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SpaceXが宇宙データセンター工場を発表。IPO3日前の現在地

AI

SpaceXが宇宙データセンター工場を発表。IPO3日前の現在地

SpaceXがテキサス州バストロップに建設する衛星製造施設「Gigasat」と、初の軌道データセンター衛星「AI1」の設計が公開された。2027年末までに年間1GWの宇宙AIコンピュート能力を実現し、2030年には100GWへ引き上げるという。ただし、この構想を支えるチップ工場も、打ち上げ頻度も、排熱の実証も、まだ何一つ完成していない。 100万基の衛星でAIを宇宙に持ち出す SpaceXのイーロン・マスク(Elon Musk)氏は6月8日、自社Xアカウントに投稿した約30分のインタビュー動画で、軌道データセンター衛星「AI1」の設計を初公開した。 翼幅は約70メートル。ボーイング747-8の翼幅を上回る。構造の大部分を太陽電池アレイが占め、150kWを発電する。中央のAI計算モジュールはピーク150kW、平均120kWの演算能力を持つ。冷却には110㎡の展開式液体ラジエーターを使い、太陽に対して「ナイフエッジ」の角度で配置することで、両面から宇宙空間へ熱を放射する。 もう一つ、見逃せない設計判断がある。計算チップのプロバイダーを交換可能にした点だ。マスク氏はNVIDIA G

OpenAIもIPO機密申請、Anthropicに続き上場競争に参入

AI

OpenAIもIPO機密申請、Anthropicに続き上場競争に参入

ChatGPTを運営するOpenAIが、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)に向けたS-1登録書類の機密草案を提出した。同社は6月8日(米国時間)にこれを公式発表。1週間前にAnthropicが先行申請しており、AI大手2社が相次いで公開市場へ名乗りを上げた。 「リークされると思ったので公表する」 OpenAIの発表は簡潔だった。 「機密S-1を提出した。リークされると思ったので公表する。タイミングはまだ決めていない。民間企業のままの方がやりやすいことがあり、時間がかかるかもしれない。ただ、より早く上場する方が最善と判断した場合に備え、選択肢を持つことにした」 株式数も売り出し価格も未定。上場時期も「場合によってはまだ先」と含みを持たせる内容で、通常のIPO発表とは一線を画すトーンだった。幹事証券にはゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーを起用し、今秋の上場を視野に入れているとされる。 OpenAIの直近評価額は8,520億ドル(約136兆円)。3月に完了した1,220億ドル(約19兆5,000億円)の資金調達ラウンドで付いた評価額だ。 Anthro

GoogleがSpaceXから11万基のGPUを借りる異例の契約

AI

GoogleがSpaceXから11万基のGPUを借りる異例の契約

自社で世界最大のAI計算資源を持つGoogleが、なぜ他社のデータセンターに月額約1472億円を払うのか。その背景には、想定を超えたエージェントAI需要の爆発がある。 月額9億2000万ドル、約3年 SpaceXは6月5日、Googleとクラウドサービス契約を締結したことをSECへの届出で明らかにした。契約に基づき、GoogleはSpaceXに対して2026年10月から2029年6月まで月額9億2000万ドル(約1472億円)を支払い、約11万基のNVIDIA GPU、CPU、メモリなどの計算資源を利用する。9月までは割引料金で段階的にキャパシティが拡大される。 フルレートで計算すると、契約総額は約303億ドル(約4兆8500億円)に達する。 5月にAnthropicと締結した契約(月額12億5000万ドル、2029年5月まで)に続く2件目の大型案件だ。SpaceXのS-1によると、Anthropicの契約はColossus 1とColossus 2にまたがり約32万5000基のGPUを対象としている。2社合わせた年間契約額は約260億ドル(約4兆1600億円)。xAIが構築

