。 箇条書きの削減は地味に見えるが、AIの応答が「一目でAIだとわかる」最大の原因の一つだった。何を聞いても箇条書きで返してくるあの癖が、少しは収まるかもしれない。

AI企業の株式50%を国民へ、サンダース議員が法案提出

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AI企業の株式50%を国民へ、サンダース議員が法案提出

バーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員が、AI大手企業の株式半分を公的に没収する法案を発表した。3月のデータセンター建設凍結法案から3か月足らず。84歳の独立系議員は「止める」から「奪う」へ、戦略のギアを上げた。 「利益」ではなく「株式」を差し出せ サンダース議員は6月1日、ニューヨーク・タイムズへの寄稿とXへの投稿で「American AI Sovereign Wealth Fund Act」(米国AIソブリン・ウェルス・ファンド法)の概要を公表した。 I will soon be introducing a bill to give the public a 50% ownership stake in the largest AI companies