Linux 7.2-rc7、修正パッチが投稿の37%に。LLM分は未計測
Linuxカーネルのネットワーキングメンテナが、直近9日間に投稿されたパッチの37%が修正だったと報告した。しかもLLM由来の投稿はタグ付けされないため、実際の修正比率はさらに高い。
Linuxカーネルのネットワーキングメンテナが、直近9日間に投稿されたパッチの37%が修正だったと報告した。しかもLLM由来の投稿はタグ付けされないため、実際の修正比率はさらに高い。
9日間で405件の修正
Linuxカーネルのネットワーキング共同メンテナ、ヤクブ・キチンスキ(Jakub Kicinski)氏が現地時間8月6日、Linux 7.2-rc7向けの修正を含むプルリクエストをリーナス・トーバルズ氏に送った。
カバーレターに数字があった。直近9日間にメーリングリストに投稿されたパッチのうち、修正用ツリーnetに明示的にタグ付けされたものが405件。新機能用ツリーnet-nextへのタグが687件。修正が全投稿の37%を占めている。
キチンスキ氏はこの比率を「pretty crazy」(かなり狂っている)と評した。
In the last 9 days there were 405 postings explicitly tagged with [PATCH net], vs 687 with [PATCH net-next]. 37% of posted patches being fixes is pretty crazy
さらにこの37%は過少計上だという。LLMを使う「研究者」たちが、netとnet-nextというツリー固有のタグ付けルールを知らずに修正パッチを投稿する傾向があり、そうしたパッチは405件に含まれていない。
37% = 修正パッチ(405件) 新機能パッチ 687件 + 未計測のLLM由来修正 |
PRを小さくしても大きくなる
PRを小さく保つ試みは「this one from getting even bigger」(もっと大きくなるのを防いだだけ)に終わった。
結果として今回のPRは127ファイルの変更、1583行の追加と590行の削除を含む。
netfilterの修正を筆頭に、TCPの受信ウィンドウ制御で過去バージョンに入り込んだ不具合の修正、Thunderboltネットワークの送信フロー制御のリバート(差し戻し)、AF_PACKETのバグ修正、OpenVPN(ovpn)ドライバーの複数修正など、サブシステム全体に散らばっている。
4月にキチンスキ氏が13万8000行のレガシーコードを一括削除した後も、修正パッチの流入は止まらなかった。7月のrc5で通常の倍近いパッチ量が報告され、今回のrc7も同様だった。
「次のPRは小さくなる」
キチンスキ氏はカバーレターの末尾で、受け入れ基準を調整し続けていると述べ、次のPRは小さくなるとしている。
同日、無線LANサブシステムのメンテナであるヨハネス・ベルク氏がAI生成パッチの大半を無視する「3秒ルール」を宣言し、stagingではLLMパッチの自動拒否が始まっている。サブシステムごとに防衛策が出揃い始めた。
キチンスキ氏が修正パッチの比率を具体的な件数とともに示した。37%という数字自体に驚きはないかもしれない。だがメンテナ自身が「これは過少計上だ」と断っている。計測できている範囲ですら、投稿の3分の1以上が既存コードの修正であり、計測外のLLM由来分を加えれば比率はさらに上がる。
37%という数字は、見えている分だけだ。