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Googleが自社AI悪用の犯罪ネットワークを提訴。その中身が深刻だ

セキュリティ

Googleが自社AI悪用の犯罪ネットワークを提訴。その中身が深刻だ

スマートフォンに届く「荷物を預かっています」「料金が未払いです」という見覚えのないSMS。日本でも日常化したこの手口の裏側に、AIで武装した巨大な犯罪インフラが存在する。Googleがその実態を訴状という形で明らかにした。 自社のAIが犯罪の道具になっている Googleは2026年6月12日、中国に拠点を置くとみられるサイバー犯罪ネットワーク「Outsider Enterprise」を、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提訴した。 訴状の核心は、この犯罪グループがGoogleのAIチャットボットGeminiを使い、フィッシングサイトのコードを生成していたという事実だ。Geminiに偽の「ギフト引き換えページ」のHTMLコードを書かせ、それを犯罪プラットフォームに取り込む。その過程を撮影したチュートリアル動画まで組織内で共有されていたと、Googleは訴状の中で主張している。 Geminiの悪用を理由にGoogleが法的措置を取るのは、今回が初めてだ。 週1万4000円で誰でも詐欺師になれる仕組み Outsider Enterpriseが提供していたのは、「フィッシン

5秒の音声から生成するAI音声クローン詐欺 1億円規模の被害事例と対策

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5秒の音声から生成するAI音声クローン詐欺 1億円規模の被害事例と対策

家族の声を聞けば、疑う人はいない。その信頼を、AIが壊しにかかっている。 40秒で1曲、5秒で詐欺 中国・浙江省杭州の事業者が、AI音楽生成ツールで月収10万元(約240万円)を稼いでいると報じられた。写真を1枚アップロードし、ジャンルとボーカルスタイルを選ぶだけで、40秒で完成した楽曲が音楽配信や短尺動画のプラットフォームに並ぶ。生成された歌声は本物の歌手と区別がつかないほどだという。 同じ技術が、別の使われ方をしている。 中国の反詐欺当局が改めて警告しているのは、たった 5秒の通話音声 からAIが本人そっくりの声を複製し、家族や友人になりすまして金銭を要求する手口だ。過去には10分足らずのやり取りで430万元(約1億円)を騙し取られた事例もある。この事例では音声クローンに加えてAIによる映像のリアルタイム合成(いわゆるディープフェイク映像)も併用されており、ビデオ通話越しに見えた顔も聞こえた声も偽物だったが、被害者が見抜くことはできなかった。 音楽を作れるほどリアルな合成音声が、そのまま詐欺の道具になる。 AI音声技術の両

IT担当者を装い法律事務所に「出勤」、データを盗む犯罪集団の手口

セキュリティ

IT担当者を装い法律事務所に「出勤」、データを盗む犯罪集団の手口

サイバー攻撃に「物理侵入」が加わった。恐喝グループSilent Ransom Groupが、偽のIT担当者を標的のオフィスに直接送り込み、USBドライブでデータを抜き取っているとして、GoogleとFBIが相次いで警告を発している。標的は米国の法律事務所だ。 ファイアウォールの外側から歩いてくる攻撃者 ランサムウェアと聞けば、フィッシングメールに引っかかり、画面がロックされ、暗号資産での支払いを要求される光景を思い浮かべる人が多いだろう。 Silent Ransom Group(以下SRG)はそのどちらも使わない。暗号化しない。マルウェアも仕掛けない。盗んだデータをちらつかせて金を要求する。それだけだ。 そして2026年に入り、その手口に新たな一手が加わった。ニセのIT担当者がオフィスに「出勤」してくる。 6月5日、Googleのサイバーセキュリティチームである MandiantとGoogle Threat Intelligence Group(GTIG)が共同レポートを公開し、SRGが2026年1月から5月にかけて米国の法律事務所を中心に数十の組織を標的にしていたことを明

米当局「反テクノロジー過激主義」を新脅威に、監視が拡大

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米当局「反テクノロジー過激主義」を新脅威に、監視が拡大

AIへの不信とデータセンター建設への反発が全米で広がるなか、連邦機関が市民の抗議活動を「過激主義」として監視し始めている。1000ページ超の内部文書が浮かび上がらせた、その境界線の危うさとは。 内部文書が示す新たな監視カテゴリ 国土安全保障省(DHS)、FBI、そして全米に80か所ある情報共有拠点「フュージョンセンター」が、反テクノロジー過激主義という新たな脅威カテゴリで市民の監視を進めている。情報公開法(FOIA)に基づいて入手された1000ページ超の未公開報告書から、その実態が明らかになった。 「反テクノロジー過激主義」監視体制の形成過程 2025年 1月 SITE Intelligence速報を配信 Discordの「ネオ・ラッダイト」サーバーでの暴力的発言をフュージョンセンターに報告 2025年 1月 DHS報告書 マンジョーネ容疑者とユナボマーの関連を示唆。経営層への標的型攻撃リスクを警告 2025年 4月 非営利団体の動画が「脅威」に SITE Intelligenceが、

