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豪ビクトリア州、匿名中傷者の身元開示を可能にする新法案を発表

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豪ビクトリア州、匿名中傷者の身元開示を可能にする新法案を発表

オーストラリア・ビクトリア州政府が、SNS上の匿名ヘイト投稿者の身元を暴く権限と、子どもの精神被害をめぐる訴訟のハードルを引き下げる2つの法案を発表した。選挙まで4ヶ月、成立は不透明だ。 匿名アカウントの身元を暴く ビクトリア州のジャシンタ・アラン(Jacinta Allan)首相は7月19日、SNSの匿名アカウントによるヘイト投稿に対処する2つの新法案を発表した。 1つ目は「デマスキング命令」の導入だ。ビクトリア州民事行政裁判所(VCAT)に新たな権限を与え、人種・宗教・性的指向などの属性を理由にした中傷(vilification、差別的言動)を行った匿名アカウントの身元を、SNS企業に開示させる。 オーストラリアの州レベルではこうした仕組みは初となる。 2つ目は、子どもに精神的被害を与えたSNS・AI企業を家族が訴える際のハードル引き下げ。現行法では「永久的障害10%以上の証明」が必要だが、未成年の訴訟に限りこの要件を撤廃する。成人への拡大も検討するとしている。 判決が後押しした この発表の背景には、米国での判例がある。2026年3月、ロサンゼルスの陪審はMeta

豪州、AIデータセンターに「電力自給」を義務化へ

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豪州、AIデータセンターに「電力自給」を義務化へ

オーストラリアが、AIデータセンターに消費量と同等の発電を義務づける国家基準を策定する。水・著作権・送電網コストも対象とした包括的な法制化は世界初の試みになる。 「使った分は、自分で作れ」 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)首相は現地時間7月15日、シドニー大学で演説し、「Australian Standards for AI」(オーストラリアAI基準)の策定を発表した。AIデータセンターの電力、水、送電網の接続費用、著作権保護を一つの国家フレームワークにまとめ、法的拘束力を持たせる。 柱は3つある。 第一に、大規模データセンターに対して、消費する電力と同量の新規発電を義務づける。再生可能エネルギーによる発電と調整力を自前で確保し、送電網から取り出す以上の電力を供給する「純発電者」になることを求める。送電網への接続費用も全額自己負担とし、家庭や企業の電気料金に転嫁させない。 第二に、水の使用効率を最大限に高め、追加の水インフラが必要であればその費用も事業者が負担する。オーストラリアは居住大陸のなかで最も乾燥した土地だ。 第三に、

プルタルコスが書いたSNS依存の処方箋。2026年の法廷が追認した

SNS

プルタルコスが書いたSNS依存の処方箋。2026年の法廷が追認した

古代ローマの哲学者プルタルコスが『モラリア』に残した処方箋が、2026年のSNS規制をめぐる法廷判決や各国の立法と正確に重なっている。 壁の落書きを読むな 紀元1世紀、プルタルコスは他人の生活を覗き見る衝動について書いた。 オーストラリアン・カトリック大学のマシュー・シャープ(Matthew Sharpe)准教授が学術メディアThe Conversationに寄せた論考で、『モラリア』の一節を引いている。自分の人生と向き合えない者は、内面のあらゆる悪徳に怯え、外へ飛び出し、他人の問題を嗅ぎ回って自分の悪意を肥え太らせる。 プルタルコスの診断は正確だった。他人の秘密を探りたがる者は、もっとも扇情的で誇張された噂に引き寄せられる。噂が噂を呼び、事実は消え、残るのは悪意だけだ。 怒りを反芻する習慣は「薄く叩き延ばされた鉄のように」、些細な刺激で傷つく脆い精神を作る。 シャープ氏はニューヨーク・タイムズ紙の記者マックス・フィッシャー(Max Fisher)氏の著書『The Chaos Machine』(混沌の機械)にも触れている。フィッシャー氏はこの本で、SNS企業がプルタルコス

