YouTube Premium全プラン値上げ、告知なしの改定
YouTubeが、また黙って値札を書き換えた。米国で全プランが一斉値上げ。公式発表なし、ユーザーはRedditで知った。
YouTubeが、また黙って値札を書き換えた。米国で全プランが一斉値上げ。公式発表なし、ユーザーはRedditで知った。
事前告知なしで始まった全プラン改定
YouTube Premiumの米国価格が、2026年4月10日付で全プランにわたって引き上げられている。個人プランは月額13.99ドルから15.99ドル(約2,540円)へ2ドル増。ファミリープランは22.99ドルから26.99ドル(約4,290円)へ、最大の4ドル増となった。年間プランも139.99ドルから159.99ドルへ20ドルの上乗せだ。
廉価版のPremium Liteと学生プランはそれぞれ7.99ドルから8.99ドルへ。YouTube Music単体も、個人が10.99ドルから11.99ドル、ファミリーが16.99ドルから18.99ドルへ引き上げられている。
| プラン | 旧価格 | 新価格 | 増額 |
|---|---|---|---|
| 個人 | $13.99 | $15.99 | +$2.00 |
| ファミリー | $22.99 | $26.99 | +$4.00 |
| Lite | $7.99 | $8.99 | +$1.00 |
| 学生 | $7.99 | $8.99 | +$1.00 |
| 年間 | $139.99 | $159.99 | +$20.00 |
| Music 個人 | $10.99 | $11.99 | +$1.00 |
| Music Family | $16.99 | $18.99 | +$2.00 |
新規ユーザーにはすでに新価格が適用済み。既存ユーザーへは6月の請求サイクルから反映される。
問題は金額だけではない。Googleは今回、プレスリリースも公式ブログの告知も出していない。ユーザーが値上げを知ったきっかけは2つしかない。Redditに貼られた請求通知メールか、公式サイトの価格が静かに書き換わっていたことか、だ。
YouTubeの広報担当者は「2023年以来の米国での改定であり、広告なし視聴やバックグラウンド再生、YouTube Musicの3億曲以上のライブラリといった機能を維持するため」と説明している。
2023年7月の前回値上げでは、報道機関への事前声明があり、ユーザーにも適用前の通知が届いた。今回はその手順がすべて省かれている。値上げの額より、黙って上げたという事実のほうが、長期的にはまずい。
「ストリームフレーション」という構造
YouTube Premiumは2015年に「YouTube Red」として月額9.99ドルでスタートした。
11年を経て個人プランは15.99ドルに達し、累計で約60%の値上げとなった。ファミリープランは2022年の17.99ドルから4年足らずで26.99ドルへ、50%の上昇だ。
だがこれは、YouTubeに限った話ではない。Netflixは先月、全プランで2ドルの値上げを実施した。2年で2度目になる。Spotifyは2026年初頭に個人プランを11.99ドルから12.99ドルへ引き上げた。Disney+、Hulu、Peacock、Paramount+——主要サービスのほぼすべてが2025年から2026年にかけて価格改定を行っている。
各社が値上げに使う理由は判で押したように同じだ。「サービスの向上」と「クリエイターの支援」。言葉だけ見れば、どの会社のプレスリリースかわからない。
YouTube Music単体の月額も11.99ドルになった。Apple Music(10.99ドル)を超えた。音楽ストリーミング単体で見れば、もはや割安ではない。YouTube Premiumの価値は「動画+音楽」の統合にあるが、その統合プランが月15.99ドルとなると、「広告を我慢すれば無料」という選択肢が頭をよぎるユーザーも出てくるだろう。
Apple経由の「見えない上乗せ」
iPhoneから契約している人は、さらに高い。Apple経由の個人プランは月額20.99ドル(約3,340円)だ。
直接契約との差は月5ドル、年間にすると60ドル(約9,500円)。同じサービスで、入口が違うだけだ。Appleの30%手数料が原因だが、その分を払うのはユーザーだ。
日本への波及はいつか
現時点で、日本のYouTube Premium個人プランは月額1,280円。米国の新価格である約2,540円と比べると、およそ半額の水準にある。
2023年7月に米国で値上げが行われた際、日本での改定は約2週間後の8月だった。米国の値上げ率が約17%だったのに対し、日本は約8.5%と控えめだったが、「米国の後に日本が続く」というパターンは崩れていない。
YouTube PremiumとYouTube Musicの加入者数は、全世界で1億2,500万人を超えている。これだけの規模のサービスが公式発表なしで価格を変更した。前例ができた以上、次も同じ手が使われると考えるほうが自然だ。
日本での改定はまだ発表されていない。ただ、前回の猶予は2週間だった。
参照元
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