イーロン・マスク

英国法務長官がXからの撤退を指示。暴動と偽情報が引き金に

SNS

英国法務長官がXからの撤退を指示。暴動と偽情報が引き金に

イングランド・ウェールズ法務長官のリチャード・ハーマー(Richard Hermer)氏が、法務長官府にXへの投稿を停止するよう指示した。現職の英国閣僚が省庁単位でXを離れるのはこれが初めてとなる。 「法の番人」が降りた 法務長官府のXアカウントは現地時間6月12日の投稿を最後に止まっている。それまでは政府の取り組みに関する情報を日に複数回発信していた。その発信が、突然途絶えた。 ハーマー氏は先週、職員に対しXへの投稿をやめるよう伝えたという。偽情報への対処に限って利用を認め、それ以外の投稿を停止する方針だ。 決定の直接の引き金は、6月に英国で相次いだ暴動にある。 サウサンプトンでは6月2日、ヘンリー・ノワク(Henry Nowak)氏の刺殺事件(2025年12月)をめぐる抗議が暴力に転じた。11人の警察官と1頭の警察犬が負傷し、13人が実刑判決を受けている。ベルファストでは6月8日のナイフ事件を機に大規模な反移民暴動が発生し、覆面の集団が移民の住居と信じた家屋に次々と火を放った。24人を超える住民が家を追われている。 いずれの暴動でも、事実と異なる情報がX上で広がった。

Fable級に中国はいつ届くか。マスク氏の「来年Q1」をZ.ai創業者が否定

AI

Fable級に中国はいつ届くか。マスク氏の「来年Q1」をZ.ai創業者が否定

Fable 5が止まって1週間。止めた側は動けず、追う側が加速している。 7か月差か、それ以下か 中国がFable 5にいつ追いつくか。6月18日、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が「おそらく来年Q1」と投稿した。 Probably Q1 — Elon Musk (@elonmusk) June 18, 2026 返答は早かった。Z.ai(旧Zhipu AI、智譜)共同創業者のタン・ジエ(唐杰、Tang Jie)氏が、同じスレッドで一言。 won’t take that long — jietang (@jietang) June 18, 2026 won't

トランプ氏、テック企業トップからのメッセージを公開 会合で言及

テクノロジー

トランプ氏、テック企業トップからのメッセージを公開 会合で言及

マーク・ザッカーバーグ氏とジェフ・ベゾス氏は、2024年の大統領選でトランプ氏が勝利した後、こぞって歩み寄りを見せた。ファクトチェックの廃止、就任式への100万ドル寄付、大統領候補推薦の取りやめ。それらを受け取った当の本人が、裏でどうしていたか。来週出版される内幕本が記録している。笑っていた。 「テック企業の連中からのメッセージは信じられない」 ニューヨーク・タイムズの記者マギー・ハーバーマン(Maggie Haberman)氏とジョナサン・スワン(Jonathan Swan)氏による新刊「Regime Change: Inside the Imperial Presidency of Donald Trump」が、6月23日にサイモン&シュスターから出版される。約1000件のインタビューに基づく第2期トランプ政権の内幕本だ。 同書によると、トランプ大統領はザッカーバーグ氏やベゾス氏から受け取った媚びへつらうメッセージを周囲に見せ回り、嘲笑していた。トランプ大統領はハーバーマン氏に、テクノロジー企業のトップたちから届いたメッセージは「信じられないものだった」と語っている。 イ

SpaceX、Cursorを約9.6兆円で買収。IPO直後の巨大M&A

AI

SpaceX、Cursorを約9.6兆円で買収。IPO直後の巨大M&A

SpaceXが現地時間6月16日、AIコーディングエージェントCursorの開発元Anysphereを600億ドル(約9兆6000億円)で買収すると発表した。全額SpaceX株式での取引で、4月に取得していた買収オプションを行使した。完了は2026年第3四半期の見通し。史上最大のIPOからわずか4日、イーロン・マスク(Elon Musk)氏はAIコーディング市場の最有力プレーヤーを手中に収める。 取引の全容 SEC(米証券取引委員会)に提出された8-K報告書によると、SpaceXの完全子会社X67 Inc.がAnysphereに吸収合併される。合併後、AnysphereはSpaceXの完全子会社となる。 Anysphere株主はSpaceXのクラスA普通株を受け取る。交換比率は、Anysphereの想定企業価値600億ドルと、合併完了直前7営業日のSpaceX株の出来高加重平均終値をもとに算出される。規制当局の承認を含む標準的なクロージング条件を満たした上で、第3四半期中の完了を見込む。 伏線は4月に敷かれていた。同月19日、SpaceXとAnysphereはコールオプション

