マルウェア

Windowsの人気アプリを装う偽サイト72件、開発者が組織的作戦を発見

Windows

Windowsの人気アプリを装う偽サイト72件、開発者が組織的作戦を発見

Wintoys開発者がアプリ名を騙る偽ドメインを追跡したところ、同一の登録者が70以上のWindowsアプリを標的にした組織的なネットワークを運営していた。 自分のアプリが、知らないサイトに並んでいた Wintoysの開発者Bogdan_Xは、Google検索で自分のアプリ名を確認していたとき、wintoys.appという見覚えのないドメインに気づいた。WintoysはWindows向けのカスタマイズツールで、Microsoft Storeから配布されている。wintoys.appはBogdan_Xが取得したものではない。開くとWintoysの紹介ページが表示されるが、掲載情報は不正確で、ページ末尾には「Wintoysとは無関係。公式プロジェクトのドキュメントとリンクを提供する独立サイト」という免責事項が置かれていた。 ダウンロードリンクの接続先はMicrosoft Storeの正規ページだった。Chromeでアクセスすると、Cloudflareがフィッシングの疑いがあるとして警告を表示する。正規ストアへのリンク、フィッシング警告、免責事項が同居する奇妙な構成だった。 72

Steamの掲示板に「修正コマンド」を装う仮想通貨マイナー

Steam

Steamの掲示板に「修正コマンド」を装う仮想通貨マイナー

ゲームのトラブルに困るユーザーへの返信を装い、仮想通貨マイナーを仕込むPowerShellコマンドがSteamの掲示板に投稿されている。 「このコマンドを実行すれば直る」 Steamのディスカッションフォーラムで、ゲームのクラッシュやインベントリ消失を相談する投稿が狙われている。捨てアカウントが「修正方法」と称するPowerShellコマンドを返信する手口が報じられた。 投稿の内容は具体的だ。「Win+Rを押してpowershellと入力し、管理者として実行。以下を貼り付けて実行すれば直る」。困っているユーザーが指示に従うと、オープンソースの仮想通貨マイナーXMRigがダウンロード・実行される。PCのCPUを使って仮想通貨モネロ(Monero/XMR)を攻撃者のために採掘し続ける。 ClickFixと呼ばれるこの手法は、偽のエラー画面やCAPTCHA認証を表示してユーザー自身に悪意あるコマンドを実行させる。ユーザーが自ら操作している以上、ブラウザやセキュリティソフトの自動検知はすり抜ける。 今回は偽のWebページではなく、Steamの掲示板が使われている。困っているユーザー

日本交通にサイバー攻撃、電話配車停止で「GO」だけが生き残る

セキュリティ

日本交通にサイバー攻撃、電話配車停止で「GO」だけが生き残る

タクシー最大手の日本交通がマルウェア感染で配車システムを停止した。電話もWEB予約も使えない中、動いたのはアプリだけだった。 7月11日未明、システム侵入 日本交通は7月13日、社内システムが外部からの不正アクセスを受け、マルウェアに感染したと発表した。侵入は7月11日(土)未明に発生し、検知後すぐにシステムを遮断。外部のセキュリティ専門機関と連携して調査を進めている。 停止したのは、電話によるタクシー配車、ハイヤーのWEB受注・予約管理システム、そして一部の社内システムだ。7月14日時点で復旧していない。 日本交通はタクシー8558台、ハイヤー2016台を運行し、従業員は提携先を含め1万8228人を擁する。グループ売上は業務提携会社込みで1554億円(2025年5月期)にのぼり、国内タクシー・ハイヤー業界で最大の事業者だ。 データの漏洩は現時点で確認されていない。日本交通は、漏洩が判明すれば個別に通知するとしている。犯行声明を出した攻撃グループはない。 同社は利用者に対し、日本交通を装った不審メールの添付ファイルやリンクを開かないよう注意を促した。 出産間近の利用者

米司法省がW杯違法配信サイト約400件を一斉押収。4年前の5倍規模

セキュリティ

米司法省がW杯違法配信サイト約400件を一斉押収。4年前の5倍規模

ワールドカップの試合を無料で観られるサイトを探すと、そのほとんどにマルウェアが仕込まれている。米司法省は現地時間6月26日、2026年FIFAワールドカップの試合を無許可で配信していた約400のドメインを押収したと発表した。違法配信サイトの92%に悪意あるコンテンツが含まれていたという調査結果がある。「タダで観る」代償は、視聴者自身の端末と個人情報だ。 「オペレーション・オフサイズ」が動いた 「オペレーション・オフサイズ」と名付けられたこの作戦は、国家知的財産権調整センター(IPRセンター)と国土安全保障捜査局(HSI)が主導した。バージニア州東部地区連邦地裁の令状に基づいて執行され、FIFAが侵害ドメインを特定。beINメディア・グループ、NBCユニバーサル、映画協会傘下のACE(Alliance for Creativity and Entertainment)、UFC、ワーナー・ブラザースが補足情報を提供している。 違法配信のサーバーはペルーとブルガリアで確認された。クロアチア、ルーマニア、ポーランド、コロンビアの各国当局も連携して関連ドメインの摘発に動いている。ブラジル

