ランサムウェア

ニチレイ攻撃にRansomHouseが犯行声明、暗号化済みと主張

サイバーセキュリティ

ニチレイ攻撃にRansomHouseが犯行声明、暗号化済みと主張

7月13日にサイバー攻撃を受けたニチレイに対し、RansomHouseがダークウェブ上で犯行声明を出した。2025年のアスクル攻撃に続き、同グループによる日本企業への攻撃が繰り返されている。 犯行声明の中身 ニチレイへのサイバー攻撃について、RansomHouse(ランサムハウス)を名乗る集団がダークウェブ上のリークサイトで犯行声明を公開していたことが、7月21日にセキュリティ関係者への取材で判明した。 声明を確認したS&J株式会社の三輪信雄(みわ のぶお)氏によると、リークサイトには攻撃実行日として7月13日が記載され、ステータスには「Encrypted」(暗号化済み)と「EVIDENCE」(証拠あり)の表示があるという。 RansomHouseは声明の中で、ニチレイのIT部門がインシデントを隠蔽しようとしていると非難した上で、機密データの流出を避けたければ連絡するよう要求している。パスワードなしでダウンロードできる「証拠パック」へのリンクも掲示し、窃取したとするデータの一部を公開する形で圧力をかけている。 ニチレイは7月22日時点でRansomHouseの主張について公

AIが31秒で攻撃を自己修正した。初のエージェント型ランサムウェア記録

AI

AIが31秒で攻撃を自己修正した。初のエージェント型ランサムウェア記録

ランサムウェア攻撃は、キーボードの前に人がいることを前提に成り立ってきた。クラウドセキュリティ企業Sysdigが7月1日に公開した報告書は、その前提が崩れた最初の記録を提示している。 ログインに失敗してから31秒後 Sysdigの脅威調査チーム(TRT)がJadePufferと名付けた攻撃者は、LLMエージェントだった。偵察、認証情報の窃取、横展開、永続化、権限昇格、データの暗号化と破壊。ランサムウェアの全工程を、人の介在なく実行した。 この攻撃の性質がよく表れているのが、Alibaba Nacosサーバへの侵入過程で記録された一連の動作だ。 エージェントはまず、MySQLデータベースに直接アクセスしてバックドア管理者アカウントを作成した。bcryptハッシュを生成し、アカウントを挿入し、管理者ロールを付与する。ここまでは典型的な攻撃手順に見える。 問題は次に起きた。ログイン検証が失敗した。12秒後、エージェントは2つの仮説を並行して検証し始めた。Nacosのデフォルト認証情報(nacos:nacos)の試行と、より単純なパスワードでのbcryptハッシュ再生成を同時に実行

BlueHammer、ランサムウェアに転用。CISAが警告

セキュリティ

BlueHammer、ランサムウェアに転用。CISAが警告

4月に修正済みのWindows Defenderの権限昇格脆弱性が、2か月半後のいまランサムウェア攻撃に使われている。パッチ未適用の端末で身代金を要求される事態が、現実になった。 パッチ公開から77日、悪用は止まらなかった 米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は現地時間6月30日、Windows Defenderの権限昇格脆弱性CVE-2026-33825(通称BlueHammer)について、KEV(悪用が確認された脆弱性)カタログのランサムウェア欄を「確認済み」に更新した。 BlueHammerは4月初旬にセキュリティ研究者ナイトメア・エクリプス(Nightmare Eclipse)が実証コードとともに公開し、Microsoftが4月14日の月例パッチで修正した脆弱性だ。CISAは4月22日の時点でKEVカタログに追加し、連邦機関に5月7日までの対処を命じていた。今回の更新は、当初のゼロデイ悪用に加え、ランサムウェア攻撃への転用が確認されたことを意味する。 BlueHammer(CVE-2026-33825)経緯 4月3日実証コード公開

タタへのサイバー攻撃でApple・Teslaの機密情報が流出か

セキュリティ

タタへのサイバー攻撃でApple・Teslaの機密情報が流出か

Appleのインド製造を支えるタタ・エレクトロニクスが、恐喝型犯罪集団World Leaksの標的になった。ダークウェブ上に公開されたとされるファイルは20万件超、総量630GB以上。iPhoneの製造仕様からTeslaの設計図面、従業員のパスポートまで含まれるという。「中国から分散すればリスクが減る」。その前提が、別の角度から崩れ始めている。 630GBの中身 タタ・エレクトロニクスは6月22日、自社システムの一部に「サイバーセキュリティインシデント」があったことを認めた。数週間前にインシデントを検知し、対応プロトコルを直ちに実行したとしている。業務への影響はないという。 発覚のきっかけは、ダークウェブ上の動きだった。恐喝型サイバー犯罪集団World Leaksが、タタ・エレクトロニクスから盗んだと称するデータを自らのリークサイトに掲載した。セキュリティ研究者によると、このデータは少なくとも6月10日からアクセス可能な状態にあったという。 公開されたとされるファイルの中身は、サイバー攻撃の被害としては異例の広さだ。 Apple関連では、「com.apple.factory