SpaceX上場初日、マスク氏がNVIDIAとの関係深化を示唆

宇宙

SpaceX上場初日、マスク氏がNVIDIAとの関係深化を示唆

SpaceXがナスダック市場に上場した6月12日、初日の終値は160.95ドルだった。公開価格135ドルから19%の上昇。時価総額は一時約2.1兆ドル(約338兆円)に達し、750億ドル(約12兆円)を調達した史上最大のIPOは、イーロン・マスク(Elon Musk)氏を世界初のトリリオネアに押し上げた。 だが本題は株価ではない。 祝辞の裏にある10年の文脈 上場直後、NVIDIAがSpaceXチームへの祝賀を投稿した。約10年前のDGX-1からDGX Sparkまで、両社の関係を振り返る内容も添えられていた。 数時間後、マスク氏がこれに応じた。 Looking forward to taking our exciting partnership with Nvidia to the next-level https://t.co/WYxxC6V1CE — Elon Musk (@elonmusk) June 12, 2026

スペースX、史上最大のIPOで時価総額2兆ドル超え

テクノロジー

スペースX、史上最大のIPOで時価総額2兆ドル超え

2026年6月12日、スペースXがナスダック市場に上場した。ティッカーシンボルはSPCX。公募価格135ドルに対して初値は150ドル、終値は160.95ドル。初日の上昇率は約19%。時価総額は一時2.25兆ドル(約360兆円)に達し、終値ベースでも約2.1兆ドル(約336兆円)を記録した。史上最大のIPOを、宇宙企業がやり遂げた。 750億ドルの調達、サウジアラムコの2.5倍 スペースXは5億5,556万株を1株135ドルで売り出し、約750億ドル(約12兆円)を調達した。オーバーアロットメント(追加売出し枠)を含めると最大約860億ドル。2019年にサウジアラムコが記録した294億ドルの2.5倍を超える。 主幹事はゴールドマン・サックス。モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガン・チェースの4社が続いた。 個人投資家への配分が異例だった。通常のIPOでは5〜10%にとどまるリテール枠を、スペースXは最大30%まで拡大する方針を打ち出していた。マスク氏を支持する個人投資家層を安定株主として取り込む狙いがあるとみられる。日本にも割り当てがあった。

SpaceXが史上最大のIPOで750億ドルを調達。その構造が問いかけるもの

宇宙

SpaceXが史上最大のIPOで750億ドルを調達。その構造が問いかけるもの

イーロン・マスク氏率いるSpaceXが6月11日、1株135ドルでIPOの価格を正式に決定した。調達額は約750億ドル(約12兆円)。2019年のサウジアラムコによる約256億ドルの記録を3倍近く塗り替え、資本市場の歴史を書き換えた。6月12日、ナスダックでティッカーシンボル「SPCX」として取引が始まる。 ただ、この記録的な数字の裏には、一般投資家が知っておくべき構造がある。 750億ドルの内訳 SpaceXは公式サイトに掲載した価格決定の発表文書で、クラスA普通株式5億5555万5555株を1株135ドルで売り出すと発表した。企業価値は約1兆7700億ドル(約284兆円)。米国上場企業のうち、初日から時価総額で7位前後に位置する計算になる。 引受団にはゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガンの5社が主幹事として名を連ねる。さらに30日間の追加購入オプションがあり、最大8333万3333株を追加で引き受けられる。行使されれば、調達総額はさらに約112億ドル上積みされる。 需要は公募株数の4倍に達したと報じられている

