サイバー犯罪

97か国で5811人逮捕。INTERPOLが詐欺一斉摘発の成果を発表

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97か国で5811人逮捕。INTERPOLが詐欺一斉摘発の成果を発表

97か国・地域が参加したINTERPOL史上最大規模の詐欺対策作戦で、5811人が逮捕され約475億円の不正資産が押収された。 3か月半の一斉摘発 INTERPOLは7月9日、「オペレーション・ファーストライト2026」の成果を発表した。2026年1月15日から4月30日までの約3か月半にわたり、97か国・地域の法執行機関が連携してソーシャルエンジニアリング詐欺とマネーロンダリングを標的にした作戦だ。 対象となった犯罪は、ビジネスメール詐欺、セクストーション、なりすまし、ロマンス詐欺、投資詐欺と、それに付随する資金洗浄。5811人の逮捕に加え、14万2000人以上の被害者が特定された。 捜査当局は3万1014件の銀行口座を凍結し、15万2808件の事案を分析、うち2万3715件を解決に導いた。逮捕者以外にも1万5606人が新たに容疑者として浮上している。 資産押収額は2億9300万ドル(約475億円)。捜査当局はINTERPOLのI-GRIP(緊急支払い停止メカニズム)を活用し、法定通貨と暗号資産の両方を対象に不正送金を即時凍結した。 偽のブラジル警察署、1億2250万

WindowsのGDIDが捜査の手掛かりに 端末識別子の仕組みとプライバシー

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WindowsのGDIDが捜査の手掛かりに 端末識別子の仕組みとプライバシー

Scattered Spiderのメンバーとされる19歳がフィンランドで逮捕・米国へ移送された。決め手はWindowsに埋め込まれた識別子GDIDで、VPNの裏側にいた人物を特定した。 空港で止められた19歳 2026年4月10日、ヘルシンキ空港。日本行きの便に搭乗しようとしていた若者が、フィンランド警察に拘束された。 ピーター・ストークス(Peter Stokes)、19歳。米国とエストニアの二重国籍を持つ。インターポールの赤手配書に基づく逮捕だった。所持品の中には2台のハードドライブがあり、後に捜査上の証拠として扱われることになる。 ストークス氏の身元は2024年の時点で当局に把握されていた。エストニアとアラブ首長国連邦を行き来していたが、当時は未成年であり、監視にとどまっていた。成人後、赤手配書が発行された。 6月末に米国へ移送され、6月30日にシカゴの連邦裁判所で初出廷。共謀、コンピュータ侵入、詐欺の3つの罪で起訴されている。オンラインでは「ブーケ」「スペンサー」「ジョーダン」というハンドル名を使っていた。 Scattered Spiderという集団 米司法省

AI生成の性的画像で大学生を脅迫した疑い 米司法省が男を連邦起訴

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AI生成の性的画像で大学生を脅迫した疑い 米司法省が男を連邦起訴

ニューヨーク在住の21歳の男が、AI生成のヌード画像と偽のSNSアカウントを使ってジョージア州の大学生を3カ月にわたり追い詰めたとして、連邦サイバーストーキング罪で起訴された。写真1枚から偽のヌードを作り、被害者になりすまして人種差別的な発言を拡散する。標的は有名人ではない。ごく普通の大学生だった。 3カ月間の執拗な嫌がらせ 6月3日、ジョージア州北部地区の連邦大陪審がアンソニー・ベルフォード(Anthony Belford)被告をサイバーストーキング1件で起訴した。ベルフォード被告は6月10日に連邦裁判所で罪状認否に出廷している。 起訴状と司法省の発表によると、ベルフォード被告と被害者は2023〜2024年度に同じ大学に通っていた。2024年8月に被害者がジョージア州の大学へ転校すると、ベルフォード被告は転校先を把握した上で嫌がらせを始めたという。 2025年1月から3月にかけて、被告はInstagram、LinkedIn、Reddit、X、Strava、Yahooに被害者を装った偽アカウントを作成。AIで生成したヌード画像を十数件投稿した。被害者が黒人学生やイスラム教徒を

犯罪の3件に1件がサイバーに。INTERPOL報告書が示す現実

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犯罪の3件に1件がサイバーに。INTERPOL報告書が示す現実

犯罪の3件に1件が、画面の向こうで起きている。INTERPOLが6月17日に発表したアジア太平洋地域のサイバー脅威評価レポートが、その現実を数字で示した。 犯罪の地図が塗り替わっている INTERPOLのサイバー犯罪局が、アジア・南太平洋サイバー脅威評価レポート2025/2026をシンガポールから公開した。18の加盟国から2024年1月〜2025年3月のデータを収集した報告書だ。浮かび上がったのは、地域の犯罪構造そのものの変質だった。 調査対象国の半数以上が、国内で記録された全犯罪のうちサイバー犯罪が30%以上を占めると回答した。画面越しの詐欺やランサムウェアが犯罪統計の主役になり始めている。かつて「犯罪」と聞いて思い浮かべた風景は、この地域ではもう通用しない。 数字が語る加速 報告書が並べるデータは、どれも一方向を指している。 最大の脅威はフィッシングとオンライン詐欺だ。1000人あたり月5.5人がフィッシングリンクをクリックしている。世界平均の約2倍。回答国の33%が年間1万件以上のオンライン詐欺を報告した。 ランサムウェアも止まらない。2024年に13万5000

FBIがサイバー犯罪訓練用の「街」を建設。病院も発電所もある

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FBIがサイバー犯罪訓練用の「街」を建設。病院も発電所もある

