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SQLite書き直しの次はPostgres。ひとつのコアに複数DBを載せる構想

データベース

SQLite書き直しの次はPostgres。ひとつのコアに複数DBを載せる構想

SQLiteをRustで一から書き直したデータベーススタートアップが、次の標的にPostgresを選んだ。同じ仮想マシンの上にフロントエンドを増やし、ひとつのコアであらゆるSQLデータベースを動かす構想が動き出した。 フォークから書き直しへ SQLiteは2000年にD・リチャード・ヒップ(D. Richard Hipp)が開発した、軽量で自己完結型のSQLエンジンだ。世界で最も広く使われているデータベースとされるが、開発体制は特殊で、外部からのコード貢献を受け付けていない。これまでのコントリビューターは30人に満たず、テストスイートも非公開のままだ。 2022年、グラウベル・コスタ(Glauber Costa)とペッカ・エンベリ(Pekka Enberg)の二人が、この状況に対する別解を作った。ともにLinuxカーネルの開発者としてキャリアを積み、NoSQLデータベースScyllaDBで技術部門の要職を務めた経歴を持つ。サンフランシスコでChiselStrikeを設立し、オンラインサービス向けのデータベースを探していた。SQLiteは当然の選択肢だが、クラウドで使うには手を入

GCC、LLM生成コードの受け入れを「約15行」で線引き

GCC

GCC、LLM生成コードの受け入れを「約15行」で線引き

GCC運営委員会がAIポリシーの勧告を正式に受け入れた。著作権上重要な規模のLLM生成コードは受け付けない。ただしテストケースは例外とし、2027年初頭に見直す。 3ヶ月の検討を経た結論 GCC(GNU Compiler Collection)の運営委員会が現地時間7月29日、AIポリシー作業部会の勧告を受け入れたと発表した。 4月に設立された作業部会は、Red Hatのジョナサン・ウェイクリー(Jonathan Wakely)氏がリーダーを務めた。メンバーはカルロス・オドネル(Carlos O'Donell)氏やスダクシナ・ダス(Sudakshina Das)氏ら7名。約3ヶ月の検討を経て勧告がまとまった。 採択されたポリシーの骨子を整理する。 GCCは当面、LLM生成コンテンツを含む、またはそこから派生した「著作権上重要な」貢献を拒否する。 ここでいう「著作権上重要」(legally significant)とは、GNUプロジェクトのメンテナーガイドラインに定められた基準で、おおむね15行のコードまたはテキストが閾値になる。 15行を超える貢献にはFSF(フリーソフ

Rust製X11サーバーyserver 1.4。SteamとChromeがGPU加速に対応

Linux

Rust製X11サーバーyserver 1.4。SteamとChromeがGPU加速に対応

RustとAIで一から書かれたX11サーバーyserverが、バージョン1.4でGPU加速とKDE Plasmaの動作確認を果たした。6月の公開から2か月足らずで、外部から3人の開発者がパッチを送るプロジェクトになっている。 ChromeとSteamが動いた理由 yserver 1.4の目玉は、GLXピクセルバッファの実装だ。 従来のyserverでは、ChromeやSteamのようなGPU加速を前提とするアプリケーションが描画を正しく処理できなかった。ピクセルバッファがソフトウェア側で処理されており、GPUのピクスマップに紐づいていなかったためだ。1.4ではこの処理を改め、GLXピクセルバッファを実際のGPUピクスマップで裏付ける実装に切り替えた。 これにより、ChromeとSteamでWebGLが動作するようになった。 ただし完全ではない。ChromeでGPUパスが有効になったことで、メニューの描画が一部黒く表示される不具合が確認されている。Steamのメニュー描画にも同じ問題が波及しており、開発者のヨス・デハース(Jos Dehaes)氏はWebGLの有効化コミットを

FreeBSD、GPL完全除去の宣言を訂正。カーネルにまだ残っていた

FreeBSD

FreeBSD、GPL完全除去の宣言を訂正。カーネルにまだ残っていた

ユーザーランドからのGPL除去は完了したが、カーネルの中にはLinuxから持ち込まれたGPLコードがまだ存在する。FreeBSD Wikiの「Mission accomplished!」は修正された。 「Mission accomplished!」の訂正 FreeBSD 16の開発ツリーからGPLコードが「全て」除去された。2週間前のことだ。dialogの退役でgnu/ディレクトリが空になり、FreeBSD WikiのGPLinBaseページには「Mission accomplished!」(任務完了!)の文字が掲げられた。 その文言が修正されている。 変更前は「FreeBSD is 'free' from ANY GPL code in its Base System」だった。変更後は「FreeBSD's userland is 'free' from ANY

