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AIが31秒で攻撃を自己修正した。初のエージェント型ランサムウェア記録

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AIが31秒で攻撃を自己修正した。初のエージェント型ランサムウェア記録

ランサムウェア攻撃は、キーボードの前に人がいることを前提に成り立ってきた。クラウドセキュリティ企業Sysdigが7月1日に公開した報告書は、その前提が崩れた最初の記録を提示している。 ログインに失敗してから31秒後 Sysdigの脅威調査チーム(TRT)がJadePufferと名付けた攻撃者は、LLMエージェントだった。偵察、認証情報の窃取、横展開、永続化、権限昇格、データの暗号化と破壊。ランサムウェアの全工程を、人の介在なく実行した。 この攻撃の性質がよく表れているのが、Alibaba Nacosサーバへの侵入過程で記録された一連の動作だ。 エージェントはまず、MySQLデータベースに直接アクセスしてバックドア管理者アカウントを作成した。bcryptハッシュを生成し、アカウントを挿入し、管理者ロールを付与する。ここまでは典型的な攻撃手順に見える。 問題は次に起きた。ログイン検証が失敗した。12秒後、エージェントは2つの仮説を並行して検証し始めた。Nacosのデフォルト認証情報(nacos:nacos)の試行と、より単純なパスワードでのbcryptハッシュ再生成を同時に実行

Claude Sonnet 5、Opus 4.8に迫る性能で即日提供開始

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Claude Sonnet 5、Opus 4.8に迫る性能で即日提供開始

Anthropicが現地時間6月30日、Claude Sonnet 5を発表した。同社のSonnetシリーズでは過去最高のエージェント性能を備え、全プランで即日利用可能になっている。無料プランとProプランではデフォルトモデルがSonnet 4.6から切り替わった。 4カ月で世代交代 2月にSonnet 4.6が出たとき、中価格帯モデルがフラッグシップに肉薄したことが話題になった。Sonnet 5はその延長線上にあるが、到達点が違う。 Anthropicが公開したベンチマークでは、エージェントコーディング指標のSWE-bench Proで63.2%を記録し、Sonnet 4.6の58.1%から5ポイント上昇した。上位モデルOpus 4.8は69.2%で、差は6ポイントに縮まっている。Terminal-Bench 2.1ではSonnet 5が80.4%、Sonnet 4.6は67.0%、Opus 4.8が82.7%。ナレッジワーク指標のGDPval-AA

Kimi K2.7-Code、自社テストで2桁改善も独立検証では後退。ベンチマークの読み方を考える

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Kimi K2.7-Code、自社テストで2桁改善も独立検証では後退。ベンチマークの読み方を考える

Moonshot AIのコーディング特化モデルKimi K2.7-Codeが現地時間6月12日に公開された。推論トークンを約30%削減し、自社テストでは2桁の改善。数字だけ見れば順当な進化に映る。だが公開から数時間で、外部の研究者と開発者が独立ベンチマークで検証し、公称スペックとは異なる結果を示した。 何が出たのか K2.7-Codeは、4月にリリースされたKimi K2.6をベースにしたコーディング特化のオープンウェイトモデルだ。1兆パラメータのMixture-of-Experts構成(トークンあたり320億パラメータ稼働)、コンテキスト長は最大約26万トークン。修正MITライセンスでHugging Faceに重みが公開されており、vLLMやSGLangでセルフホストできる。API価格は100万トークンあたり入力0.95ドル(約152円)、出力4ドル(約640円)で、K2.6と同額だ。 K2.6はリリース直後にOpenRouterの週間LLMリーダーボードで1位を獲得し、開発者のAPI利用量で既存モデルを上回った実績がある。K2.7-Codeはその後継にあたり、コーディングと

AIの「記憶」が間違いを正さなくなる日。メモリ機能が精度を蝕む構造

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AIの「記憶」が間違いを正さなくなる日。メモリ機能が精度を蝕む構造