アラバマ州ハンツビルの建物の中に、住宅街がある。ホテル、ガソリンスタンド、食料品店、病院、発電所、裁判所。道路には信号機まで立っている。FBIがサイバー犯罪捜査の訓練のために建設した、約2040平方メートルの模擬都市だ。 名称はKinetic Cyber Range(キネティック・サイバーレンジ)。2025年2月に運用を開始し、すでにFBI職員と他の連邦・地方機関のパートナーを含む1400人以上が訓練を受けた。 年間3兆3000億円の被害が突きつけた問い FBIがこの施設の詳細を公開したタイミングには理由がある。 FBIのIC3年次報告書(2026年4月公開)によると、2025年の米国におけるサイバー犯罪被害額は209億ドル(約3兆3000億円)に達した。前年比26%増、IC3が25年前に集計を始めて以来の最高額だ。苦情件数も100万件を初めて突破し、ランサムウェアは重要インフラに対する最大の脅威と位置づけられた。 米国サイバー犯罪 年間被害額の推移 ※ FBI Internet Crime Complaint Center(IC3)年次報告書に基

Googleが自社AI悪用の犯罪ネットワークを提訴。その中身が深刻だ

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Googleが自社AI悪用の犯罪ネットワークを提訴。その中身が深刻だ

スマートフォンに届く「荷物を預かっています」「料金が未払いです」という見覚えのないSMS。日本でも日常化したこの手口の裏側に、AIで武装した巨大な犯罪インフラが存在する。Googleがその実態を訴状という形で明らかにした。 自社のAIが犯罪の道具になっている Googleは2026年6月12日、中国に拠点を置くとみられるサイバー犯罪ネットワーク「Outsider Enterprise」を、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提訴した。 訴状の核心は、この犯罪グループがGoogleのAIチャットボットGeminiを使い、フィッシングサイトのコードを生成していたという事実だ。Geminiに偽の「ギフト引き換えページ」のHTMLコードを書かせ、それを犯罪プラットフォームに取り込む。その過程を撮影したチュートリアル動画まで組織内で共有されていたと、Googleは訴状の中で主張している。 Geminiの悪用を理由にGoogleが法的措置を取るのは、今回が初めてだ。 週1万4000円で誰でも詐欺師になれる仕組み Outsider Enterpriseが提供していたのは、「フィッシン

IT担当者を装い法律事務所に「出勤」、データを盗む犯罪集団の手口

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IT担当者を装い法律事務所に「出勤」、データを盗む犯罪集団の手口

サイバー攻撃に「物理侵入」が加わった。恐喝グループSilent Ransom Groupが、偽のIT担当者を標的のオフィスに直接送り込み、USBドライブでデータを抜き取っているとして、GoogleとFBIが相次いで警告を発している。標的は米国の法律事務所だ。 ファイアウォールの外側から歩いてくる攻撃者 ランサムウェアと聞けば、フィッシングメールに引っかかり、画面がロックされ、暗号資産での支払いを要求される光景を思い浮かべる人が多いだろう。 Silent Ransom Group(以下SRG)はそのどちらも使わない。暗号化しない。マルウェアも仕掛けない。盗んだデータをちらつかせて金を要求する。それだけだ。 そして2026年に入り、その手口に新たな一手が加わった。ニセのIT担当者がオフィスに「出勤」してくる。 6月5日、Googleのサイバーセキュリティチームである MandiantとGoogle Threat Intelligence Group(GTIG)が共同レポートを公開し、SRGが2026年1月から5月にかけて米国の法律事務所を中心に数十の組織を標的にしていたことを明

マイクラMODに潜む月額800円の犯罪キット

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マイクラMODに潜む月額800円の犯罪キット

マインクラフトのMODやクライアントを装ったマルウェア「WeedHack」の感染端末が11万6000台を超えた。活動開始は2026年1月。無料で使えるインフォスティーラーに、月額わずか5ドル(約800円)を払えばウェブカメラの遠隔操作まで追加できる。セキュリティ企業McAfeeの調査で浮かび上がったのは、加害者も被害者も10代という現実だった。 「MODを入れただけ」で始まる感染 McAfee Labsのアーユーシュ・ティヤーギー(Aayush Tyagi)氏が公開した調査レポートによると、WeedHackはMaaS(Malware-as-a-Service、マルウェアをサービスとして提供する犯罪ビジネスモデル)として運営されている。 攻撃の入口はごく日常的な行為だ。マインクラフトJava版のMODやカスタムクライアントを探してダウンロードする。それだけでいい。 WeedHackが標的にしているのは、Meteor Client、Radium Client、Wurst Client、LiquidBounce、Impact Client、Future Clientなど、公式サイト

クビ直後の犯行をTeams録画で自爆した双子ハッカー

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クビ直後の犯行をTeams録画で自爆した双子ハッカー

Microsoft Teamsの録画を止め忘れた直後、双子の元連邦委託エンジニアは96個の政府データベースをめぐる犯行計画を自らの声で記録していた。 Teams会議を切り忘れたまま犯行を始めた ムニーブ・アクター(Muneeb Akhter)とソハイブ・アクター(Sohaib Akhter)の双子は、米連邦政府向けにソフトウェアを提供するオペクサス(Opexus)で働いていた。2025年2月18日午後4時48分(米東部時間)、人事担当者2名がTeams会議で両名を解雇した。人事担当者はおよそ2分40秒後に退席したが、二人は退室しなかった。録画は続いていた。 その後の1時間、Teamsの録画ファイルには、サーバから政府機関のデータベースを順番に消していく作業と、それを補い合う兄弟の会話が、ありのまま残された。 2025年2月18日:解雇から犯行までの68分間 16:48 Teams会議で解雇通告 人事担当者2名がオペクサスの双子エンジニアに前科発覚を伝え、解雇を通告。会議は録画されていた 16:50