Steamの「動く壁紙」にマルウェア。アカウントを乗っ取り連鎖感染

セキュリティ

Steamの「動く壁紙」にマルウェア。アカウントを乗っ取り連鎖感染

デスクトップを彩る壁紙が、PCを丸ごと奪う入口になっていた。 Wallpaper EngineはSteamで同時接続が常時数万〜11万人に達する人気の壁紙アプリだ。そのワークショップに、マルウェアを仕込んだ壁紙パッケージが数十件アップロードされ、数万回ダウンロードされていたことがカスペルスキーの調査で明らかになった。感染したPCではSteamアカウントの認証情報が抜かれ、攻撃者がセッションを乗っ取る。そして被害者のアカウントから新たな悪意ある壁紙が投稿される。被害者が次の加害者にされる連鎖が、2025年末から半年以上続いていた。 壁紙が「実行ファイル」になる仕組み Wallpaper Engineは、デスクトップに動画やインタラクティブなアニメーションを壁紙として設定できるアプリだ。Steamの非ゲームタイトルとしてはトップクラスの規模で、レビュー数は約97万件、推定インストール数は2000万〜5000万に達する。 対応する壁紙は4種類。動画、シーン(アプリ内エディタで作るインタラクティブ壁紙)、Webページ、そしてアプリケーション壁紙。問題はこの4つ目で、Windowsの実

Arch LinuxのAURが400件超のマルウェア汚染。その手口と対処法

Linux

Arch LinuxのAURが400件超のマルウェア汚染。その手口と対処法

Arch Linuxのユーザーリポジトリ「AUR」で、400件を超えるパッケージにマルウェアが仕込まれていたことが明らかになった。公式リポジトリは無事だが、AURを日常的に使っているなら、今すぐ自分の環境を確認すべき事態だ。 何が起きたのか 2026年6月11日、AURのメーリングリストにメンテナーのヨナタン・グローテリュッシェン(Jonathan Grotelüschen)氏が緊急の報告スレッドを立てた。AUR上の多数のパッケージに悪意あるコミットが挿入されており、現在すべての削除・リセットとアカウントBANを進めているという内容だ。 コミュニティメンバーのアンドレ・ヘルプスト(André Herbst)氏がAURのリードオンリーミラーを調査したところ、atomic-lockfileという不審なnpmパッケージのインストールを含むパッケージが約408件見つかった。セキュリティ企業Sonatypeはこの攻撃を「Atomic Arch」と命名し、独自調査を公開している。 今回の被害は AURに限定 されており、Arch Linuxの公式リポジトリ(core、extra等)は影響

MiasmaワームがMicrosoft GitHubを直撃、73リポジトリが強制封鎖

セキュリティ

MiasmaワームがMicrosoft GitHubを直撃、73リポジトリが強制封鎖

自己増殖するマルウェア「Miasmaワーム」が、AIコーディングツールを踏み台に使う新手法でMicrosoftのリポジトリを侵害した。リポジトリを開いた瞬間、資格情報が盗まれる。 「開いただけ」で動くマルウェア 6月5日、MicrosoftのGitHub組織が直撃を受けた。Azure、Azure-Samples、Microsoft、MicrosoftDocsの4組織にまたがる73のリポジトリが感染し、GitHubが105秒の自動処理で全て封鎖した。 攻撃の起点は、過去に侵害されたコントリビューターアカウントを使ったコミットだ。Azure/durabletaskリポジトリに悪意あるコミットが押し込まれ、5つの設定ファイルが仕込まれた。クローンしても安全だが、エディタで開いた瞬間に動く。パッケージのインストールも不要だ。 仕込まれた5ファイルとターゲットツール ファイルClaude CodeGemini CLICursorVS Code.claude/ settings.json○———.gemini/ settings.json—○——.c

