CHIPS法

Intel元CEO、NVIDIAのGPUを「鼻で笑った」と告白

半導体

Intel元CEO、NVIDIAのGPUを「鼻で笑った」と告白

Intel元CEOのゲルシンガー氏が、NVIDIAへの軽視、株主への1000億ドル還元、10年間の工場未建設というIntelの失敗を率直に語った。 技術者がいない経営の代償 パット・ゲルシンガー氏(Pat Gelsinger)がポッドキャスト「All-In」に出演し、Intel元CEOとして同社がどこで道を誤ったのかを振り返った。 18歳でIntelに入社し、アンドリュー・グローブ(Andy Grove)やゴードン・ムーア(Gordon Moore)のもとで育った。初めてエグゼクティブスタッフに加わったとき、20人中15人が博士号を持つ技術者だったと振り返る。 その文化が途切れたことが問題の始まりだった。技術者出身のリーダーが去り、経営の中枢を財務畑の人材が占めるようになった。2021年にゲルシンガー氏がCEOとして復帰するまで約15年間、Intelのトップに技術者はいなかった。 復帰前の5〜6年間だけで、Intelが配当と自社株買いで株主に返した金額は1000億ドルにのぼるという。「あの1000億ドルがバランスシートにあったら」と同氏は嘆いた。 復帰したとき、Intel

米国、量子コンピュータの開発加速と暗号移行を同時に命令

量子コンピュータ

米国、量子コンピュータの開発加速と暗号移行を同時に命令

量子コンピュータを国家事業として造り、同時に量子コンピュータから国を守れ。トランプ大統領が6月22日に署名した2本の大統領令は、同じ技術の「攻め」と「守り」を一つのパッケージにまとめた、率直に言って野心的な文書だ。 「造る」と「守る」を束ねた理由 量子コンピュータは、従来のコンピュータが数千年かかる計算を短時間で解く可能性を持つ。創薬、新素材開発、気候モデリング、金融最適化。恩恵のリストは長い。だが同じ計算能力は、今のインターネットを支える暗号をも破壊しうる。銀行取引、軍事通信、個人情報。デジタル社会の安全は、量子コンピュータがまだ「十分に強力でない」という事実の上に載っている。 この二面性に対し、米国はこれまで「開発促進」と「暗号防御」を別々の政策文書で扱ってきた。2018年の国家量子イニシアチブ法は開発側、2022年のバイデン政権NSM-10は防御側。今回の2本同時署名は、両者を初めて一つの政策判断として結びつけた。 背景には、中国の量子分野への集中投資がある。そしてもう一つ、量子コンピュータの性能向上によって「暗号が破られる日」(Q-Day)の推定時期が繰り上がり続けて

AI以外の産業がメモリ不足でトランプ政権に介入を要請

AI

AI以外の産業がメモリ不足でトランプ政権に介入を要請

メモリ不足が騒がれ始めてもう半年以上になる。だがこれまで声を上げていたのは、PC業界やメモリメーカー、つまり半導体サプライチェーンの内側にいる当事者ばかりだった。その構図が変わった。 9つの業界団体が連名で書簡を送った 6月3日、米国の9つの業界団体がスコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官とハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官に宛てて連名の書簡を送付した。通信、自動車、医療機器、小売という、半導体産業の「外側」にいる業界が揃って政府に対策を求めるのは初めてのことだ。 署名したのは、米国のインターネット・テレビ業界団体NCTA、米国通信産業協会(TIA)、米国自動車イノベーション連盟(Alliance for Automotive Innovation)、先進医療技術工業会(AdvaMed)、全米小売業協会(NRF)など。共通しているのは、いずれもAIデータセンターとは無縁の産業でありながら、メモリチップを大量に必要とする分野だという点だ。 書簡の要旨はこうだ。AIデータセンターの爆発的拡大がメモリチップの供給能力を食い尽くし、価格が

量子コンピュータ9社に20億ドル、米政府が株式も取得

量子コンピュータ

量子コンピュータ9社に20億ドル、米政府が株式も取得

米商務省が量子コンピュータ関連企業9社に総額 20億ドル(約3200億円)を投じる。補助金ではなく株式取得を条件に据えた異例の直接出資で、IBMはこの機を捉えて米国初の量子専業ファウンドリー設立に動いた。 9社への配分と株式取得という条件 2026年5月21日(現地時間)、商務省は量子コンピューティング関連企業9社と意向表明書(LOI)を締結した。根拠は2022年のCHIPS・科学法の研究開発枠。各社への資金提供の条件として、政府が少数・非支配持分を取得する。 最も大きい配分はIBMで10億ドル(約1600億円)、次いで半導体ファウンドリーのグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)が3億7500万ドル(約600億円)。上場している D-Wave Quantum、Rigetti Computing、Infleqtion は各社約1億ドル。スタートアップのDiraqは約3800万ドルだ。Atom Computing、PsiQuantum(サイクォンタム)、クオンティニュアムへの個別配分額は現時点で公表されていないが、各社約1億ドルとの報道も出ている。 対象9社