犯罪の3件に1件がサイバーに。INTERPOL報告書が示す現実

セキュリティ

犯罪の3件に1件がサイバーに。INTERPOL報告書が示す現実

犯罪の3件に1件が、画面の向こうで起きている。INTERPOLが6月17日に発表したアジア太平洋地域のサイバー脅威評価レポートが、その現実を数字で示した。 犯罪の地図が塗り替わっている INTERPOLのサイバー犯罪局が、アジア・南太平洋サイバー脅威評価レポート2025/2026をシンガポールから公開した。18の加盟国から2024年1月〜2025年3月のデータを収集した報告書だ。浮かび上がったのは、地域の犯罪構造そのものの変質だった。 調査対象国の半数以上が、国内で記録された全犯罪のうちサイバー犯罪が30%以上を占めると回答した。画面越しの詐欺やランサムウェアが犯罪統計の主役になり始めている。かつて「犯罪」と聞いて思い浮かべた風景は、この地域ではもう通用しない。 数字が語る加速 報告書が並べるデータは、どれも一方向を指している。 最大の脅威はフィッシングとオンライン詐欺だ。1000人あたり月5.5人がフィッシングリンクをクリックしている。世界平均の約2倍。回答国の33%が年間1万件以上のオンライン詐欺を報告した。 ランサムウェアも止まらない。2024年に13万5000

Steamの「動く壁紙」にマルウェア。アカウントを乗っ取り連鎖感染

セキュリティ

Steamの「動く壁紙」にマルウェア。アカウントを乗っ取り連鎖感染

デスクトップを彩る壁紙が、PCを丸ごと奪う入口になっていた。 Wallpaper EngineはSteamで同時接続が常時数万〜11万人に達する人気の壁紙アプリだ。そのワークショップに、マルウェアを仕込んだ壁紙パッケージが数十件アップロードされ、数万回ダウンロードされていたことがカスペルスキーの調査で明らかになった。感染したPCではSteamアカウントの認証情報が抜かれ、攻撃者がセッションを乗っ取る。そして被害者のアカウントから新たな悪意ある壁紙が投稿される。被害者が次の加害者にされる連鎖が、2025年末から半年以上続いていた。 壁紙が「実行ファイル」になる仕組み Wallpaper Engineは、デスクトップに動画やインタラクティブなアニメーションを壁紙として設定できるアプリだ。Steamの非ゲームタイトルとしてはトップクラスの規模で、レビュー数は約97万件、推定インストール数は2000万〜5000万に達する。 対応する壁紙は4種類。動画、シーン(アプリ内エディタで作るインタラクティブ壁紙)、Webページ、そしてアプリケーション壁紙。問題はこの4つ目で、Windowsの実

FBIがサイバー犯罪訓練用の「街」を建設。病院も発電所もある

セキュリティ

FBIがサイバー犯罪訓練用の「街」を建設。病院も発電所もある

アラバマ州ハンツビルの建物の中に、住宅街がある。ホテル、ガソリンスタンド、食料品店、病院、発電所、裁判所。道路には信号機まで立っている。FBIがサイバー犯罪捜査の訓練のために建設した、約2040平方メートルの模擬都市だ。 名称はKinetic Cyber Range(キネティック・サイバーレンジ)。2025年2月に運用を開始し、すでにFBI職員と他の連邦・地方機関のパートナーを含む1400人以上が訓練を受けた。 年間3兆3000億円の被害が突きつけた問い FBIがこの施設の詳細を公開したタイミングには理由がある。 FBIのIC3年次報告書(2026年4月公開)によると、2025年の米国におけるサイバー犯罪被害額は209億ドル(約3兆3000億円)に達した。前年比26%増、IC3が25年前に集計を始めて以来の最高額だ。苦情件数も100万件を初めて突破し、ランサムウェアは重要インフラに対する最大の脅威と位置づけられた。 米国サイバー犯罪 年間被害額の推移 ※ FBI Internet Crime Complaint Center(IC3)年次報告書に基

社員2000人のパスワードがCEOのデスクトップに。Excelファイル1つで崩れる企業

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社員2000人のパスワードがCEOのデスクトップに。Excelファイル1つで崩れる企業

あなたのパスワードを、会社のCEOは知っているだろうか。 知らないなら、それは正常だ。知っているなら、この記事を最後まで読んだほうがいい。 Excelファイルに2000人分の鍵 ルーク・アーウィン(Luke Irwin)氏はオーストラリアのサイバーセキュリティ企業Aegis CybersecurityでCEO兼主任コンサルタントを務め、業界歴は25年を超える。同氏が過去のコンサルティング案件で遭遇した事例が明かされた。 Every employee’s password was stored in a single Excel fileThe CEO thought this was the best way to deal with some email issuestheregisterAvram Piltch クライアントは従業員約2000人を抱える大規模施設管理会社だった。ビルの清掃、警備員の派遣、外壁の高所作業といったサービスを展開するBtoB企業である。IT企業ではない。サイバーセキュリティが本業の会社でもない。だからこそ、この話は他人事ではない。 その会社のC