AIが自ら考え、攻撃を変えるワームが実証された

セキュリティ

AIが自ら考え、攻撃を変えるワームが実証された

「1つのパッチを当てれば止まる」。WannaCryの時代から、ワーム対策の基本はそうだった。1つの脆弱性を突く固定のコードを、1つの修正で塞ぐ。攻撃者と防御者のいたちごっこは、少なくともルールが明確だった。 そのルールが壊れたかもしれない。 「適応型ワーム」という新しい脅威 トロント大学のニコラ・パペルノ(Nicolas Papernot)准教授率いるCleverHans Labが6月2日、AIを搭載した自己複製型ワームのプロトタイプを実証したと発表した。外部から隔離された仮想ネットワーク内での実験だが、結果は従来のワームとは質的に異なるものだった。 従来のワームは、あらかじめ組み込まれたコードで特定の脆弱性を突く。だから防御側は、その脆弱性にパッチを当てれば拡散を止められた。2017年にWannaCryが150カ国以上で猛威を振るったときも、攻撃が突いていたのはWindowsのSMBv1という単一の脆弱性だった。 今回のAIワームはそこが根本的に違う。オープンウェイト(誰でもダウンロードできる公開モデル)のLLMをローカルで動かし、標的のマシンごとに脆弱性を分析して、攻撃

マイクラMODに潜む月額800円の犯罪キット

セキュリティ

マイクラMODに潜む月額800円の犯罪キット

マインクラフトのMODやクライアントを装ったマルウェア「WeedHack」の感染端末が11万6000台を超えた。活動開始は2026年1月。無料で使えるインフォスティーラーに、月額わずか5ドル(約800円)を払えばウェブカメラの遠隔操作まで追加できる。セキュリティ企業McAfeeの調査で浮かび上がったのは、加害者も被害者も10代という現実だった。 「MODを入れただけ」で始まる感染 McAfee Labsのアーユーシュ・ティヤーギー(Aayush Tyagi)氏が公開した調査レポートによると、WeedHackはMaaS(Malware-as-a-Service、マルウェアをサービスとして提供する犯罪ビジネスモデル)として運営されている。 攻撃の入口はごく日常的な行為だ。マインクラフトJava版のMODやカスタムクライアントを探してダウンロードする。それだけでいい。 WeedHackが標的にしているのは、Meteor Client、Radium Client、Wurst Client、LiquidBounce、Impact Client、Future Clientなど、公式サイト

ChatGPTの「共有リンク」がマルウェア配布に悪用される

セキュリティ

ChatGPTの「共有リンク」がマルウェア配布に悪用される

Googleの検索広告からchatgpt.comの正規URLに誘導し、偽の障害画面を表示してマルウェアをインストールさせる攻撃キャンペーンが確認された。URLが本物でも中身が安全とは限らない、という新しい前提を突きつける手口だ。 正規ドメイン上に偽の障害画面 セキュリティ企業Push Securityが「LLMShare」と名付けたこのキャンペーンは、ChatGPTのコンテンツ共有機能を攻撃インフラとして転用する。 手口はこうだ。攻撃者はまず、Googleの検索広告を「ChatGPT」「ChatGPTデスクトップアプリ」「ChatGPTダウンロード」といったキーワードで出稿する。広告をクリックした利用者が飛ばされる先は、chatgpt.com/s/ で始まる 正規のChatGPT共有ページだ。ところが画面に表示されるのは会話内容ではなく、OpenAIの障害通知を模した偽のメンテナンス画面。「アクセスが集中しています。デスクトップアプリをダウンロードしてご利用ください」と書かれている。 chatgpt.comドメイン上にホストされているため、Webフィルタリングもファイアウォー

Chrome、Cookie盗難を「無意味」にする防御機能を全ユーザーに展開

セキュリティ

Chrome、Cookie盗難を「無意味」にする防御機能を全ユーザーに展開

パスワードを変えても、二段階認証を設定しても、アカウントを乗っ取られる。そんな攻撃が、いま爆発的に増えている。狙われているのはパスワードではない。ブラウザに残る「ログイン済み」の証拠――セッションCookieだ。Googleはこの脅威に対し、Cookieを盗んでも別の端末では使えなくする新機能をChromeに標準搭載した。5月25日から全ユーザーへの展開が始まっている。 盗まれても、使えない Googleが全ユーザーへの展開を開始したのは、DBSC(Device Bound Session Credentials)と呼ばれるセキュリティ機能だ。Windows版Chrome 146で4月に一般提供が始まり、5月25日からはGoogle Workspaceユーザーおよび個人Googleアカウントのユーザーに対して段階的ロールアウトが進んでいる。管理者による有効化操作は不要で、デフォルトで有効。管理者が無効にする手段も用意されていない。 仕組みの核心はシンプルだ。ログイン時、Chromeが端末のセキュリティチップ――WindowsならTPM、macOSならSecure Enclave