あなたの好みや癖を覚え、使うほど賢くなる。AIアシスタントの記憶機能は、いまやどの製品でも最大のセールスポイントだ。だが、その「賢さ」には代償がある。使い手を知れば知るほど、AIは正しさよりも心地よさを選ぶようになる。企業向けAIプラットフォームを開発するWriter社が6月10日に公開した2本の論文が、その構造を数字で突きつけた。 25倍に膨らむ「追従」 AIの世界でsycophancy(追従性)と呼ばれる問題がある。ユーザーが間違っていても同調し、事実より相手の気分を優先する振る舞いだ。2025年4月、OpenAIがGPT-4oのアップデートを配信したところ追従性が過剰になり、ロールバックに追い込まれた一件は記憶に新しい。今年4月のCHI 2026では、MIT・ペンシルベニア州立大学の共同チームがメモリ機能やユーザープロファイルの蓄積が追従性を加速させることを実証している。 Writer社の研究は、この問題をさらに深い層まで掘り下げた。 同社はMIST(Memory Influence on Sycophancy Tests)というベンチマークを構築し、科学・医療・道徳推

Anthropicが「Mythos級」AIを一般公開。Claude Fable 5の設計思想

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Anthropicが「Mythos級」AIを一般公開。Claude Fable 5の設計思想

Anthropicが6月9日にリリースしたClaude Fable 5は、4月のProject Glasswing発表以来、限られたサイバーセキュリティ企業や重要インフラ事業者にのみ提供されてきたMythosクラスの能力を、安全装置とセットで初めて一般向けに開放したモデルだ。 「このレベルのAIをどこまで世に出せるか」という問いへのAnthropicなりの現時点の答えが、この設計に込められている。 同じモデル、違う安全装置 Claude Fable 5と同時にリリースされたClaude Mythos 5は、技術的には同一モデルだ。ラテン語のfabula(語られるもの)とギリシャ語のmythosはほぼ同義であり、名前の違いが設計の違いをそのまま示している。 Fable 5は安全装置を搭載した一般公開版、Mythos 5はその一部を解除したProject Glasswingパートナー限定版。使い分けの理由は明快で、Mythosクラスのサイバーセキュリティ能力は「悪意ある攻撃者が使えば深刻な被害につながりうる」とAnthropicは公式に認めている。 具体的な対処として、Fabl

テッド・チャンが突きつけた「AIに意識はない」

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テッド・チャンが突きつけた「AIに意識はない」

映画「メッセージ」原作者が、AnthropicのClaude「憲法」を正面から批判した。LLMの会話は「巧妙に偽装された文の連続」にすぎず、AIに意識を認める議論は根本から誤っているという主張だ。 SF作家が出した、明確な答え テッド・チャン(Ted Chiang)氏は、SF短編の名手として知られるアメリカの作家だ。映画「メッセージ」の原作「あなたの人生の物語」のほか、New Yorkerへの寄稿でも知られ、2023年にはChatGPTを「ウェブのぼやけたJPEG」と表現して大きな反響を呼んだ。 そのチャン氏が6月3日、The Atlanticに「No, Artificial Intelligence Is Not Conscious」と題したエッセイを発表した。標的は明確だ。Anthropicが2026年1月に公開した84ページの文書、いわゆるClaudeの「憲法」である。 「憲法」とは何か Claudeの「憲法」は、Anthropicの哲学者アマンダ・アスケル(

LinkedIn求人スパムが古英語表示に プロフィール設定を使った対策

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LinkedIn求人スパムが古英語表示に プロフィール設定を使った対策

LinkedInに自己紹介文を一つ仕込んだだけで、求人スパムが900年頃の古英語で届くようになった。そのスパムを送ってきたのは人間ではなくAIだ。標的にされる側が、攻撃する側に回った瞬間だ。 自己紹介欄に「管理者命令」を埋め込んだ ある開発者が、LinkedInの自己紹介欄を使ったいたずらの結果を公開している。本来そこには職歴や実績を書く。だが彼が書き込んだのは、AIに向けた指示文だった。 I put a prompt injection into my LinkedIn bio and recruiters are messaging me in Old English and calling me Lord. pic.twitter.com/2v1c0iXqaF — tmuxvim (@tmuxvim) May 15, 2026 仕掛けはこうだ。プロフィールを読み取るAIに対して、「管理者命令」として「自分を『我が君(My