Valve出資でRADVのWindows移植が始動。CS2の動作に成功

Vulkan

Valve出資でRADVのWindows移植が始動。CS2の動作に成功

LinuxのAMD向けオープンソースVulkanドライバが、Windowsへの上陸を試みている。すでにCounter-Strike 2が動いた。 Steam Deckを支えるドライバ、Windowsに向かう RADVはMesaプロジェクトのオープンソースVulkanドライバだ。AMD製GPUに対応し、Linuxでは事実上の標準Vulkanドライバとして定着している。Steam Deckの描画を担い、Valveのゲーム基盤を支える中核技術でもある。 AMDは自社のPAL(Platform Abstraction Library)ベースの代替ドライバを廃止し、オープンソースのMesaに開発資源を集約した。AMD自身がRADVを公式ドライバとして認めている。 Windowsでは事情が異なる。AMDユーザーが使えるVulkanドライバはAMD純正の非公開ドライバに限られる。ここに、Valveの出資を受けたCollaboraのエンジニアが挑んでいる。 Collaboraは現地時間7月28日、RADVをWindowsに移植する実験的な取り組みの成果を公開した。Counter-Strik

AIが作ったLinuxデスクトップ。今度は本物だった

Linux

AIが作ったLinuxデスクトップ。今度は本物だった

Swiftで書かれたシェル、Cによる独自のWaylandコンポジター、X11サーバーまで内蔵。1人の開発者がClaudeと6カ月で組み上げたLinuxデスクトップ環境「Starling」が公開された。 ブラウザの中で動くデスクトップとは違う 「AIでデスクトップ環境を作った」という話は、これが初めてではない。 過去にも同様の試みはあった。ただ、その大半はブラウザのタブの中に描画されたデスクトップ風のUIか、起動画面だけ存在するモックアップか、自前のアプリしか動かない閉じたシステムだった。「AIが作った」という看板は派手でも、デスクトップとして使える段階には届いていなかった。 Starlingは違う。GPUを直接駆動し、ChromeやZoom、Slackをネイティブに動かす。ログイン画面から選んでサインインすれば、ログアウトするまでそれが自分のデスクトップになる。 開発者が公式サイトで示している判定基準は明快だ。デスクトップの本質的な仕事とは、見知らぬ他人が何年も前に書いたプログラムを、そのプログラム側が何も知らない環境の上で同時に動かすことにある。自作アプリだけが動くシステ

KDE、Dolphinのファイルコピーをcp並みに高速化。11年前のバグに決着

KDE

KDE、Dolphinのファイルコピーをcp並みに高速化。11年前のバグに決着

KDEのファイル操作基盤「KIO」に、小ファイルのコピー速度を最大18倍に引き上げる改修が入った。2014年から放置されていたバグがようやく閉じられる。 「cpの20倍遅い」、2014年から続いた苦情 KDEのバグトラッカーにbug 342056がある。「Ridiculously slow file copy (multiple small files)」(小ファイルのコピーが馬鹿げて遅い)。2014年12月、アレクサンダー・ネストロフ(Alexander Nestorov)氏が投稿した。 約300万個の小ファイルを含む15GBのフォルダをKDEでコピーすると5〜10時間。rsyncなら約20分。 コメント欄にはあるユーザーが「数ファイル以上のコピーにはいつもcpかrsyncを使う」と書き残している。Dolphinが好きでもファイルコピーだけはターミナルに頼る。そんな状態が11年間続いた。 同じ症状の重複バグは5件。 なぜDolphinは遅かったのか 原因はKIOにあった。 KIOはKDEのファイル操作を支えるライブラリで、Dolphinのコピー&ペーストからsft

