クラシックOutlookで文書が空白表示、5月4日修正

クラシックOutlookでSharePointやOneDriveの文書リンクを開くとファイルが空白で表示されたり「破損しているので修復が必要」と告げられる不具合が起きている。Microsoftは原因を認め、米国時間5月4日から修正を展開する。

クラシックOutlookで文書が空白表示、5月4日修正

クラシックOutlookでSharePointやOneDriveの文書リンクを開くとファイルが空白で表示されたり「破損しているので修復が必要」と告げられる不具合が起きている。Microsoftは原因を認め、米国時間5月4日から修正を展開する。


何が起きているのか

不具合はクラシックOutlookの利用者を直撃している。SharePointやOneDriveに置いた共有ファイルへのリンクをメール本文からクリックすると、ふたつの異なる症状が現れる。

ひとつは、ブラウザで開く設定にしているにもかかわらず、WordやExcelのデスクトップアプリが勝手に立ち上がること。もうひとつは、開いたファイルが空白だったり、「ファイルが破損しているので修復が必要」というエラーが表示されることだ。

Microsoftは公式サポート記事でこの問題を「STATUS: FIXED」と宣言済みだ。5月4日(米国時間)正午(PST)から、サービス側で段階的に修正を配信する。修正の浸透には最大4時間とOutlookの再起動が必要だが、クライアント側の更新プログラムは不要だ。

Microsoftは「STATUS: FIXED」(修正済み)の表示を出しつつも、実際の配信開始は5月4日からだ。サポート記事の状態表示と現場の挙動には数日のずれがある。

共有ファイルだけが標的になる理由

注目すべきは、不具合の発生条件がOutlookのメール経由に限られる点だ。SharePointのWebインターフェースから直接ファイルを開いたり、OneDriveに同期したローカルコピーを開いたりした場合は影響を受けない。

つまりOutlookがメール本文中のリンクを処理する経路、特にOfficeデスクトップアプリへの引き渡し処理に何らかの不整合が生じている。Microsoft自身は技術的な根本原因を公表していないが、サポート記事の文面からは「サービス側の変更で修正可能」と読める。クライアント側のコードではなく、SharePointやOneDrive側のリンク解決ロジックに手を入れて対処する見込みだ。

これが意味するのは、業務でOutlookでのファイル共有を多用している組織ほど影響が大きいということ。たとえばプロジェクトの進捗共有でWordやExcelをメールに添付するのではなくSharePoint上のリンクを送る運用は、まさに今回の不具合の直撃地点に重なる。


5月4日まで待てない人のための回避策

Microsoftはサポート記事で6種類の回避策を示している。技術レベルに応じて使い分ける形だ。

設定変更で対処する方法

最も手軽なのは、クラシックOutlookの設定を変更してファイルをデスクトップアプリで開くようにすることだ。手順は「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「ファイルとブラウザーの設定」と進み、「Word、Excel、PowerPoint ファイルを開く方法」を「デスクトップ」に切り替える。

ブラウザで開きたいファイルがあれば、メール本文中のリンクを右クリックして「プログラムから開く」で任意のブラウザを選ぶ。あるいは、リンクをコピーしてブラウザのアドレスバーに貼り付ける方法もある。

レジストリで強制する方法

IT管理者向けには、レジストリキーで挙動を固定する選択肢が用意されている。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\office\16.0\Common\Internet DWORD: OpenDirectlyInApp Value: 0

このキーを設定すると、リンクは強制的にブラウザで開かれる。複数台のPCに展開する企業環境ではこちらが現実的だろう。

そもそもOutlook経由を避ける方法

最後の手段は、Outlookからリンクを開くのをやめてしまうことだ。SharePointから直接ファイルを開く、あるいはOutlook Web App(OWA)でメールを読む。WebのOutlookは今回の不具合の影響を受けない。

Wordの「□」問題も同時進行

クラシックOutlookの不具合と並行して、Wordでも別の表示異常が報告されている。Microsoftは公式サポート記事で、Wordのバージョン2603(ビルド19822.20180以降)に更新後、外字(EUDC)が「□」(空白の四角)として表示される現象を認めた。こちらはまだ調査中で、修正時期は明らかになっていない。

外字(End-user-defined characters)は、JIS漢字に含まれない人名・地名や、企業ロゴなどを表示するためにユーザーが自作する文字のこと。Unicodeの私用領域(U+E000〜U+F8FF)に割り当てられ、C:\Windows\Fonts\EUDC.TTE というファイルに保存される。

外字は標準フォントに含まれない記号や文字を、ユーザーや企業、団体が独自に登録して使うための仕組みだ。日本語環境では、戸籍上の人名や古い地名で使う異体字を表示するために古くから使われてきた。

外字が□に化けるという現象は、日本語ユーザーには他人事ではない。住民基本台帳や戸籍管理、法務関連の文書、社内文書で異体字を扱っている組織は多い。Wordでそれが□になるなら、契約書のチェックや帳票の確認といった業務がそのまま止まりかねない。


月例更新で重なる不具合

今回の問題は、4月のパッチチューズデーで配信された月例更新(KB5083769)が起こしたバックアップアプリの停止と時期が重なる。MicrosoftがVolume Shadow Copy Service(VSS)に関わるカーネルドライバー(psmounterex.sys)を脆弱性ブロックリストに追加した結果、AcronisやMacrium Reflectなどのバックアップツールがイメージのマウントに失敗するようになった。こちらはMicrosoftが意図的に行ったセキュリティ強化であり、ベンダー側のドライバー更新を待つしかない。

Microsoftはサティア・ナデラCEOのもとで「ファンを取り戻す基礎的な仕事」を行うと表明し、4月30日のセキュリティ外更新で信頼性関連の修正を多数投入したばかりだった。にもかかわらず、Office側でこれだけの不具合が相次いでいる現状は、宣言と実態のズレを物語る。

5月4日のクラシックOutlook修正がスムーズに浸透するか。日本の現場では連休明けも複数の修正待ちと向き合うことになる。


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