NVIDIA、Linuxファームウェア基盤に年10万ドル。資金目標に到達

NVIDIAがLinuxのファームウェア更新を支えるインフラのスポンサーに加わり、プロジェクトが掲げた資金目標に到達した。

NVIDIA、Linuxファームウェア基盤に年10万ドル。資金目標に到達

NVIDIAがLinuxのファームウェア更新を支えるインフラのスポンサーに加わり、プロジェクトが掲げた資金目標に到達した。


4社目のプレミアスポンサー

NVIDIAが、Linuxのファームウェア更新サービスLVFSのプレミアスポンサーになった。年間10万ドル以上を拠出する最上位の支援枠で、Dell、Lenovo、HPに続く4社目にあたる。

LVFSの開発を率いるリチャード・ヒューズ(Richard Hughes)氏は現地時間8月4日、自身のブログでNVIDIAの参加を発表した。4社がプレミアスポンサーに揃ったことで、昨年設定した資金目標に到達したという。

LVFSはLinux Vendor Firmware Serviceの略で、ハードウェアメーカーがファームウェアをアップロードし、Linuxの主要ディストリビューションがそれを取得して配信する仕組みだ。ユーザー側ではfwupdというソフトウェアが動き、BIOSやSSD、ドッキングステーションなどのファームウェアをOS上から更新できる。これまでに1億4500万件超のファームウェアが配信されている。

DGX Sparkが接点になった

NVIDIAがスポンサーに入ったのは、すでにLVFSを使っているからだ。

NVIDIAは小型AIワークステーションDGX Sparkのファームウェアを、fwupd経由で配布している。ヒューズ氏によれば、ダウンロード数は日々増加している。

NVIDIAの公式ドキュメントにもDGX Sparkのファームウェア更新手順にfwupdmgrコマンドが記載されており、fwupdはNVIDIA自身が推奨する更新経路の一部になった。

DGX Sparkは2025年に発表されたGrace Blackwellベースの小型AIワークステーションで、DGX OSと呼ばれるUbuntuベースのLinuxを標準OSとして搭載する。Windows環境を経由せずにファームウェアを管理できるfwupdとの相性は高い。

NVIDIAは自社が利用するインフラに投資した形になる。2026年後半に出荷が始まるVera Rubinサーバーなど、今後のプラットフォームでもfwupdの活用が広がる余地はある。

GeForceなどコンシューマ向けGPUのファームウェア更新がfwupd経由で実現するかは不明だ。ただ、DGX Sparkと同じチップを使うコンシューマ向けのRTX Sparkがすでに存在する。

1年で「誰も払わない」から目標達成へ

1年前、LVFSのプレミアスポンサー枠は空席だった。

ヒューズ氏は2025年8月、サステナビリティプラン(持続可能性計画)を公開し、大口利用者に対してスポンサーか開発リソースの提供を求めた。Linux Foundationがホスティング費用を、Red Hatがヒューズ氏の給与を負担してきたが、利用規模の拡大に対して人手が足りていなかった。

専任のセキュリティ対応チームはなく、メンテナーのバックアップ要員もいない。フルタイム技術者2人分の雇用資金として年40万ドルが必要だった。

2026年4月には利用量に応じた制限が段階的に導入された。月間5万ダウンロードを超えるベンダーのページに超過警告が表示されるようになり、スポンサーでないベンダーは詳細な分析機能へのアクセスを失った。

その直後に動きが加速した。5月6日にDellとLenovoが同時にプレミアスポンサーに名乗りを上げ、5月20日にHPが続いた。そして8月4日、NVIDIAが4社目として加わり、年40万ドル超のプレミアスポンサー収入が確保された。

LVFSプレミアスポンサーの経緯
2025年8月
持続可能性計画を公開
大口利用者にスポンサーか開発リソースの提供を要請
2026年4月
利用量に応じた制限を導入
月間5万DLを超えるベンダーに超過警告
2026年5月
DellとLenovoがプレミアスポンサーに
年10万ドル以上の最上位枠で初の2社同時加入
2026年5月
HPが3社目として参加
2026年8月
NVIDIAが4社目。資金目標に到達
年40万ドル超のプレミアスポンサー収入を確保
※プレミアスポンサーは年10万ドル以上の最上位枠。別途、Framework ComputerとOpen Source Firmware Foundationが年1万ドルのスタートアップ枠で参加

プレミア以外にも、Framework ComputerとOpen Source Firmware Foundation(オープンソースファームウェア財団)が年1万ドルのスタートアップスポンサーとして参加している。エンジニアリングリソースの提供者としてはCloudflare、Fastly、Linux Foundation、Red Hatが名を連ねる。

まだ名前のないスポンサーたち

LVFSを利用してファームウェアを配布しているベンダーは100社を超える。プレミアスポンサーの4社はいずれもLVFSの大口利用者だが、同じ規模で利用しながらまだスポンサーに名前のない企業もある。

ヒューズ氏がサステナビリティプランで問題にしたのは、LVFSから大きな利益を得ているベンダーが資金を出さない構造だった。4社がその構造を変えた。次のスポンサーリストに、誰の名前が加わるか。

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