IT担当者を装い法律事務所に「出勤」、データを盗む犯罪集団の手口

セキュリティ

IT担当者を装い法律事務所に「出勤」、データを盗む犯罪集団の手口

サイバー攻撃に「物理侵入」が加わった。恐喝グループSilent Ransom Groupが、偽のIT担当者を標的のオフィスに直接送り込み、USBドライブでデータを抜き取っているとして、GoogleとFBIが相次いで警告を発している。標的は米国の法律事務所だ。 ファイアウォールの外側から歩いてくる攻撃者 ランサムウェアと聞けば、フィッシングメールに引っかかり、画面がロックされ、暗号資産での支払いを要求される光景を思い浮かべる人が多いだろう。 Silent Ransom Group(以下SRG)はそのどちらも使わない。暗号化しない。マルウェアも仕掛けない。盗んだデータをちらつかせて金を要求する。それだけだ。 そして2026年に入り、その手口に新たな一手が加わった。ニセのIT担当者がオフィスに「出勤」してくる。 6月5日、Googleのサイバーセキュリティチームである MandiantとGoogle Threat Intelligence Group(GTIG)が共同レポートを公開し、SRGが2026年1月から5月にかけて米国の法律事務所を中心に数十の組織を標的にしていたことを明

Active Directoryの「説明」欄にパスワード保存 侵害につながった事例を検証

セキュリティ

Active Directoryの「説明」欄にパスワード保存 侵害につながった事例を検証

ある企業が、開発者用のサービスアカウントのパスワードをActive Directoryの「説明」フィールドに平文で保存していた。パスワード管理ツールを導入していなかったからだ。英セキュリティ企業Reliance Cyberのロブ・アンダーソン(Rob Anderson)氏が、過去に対応したインシデントとして公開した。 「普通のユーザーで全部読める」 この話の核心は、Active Directoryの「説明」フィールドや「コメント」フィールドがドメイン内のすべての認証済みユーザーから読み取り可能だという点にある。管理者権限は要らない。ドメインに参加しているPCにログインできる一般ユーザーなら、LDAPクエリ一発でActive Directory全体の説明フィールドを一覧できる。 アンダーソン氏はこう語っている。「Active Directoryのユーザーアカウントさえあれば、ごく普通のユーザーでも、Active Directory全体のコメントフィールドや説明フィールドを読むことができる。驚くべきセキュリティの欠陥だ」。 この仕様はMicrosoftの設計上のデフォルトであり、

Defender、侵害PCの自動分離機能をテスト中

セキュリティ

Defender、侵害PCの自動分離機能をテスト中

ランサムウェアが社内ネットワークを駆け抜ける。1台のPCが踏み台になり、数分で被害が広がる。その「数分」を人の判断に頼らず封じ込める機能が、いまプレビューとして動き始めている。 侵害されたPCを自動でネットワークから切り離す MicrosoftがDefender for Endpointに新たなプレビュー機能を追加した。「自動攻撃の中断」と呼ばれるフレームワークの一部として、侵害が疑われるエンドポイントをネットワークから自動的に分離する仕組みだ。 従来の「デバイスの分離」は管理者が手動で実行する機能だった。今回のアップデートで、Defender for Endpointが高い確度で侵害を検知した場合に、人の介入なしで分離が発動するようになる。 自動分離は攻撃のさらなる拡大リスクを低減し、横展開を制限し、データ流出やランサムウェアの伝播を防ぐ。 Microsoftはこう説明している。分離されたデバイスはネットワークから切断されるが、Defender for Endpointサービスとの通信は維持される。セキュリティチームは隔離中もテレメトリを受け取り、調査を継続できる。

フォックスコン、北米工場サイバー攻撃を認める

セキュリティ

フォックスコン、北米工場サイバー攻撃を認める

ランサムウェアグループのナイトロジェンがフォックスコンから8TB・1100万件超のファイルを盗んだと主張している。同社は5月12日、北米の一部工場でサイバー攻撃を受けたと公式に認めた。 世界最大のEMSがまた狙われている フォックスコン(Foxconn)の北米工場が、またサイバー攻撃を受けている。同社は5月12日、北米の一部工場でサイバー攻撃を受けたと公式に認めた。攻撃を主張しているのはランサムウェアグループのナイトロジェン(Nitrogen)で、8テラバイトのデータ、ファイル数にして1100万件以上を盗んだと主張している。 フォックスコンはApple、Google、NVIDIA、Dell、Intelなど、世界の名だたるハードウェア企業の製造を請け負う台湾の鴻海精密工業を中核とするEMS最大手だ。北米にはウィスコンシン、オハイオ、テキサス、バージニア、インディアナ、そしてメキシコ各地に工場を構えている。攻撃を認めた声明では「サイバーセキュリティチームが直ちに対応メカニズムを発動し、生産と納品の継続性を確保するため複数の運用措置を実施した。影響を受けた工場は現在、通常生産を再開し