SpaceXテラファブ、住民反対を押し切り35年間の固定資産税全額免除が成立

半導体

SpaceXテラファブ、住民反対を押し切り35年間の固定資産税全額免除が成立

テキサス州の人口3万5000人に満たない郡が、史上最大のIPOを控える企業に35年間の固定資産税100%免除を与えた。550億ドル(約8兆8000億円)規模の半導体工場計画に対し、住民が求めたのは「待ってくれ」というささやかな要求だった。 4対1、100人超の反対を前に 2026年6月3日、テキサス州Grimes County(グライムズ郡)の郡委員会は、SpaceXが計画する巨大半導体製造施設「テラファブ」(Terafab)に対し、再投資ゾーンの指定と固定資産税の100%免除を4対1で承認した。 公聴会には200人を超える住民が詰めかけた。発言した住民の大半が反対意見だった。地元の牧場経営者ジョセフ・レジニチェク(Joseph Reznicek)氏は「事実上、この郡に住む全員が郡の役人に顔を張られた。まもなく時価総額1兆ドルになるかもしれない企業に、条件を一方的に押しつけられた」と語った。 反対派の声は委員の判断を覆すには至らなかったが、第2選挙区のデイヴィッド・タロス(David Tullos)委員は唯一の反対票を投じた。タロス氏はSpaceXの透明性の欠如を繰り返し指摘

マスク氏の公約達成率19%、史上最大IPO直前の検証

テクノロジー

マスク氏の公約達成率19%、史上最大IPO直前の検証

SpaceXの上場が早ければ6月12日に迫るなか、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が過去15年間に掲げた602件の公約を体系的に検証した調査報道が公開された。期限どおりに達成されたのは、わずか19%だった。 602件の約束、守られたのは5分の1以下 6月2日に公開された調査報道は、マスク氏が2011年から2026年1月までの15年間に、投資家向け説明会や自身の投稿で発信した公約602件を洗い出し、その達成状況を一つずつ検証したものだ。分析対象はマスク氏の投稿6万9000件超と、2021年以降のTesla投資家向け説明会19回分。大規模言語モデルで「将来の期限付き約束」を抽出し、記者4人が手作業で精査・分類するという手法を採っている。 結果はこうなった。 期限どおりに達成されたのは 約19%。遅延して達成、または未達成が 約35%。内容が曖昧すぎて検証不能、あるいは期限がまだ先のものが残りの 約46% を占める。 マスク氏の公約602件 達成状況 期限どおり達成 19%(1マス=約6件) 期限内達成

SpaceXの上場書類に「水不足」が追記された

AI

SpaceXの上場書類に「水不足」が追記された

6月12日に迫るNasdaq上場を前に、SpaceXがIPO届出書を修正した。追加されたリスク要因のひとつが「水」だ。AIデータセンターの冷却に不可欠な水資源の確保が、電力と並ぶ事業上の制約になりうると、同社は投資家に警告している。 電力だけでは足りなかった SpaceXは5月20日にSECへS-1(目論見書)を提出し、6月1日にその修正版(S-1/A)を公開した。修正前の届出書では、データセンター拡張の主な制約として「経済的に実行可能な価格での電力供給」を挙げていた。修正版ではこれが「経済的に実行可能な価格での電力と水の供給」に書き換わっている。 追加された記述の趣旨はこうだ。大規模データセンターの運用には冷却のために大量の水が必要であり、水の確保はデータセンターの立地選定・建設・運用における重要な検討事項になっている。水不足や干ばつ、地域住民との水資源の競合、あるいは水利用に関する規制強化によって、冷却に十分な水を得られなくなるリスクがあるという。 なぜこのタイミングで追加されたのか。修正のきっかけは明らかにされていない。IPO前の審査期間中、SECはSpaceXに対して