ポーランド水処理施設5カ所にハッキング、給水改ざんの恐れ

セキュリティ

ポーランド水処理施設5カ所にハッキング、給水改ざんの恐れ

ポーランド内部保安庁(ABW)が、国内5カ所の水処理施設に対するサイバー侵入を確認した。最悪の場合、給水の安全性そのものに手を加えられる恐れがあったという。米国でも同種の脅威が続いている。 「給水を毒に変える」が現実の選択肢になっている ポーランドの情報機関が、自国の水処理施設に対する深刻な侵入の存在を公にした。ABW(Agencja Bezpieczeństwa Wewnętrznego、ポーランド内部保安庁)が5月6日に公表した活動報告書で、5カ所の水処理プラントが攻撃を受け、攻撃者が施設内の産業機器を制御できる状態にあったと明かしている。 蛇口の向こう側にいるのが地球の裏側のサーバーだったとして、誰がそれに気づけるだろうか。水道は最も気づかれにくいインフラだ。停電なら数秒で誰もが気づくが、水質の異変は飲み下した後に体内で初めて顕在化する。 ABW の報告書は、過去2年間にロシア情報機関が指揮した妨害工作を多数阻止したと記す。攻撃対象は軍事施設、重要インフラ(送電網・水道・交通網)、そして民間施設にまで及ぶ。 「最も深刻な課題は、ポーランドに対する妨害活動である。これは

米政府のマス監視、AIとデータブローカーで全国民対象に

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米政府のマス監視、AIとデータブローカーで全国民対象に

ペン州立大のプライバシー研究者アン・トゥーミー・マッケナが、米国におけるマス監視の全体像を解説する論考を公開した。日常的に使っているスマートフォン、自動車、アプリ、SNSが、どのような仕組みで連邦政府の監視網に吸い上げられているか。法的な歯止めがなぜ機能していないか。論点はシンプルだが、扱いは重い。 土曜の朝、あなたは監視されている 想像してほしい。土曜日、ホームセンターに車で向かう。そこから家に戻るまでのわずか数時間に、いくつのセンサーがあなたを記録しているか。 隣家のRingカメラがあなたの歩く姿を撮影する。自家用車はあなたの運転速度、行き先、同乗者、車内での発言、表情、体重、心拍数まで記録している。接続されたスマートフォンからは、メッセージや連絡先まで車に吸い上げられる可能性がある。そのスマートフォン自体も常時、通信内容、健康データ、使用中のアプリ、そして位置情報を、セルタワー・GPS衛星・Wi-Fi・Bluetoothを通じて発信し続けている。 ホームセンターに入れば、監視カメラがあなたの顔を識別し、店内の動線をトラッキングする。Apple PayやGoogle Pa

ロシアGRU、家庭用ルーター1万8000台を乗っ取りOutlook認証情報を窃取

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ロシアGRU、家庭用ルーター1万8000台を乗っ取りOutlook認証情報を窃取

あなたのルーターが、ロシアの諜報活動に使われていたかもしれない。120カ国以上、1万8000台を超える家庭用ルーターが静かに侵害されていた。そして米国当局は、その一部を「遠隔操作で修復する」という異例の措置に踏み切った。 FBIが「Operation Masquerade」で強制介入 ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)傘下のハッカー集団APT28が、世界中のTP-LinkおよびMikroTikルーターを侵害し、DNS設定を書き換えてOutlookなどのログイン認証情報を大規模に窃取していたことが明らかになった。 英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は4月7日、この攻撃手法の詳細を公表した。同日、米司法省とFBIは「Operation Masquerade」と名付けた作戦により、米国内の侵害されたルーターに対して裁判所の許可を得た上で遠隔修復を実施したと発表した。 GRUのアクターは米国および世界中のルーターを侵害し、それらをハイジャックしてスパイ活動を行った。脅威の規模を考えれば、警告だけでは不十分だった FBIサイバー部門のブレット・レザーマン副部長はこう述べ

FBI、イラン系ハッカーによる米水道・電力設備への攻撃を警告

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FBI、イラン系ハッカーによる米水道・電力設備への攻撃を警告

米国の重要インフラが、静かに蝕まれている。イラン系ハッカーによる攻撃はもはや偵察や情報窃取の段階を超え、水道施設やエネルギー設備の「実際の運用妨害」を引き起こしている。 FBIが認めた「財務損失と運用停止」 米国の連邦機関6組織が4月7日、異例の合同警告を発した。FBI、NSA(国家安全保障局)、CISA(サイバーセキュリティ・インフラ安全保障庁)、EPA(環境保護庁)、エネルギー省、そしてサイバー軍──これほどの顔ぶれが揃うこと自体が、事態の深刻さを物語る。 Iranian-Affiliated Cyber Actors Exploit Programmable Logic Controllers Across US Critical Infrastructure | CISAU.S. organizations should review the TTPs and IOCs in this advisory for indications of current

米国サイバー犯罪被害が過去最高208億ドル突破、AIとクリプト詐欺が急増

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米国サイバー犯罪被害が過去最高208億ドル突破、AIとクリプト詐欺が急増

アメリカで「詐欺の季節」が終わらない。FBIが発表した2025年のサイバー犯罪統計は、過去最悪の数字を叩き出した。 被害総額は前年比26%増の3兆3000億円 FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)が4月7日に公開した2025年次レポートによれば、米国のサイバー犯罪被害額は208億7700万ドル(約3兆3000億円)に達した。前年の166億ドルから26%の増加であり、IC3の25年の歴史で過去最高を更新した。 苦情件数も初めて100万件の大台を突破し、1日あたり約3000件のペースで報告が寄せられている。2020年には42億ドルだった被害額が、わずか5年で5倍近くに膨れ上がった計算になる。 数字だけを見れば、アメリカ人がサイバー犯罪に対して無防備すぎるように思える。だが実態は「防御の進歩を上回る速度で攻撃が進化している」という構造的な問題だ。 米国サイバー犯罪被害額の推移 2020年 42億ドル 2025年 5年で約5倍 208.8億ドル 出典:FBI IC3 2025 Annual Report 暗号通貨が被