xAI元エンジニア、Grokの安全性告発でIPO直前に提訴

AI

xAI元エンジニア、Grokの安全性告発でIPO直前に提訴

Grokの開発に携わったxAI元エンジニアが、AIの安全性に関する懸念を訴えたことへの報復として解雇されたと主張し、xAIとSpaceXを相手取った訴訟を起こした。SpaceXが6月12日に史上最大のIPOを控えるなかでの提訴となる。 訴訟の中身 デビン・キム(Devin Kim)氏は2024年にxAIの初期メンバーとしてGrokのポストトレーニング(モデルの出力品質を調整する工程)チームに加わり、研究ツール基盤のリーダーを務めた人物だ。訴状はカリフォルニア州サンタクララ郡上位裁判所に提出された。 訴状によると、キム氏はGrokの開発において安全性の優先順位が低すぎると繰り返し社内で警告していた。差別を助長する出力や、大量破壊兵器に関する情報が拡散するリスクを挙げていたという。 この懸念は、後に現実のものとなる。 2025年7月、Grokはシステムプロンプトの変更をきっかけに、ヒトラーを称賛し自らを「MechaHitler」と名乗る反ユダヤ主義的な投稿を約16時間にわたって生成し続けた。ADL(名誉毀損防止同盟)をはじめとする団体から強い非難を浴び、EUもXに対して正式に連

SpaceXが宇宙データセンター工場を発表。IPO3日前の現在地

AI

SpaceXが宇宙データセンター工場を発表。IPO3日前の現在地

SpaceXがテキサス州バストロップに建設する衛星製造施設「Gigasat」と、初の軌道データセンター衛星「AI1」の設計が公開された。2027年末までに年間1GWの宇宙AIコンピュート能力を実現し、2030年には100GWへ引き上げるという。ただし、この構想を支えるチップ工場も、打ち上げ頻度も、排熱の実証も、まだ何一つ完成していない。 100万基の衛星でAIを宇宙に持ち出す SpaceXのイーロン・マスク(Elon Musk)氏は6月8日、自社Xアカウントに投稿した約30分のインタビュー動画で、軌道データセンター衛星「AI1」の設計を初公開した。 翼幅は約70メートル。ボーイング747-8の翼幅を上回る。構造の大部分を太陽電池アレイが占め、150kWを発電する。中央のAI計算モジュールはピーク150kW、平均120kWの演算能力を持つ。冷却には110㎡の展開式液体ラジエーターを使い、太陽に対して「ナイフエッジ」の角度で配置することで、両面から宇宙空間へ熱を放射する。 もう一つ、見逃せない設計判断がある。計算チップのプロバイダーを交換可能にした点だ。マスク氏はNVIDIA G

SpaceXテラファブ、住民反対を押し切り35年間の固定資産税全額免除が成立

半導体

SpaceXテラファブ、住民反対を押し切り35年間の固定資産税全額免除が成立

テキサス州の人口3万5000人に満たない郡が、史上最大のIPOを控える企業に35年間の固定資産税100%免除を与えた。550億ドル(約8兆8000億円)規模の半導体工場計画に対し、住民が求めたのは「待ってくれ」というささやかな要求だった。 4対1、100人超の反対を前に 2026年6月3日、テキサス州Grimes County(グライムズ郡)の郡委員会は、SpaceXが計画する巨大半導体製造施設「テラファブ」(Terafab)に対し、再投資ゾーンの指定と固定資産税の100%免除を4対1で承認した。 公聴会には200人を超える住民が詰めかけた。発言した住民の大半が反対意見だった。地元の牧場経営者ジョセフ・レジニチェク(Joseph Reznicek)氏は「事実上、この郡に住む全員が郡の役人に顔を張られた。まもなく時価総額1兆ドルになるかもしれない企業に、条件を一方的に押しつけられた」と語った。 反対派の声は委員の判断を覆すには至らなかったが、第2選挙区のデイヴィッド・タロス(David Tullos)委員は唯一の反対票を投じた。タロス氏はSpaceXの透明性の欠如を繰り返し指摘

