CI/CD

OSSの署名・検証手順に問題 修正前に悪用可能性が実証

セキュリティ

OSSの署名・検証手順に問題 修正前に悪用可能性が実証

4か月、1,000パッケージ、週間ダウンロード合計5億。TeamPCPという脅威アクターが突きつけたのは、新しい手口ではなく、業界が長年見て見ぬふりをしてきた事実そのものだった。 既知の欠陥が、最悪の形で現実になった オープンソースの信頼モデルには構造的な欠陥がある。研究者も開発者も、それを知っていた。レジストリに公開されたパッケージの正当性を、ほとんどの組織は検証していない。CI/CDパイプラインは上流のコードを自動で取り込み、テストし、本番に流す。その連鎖のどこか一点が汚染されれば、下流すべてに広がる。 知っていて、直さなかった。 2026年2月末、TeamPCPがその穴を突き始めた。最初の標的は脆弱性スキャナーTrivy。Aqua SecurityのGitHub Actionsワークフローに残った未失効のトークンを利用し、公式リリースチャンネルを制圧した。セキュリティツールが、攻撃の入口になった。 そこから連鎖は止まらない。Trivyで盗んだ認証情報でCheckmarxのKICSを侵害し、LiteLLM、Bitwarden、TanStack、AntVへと波及した。5月

Red Hatの公式npmパッケージ32件が侵害

セキュリティ

Red Hatの公式npmパッケージ32件が侵害

Red Hatが管理するnpmパッケージ32件に、認証情報を根こそぎ奪うマルウェアが仕込まれていた。偽物のパッケージではない。@redhat-cloud-servicesという正規の名前空間に、正規のCI/CDパイプラインを通じて、正規の署名付きで配信された本物の毒だ。 「信頼」そのものが武器になった 2026年6月1日、セキュリティ企業StepSecurityが@redhat-cloud-servicesスコープ配下の複数のnpmパッケージにマルウェアが埋め込まれていることを発見した。影響を受けたのは32パッケージ、96バージョン。合計で週あたり約11万7000回ダウンロードされていたパッケージ群だ。 今回の攻撃で決定的に重要なのは、これがタイポスクワッティング(名前の似た偽パッケージを公開する手口)ではないという点にある。攻撃者はRed Hat従業員のGitHubアカウントを侵害し、RedHatInsightsのGitHubリポジトリに不正なコミットを直接プッシュした。そこからGitHub ActionsのOIDCトークンを悪用して、正規のSLSAプロビナンス認証(ビルドの

GitHubリポジトリ5500件超にバックドア、「Megalodon」攻撃の手口を分析

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GitHubリポジトリ5500件超にバックドア、「Megalodon」攻撃の手口を分析

偽のCIコミットが6時間で5700件以上のリポジトリに押し込まれた。GitHub Actionsを悪用し、クラウド認証情報からSSH鍵まで根こそぎ抜き取る大規模サプライチェーン攻撃の手口と対策。 6時間で5561リポジトリが陥落した 2026年5月18日、GitHubで異常な規模の自動化攻撃が発生している。セキュリティ企業SafeDepが「Megalodon」(メガロドン)と名付けたこのキャンペーンは、わずか6時間の間に5718件の偽コミットを5561のリポジトリに送り込んだ。CIの自動化に見せかけてバックドアを仕込み、開発者が気づかないまま認証情報を抜き取る——過去最大規模のGitHub Actionsワークフロー汚染だ。 コミットの著者名はbuild-bot、auto-ci、ci-bot、pipeline-botの4種類。メッセージも「ci: add build optimization step」「chore: optimize pipeline runtime」など、日常的なCI保守に偽装されていた。使い捨てのGitHubアカウント(ランダム8文字のユーザー名)を使い回

GitHubの内部リポジトリ約3800件が流出した経路が判明した

セキュリティ

GitHubの内部リポジトリ約3800件が流出した経路が判明した

VS Code拡張機能の偽バージョンを踏んだ社員1人。それだけで、世界最大のコードホスティングプラットフォームの内部コードが外に出た。 18分間の窓 5月18日、Nx Console 18.95.0の改ざん版がVisual Studio Marketplaceに公開された。そのまま残っていたのは18分間だった。 短い。しかし十分だった。 GitHubの社員が、この拡張機能をインストールした。拡張機能は起動時に静かに動き出し、シェルコマンドを実行した。表向きは「MCPのセットアップタスク」を装ったそのコマンドは、Nxの公式GitHubリポジトリに仕込まれたコミットから隠しパッケージを引き出した。収集されたのは、1Passwordのボールト、npm・GitHubのトークン、AWS認証情報、AnthropicのClaude Codeの設定ファイル(~/.claude/settings.json)だ。 奪った認証情報を使い、攻撃者はCI/CDパイプラインを横移動し、GitHubの内部リポジトリ約3800件を外部に持ち出した。公開から 18分間 で、それだけの被害が確定した。 ウェ

セキュリティツールが武器に変わる日 TrivyとAxiosに何が起きたか

セキュリティ

セキュリティツールが武器に変わる日 TrivyとAxiosに何が起きたか

3月、世界中のCI/CDパイプラインで静かな異変が始まった。セキュリティスキャナーが認証情報を横流しし、HTTPライブラリがマルウェアを配布していた。被害の全容は、まだ見えていない。 「守る道具」が攻撃の入口になった 脆弱性スキャナーのTrivy(Aqua Security製)は、世界で10万を超えるユーザーと貢献者を持ち、数千のCI/CDパイプラインに組み込まれている。3月19日、そのTrivyが乗っ取られた。 攻撃者集団「TeamPCP」は、2月下旬に設定ミスのあるGitHub Actionsワークフローを悪用してアクセストークンを窃取していた。Aqua Securityは当初これを発見してトークンをローテーションしたが、無効化が不完全だった。残存した認証情報を使い、攻撃者はTrivyの公式リリースチャンネルを一斉に制圧する。 標的は3つ同時だった。バイナリ、GitHub Actions(76/77タグを悪性コードで上書き)、Dockerイメージ。マルウェアはCI/CDパイプラインのメモリを漁り、クラウド認証情報・SSHキー・Kubernetesトークンを暗号化して外部サ