God of War新作はフェイが主人公、日本・中国神話も舞台に

クレイトスの妻フェイを主人公とするGod of Warスピンオフの詳細が次々と浮上している。喋る剣、ゼラチン状キューブの相棒、そして東アジア神話の導入。シリーズの常識が、根本から書き換えられようとしている。

God of War新作はフェイが主人公、日本・中国神話も舞台に
God of War

クレイトスの妻フェイを主人公とするGod of Warスピンオフの詳細が次々と浮上している。喋る剣、ゼラチン状キューブの相棒、そして東アジア神話の導入。シリーズの常識が、根本から書き換えられようとしている。


クレイトスなきGod of War

God of Warシリーズに、これまでで最も異質な一作が近づいている。

MP1stの報道とRedditに投稿された情報を総合すると、次のGod of Warはシリーズ初のスピンオフ作品となり、主人公はクレイトスではなくフェイ——北欧神話編で彼の妻として描かれ、物語が始まる前にすでにこの世を去っていたあの女性だ。コーリー・バルログ(Cory Barlog)が開発を率いているとされる。

2023年にFandomWireが最初に報じた時点では「フレイヤが主人公」とされていたが、その後、情報提供者自身がRedditコメントで訂正し、プレイアブルキャラクターはフェイとテュールの2人であると明かした。クレイトス自身も何らかの形で登場するとされるが、その役割の大きさは不明だ。

フェイは北欧神話編の『God of War』(2018)と『God of War ラグナロク』(2022)で、すでにこの世を去った人物として描かれていた。つまり本作は時系列的にプリクエルとなる。

ここが面白い。20年間「怒れるスパルタ人」の物語だったフランチャイズが、彼の人生を外側から照らしていた人物の視点に切り替わるのだ。

「マーリンの剣」と「ゼラチンキューブ」

噂の中でもぶっ飛んでいるのが、コンパニオンの設定だ。

プレイヤーの武器として登場するのは喋る剣で、その正体はアーサー王伝説のマーリンだという。さらに、もう一体のコンパニオンは「ゼラチン状のキューブ」と表現されている。テーブルトップRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場するモンスターを連想させる、なんとも奇妙な設定だ。

これまでのGod of Warが持っていた「重厚な神話世界」のトーンとは明らかに毛色が違う。Devil May Cry的な高速アクションが採用されるという噂もあり、シリーズの方向転換はゲームプレイにまで及ぶ可能性がある。

マーリンの登場は、アーサー王伝説——つまりブリテン神話をGod of Warの世界観に組み込むことを意味する。北欧だけでなくケルト圏の伝承まで射程に入れる布石だ。

バルログが手がけた2018年の『God of War』は、ギリシャ神話一辺倒だったシリーズを北欧へ移すという大胆な転換で成功を収めた。今回はその「次の一手」を、単一神話圏への移行ではなく複数神話の横断という形で打ってきたことになる。

東アジア神話の参戦

MP1stは独自取材として、本作に中国と日本の神話的要素が含まれることを確認したと報じている。マヤ神話の要素も以前から噂されており、1本のゲームの中に北欧・ブリテン・マヤ・中国・日本という5つの文化圏が共存する、かつてないスケールの神話世界になる可能性がある。

ただし、MP1st自身が「開発は常に変わりうるもの」と留保をつけている点は見落とせない。現段階のリーク情報がそのまま最終版に反映されるとは限らない。

それでも、この方向性には伏線があった。2018年の『God of War』では、テュールの壁画にギリシャ・エジプト・マヤ・ケルト・日本といった複数文化圏の存在が描かれていた。バルログ自身も当時、2018年版の企画段階でエジプト神話が最有力候補だったと明かしている。ファンの多くが予想していたエジプト神話が今回のスピンオフには含まれていないのは興味深い。おそらくエジプトは本編の次回作——クレイトスが主人公のメインライン作品——のために温存されているのだろう。

ファンの反応は真っ二つ

Redditリーク掲示板r/GamingLeaksAndRumoursでは、この情報に対する反応が賛否真っ二つに割れている。「フェイの物語なんて盛り上がれない」という懐疑派がいる一方で、「複数神話の横断はシリーズの正当な進化だ」と期待する声も少なくない。

最も多かった意見のひとつは「クレイトスを見たい」というシンプルな要望だ。フェイはラグナロクで回想やビジョンとして短時間登場したのみで、プレイヤーとの絆が薄い。そこに感情移入できるかどうかが、本作の最大の挑戦になるかもしれない。

フェイがプレイヤーの心を掴めるかどうかは、結局のところバルログの脚本力にかかっている。2018年の『God of War』でクレイトスを「ただの暴力マシン」から「不器用な父親」に変えてみせた手腕が、再び問われる局面だ。

God of Warユニバースの膨張

ここで全体像を整理しておく価値がある。2026年に入ってから、God of Warは急速にマルチ展開を進めている。

2月のState of Playでは2Dメトロイドヴァニア『God of War: Sons of Sparta』がサプライズ発売された。若き日のクレイトスと弟デイモスの物語で、開発はMega Cat Studiosとサンタモニカスタジオの共同。Metacriticスコア64と評価は割れたが、米国売上チャートで14位に入る商業的成功を収めた。同時にギリシャ三部作のリメイクも発表されている。

現在進行中のGod of War関連プロジェクトは、フェイのスピンオフ、三部作リメイク、Amazon Prime Videoのテレビシリーズの少なくとも3本。フランチャイズ史上最大の拡張期に入っている。

テレビシリーズはライアン・ハーストがクレイトス役で、2026年2月に撮影を開始。脚本は『バトルスター・ギャラクティカ』のロナルド・D・ムーアが担当している。ゲーム・映像・リメイクの三方向同時展開は、Sonyがこのフランチャイズに本腰を入れている表れだ。

発表は目前か

インサイダーのトム・ヘンダーソン(Tom Henderson)は、Insider Gamingのポッドキャストで「God of Warの新作は4月に発表予定だと聞いた」と発言している。NateTheHateは4月16日にState of Playが開催される可能性を報じており、そこでの初公開が有力視されている。

ただし、ヘンダーソンが「メインラインのGod of War」と表現したのに対し、MP1stの報道はフェイ主人公の「スピンオフ」を指している。これが同一のプロジェクトなのか、それとも別のメインライン作品が並行して存在するのかは、現時点では判然としない。

いずれにせよ、答えが出るまでそう長くはかからないだろう。ギリシャ、北欧、そして——もし噂が正しければ——日本や中国の神々まで。クレイトスの世界は、彼自身が不在の場所でも広がり続けている。


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