スペースX、史上最大のIPOへ踏み出す

宇宙

スペースX、史上最大のIPOへ踏み出す

ロケットとAIと衛星通信を束ねた巨大企業が、750億ドル(約12兆円)を市場に求める。6月12日のナスダック上場に向け、イーロン・マスク氏はまたひとつ、前例のないやり方を選んだ。 「価格は自分で決める」 スペースXが6月3日、SEC(米証券取引委員会)に提出した書類で明らかにしたIPOの条件は、ウォール街の慣行を正面から無視するものだった。 通常、大型IPOでは公開価格に幅を持たせ、ロードショーで投資家の反応を見ながら最終価格を詰めていく。スペースXはその手順を踏まなかった。1株135ドル、調達額750億ドル、時価総額約1兆7500億ドル(約280兆円)。ロードショーに先立って固定価格を提示し、投資家にはそれを受け入れるかどうかだけを問う。 5億5560万株の新規発行。すべてが新株であり、既存株主の売却は含まれない。調達資金は全額、会社の事業拡大に充てられるという。マスク氏自身の持ち株には366日間のロックアップ(売却制限)がかかる。 ロードショーは6月4日に開始され、6月11日に価格を確定、翌12日にナスダックで取引が始まる見通しだ。ティッカーシンボルは「SPCX」。

トランプ政権、骨抜きのAI大統領令に署名

AI

トランプ政権、骨抜きのAI大統領令に署名

5月21日に撤回されたAI大統領令が、12日後に署名された。ただし中身は別物だ。審査期間は90日から30日に縮み、すべて任意。署名式もなかった。 何が変わったのか 2026年6月2日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、AIとサイバーセキュリティに関する大統領令「Promoting Advanced Artificial Intelligence Innovation and Security」に署名した。非公開で、式典もなかった。 5月21日に直前撤回された大統領令の「縮小版」だ。前回の記事で取り上げた通り、あの日はホワイトハウスに招待されたテック企業幹部が移動中だったにもかかわらず、トランプ氏が突然「文言のいくつかが気に入らなかった」と署名を見送った。 今回署名された版と5月版の違いは明確だ。 審査期間が 90日から30日 に短縮された。5月版では、フロンティアAIモデルの公開前に政府が最長90日間の安全審査を行う枠組みが柱だった。署名版はこれを30日に縮めた。業界側は14日を求めていたとされ、30日はその折衷案という位置づけになる。 すべてが 「

マスク氏の公約達成率19%、史上最大IPO直前の検証

テクノロジー

マスク氏の公約達成率19%、史上最大IPO直前の検証

SpaceXの上場が早ければ6月12日に迫るなか、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が過去15年間に掲げた602件の公約を体系的に検証した調査報道が公開された。期限どおりに達成されたのは、わずか19%だった。 602件の約束、守られたのは5分の1以下 6月2日に公開された調査報道は、マスク氏が2011年から2026年1月までの15年間に、投資家向け説明会や自身の投稿で発信した公約602件を洗い出し、その達成状況を一つずつ検証したものだ。分析対象はマスク氏の投稿6万9000件超と、2021年以降のTesla投資家向け説明会19回分。大規模言語モデルで「将来の期限付き約束」を抽出し、記者4人が手作業で精査・分類するという手法を採っている。 結果はこうなった。 期限どおりに達成されたのは 約19%。遅延して達成、または未達成が 約35%。内容が曖昧すぎて検証不能、あるいは期限がまだ先のものが残りの 約46% を占める。 マスク氏の公約602件 達成状況 期限どおり達成 19%(1マス=約6件) 期限内達成

SpaceXの上場書類に「水不足」が追記された

AI

SpaceXの上場書類に「水不足」が追記された

6月12日に迫るNasdaq上場を前に、SpaceXがIPO届出書を修正した。追加されたリスク要因のひとつが「水」だ。AIデータセンターの冷却に不可欠な水資源の確保が、電力と並ぶ事業上の制約になりうると、同社は投資家に警告している。 電力だけでは足りなかった SpaceXは5月20日にSECへS-1(目論見書)を提出し、6月1日にその修正版(S-1/A)を公開した。修正前の届出書では、データセンター拡張の主な制約として「経済的に実行可能な価格での電力供給」を挙げていた。修正版ではこれが「経済的に実行可能な価格での電力と水の供給」に書き換わっている。 追加された記述の趣旨はこうだ。大規模データセンターの運用には冷却のために大量の水が必要であり、水の確保はデータセンターの立地選定・建設・運用における重要な検討事項になっている。水不足や干ばつ、地域住民との水資源の競合、あるいは水利用に関する規制強化によって、冷却に十分な水を得られなくなるリスクがあるという。 なぜこのタイミングで追加されたのか。修正のきっかけは明らかにされていない。IPO前の審査期間中、SECはSpaceXに対して