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韓国、半導体・AIに2000兆ウォン。市場は売りで応えた

半導体

韓国、半導体・AIに2000兆ウォン。市場は売りで応えた

韓国政府が6月29日に発表した「3大メガプロジェクト」は、サムスン電子とSKハイニックスを軸に半導体・AIデータセンター・フィジカルAIの3分野へ向こう10年で官民あわせて約2000兆ウォン(約210兆円)を注ぐ計画だ。1国の、しかも民間主導の投資額としては史上最大規模になる。その発表当日、サムスン電子の株価は5.3%下落し、SKハイニックスも3.4%下げた。 「前例のない数字」の中身 李在明(イ・ジェミョン)大統領が青瓦台で主催した国民報告会には、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長とSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長が出席し、それぞれの投資計画を自ら説明した。 計画の柱は3つある。 第一の柱は半導体だ。サムスン電子とSKハイニックスが韓国南西部の湖南地域(光州・全南)にそれぞれ2か所、計4か所の新しいメモリファブを建設する。投資額は800兆ウォン(約84兆円)。これに加え、忠清地域(天安・温陽)にHBMのパッケージング拠点を81兆ウォン(約8兆5000億円)で整備する。半導体関連の投資総額は約911兆ウォン(約96兆円)に達する。

孫正義氏が宇宙データセンターを否定する理由。全員が自分の財布の話をしている

AI

孫正義氏が宇宙データセンターを否定する理由。全員が自分の財布の話をしている

AIデータセンターの運用コストに占める電力の割合は約7%。宇宙で電気代を浮かせても、残り93%のチップや保守費が消えるわけではない。ソフトバンクの孫正義氏が株主総会で示した数字は、SpaceXの宇宙データセンター構想への反論であると同時に、自社が地上に賭けた14兆円を守るための論理でもある。 株主総会で出た「7%」という数字 6月23日、ソフトバンクの定時株主総会で、株主からSpaceXの宇宙データセンター構想への対応を問われた孫正義氏は、参入を明確に否定した。 宇宙にデータセンターを置く最大の売り文句は、太陽光発電による電力コストの削減だ。だが孫氏の指摘はその前提を崩す。AIデータセンターの運用コスト全体で見れば、電力が占めるのは約7%。大半はGPUをはじめとする半導体チップとその関連費用だ。宇宙に持っていったところで、チップの値段は変わらない。むしろ打ち上げ費用、通信遅延、軌道上での保守という新たなコストが積み上がる。 「宇宙での成果は十数年かかる。AIの戦いはいま目の前の十数年で勝利者が決まる」。孫氏はマスク氏を「大変な改革者」と評価したうえで、時間軸の違いを強調した。

スリーマイル島再稼働の内部情報で約2.3億円。技術者が起訴された

インサイダー取引

スリーマイル島再稼働の内部情報で約2.3億円。技術者が起訴された

AIデータセンター向け原発再稼働という国家規模の案件の内側で、インサイダー取引が起きていた。米証券取引委員会(SEC)と連邦検察が現地時間6月24日、コンステレーション・エナジーの元技術者を証券詐欺とインサイダー取引で起訴した。 社内コードネーム「プロジェクト・テトリス」 ケイシー・マグルストン(Casey Muggleston)氏、44歳。デラウェア州ウィルミントン在住。コンステレーション・エナジーでライセンス更新を担当するエンジニアリング・マネージャーだった。 コンステレーション・エナジーは2024年当時、2019年に閉鎖したスリーマイル島原子力発電所1号機の再稼働を内部で検討していた。社内コードネームは「プロジェクト・テトリス」。マグルストン氏は原子力規制委員会(NRC)への申請業務を通じて、このプロジェクトの進捗情報に直接アクセスできる立場にあった。 2024年5月21日、社内メールがライセンスチームの進捗を「極秘」扱いで伝えた。マグルストン氏もこのメールを受け取っている。3日後、同氏はスリーマイル島近くに住む親族に連絡を取り、再稼働を見越した不動産投資について相談し

