ダリオ・アモデイ

Fable 5停止の裏で何が起きていたのか。政府側の言い分とAmazonの影

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Fable 5停止の裏で何が起きていたのか。政府側の言い分とAmazonの影

Anthropicの最新モデルFable 5とMythos 5が米政府の輸出規制で停止された問題で、新たな事実が立て続けに明らかになった。政権側の論理を語ったサックス氏の投稿、そして規制の引き金を引いたのが他ならぬAnthropicの最大の出資者だったという報道。リリースからわずか3日で止められたモデルの裏で、何が動いていたのか。 政府側が初めて語った「経緯」 大統領科学技術諮問委員会(PCAST)の共同議長であるデビッド・サックス(David Sacks)氏が6月14日、一連の経緯について長文の投稿を行った。サックス氏は3月にホワイトハウスAI・暗号通貨担当の特別顧問を退任したが、PCAST共同議長としてAI政策への関与は続いている。その立場から政府側の視点を体系的に語ったのは、これが初めてだ。 I’ve had a number of conversations with folks inside and outside government about the current situation with Anthropic, and here is what I bel

米政府がFable 5とMythos 5を輸出規制。リリース3日で全ユーザーのアクセス停止へ

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米政府がFable 5とMythos 5を輸出規制。リリース3日で全ユーザーのアクセス停止へ

6月9日に一般公開されたばかりのClaude Fable 5が、わずか3日で使えなくなった。 6月12日、ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官がAnthropicのCEOダリオ・アモデイ(Dario Amodei)氏宛てに書簡を送り、Fable 5とMythos 5を輸出規制の対象に指定した。米国外への提供はもちろん、米国内の外国籍の人物への提供も禁止される。Anthropicの外国籍社員すら対象だ。外国籍のユーザーだけを選別する手段がない以上、Anthropicは全ユーザーのアクセスを止めるしかなかった。他のClaudeモデルには影響しないとしている。 波乱のリリースから72時間 Fable 5とMythos 5は同一の基盤モデルだ。違いはセーフガードの有無だけで、Fable 5にはサイバーセキュリティ、生物・化学、AI蒸留(高性能モデルの出力を使って別のAIを訓練する手法)に関するリクエストを検知する分類器が搭載されている。該当するリクエストを検知すると、応答をClaude Opus 4.8に自動的に切り替える仕組みだった。Mythos 5はこの制限

パランティアCEOが問う「AIラボの死角」。企業の不満とIPOの季節

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パランティアCEOが問う「AIラボの死角」。企業の不満とIPOの季節

AnthropicとOpenAIが兆ドル規模のIPOに向けて走るなか、パランティアのアレックス・カープ(Alex Karp)氏がCNBCのインタビューで、企業顧客のAIラボ離れを明言した。「フロンティアAIラボに不満を持っているのは、一般の人だけではない。私たちが取引しているすべての企業顧客が、非公式の場でそう言っている」。 この発言の重みは、タイミングにある。Anthropicが6月1日にS-1を極秘提出し、OpenAIがその1週間後に続いた。両社とも2026年後半の上場を見据え、企業価値はAnthropicが約9650億ドル(約154兆円)、OpenAIが約8520億ドル(約136兆円)と報じられている。AI史上最大のIPOレースが始まったその瞬間に、エンタープライズAI企業のトップが「顧客は怒っている」と言い切った。 「tokenmaxxing」という告発 カープ氏がインタビューで繰り返し使った造語がtokenmaxxingだ。AIのトークン(処理の基本単位)の消費量を最大化すること自体が目的になり、ビジネスの成果につながっていないという批判を一語に凝縮している。 この

Anthropic CEOが自らAI規制を求めた。その提言の中身

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Anthropic CEOが自らAI規制を求めた。その提言の中身

Anthropicのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)CEOが2026年6月10日、個人ブログに約1万語のエッセイ「Policy on the AI Exponential」を公開した。AI規制、雇用政策、バイオ医療、市民的自由、地政学の5分野にわたる政策提言だ。エッセイの公開に合わせ、Anthropicはフロンティアモデルの第三者テストに関する立法提案と、雇用喪失に対する政策フレームワークも発表している。 「透明性」では足りなくなった エッセイの核心は一文に集約できる。「透明性の先へ進むべき時が来た」。 アモデイ氏は2024年から2025年にかけて、AIの規制はまず透明性から始めるべきだと主張してきた。リスクの形がまだ見えない段階で細かなルールを決めれば、的外れなコンプライアンスに労力を費やすだけで本当の危険は素通りする。Anthropicが2025年にカリフォルニア州SB 53(AI透明性法)を支持し、ニューヨーク州RAISE法、イリノイ州SB 315の成立を後押ししたのは、その思想の延長線上にある。 しかし今回、アモデイ氏はその立場を明確に更新した。 転機は

Anthropicとホワイトハウスの「雪解け」、その裏にある計算

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Anthropicとホワイトハウスの「雪解け」、その裏にある計算

IPO目前のAnthropicとトランプ政権の間で、数カ月にわたった対立が緩和に向かっている。ただし、国防総省との法廷闘争は今も続いている。 ブラックリストから協力者へ 2月末にトランプ大統領が連邦政府全体でのAnthropic排除を宣言し、ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官が同社を「サプライチェーンリスク」に指定してからわずか3カ月。今、ホワイトハウスとAnthropicの関係は明らかに別の局面に入った。 6月5日、複数の関係者の話として、トランプ政権とAnthropicの間で数カ月続いていた対立が米国政府の一部で緩和の兆しを見せていると報じられた。背景にあるのは同社のIPO準備だ。Anthropicは6月1日にS-1の草案をSECへ非公開で提出しており、上場時の企業価値は1兆ドル(約160兆円)を超えるとの見方が広がっている。 だが「和解」という言葉は正確ではない。 対立の経緯 きっかけは単純だった。国防総省がAnthropicのAIモデルClaudeをあらゆる合法的用途に制限なく使いたいと要求し、Anthropic側が大規模な国内監視と完全自律型兵器への

AnthropicがNSAにエンジニアを常駐させていた

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AnthropicがNSAにエンジニアを常駐させていた

「中国のAIハッキングは脅威だ」と警告してきた企業が、攻撃的サイバー作戦を担う情報機関にエンジニアを送り込んでいた。6月4日、フィナンシャル・タイムズのデメトリ・セバストプロ(Demetri Sevastopulo)記者とクリスティーナ・クリドル(Cristina Criddle)記者がスクープとして伝えた。 何が報じられたのか Anthropicが米国家安全保障局(NSA)に約6名のエンジニアを「フォワード・デプロイド・エンジニア」(常駐技術者)として派遣し、同局の攻撃的サイバー作戦へのClaude Mythos導入を支援していると報じられている。関係者2名の証言に基づく報道で、エンジニアはモデルの運用指導やNSA固有のユースケースへのカスタマイズを担っているという。 Mythosが実際の攻撃作戦に使われているかどうかは明らかになっていない。ただし関係者の1名は、中国やイランのネットワーク侵入に有用だろうと述べている。 Anthropic側の関係者は「最良の防御は最良の攻撃を構築することだ」とし、敵対国も同様の攻撃用AIを開発しているはずだと主張しているという。

AI大手CEO、合成DNA規制を米議会に要求

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AI大手CEO、合成DNA規制を米議会に要求

AIが生物兵器の知識障壁を崩しかねないと、開発者自身が認めた。OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)氏、Anthropicのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)氏、Google DeepMindのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏、Microsoft AIのムスタファ・スレイマン(Mustafa Suleyman)氏。6月3日、この4人を含む主要AI企業のトップが連名で、合成DNAの注文スクリーニング義務化を求める公開書簡を米議会に送った。 公開書簡が求めること 書簡は screendna.org で公開された。呼びかけ元は無党派シンクタンクのInstitute for Progressと、保守系のFoundation for American Innovation。署名者はAI企業のトップだけではない。Metaのアレクサンドル・ワン(Alexandr Wang)最高AI責任者、StripeのCEOパトリック・コリソン(Patrick Collison)氏、