米国成人の56%が16歳未満のSNS禁止を支持

SNS規制

米国成人の56%が16歳未満のSNS禁止を支持

16歳未満のSNS利用を法で禁じる動きが世界各国で加速するなか、米国の成人も過半数がその禁止を支持していることが大規模調査で明らかになった。 調査が映す、6割の「もう待てない」 ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が2026年7月1日、新たな調査を公開した。2026年5月26日から6月1日にかけて米国の成人9750人を対象に実施されたもので、16歳未満のSNS利用禁止を支持すると答えた成人は56%に達した。反対は21%。残りの23%は態度を決めかねている。 この56%は、特定の層に偏っていない。 30〜49歳の支持率が63%で、全年齢層の中で最も高い。自分自身がSNSで育ちながら、いま子どもにスマートフォンを渡す立場にいる世代だ。18〜29歳でも52%が支持に回り、65歳以上の49%を上回った。 18歳未満の子どもを持つ親に絞ると支持率は65%に跳ね上がる。子どものいない成人は52%。子どもの顔を毎日見ている親のほうが、禁止への切迫感が高い。 党派の壁も低い。共和党支持層の59%、民主党支持層の54%がいずれも支持を表明した。子どものSNS

1200万曲のAI学習リストに自国の音楽。オーストラリアの闘い

AI著作権

1200万曲のAI学習リストに自国の音楽。オーストラリアの闘い

カイリー・ミノーグだけで182曲。業界連合が連邦議会で記者会見を開き、AI企業による無断利用を「業界史上最大の知的財産の窃盗」と断じた。 「許可なし、ライセンスなし、対価なし」 6月にThe Atlanticが公開したデータベース検索ツールは、AIの学習に使われた4つの大規模楽曲データセットの中身を可視化した。ミッドナイト・オイル、シーア、クラウデッド・ハウス、ロードらオーストラリア・ニュージーランドのアーティストが多数含まれていた。カイリー・ミノーグだけで182曲がリストに載っている。 これを受けて動いたのがAPRA AMCOS(オーストラレーシア演奏権・複製権管理団体)だ。ディーン・オームストン(Dean Ormston)CEOは「テックプラットフォームが許可も対価もなく楽曲をAI学習に使っている事実に、私たちも皆さんと同様に憤っている」と声明を出した。 7月1日の議会前には、ウィリアム・バートン(William Barton)氏、ポール・デンプシー(Paul Dempsey)氏、マハリア・バーンズ(Mahalia Barnes)氏ら音楽家に加え、

豪SNS禁止法、罰金約110億円に倍増。85%の子どもは使い続けている

SNS

豪SNS禁止法、罰金約110億円に倍増。85%の子どもは使い続けている

世界で初めて16歳未満のSNS利用を禁じたオーストラリアが、施行から半年で罰金を倍増させた。だが同じ週に公表された研究は、子どもの85%がまだSNSを使い続けているという現実を突きつけている。 罰金倍増、権限拡大 オーストラリア政府が現地時間6月28日、16歳未満のSNS利用禁止法(Social Media Minimum Age Act)の罰則を大幅に強化すると発表した。違反企業に科される最高罰金を4950万豪ドル(約55億円)から9900万豪ドル(約110億円)に倍増させ、競争法・消費者法と同水準に引き上げる。 同時に、規制当局であるネット安全コミッショナー(eSafety Commissioner)の情報収集権限を拡大する新法案も提出する。SNS企業に対して、16歳未満のアカウント作成をどう防いでいるかの証拠提出を命じる権限を与え、年齢確認サービスやアプリストア運営会社など第三者からも情報を収集できるようにする。 アルバニージー(Anthony Albanese)首相は発表文で、大手テック企業が法律の遵守に十分な対応を取っていないと指摘した。通信大臣のアニカ・ウェルズ(