Oracle、年次報告書でAI解雇を公式に認める

AI

Oracle、年次報告書でAI解雇を公式に認める

3月末、午前6時のメールで一斉に職を失ったOracleの従業員たち。その規模が年次報告書で確定した。2万1000人、全従業員の13%。Oracleはこの数字を、SECに提出する10-K(年次報告書)に自ら記載した。同じ書類には、過去最高の売上高674億ドルが並んでいた。 「今後も続く可能性がある」 Oracleが6月22日に提出した2026会計年度の10-Kには、こう書かれている。 AI技術の導入と展開が、当社の人員削減をもたらしており、今後もそうなる可能性がある。 年次報告書はSECに提出する法的文書であり、虚偽の記載には法的責任が伴う。「AIが雇用を奪っているのか」という問いに対して、Oracleが法的拘束力のある文書で自らそう認めた。3月の解雇報道の時点では存在しなかった事実だ。 数字も確定した。2025年5月末に約16万2000人だった従業員数は、2026年5月末に約14万1000人。差し引き約2万1000人、13%の減少。リストラ費用は18.4億ドル(約2970億円)に達し、前年度の3億7400万ドルから約5倍に膨らんだ。このリストラ計画は2025年8月に承認され

Amazonの社員が議会で発言したら、人事から呼び出された

データセンター

Amazonの社員が議会で発言したら、人事から呼び出された

シアトル市議会でデータセンター規制を支持する証言をしたAmazon社員3人が、社内調査の対象になった。解雇を含む懲戒処分がありうるとも告げられたという。3人はシアトル市の公民権局に苦情を申し立て、政治的信条に基づく差別だと訴えている。Amazon側は「社員が会社の代表者として発言したかどうか」を調べているだけだとしている。 「犯罪を犯したかのように感じた」 6月3日、シアトル市議会の委員会で、3人のAmazon社員がデータセンター規制を支持する証言を行った。いずれもAmazon Employees for Climate Justice(AECJ)のメンバーで、勤務時間外に、公開情報をもとに発言した。証言の冒頭で全員が同じ言葉を口にしている。「従業員が雇用主からの報復に対して法的に保護されている都市に住んでいることを誇りに思う」。 1週間後、3人はそれぞれ別のZoom会議に呼び出された。招待には「機密の懸念事項」について話し合うとだけ書かれていた。会議の相手は人事部門のEmployee Relations担当者。公聴会での証言について「懸念が寄せられた」ので調査しているという説

「AIエージェント向けCPU」という分類を検証 必要な性能要件を整理

CPU

「AIエージェント向けCPU」という分類を検証 必要な性能要件を整理

AIエージェント時代に必要なのは「新しいCPU」ではない。各社が争っているのは、汎用プロセッサに何の名前を貼るかだ。 全員が「エージェント向け」を名乗る異様さ Arm、NVIDIA、AWS、Intel、AMD。データセンターCPUの主要5社が、ここ3ヶ月で一斉に同じ言葉を使い始めた。「エージェント向けCPU」だ。 Armは初の自社製チップを「AGI CPU」と名づけた。NVIDIAのジェンスン・ファン(Jensen Huang)CEOはVeraを「エージェントのためのCPU」と呼んだ。AWSは6月10日に一般提供を開始したGraviton 5のマーケティングに、エージェントAIへの言及を散りばめている。Intelは6月のComputex 2026で、100kWラックに最大3万6864コアを詰め込むリファレンス設計を披露し、エージェント推論をうたった。AMDは先週、100kWラック換算でVera比3.3倍のスループットを主張するVenice EPYCのベンチマークを公開した。 全員が同じ市場を指差して「これは自分たちのために作られた」と言っている。 だが、冷静に見れば奇妙な光

AIデータセンター建設の停止・延期が全米で増加 テネシーなどの事例を整理

AI

AIデータセンター建設の停止・延期が全米で増加 テネシーなどの事例を整理

テネシー州の複数の自治体が、AIデータセンターの建設許可を一時凍結するモラトリアムを相次いで可決した。州都ナッシュビルでも市議会が凍結法案を可決し、市長も支持を表明。全米では2026年第1四半期だけで75件・約20兆8000億円規模のデータセンター計画が阻止されており、AI時代のインフラ拡張に対する住民の反発が構造的な局面に入りつつある。 テネシー州で同時多発的なモラトリアム マクミンビル(McMinnville)はテネシー州中部にある人口約1万4000人の小都市だ。その市議会が現地時間6月9日、データセンター建設許可の18か月間凍結を全会一致で可決した。凍結期間中に送電網の許容量、上下水道への影響、環境・公衆衛生上の懸念、騒音、地域との適合性を検証するとしている。 きっかけは、AI向け25メガワット級データセンター「Hixsonデータセンター」の建設計画だった。約8900平方メートルの施設にNVIDIA GB200 NVL72を収容する計画で、電力は天然ガスとディーゼル発電機で自前で賄う。2028年初頭の稼働を見込んでいた。園芸苗木の産地として知られるこの町にとって、その規模

