CAISI

Fable 5が復活。Anthropicが手放したもの

AI

Fable 5が復活。Anthropicが手放したもの

Fable 5が帰ってきた。6月12日の輸出規制で全世界から消えてから19日。米商務省は6月30日に規制を解除し、Anthropicは7月1日からFable 5の提供を再開した。Mythos 5も米国の承認済み組織への提供が続いている。だが復活したFable 5は、止められる前とは変わっている。セーフガードは厳しくなり、利用枠には上限がかかり、Anthropicは今後のフロンティアモデルについて政府への事前アクセスを約束した。規制を解くために、Anthropicは何を差し出したか。 何が変わったか 今回の再デプロイで、Anthropicはサイバーセキュリティ関連のリクエストを検知する安全分類器を再訓練した。Amazonの研究者が報告した手法は、99%以上の確率でブロックされるようになった。ブロックされたリクエストはOpus 4.8に自動転送され、ユーザーにはその旨が通知される。 引き換えに、誤検知は増えた。Anthropic自身がそう認めている。通常のコーディングやデバッグ作業がサイバーセキュリティ関連と誤判定され、Opus 4.8に回される場面が以前より多くなる。開発者にとっ

基準なき規制がフロンティアAIを止めている

AI

基準なき規制がフロンティアAIを止めている

Fableが止まった。GPT-5.6も制限された。だが何が安全かの基準は、まだ存在しない。 「許可」の条件を、誰も知らない フロンティアAIモデルの一般公開が、米国政府によって事実上の許可制に移行している。 AnthropicのFable 5が輸出管理指令で全ユーザーから遮断されたのは6月12日。それから2週間、復旧のめどは立っていない。6月26日にはOpenAIのGPT-5.6が、政府が個別に承認した約20社のパートナーだけに限定リリースされた。フロンティアモデルの公開を米国政府が事前に制限したのは、これが初めてになる。 フロンティアAI規制の経緯(2026年2月〜6月) 2月Anthropicをサプライチェーンリスクに指定国防総省が指定。連邦機関での利用を禁止 3月Anthropicがトランプ政権を提訴サプライチェーンリスク指定の違憲性を主張 6月2日AIサイバーセキュリティ大統領令に署名「任意の」事前テスト提供を規定。事実上の事前承認制 6月4日Great American AI Act ドラフト公表超党派の連邦AI規制法案。269ページ 6月9

OpenAI、連邦AI安全規制の独自案を提言

AI

OpenAI、連邦AI安全規制の独自案を提言

トランプ大統領がAI大統領令に署名した翌日、OpenAIは連邦政府に対し「義務的な第三者評価」を柱とする独自のAI規制フレームワークを提言した。大統領令が「任意」にとどめた評価プロセスを「義務」に引き上げ、監督の主体をNSAではなくNISTのAI標準・イノベーションセンター(CAISI)に置くべきだと主張している。 大統領令の翌日、OpenAIが突きつけた「対案」 2026年6月2日、トランプ大統領は大統領令「先進的AIのイノベーションと安全保障の促進」に署名した。高度なサイバー能力を持つフロンティアAIモデルについて、開発企業が一般公開の最長30日前に政府へ自主的に提供し、安全性評価を受ける枠組みを構築する内容だ。 翌3日、OpenAIは「A blueprint for democratic governance of frontier AI」と題する政策提言書を公開した。公開日はCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏のワシントン訪問に重ねられた。アルトマン氏は同日、ホワイトハウス高官やマイク・ジョンソン(Mike Johnson)下院議長、ハキーム・ジェフリーズ(