英国が16歳未満のSNS利用を全面禁止へ。その先にある問い

テクノロジー

英国が16歳未満のSNS利用を全面禁止へ。その先にある問い

キア・スターマー(Keir Starmer)首相が現地時間6月15日、ダウニング街で記者会見を開き、16歳未満の子どもに対するSNSプラットフォームの利用を全面的に禁止すると発表した。年内に議会で規制を通し、2027年春の施行を目指す。対象はSnapchat、TikTok、YouTube、Instagram、Facebook、Xなど主要プラットフォーム。WhatsAppやSignalといったメッセージサービスは含まない。 2025年12月に世界で初めて同様の禁止法を施行したオーストラリアを超える範囲の規制を、英国は打ち出した。ゲームでの見知らぬ人物との通信やライブストリーミングの遮断、AIチャットボットの「恋愛コンパニオン」機能への18歳未満の利用制限など、SNSの外にまで網を広げる。 子どもの安全をめぐる政策として、これは間違いなく大きな一歩だ。だが、禁止の先にある問題は、まだ誰も答えを出していない。 「子どもに子ども時代を返す」という宣言 スターマー首相は会見で繰り返した。SNSは子どもを不幸にしている、いじめを助長している、精神的健康を損なっている、と。保護者の9割が1

カナダ、16歳未満のSNS利用を禁止する法案を提出。AIチャットボットにも安全義務

セキュリティ

カナダ、16歳未満のSNS利用を禁止する法案を提出。AIチャットボットにも安全義務

カナダ政府が6月10日、16歳未満のSNSアカウント保有を原則として禁止する法案「安全なソーシャルメディア法」(Bill C-34)を下院に提出した。プラットフォーム規制だけではない。AIチャットボットへの安全基準、独立規制機関の新設まで一本の法律に盛り込んだ、カナダ史上最大規模のデジタル安全法制だ。 「子どもが命を落としている」 法案を提出したマーク・ミラー(Marc Miller)アイデンティティ・文化大臣は、記者会見で一言こう述べた。政策文書の数字ではなく、この一文がすべてを語っていた。 背景にあるのは、2026年2月にブリティッシュ・コロンビア州タンブラーリッジの中等学校で起きた銃乱射事件だ。加害者の18歳はChatGPTと銃撃に関する会話を繰り返していた。OpenAIは社内でその危険を察知していたが、当局への通報を見送った。生徒5人と教員1人を含む8人が命を落としたこの事件は、カナダ社会に深い傷を残し、プラットフォームとAIの両方に対する法的義務を求める世論を一気に押し上げた。 Bill C-34は、自由党政権としてオンライン有害情報対策の3度目の挑戦にあたる。前身

英国、16歳未満の「有害」SNS禁止へ――テック企業に3ヶ月の猶予

テクノロジー

英国、16歳未満の「有害」SNS禁止へ――テック企業に3ヶ月の猶予

スマートフォンを子どもに渡すとき、親は何を心配しているか。いじめ、性的画像、終わらないスクロール。英国のスターマー(Keir Starmer)首相が6月8日、ロンドン・テック・ウィークの演説で切り込んだのは、その不安の一つひとつだった。 テック企業への最後通告 スターマー氏が打ち出したのは二つの柱だ。 ひとつは、16歳未満にとって「有害」とされるSNSプラットフォームへのアクセス禁止。YouTube Kidsなど一部の「安全な」サービスは除外される見通しで、今後10日以内に正式発表されると報じられている。 もうひとつが、より即効性のある要求だった。AppleやGoogleといったデバイスメーカーに対し、子どもの端末で性的画像の撮影・送受信・閲覧をブロックする機能を導入するよう求め、3ヶ月の猶予を設定した。従わなければ立法で強制する、という最後通告だ。 対象は販売済みの端末も含む。iOSやAndroidといったOSレベルでの対応を想定しており、年齢確認を経た成人の端末には影響しない。 英国 未成年SNS規制の経緯 2025年 12月オ