AMDがメモリ最適化スタートアップMEXTを買収。DRAMの壁に挑む

AMD

AMDがメモリ最適化スタートアップMEXTを買収。DRAMの壁に挑む

データセンターのメモリ不足が深刻化するなか、AMDがソフトウェアでこの問題に切り込もうとしている。同社は現地時間6月15日、AIを活用したメモリ最適化技術を持つスタートアップMEXTの買収を発表した。 NANDをDRAMに見せる技術 MEXTの技術を一言で表すなら、「使っていないDRAMの中身をNANDフラッシュに逃がし、必要になる前にDRAMへ戻す」ソフトウェアだ。 サーバーに搭載されたDRAMのうち、ある時点で実際にアクセスされているデータは意外に少ない。クラウド事業者の調査では、利用率が50%を下回る環境も珍しくないとされる。にもかかわらず、アプリケーションは「そこにメモリがある」前提で動くため、物理的なDRAM容量を減らすことが難しい。 MEXTのPredictive Memory Engine(予測メモリエンジン)は、この構造に切り込む。まずアクセス頻度の低い「コールド」なメモリページを、容量単価がDRAMの約50分の1であるNANDフラッシュへ退避させる。次に、AIモデルがワークロードのメモリアクセスパターンを常時分析し、フラッシュ上のどのページが次に必要になるか

Amazonが初公表した水消費量と「芝生比較」の危うさ

データセンター

Amazonが初公表した水消費量と「芝生比較」の危うさ

Amazonがデータセンターの水消費量を初めて公表した。年間25億ガロン。そして「米国人が芝生に撒く水の0.075%にすぎない」と付け加えた。数字としては正しい。だが、正しい数字が正直な比較とは限らない。 初めて明かされた「25億ガロン」 AWSは2026年6月11日、データセンターの水消費データを初めて公開した。2025年の全世界での水使用量は25億ガロン(約95億リットル)。競合のGoogle、Meta、Microsoftが2020年以降すでに公表してきたデータに、最大手がようやく追いついた格好だ。 Amazon側が強調するのは効率の良さだ。1kWhあたりの水使用量は0.12リットルで、業界平均0.84リットルの7分の1以下。2021年比で52%改善したという。他社との比較では、Metaが0.19リットル(2024年)、Microsoftが0.27リットル(2025年)、Googleが1.15リットル(2024年)。いずれもAmazonのデータに基づく数字であり、測定条件の違いに留意が必要だが、相対的に少ない水で多くの計算をこなしている、というのがAmazonの主張だ。

米国で約20兆円分のAIデータセンター計画が停止 住民反対の主な理由

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米国で約20兆円分のAIデータセンター計画が停止 住民反対の主な理由

2026年、AIの巨大インフラが全米各地で住民に拒まれている。調査会社Data Center Watch(AIセキュリティ企業10a Labs傘下)がまとめた報告によると、2026年1月から3月の3カ月間だけで、少なくとも75件、総額約1300億ドル(約20兆8000億円)相当のデータセンター計画が阻止または遅延に追い込まれた。同社が2023年に追跡を始めて以来、四半期ベースで過去最多であり、2025年の年間累計とほぼ同規模の計画がたった3カ月で止まったことになる。 電気代という導火線 住民が立ち上がる理由は、壮大な話ではない。毎月届く電気料金の請求書だ。 米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、2020年から2026年2月までに米国の家庭用電気料金は1kWhあたり12.76セントから17.44セントへ、約36%上昇した。ファクトチェックサイトPolitiFactの検証では、データセンターが集中するワシントンD.C.では2021年3月から2026年3月までの5年間で94%、メリーランド州で74%、ニューヨーク州で58%、それぞれ家庭の電気料金が跳ね上がっている。 ローレン

キオクシア、時価総額で国内首位 メモリ市況と株価上昇を分析

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キオクシア、時価総額で国内首位 メモリ市況と株価上昇を分析

