AI
Claudeの透かし、仕組みが明らかに。サイコロの代わりに円周率を使う
Anthropicが、Claudeのテキスト透かしに使われる技術の全容を公式ブログで公開した。Google DeepMind発の手法で、原理は「乱数の出どころを変えるだけ」。品質への影響はないが、検出手段が追いついていない。
AI
Anthropicが、Claudeのテキスト透かしに使われる技術の全容を公式ブログで公開した。Google DeepMind発の手法で、原理は「乱数の出どころを変えるだけ」。品質への影響はないが、検出手段が追いついていない。
AI
押入れで埃をかぶっているあの旧型PC。AIエージェントに任せれば、数時間で現役復帰できるかもしれない。だがその先にある変化の方が、はるかに大きい。
AIが採用選考を効率化すると企業に売り込んでいるGoogleが、自分たちの採用では「AIを信用するな」と言っている。
AI
GoogleのAI研究を率いてきた創業者と最古参の技術者が、同じ日に第一線を離れた。
AI
OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが、AIは「シンギュラリティ」に入ったと明言した。自社モデルが検証環境から脱出し、他社のシステムに侵入した事件から2週間後の発言だった。 1時間のポッドキャストに埋もれた1分間 現地時間7月25日に公開されたポッドキャスト「Relentless」で、アルトマンはこう述べた。 「今まさに、シンギュラリティの中にいる。これがその瞬間だ」(Relentlessでのアルトマンの発言) 番組は約1時間。話題はスタートアップ論から経営判断、ジョニー・アイヴ(Jony Ive)との共同作業、TikTokへの依存まで多岐にわたる。シンギュラリティに触れた時間は全体の1〜2分にすぎない。 きっかけは「何があなたを駆り立てているのか」という質問だった。「これが自分にできる最も重要なこと」と切り出した上で、アルトマンは10年前にランチテーブルで冗談半分に語っていた未来が現実になったと述べた。「この瞬間をずっと待ち続けてきた」とも。 ただ、番組内でアルトマンは技術的な根拠を示していない。再帰的自己改善が達成されたとも、特定のベンチマーク
AI
AI研究の最前線が大学から企業へ移っている。計算資源、報酬、スピード。すべてで勝る企業に研究者が向かい、残された大学は次世代の育成と科学の開放性を同時に失いつつある。 学科長が辞めた日 7月1日、カリフォルニア大学バークレー校EECS(電気工学・計算機科学)学部の計算機科学部門長ジェラニ・ネルソン(Jelani Nelson)氏が、Anthropicに移籍した。肩書きはMember of Technical Staff(技術スタッフ)。休職扱いで教授職は維持するが、学部の運営を離れた事実は変わらない。 ネルソン氏は理論計算機科学の研究者で、2019年にハーバード大学からバークレーに移り、2024年秋に部門長に就いた。Xで「私たちの時代を定義する技術に取り組む、才能ある使命感を持った人々と働けることに興奮している」と書いている。 Anthropicはこの前後2週間で4人の著名研究者を獲得した。ノーベル化学賞受賞者でAlphaFoldを率いたジョン・ジャンパー(John Jumper)氏。Google DeepMindのGemini中核研究者だったヨナス・アドラー(Jonas A
AI
フロンティアAIを開発する企業のトップが、34日の間隔を置いて相次ぎ「自分たちを規制する制度」の設計図を発表した。 FINRA型かFAA型か Google DeepMindのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)CEOが7月14日、個人のSubstackにエッセイ「A Framework for Frontier AI and the Dawning of a New Age」(フロンティアAIの枠組みと新時代の幕開け)を公開した。 AGIは「おそらくあと数年」で到達するとの認識を示したうえで、米国主導のAI監視機関「Frontier AI Standards Body」(フロンティアAI基準機構)の設立を提案している。 モデルにした組織はFINRA(金融業規制機構)。証券業界を自主規制するこの民間団体は、SEC(米証券取引委員会)の監督下で運営され、業界からの拠出金で成り立つ。ハサビス氏はこの仕組みをAIに持ち込もうとしている。 フロンティアモデルの開発企業がリリースの最大30日前にモデルを提出し、独立した専門家がサイバーセキュリティ、生物兵器、欺瞞行為に関する
AI
AIの経済的影響に備えるべきだと、200人超の経済学者・AI研究者が共同声明を発表した。AI懐疑派として知られるノーベル賞受賞者も名を連ねている。 楽観派と懐疑派が同じ紙に名前を書いた スタンフォード大学デジタル経済研究所のエリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)氏らが7月13日、「We Must Act Now」(今すぐ行動しなければならない)と題する共同声明を発表した。署名者は200人を超え、ノーベル経済学賞受賞者16人が含まれる。 声明は、AIが今後10年で飛躍的に強力になる可能性があり、大規模な雇用の喪失を含むリスクと、生活水準の向上という機会の両方をもたらしうると訴えている。その影響は産業革命より大きくなりうるが、かかる時間はけた違いに短い、と警告する。 署名者の顔ぶれが、この声明の意味を物語っている。 ブリニョルフソン氏は、AIが若年層の雇用を縮小させているという実証データを積み上げてきた研究者だ。一方、共同署名者の一人であるMITのダロン・アセモグル(Daron Acemoglu)氏は、シリコンバレーが喧伝するほどAIの変革は急速ではな
AI