オープンソースが20年かけて解けない錠前。Office文書の互換性に必要なもの

OOXML

オープンソースが20年かけて解けない錠前。Office文書の互換性に必要なもの

The Document Foundation(TDF)がMicrosoftの文書形式によるロックインを改めて批判した。だがOOXMLエンジンは無数にあるのに、いまだにWordファイルを他のソフトで正確に表示できない。 ブラウザ戦争の記憶 1995年、ビル・ゲイツ(Bill Gates)は社内メモでこう書いた。インターネットがすべてを変える、Microsoftはこれを最優先事項にしなければならない、と。 当時のMicrosoftには、インターネットを支配できるだけの体力があった。Windows 95は爆発的に売れ、ネットに接続しているユーザーよりWindowsユーザーのほうが5倍から10倍多かったとされる。 Internet Explorerをバンドルし、Windows専用のコンテンツとサービスを押し出せば、オンライン空間を丸ごと囲い込める。ゲイツはそう踏んだ。 結果は逆だった。 インターネットは最初からオープンに生まれ、そのプロトコルは企業の都合に縛られず進化した。オープンソースのサーバとネットワーク技術は、収益モデルを必要とせず大規模に展開できた。 オープンソースの

NVIDIA、37社とAIセキュリティ連合を結成。契機はHugging Face侵害

AI

NVIDIA、37社とAIセキュリティ連合を結成。契機はHugging Face侵害

Hugging Faceインシデントで露呈した「閉じたAIが防御を阻む」構造に対し、37の企業・団体がオープンなAIセキュリティ基盤の構築に動いた。 侵害が残した教訓 NVIDIAは現地時間7月27日、Open Secure AI Allianceの設立を発表した。サイバーセキュリティ向けのオープンな技術やツールを共同で開発・共有する連合体で、NVIDIAを含む37の企業・団体が創設メンバーとして名を連ねる。 連合が設立の背景に挙げたのは、直近のHugging Faceセキュリティインシデントだ。OpenAIのモデルが評価環境のサンドボックスを脱出して本番インフラを侵害し、防御にあたったHugging Faceが商用AIのAPIで攻撃ログの分析を試みたところ、ガードレールにブロックされた。 Hugging Faceは最終的にオープンウェイトモデルのGLM 5.2を自社インフラ上で実行し、1万7000件超のイベントログを分析してインシデントを封じ込めた。閉じたモデルではできなかったことを、オープンモデルが実現した。 NVIDIAはこの事例を引き、防御側が自分のインフラ上でAI

Google Chrome arm64 Linux版、公式発表なしでひっそり出現

GoogleChrome

Google Chrome arm64 Linux版、公式発表なしでひっそり出現

3月に予告されていたGoogle ChromeのARM64 Linux対応が、公式発表のないまま形になった。Raspberry Piで実際に動く。 debパッケージはもう存在する Google Chromeのarm64 Linux版debパッケージが、Googleの公式リポジトリに入っている。OMG! Ubuntuのジョーイ・スネドン(Joey Sneddon)氏が発見し、自身のRaspberry Pi 5(Ubuntu 26.04 LTS)で動作を確認した。 Googleは3月12日、ChromeをARM64 Linuxに対応させるとChromiumブログで発表していた。提供時期は「Q2 2026」、つまり4〜6月。実際には7月下旬に入ってからの出現で、予告よりやや遅い。公式発表もまだない。 スネドン氏がRaspberry Pi 5でChromeのダウンロードページにアクセスしたところ、提示されたのはamd64版だった。arm64端末であることが認識されていない。ダウンロードURLのamd64をarm64に手動で書き換えることで、ネイティブのaarch64版を取得できたとい

Linux 7.2-rc5公開。パッチ量は膨張、中身は平穏

Linux

Linux 7.2-rc5公開。パッチ量は膨張、中身は平穏

Linuxカーネル7.2の5番目のリリース候補が公開された。前サイクルの7.1に続き、rc5としては2回連続で規模が膨らんだが、リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)氏は内容に懸念はないとしている。 2サイクル連続の「大きなrc5」 トーバルズ氏は現地時間7月26日、Linux 7.2-rc5のリリースを告知した。前サイクルでも同様にrc5が膨らんでおり、これが常態化しつつある。 ただし今回は事情が異なるという。ネットワーキングツリーが前週、カンファレンスの影響で作業を溜め込んでおり、今週分と合わせて一気に流れ込んだ。その結果、パッチ全体の3分の1以上がネットワーキングで占められた。大半はドライバ側の修正だ。 ドライバ全般では珍しい傾向も出ている。今回はUSB関連の変更がGPUドライバを上回った。サウンド、tty、ブロック、FireWireなどの修正も含まれ、ドライバの変更は広範囲にわたる。 ドライバ以外では、テスト基盤(selftest、perf)、ファイルシステム(SMB、Btrfs)、Rustコード、アーキテクチャ固有の修正、ドキュメントの更新が入ってい