Anthropic、SECにIPO申請を提出

AI

Anthropic、SECにIPO申請を提出

AIチャットボットClaude(クロード)の開発元であるAnthropic(アンソロピック)が、ついに株式市場への扉を開いた。評価額は約153兆円。AI企業が公開市場に問われる時代が始まる。 非公開でS-1を提出 Anthropicは6月1日、米証券取引委員会(SEC)に対し、普通株式の新規株式公開(IPO)に向けたS-1登録届出書の草案を非公開で提出したと発表した。公開株式数や価格はまだ決まっていない。上場の実施は市場環境やその他の要因に左右されるとしている。 非公開提出(コンフィデンシャル・ファイリング)とは、SECの審査が完了するまで書類の内容を市場に公開しない手続きだ。大型テックIPOでは近年一般的になっている方式で、SpaceXも同じ手順を経て5月に公開提出に進んでおり、OpenAIも非公開提出を行ったと報じられている。正式なS-1が公開されるのは、ロードショー(投資家向け説明会)の数週間前になるのが通例だ。 動きは速かった。提出のわずか4日前、5月28日にAnthropicはシリーズHで650億ドル(約10兆3,500億円)を調達し、企業評価額は9,650億ドル(

New Glenn爆発、失ったのはロケットだけではない

宇宙

New Glenn爆発、失ったのはロケットだけではない

Blue Originの大型ロケットNew Glennが、エンジン燃焼試験中に爆発した。全長98mの機体は火球に呑まれ、発射台もろとも崩壊。だが本当の問題は、このロケットが飛び立つはずだった場所が消えたことにある。 ケープカナベラルの夜が裂けた 現地時間2026年5月28日午後9時頃、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の第36発射施設(LC-36)。New Glennの第1段に搭載された7基のBE-4エンジンへの点火が始まった直後、異常が発生した。機体下部から火災が広がり、第1段が崩壊を始めると上段が傾き、落下。直後にメタン燃料と液体酸素に引火し、巨大な爆発が施設全体を包んだ。 ロケットを垂直に立てるトランスポーター・エレクターが消滅し、2基あった避雷塔のうち1基が倒壊したと報じられている。負傷者はいなかった。Blue Originのオーナーであるジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は「非常に厳しい一日だった」と投稿し、「必要なものは何でも再建し、飛行に戻る」と述べた。 ロケットより重い「発射台の喪失」 ロケットは造り直せる。だが発射台はそうはいかない。 LC-3

Linuxに19年潜んだ権限昇格の欠陥が発覚。脆弱性「CIFSwitch」CVE未割り当て

セキュリティ

Linuxに19年潜んだ権限昇格の欠陥が発覚。脆弱性「CIFSwitch」CVE未割り当て

Linuxカーネルのファイル共有機能に、2007年から19年間にわたって潜伏していた権限昇格の脆弱性「CIFSwitch」が公開された。Linux Mint、CentOS Stream 9、Rocky Linux 9など複数のディストリビューションが標準設定のまま影響を受け、一般ユーザーがroot権限を取得できてしまう。カーネル側の修正パッチはすでにstableキューに入っているが、ディストリビューションごとの適用状況はまちまちだ。 19年間、誰も気づかなかったロジックバグ SpaceXのセキュリティエンジニアであるアシム・マニザダ(Asim Viladi Oglu Manizada)氏が5月27日に公開したこの脆弱性は、Linuxカーネルの CIFSクライアントと、ユーザー空間のヘルパーツール cifs-utils の境界 に存在する。CIFS(Common Internet File System)はWindowsのファイル共有で広く使われるSMBプロトコルのLinux実装だ。CVE番号は5月31日時点でまだ割り当てられていない。 Kerberos認証を使うCIFSマウント