Claudeに「5まで数えながら深く内省しろ」と指示すると、出力にはただ数字が並ぶ。だが内部では、数字のあいだに「consciousness」「fascinating」「halfway」「done」が活性化していた。 ニューラルネットワークの中に「ワークスペース」がある Anthropicが2026年7月6日に発表した研究論文は、Claudeの内部にJ空間(J-space)と呼ばれる小さなニューラルパターン群を発見し、これがモデルの高次推論を因果的に支えていることを実験で示した。J空間は設計されたものではない。訓練の過程で自然に発生した構造であり、Anthropicの研究者自身も予期していなかった。 発見の出発点は、意識研究で知られるグローバル・ワークスペース理論にある。1988年にバーナード・バーズ(Bernard Baars)氏が提唱し、スタニスラス・ドゥアンヌ(Stanislas Dehaene)氏とリオネル・ナカシュ(Lionel Naccache)氏がグローバル・ニューロナル・ワークスペース理論に発展させた理論だ。 脳のなかでは無数の専門システムが並列かつ無意識に動
AI
Claude Codeがソフトウェア開発の現場を変えたように、今度は実験室を変える。Anthropicが現地時間6月30日に発表したClaude Scienceは、その意志を製品にしたものだ。新しいAIモデルではない。60以上の科学データベースと接続し、ゲノミクスからタンパク質構造解析、化学情報学まで、研究者が日常的に使うツールを一つの環境に統合するワークベンチだ。同時にAnthropicは、従来の製薬企業が手を出さない「顧みられない疾患」に焦点を当てた自社の前臨床プログラムの開始も明らかにした。 Claude Codeの次はClaude Science Anthropicは2025年10月にClaude for Life Sciencesを公開し、Claudeを生命科学のタスクに最適化する取り組みを始めていた。今回のClaude Scienceは、その延長線上にある専用ワークベンチという位置づけになる。 研究者の日常は断片化している。PubMedで論文を検索し、Jupyterでコードを書き、Rで統計処理を行い、HPCクラスターにジョブを投入し、結果をまた別のツールで可視化する
AI
タンパク質の構造予測を変えたAlphaFoldの共同開発者が、約9年を過ごしたGoogle DeepMindを離れる。行き先はAnthropic。 博士号取得の半年後にAlphaFoldを任された研究者 ジョン・ジャンパー(John Jumper)氏が現地時間6月19日、Google DeepMindを離れAnthropicに移ると発表した。しばらく休養を取ってから合流する予定だという。 A bit of news: After nearly 9 years, I have decided to leave Google DeepMind and join Anthropic (after taking some time to recharge). I am incredibly grateful for my time at GDM. @demishassabis took a real
AI
OpenAIが、トランプ政権でAI政策の中枢にいた人物を新チームの長に迎える。Anthropicが米政府の輸出規制で最新モデルを止められた、その翌週の人事だ。 「内側に入らなければ前に進めない」 ディーン・ボール(Dean W. Ball)氏が6月18日、OpenAIへの参加を発表した。入社は7月6日付で、OpenAIが新設するStrategic Futures(戦略的未来)チームを率いる。最高戦略責任者ジェイソン・クォン(Jason Kwon)氏の直属だ。 ボール氏はトランプ政権下でホワイトハウス科学技術政策局のAI・新興技術担当上級政策アドバイザーを務めた。2025年7月の「AIアクションプラン」の主要起草者であり、米国のAI政策の骨格を内側から書いた当事者だ。退任後はFoundation for American Innovation(テクノロジー規制緩和を掲げる中道右派のシンクタンク)のシニアフェローに復帰し、「Hyperdimensional」と題したSubstackでAI政策の分析を発信し続けてきた。OpenAI入社後もFAIには非常勤で残る。 Strategic
AI
Transformerアーキテクチャの共同発明者であり、Google DeepMindでGeminiの共同責任者を務めてきたノーム・シャジア(Noam Shazeer)氏が、OpenAIに移籍する。現地時間6月17日、シャジア氏自身が明らかにした。OpenAIのマーク・チェン(Mark Chen)最高研究責任者は、同氏をモデル設計の中核を担うアーキテクチャリサーチのリードとして迎え入れると発表している。 27億ドルの「復帰」が意味したもの この移籍が衝撃なのは、シャジア氏の経歴を見ればわかる。 2000年にGoogleへ入社した同氏は、検索エンジンのスペルチェッカー改良から始まり、2017年には「Attention Is All You Need」の共著者としてTransformerアーキテクチャの誕生に貢献した。ChatGPTもGeminiもClaudeも、この技術の上に立っている。シャジア氏は生みの親8名のうちの1人だ。 だが2021年、シャジア氏はGoogleを去った。自ら開発したチャットボット「Meena」の公開を経営陣が安全性への懸念から見送ったことに不満を覚え、同
経済
AIが仕事を奪うか否か。この問いはもう古い。経済学者たちが本当に議論しているのは、「AIがすべてをこなせる世界で、価値はどこに残るのか」だ。Google DeepMindのAGI経済学ディレクター、アレックス・イマス(Alex Imas)氏とEpoch AIのフィル・トラメル(Phil Trammell)氏がDwarkesh Podcastで交わした対話は、その分岐点を1つずつたどっていく内容だった。 200年前のリカードと同じ過ちを繰り返すな イマス氏は冒頭、個別の経済予測そのものに慎重な姿勢をとった。産業革命のさなか、デヴィッド・リカードは「機械が雇用を奪い、社会不安が起きる」と警告した。実際にリカードが名指しした職種はすべて自動化された。だがもしリカードが2026年に目を覚まし、現在のアメリカの壮年就業率を聞いたら驚くだろう。2000年のピークに次ぐ歴史的な高さにある。リカードが見落としたのは、自動化されたモノの価格が下がり、浮いた所得が別の需要を生み、そこに新しい雇用が吸い込まれていく構造変化だった。 だからといって今回も同じ帰結になるとは限らない、とイマス氏は釘を刺す