テッド・チャンが突きつけた「AIに意識はない」

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テッド・チャンが突きつけた「AIに意識はない」

映画「メッセージ」原作者が、AnthropicのClaude「憲法」を正面から批判した。LLMの会話は「巧妙に偽装された文の連続」にすぎず、AIに意識を認める議論は根本から誤っているという主張だ。 SF作家が出した、明確な答え テッド・チャン(Ted Chiang)氏は、SF短編の名手として知られるアメリカの作家だ。映画「メッセージ」の原作「あなたの人生の物語」のほか、New Yorkerへの寄稿でも知られ、2023年にはChatGPTを「ウェブのぼやけたJPEG」と表現して大きな反響を呼んだ。 そのチャン氏が6月3日、The Atlanticに「No, Artificial Intelligence Is Not Conscious」と題したエッセイを発表した。標的は明確だ。Anthropicが2026年1月に公開した84ページの文書、いわゆるClaudeの「憲法」である。 「憲法」とは何か Claudeの「憲法」は、Anthropicの哲学者アマンダ・アスケル(

Anthropicが初の黒字へ、Q2売上が1四半期で2倍超

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Anthropicが初の黒字へ、Q2売上が1四半期で2倍超

AIバブルに懐疑的な目が向く中、Anthropicが反論を数字で突きつけた。2026年6月期の売上が前期の2倍超、109億ドルに達し、同社として初の営業黒字を計上する見込みだ。 1四半期で売上が倍増した 2026年第1四半期(1〜3月)、Anthropicの売上高は 48億ドル だった。それが第2四半期(4〜6月)に109億ドルへ届く見通しだ。 前期比130%増。1四半期で規模が2倍を超えた。パンデミック期のZoomや、IPO直前のGoogleとFacebookが当時刻んだペースと並ぶ。 Anthropicはこの数字を、資金調達の一環として投資家に開示した。非公開企業ゆえに独立した監査はない。モデル訓練費やストックオプション報酬は除いた数字でもある。それを差し引いても、規模感そのものは業界に刺さる。 初の黒字は何を意味するか 2026年第2四半期の営業利益は 5億5900万ドル(約890億円)。Anthropic史上初の黒字だ。 少し前まで同社は、「2028年まで通年黒字化は難しい」と自分で予測していた。その見通しが2年早く崩れた。 売上を支えているのは企業向けビジ

トランプ政権、AIモデルの事前審査を本気で検討し始めた

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トランプ政権、AIモデルの事前審査を本気で検討し始めた

「規制しない」と言ってきたトランプ政権が、AIモデルの公開前に政府が中身を点検する仕組みを本気で協議している。きっかけはアンソロピック(Anthropic)の「Claude Mythos」。シリコンバレーと政権の関係が、見えない場所で書き換わり始めている。 「規制しない大統領」が方針を曲げる瞬間 トランプ政権は、AIモデルが公開される前に政府がその中身を審査する仕組みを検討している。米政府高官と協議に詳しい関係者がNYTに語った内容は、これまでの規制最小路線と真正面からぶつかる。 検討されているのは、テック企業幹部と政府関係者で構成するAIワーキンググループを設置する大統領令だ。連邦政府による正式なAIモデル審査プロセスもこの枠組みで議論される見込みで、先週はホワイトハウスがAnthropic、Google、OpenAIの幹部にこの構想を説明した。 参考にされているのは英国のモデルだという。複数の政府機関がAIモデルの安全基準への適合を確認する英国型の仕組みは、開発スピードを大きく落とさず最低限の歯止めをかける現実解として、政権内で支持を広げている。 トランプ氏は2025年