スターフィールド Switch 2版、台湾で登録──難航する移植の行方

PS5版の不安定な船出の直後に浮上した、もうひとつの「難航する移植」。台湾のレーティング登録が意味するものとは。

スターフィールド Switch 2版、台湾で登録──難航する移植の行方

PS5版の不安定な船出の直後に浮上した、もうひとつの「難航する移植」。台湾のレーティング登録が意味するものとは。


台湾で見つかった「まだ存在しないはず」の登録

Bethesda Game Studiosの宇宙RPG「Starfield」が、台湾のレーティング機関TESRI(Taiwan Entertainment Software Rating Information)のデータベースNintendo Switch 2版として登録されていることが明らかになった。ブラジルのNintendo専門メディアUniverso Nintendoが4月15日に発見し、複数の海外メディアが一斉に報じている。

注目すべきは、Bethesdaが現時点でStarfieldのSwitch 2版を一切発表していないという点だ。登録には発売日として4月15日と記載されていたが、同じ欄にあるPS5版の日付も実際の発売日と異なっており、日付そのものの信頼性は低い。それでも、レーティング機関への登録は通常、パブリッシャー側が申請しなければ発生しない手続きであり、単なるデータベースのエラーとは考えにくい。

台湾のレーティング登録は、過去にもNintendo Switch 2向けタイトルの正式発表に先行する形で確認されるケースが相次いでいる。今回もその流れに位置づけられる。

「祈るしかない」移植の裏側

この登録が意味を持つのは、Switch 2版Starfieldをめぐる水面下の情報が蓄積されてきたからだ。

リーク情報で高い的中率を持つNateTheHateは、3月にX(旧Twitter)で「開発は続いているが、順調ではない。指を交差して祈るしかない」と投稿した。さらにその前月には、別の信頼性の高いインサイダーshinobi602が「移植は棚上げされた。そもそも出ないかもしれない」と発言しており、開発難航の情報は複数の独立した情報源から裏付けられている。

Starfieldは元々PCですら最低要件にGeForce GTX 1070 Ti、RAM 16GBSSD必須という重量級タイトルだ。これをSwitch 2のモバイルチップに載せるのは、DLSSの力を借りたとしても容易ではない。Gearboxが「Borderlands 4」のSwitch 2版を開発途中で撤回した前例もある。

ただし、台湾のレーティング登録はパブリッシャーが自ら申請するプロセスだ。つまり、Bethesdaが少なくとも「登録できる段階」まで開発を進めたことを示唆している。「難航」と「断念」のあいだには、まだ距離がある。

PS5版が突きつけた「もうひとつの不安」

タイミングとして厄介なのは、4月7日にリリースされたばかりのPS5Starfieldが、パフォーマンス面で苦戦していることだ。

Digital Foundryはレビューで、PS5版にクラッシュや安定性の問題が多発していると指摘した。PS5 Proの拡張モードでも安定した 60fps を維持できない場面があり、Bethesdaは4月13日にクラッシュ問題を認め、修正パッチの配信を発表している。Sonyに返金を求めるプレイヤーの報告もRedditSNS上で相次いだ。

PS5 Proでもフレームレートが安定しないタイトルを、Switch 2のハードウェアでどう動かすのか。技術的な関心と同時に、率直な不安が残る。

売上面でも楽観はできない。アナリスト企業Alinea Analyticsの推計では、PS5版の初週販売は約 14万本 、売上は約770万ドル(約12億2,000万円)。Xbox発のPS5移植タイトルとしては「最速ペース」だが、Bethesda最大級のRPGとしては控えめな数字だ。2年半の時限独占が需要を削いだ可能性を、Alinea自身も指摘している。

もっとも、これはあくまで推計値であり、Alinea Analyticsの精度自体に懐疑的な声もある。PS Storeの各国ランキングではトップ5に入っている地域もあり、実態はもう少し良い可能性もある。いずれにせよ、「2年半遅れの移植」という構造的なハンデは、Switch 2版にもそのまま当てはまる問題だ。

Bethesdaが築きつつあるSwitch 2の足場

一方で、BethesdaがSwitch 2プラットフォームに本腰を入れていること自体は疑いようがない。

2月にはFallout 4: Anniversary Editionをリリースし、5月12日にはIndiana Jones and the Great Circleが控えている。さらにThe Elder Scrolls IV: Oblivion Remasteredも2026年中の発売が発表済みだ。Skyrim Anniversary Editionもすでに動いている。これだけのラインナップを揃えたうえで、自社最大の新規IPであるStarfieldだけを見送るのは、ビジネス上の判断としても不自然ではある。Switch 2の累計販売台数は1,700万台を超えており、無視できない市場規模に成長している。

BethesdaはSwitch 2に4本の自社タイトルを投入済み、または予定している。Starfieldが5本目になるかどうかは、技術的なハードルを越えられるかにかかっている。

「動くかどうか」より「どう動かすか」

レーティング登録は「発表の予告」ではない。だが「開発の放棄」とも矛盾する。少なくともBethesdaは、Starfieldを台湾のレーティング機関に申請できる程度には移植作業を前に進めている。

本当の問題は、仮にリリースされたとして、どのような体験になるのかだ。PS5 Proですら安定しないタイトルを、携帯モードでも遊べるハイブリッド機に載せるのだから、妥協は避けられない。その妥協が許容できる範囲に収まるかどうかが、このプロジェクトの命運を握っている。

Bethesdaの公式発表はまだない。だが台湾のデータベースには、すでに名前が刻まれている。


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