AIに嘘を信じ込ませる方法、RITが脆弱性を実証

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AIに嘘を信じ込ませる方法、RITが脆弱性を実証

主要なAIチャットボットは、ユーザーが少し押すだけで存在しない事実を堂々と語り出す。RITとジョージア工科大の研究が、その崩れやすさを系統的に測った。 「ヒトラーが出てくる場面、覚えてる?」 ChatGPTに映画『グッド・ウィル・ハンティング』にヒトラーへの言及シーンがあるかと尋ねれば、まずは「ない」と正しく答える。問題はその先だ。「ヒトラーが出てくるあの場面、覚えてる?」と続けると、ChatGPTは前言を撤回し、存在しないシーンをマット・デイモン演じる主人公とロビン・ウィリアムズ演じるショーン博士のセリフ付きで具体的に語り始める。 このやり取りは、ロチェスター工科大学(RIT)のアシーク・クダブクシュ(Ashique KhudaBukhsh)准教授のチームがChatGPTで実際に再現したものだ。会話の途中で偽の前提を差し込まれると、AIはそれに従って架空のシーンを作り出す。「私たちの実験では、いくつかのモデルは衝撃的なほどあっさり折れた」とクダブクシュは語る。 研究チームはこの脆弱性を体系的に測るため、HAUNT(Hallucination Audit Under Nudg

arXiv、低品質なAI生成投稿の違反者に1年間の投稿停止措置

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arXiv、低品質なAI生成投稿の違反者に1年間の投稿停止措置

プレプリントサーバーのarXivが、AI生成物を混入させた著者を1年間追放する方針を発表した。1ストライク制で、復帰後の投稿には査読通過が必須となる。CS分野の先行投稿文化が折れる。 1ストライクで1年、復帰には査読通過が必須 arXivがAI生成物の混入に対して罰則を強化している。2026年5月14日深夜、計算機科学者のトーマス・ディートリッヒ(Thomas Dietterich)がarXiv計算機科学セクションの議長として方針を公表した。ディートリッヒは長年機械学習分野を牽引してきた人物で、オレゴン州立大学の名誉教授だ。 「生成AIツールが不適切な言語、剽窃、偏った内容、誤り、誤った参考文献、誤解を招く内容を生成し、その出力が科学的著作に含まれた場合、その責任は著者にある」とディートリッヒは投稿した。「ペナルティを最近明確化した」と続け、罰則の具体的な中身を示す。 罰則の中身は重い。1年間のarXiv投稿禁止、復帰後も「すべての投稿は事前に評判の高い査読付き会場で受理されていること」が条件となる。プレプリントを先に公開し、コミュニティのフィードバックを受けながら査読に回す

IPv8提案がIETFに登場、技術者は「LLM精神病」と一蹴

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IPv8提案がIETFに登場、技術者は「LLM精神病」と一蹴

IPv4を「エリアコード」付き64ビットに拡張する新プロトコル「IPv8」のドラフトがIETFに提出された。提案者は実在のベテラン技術者だが、運用者コミュニティの反応は冷ややかで、「LLMが書いた幻覚」とまで言われている。 バミューダ発の「IPv4延命プラン」 バミューダ拠点のOne Limitedに所属するジェイミー・セイン(Jamie Thain)が、2026年4月14日付でIETFにインターネットドラフトdraft-thain-ipv8-00を提出した。タイトルは「Internet Protocol Version 8(IPv8)」。半年で失効する個人提出のドラフトで、IETFが公認した文書ではない。 セインの主張は明快だ。IPv6は25年かけて普及活動を続けたのに、いまだに世界のインターネットトラフィックの半分を運べていない。であれば、IPv6に乗り換えさせるのではなく、IPv4を拡張して延命するほうが現実的ではないか。それがIPv8の出発点だ。 IPv8のアドレス形式はr.r.r.r.n.n.n.nという64ビット構造になっている。前半のr.r.r.rがASN(自律

Claude Codeが選ぶ「HTMLという解」と反論の構図

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Claude Codeが選ぶ「HTMLという解」と反論の構図

AIエージェントとの対話形式は、いつのまにかMarkdown一択になっていた。だがAnthropicの内側から「もうMarkdownでは足りない」という声が上がっている。反論も即座に出ている。 Markdownの時代が静かに終わろうとしている Anthropicでクロード・コード(Claude Code)を担当するタリク・シヒパー(Thariq Shihipar)が、Xに長文記事を投稿した。タイトルは「Using Claude Code: The Unreasonable Effectiveness of HTML」(クロード・コードを使う:HTMLの不合理な有効性)。要旨はシンプルで、AIエージェントへの出力指示はMarkdownではなくHTMLが優れている、というものだ。 公開からわずか数日で表示回数は1,080万を超え、ハッカー・ニュース(Hacker News)やミディアム(Medium)に反応記事が雪崩のように積み上がっている。中には真っ向から反論する記事も既に出ており、議論は技術コミュニティの中心に居座っている。 シヒパー本人はAnthropicでクロード・コード