2024年12月、公募価格割れで上場した会社がある。初値1440円。市場の評価は冷たかった。それから1年半。その会社が6月12日、トヨタ自動車を抜いて日本の時価総額首位に立った。 キオクシアホールディングス。終値8万1200円、時価総額44兆3627億円。株価は上場時の56倍になった。 たった1年半で何が起きたのか キオクシアの前身は東芝のメモリ事業だ。2017年に分社化され、2018年に米ファンドなどへ売却。2020年には上場を試みたが、メモリ市況の悪化とコロナ禍で直前に延期した。4年の迷走を経て、ようやく2024年12月18日に東証プライムへたどり着いた。 上場時の時価総額は約8600億円。当時169位。それが45兆円を超えた。日本の株式市場でもほとんど前例のない急膨張だ。 背景にあるのはAIデータセンターの爆発的な需要拡大だ。キオクシアが手がけるNAND型フラッシュメモリは、AIサーバーでデータを長期保存する基幹部品だ。米テック大手がAI投資を競い合う中で、メモリの販売単価が急上昇した。たくさん売れたのではなく、単価が跳ね上がった。2026年3月期の売上高は2兆337

ChatGPTがAIの敵に回る日。中国発の世論工作が狙った標的

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ChatGPTがAIの敵に回る日。中国発の世論工作が狙った標的

AIが世論を操る——もはや驚く話ではない。だが今回、操作の矛先がAIインフラそのものに向いたことで、構図が一段変わった。 OpenAIは2026年6月10日、中国に拠点を置くとみられる2つのアカウント群をChatGPTから排除したと発表した。米国内のデータセンター建設への反感と、トランプ政権の関税政策への批判をSNS上で煽るために、ChatGPTをコンテンツ量産の道具にしていた。 電気代を武器にする OpenAIが公開した脅威レポートによると、排除されたアカウント群は大きく2つに分かれる。 1つ目はOpenAIが「Data Center Bandwagon」と名付けたキャンペーンだ。簡体字中国語でChatGPTに指示を出し、英語の投稿文やコミック調の画像を生成させていた。主張は一貫している。「AIデータセンターの建設が電力需要を押し上げ、一般家庭の電気代を跳ね上げている」。この一点に絞って、Xの偽アカウントから投稿を繰り返した。 手口は単純だが周到だった。地方紙が報じた電力市場の容量オークション価格を取り上げ、ChatGPTにコミック調の画像を生成させる。正規の報道記事への

動物園の隣にデータセンターは建つのか。ナッシュビルの答え

データセンター

動物園の隣にデータセンターは建つのか。ナッシュビルの答え

ヒョウの展示場から50ヤード。そこにデータセンターを建てるという計画が、36万筆の署名、グラミー賞歌手の怒り、そして市議会の緊急立法を引き出した。 50ヤードの距離 米テネシー州ナッシュビル。350を超える種、3700を超える動物を飼育し、年間140万人が訪れるナッシュビル動物園のすぐ隣で、データセンター建設が許可段階まで進んでいた。 開発元はアトランタに本拠を置くDC BLOX。ナッシュビル南部のグラスミア・ビジネスパーク(648 Grassmere Park)に約6400平方メートルの平屋建てデータセンターを計画し、建設許可を申請した。敷地は約9.5ヘクタール。動物園の東側に隣接し、以前は別のデータセンターが運営されていた場所だ。 だが申請されたのは入口に過ぎなかった。動物園側が入手した2026年2月付けの地質調査報告書には、10メガワットの第1棟だけでなく3階建て・40メガワットの第2棟、変電所、非常用発電設備が記載されていた。合計50メガワットは一般家庭約4万戸分の電力に相当する。 動物園は、騒音・光害・振動が希少種に深刻な影響を与えると訴えている。ウンピョウ(雲豹

AMDが自社ベンチマークでNVIDIA Veraに反撃。数字の裏を読む

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AMDが自社ベンチマークでNVIDIA Veraに反撃。数字の裏を読む

2週間前、NVIDIAがPhoronixに限定公開したVera CPUのベンチマークが業界を揺らした。88コアのArm CPUが、Intel Xeon 6980PやAMD EPYCといったx86勢を複数のテストで上回ったからだ。NVIDIAのCFOコレット・クレス(Colette Kress)氏は決算説明会で「今年のCPU売上は約200億ドルに達する見通し」と語り、「世界最大のCPUサプライヤーになる」と宣言した。 AMDが黙っているわけがない。 100kWラックという土俵 AMDが6月10日に公式ブログで公開したのは、ラック単位の総合スループット比較だ。条件は100kWの電力枠。この枠内に何台のサーバーを詰め込み、どれだけの処理を捌けるかを競わせた。 テストには4構成が並んだ。AMD側は現行のEPYC 9965(コードネームTurin、Zen 5cアーキテクチャ、192コア)と次世代のEPYC Venice(Zen 6、256コア)。対するのはIntel Xeon 6980P(Granite Rapids-AP、128コア)とNVIDIA Vera(カスタムOlympusコ