マスク氏の発言と自社IPO書類に食い違い 記載内容を比較

AI

マスク氏の発言と自社IPO書類に食い違い 記載内容を比較

Anthropicがコロッサスを月額約2000億円で借り受けた契約が、3年なのか6ヶ月なのか——答えはSpaceXのIPO申請書類に書いてある。だが、CEOであるイーロン・マスク(Elon Musk)氏本人が、その書類と真逆のことを言い始めた。 S-1が語る「2029年5月まで」 SpaceXは5月20日、SECにS-1(上場申請書類)を提出した。6月中旬の上場を目指すこの書類のなかで、Anthropicとの計算リソース契約は複数回にわたって言及されている。 F-62ページにはこう書かれている。2026年5月3日付でAnthropicとクラウドサービス契約を締結し、Anthropicは 2029年5月まで 月額料金を支払うことに合意した、と。F-96ページにも同じ文言がある。13ページと146ページでは金額も明示され、「月額12億5000万ドル(約2000億円)を2029年5月まで支払う」と踏み込んでいる。4箇所に同じ趣旨が並ぶ以上、誤記とは言い難い。 いずれの箇所にも90日前通知による解約条項は添えられている。だがこの条項は、長期契約のなかに設けた離脱オプションと読むのが自

マスク氏の「太陽光電力経済」、xAIの天然ガス依存で問われる実現性

AI

マスク氏の「太陽光電力経済」、xAIの天然ガス依存で問われる実現性

「脱・炭化水素経済」を掲げてきたマスク氏の言葉が、自社の行動と正面から衝突している。SpaceXのIPO申告書類(S-1)が、その矛盾を数字で可視化した。 約束と現実の距離 イーロン・マスク(Elon Musk)がTeslaで初めて「マスタープラン」を公開したのは2006年のことだ。その文言は明快だった——「Teslaの根本的な目的は、採掘・燃焼型の炭化水素経済から太陽光電力経済への転換を早めることだ」。 以来、マスタープランは4回改訂され、内容は変わっても「電力を再生可能エネルギーで賄う」という軸はぶれなかった。2023年の「マスタープラン パート3」は、「化石燃料を段階的に廃止する計画」として発表されている。 マスター・プランが約束した「太陽光電力経済」 2006年 8月 マスター・プラン(初代) 「採掘・燃焼型の炭化水素経済から 太陽光電力経済へ」と明記。 Teslaの「根本的な目的」と位置づけ。 2016年 7月

OpenAIがIPO非公開申請へ、早ければ9月上場

AI

OpenAIがIPO非公開申請へ、早ければ9月上場

ChatGPTを生み出した企業がついに株式市場へ踏み出す。IPO申請の準備が整いつつあり、上場が現実の話になってきた。 今週にも動く OpenAIが、IPO(新規株式公開)の目論見書を非公開で提出する準備に入った。情報筋によれば、早ければ今週金曜日にも申請が行われ、上場時期は2026年第4四半期を目標としている。実現すれば、早ければ9月にも取引が始まる可能性がある。 幹事証券は ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレー の2社。ここ数週間でIPOに向けた具体的な作業が進んでおり、数日から数週間以内に申請に踏み切る見込みだという。 OpenAI側のコメントは「われわれは常に戦略的な選択肢を幅広く検討している。重点は実行にある」というものにとどまった。 「As part of normal governance, we regularly evaluate a range of strategic options. Our focus remains on execution.」 (通常のガバナンスの一環として、さまざまな戦略的選択肢を定期的に評価している。重点は実行にあ

xAIが初のコーディングAI、月額300ドルでClaude追走

AI

xAIが初のコーディングAI、月額300ドルでClaude追走

xAIがコーディングエージェント「Grok Build」を早期ベータで公開した。月額300ドルのSuperGrok Heavy加入者限定で、ターミナルから動く本格的なCLIだ。 xAIが「初の」コーディングエージェントを投入 xAIが2026年5月14日(米国時間)、ターミナルで動くコーディングエージェント「Grok Build」を早期ベータで公開している。月額300ドルの最上位プラン「SuperGrok Heavy」加入者だけが、1行のインストールコマンドで導入できる。 xAIの公式ページは、Grok Buildを「professional software engineering and complex coding work」(プロのソフトウェア開発と複雑なコーディング作業)のためのエージェントと位置付けている。AnthropicのClaude Codeが切り開いた「ターミナルから直接操作するコーディングAI」という領域に、xAIが初めて踏み込んだ格好だ。 Elon Musk's xAI is rolling out its first artificial intel