Intel次世代マザーボードQ970のスペックがリーク

Intel次世代マザーボードQ970のスペックがリーク
Intel

2月に900シリーズチップセットの仕様がリークされてから4ヶ月、ようやく実物のスペックシートが出てきた。Q970チップセット搭載マザーボードの仕様書がリークされ、LGA-1954ソケット、DDR5-CUDIMM、PCIe Gen5スロット構成など、次世代プラットフォームの具体的な姿が見えてきた。


Q970ボードの中身と、確認できたこと

リーク元はハードウェアリーカーのmomomo_us氏。業務用マザーボードの仕様書とみられる資料で、Q970チップセットとLGA-1954ソケットの組み合わせが明記されている。

Intel 900シリーズ チップセット比較
B960Z970Z990Q970W980
セグメントメイン
ストリーム
エンスー
ジアスト
フラッグ
シップ
ビジネスワーク
ステーション
DMIGen5 x2Gen5 x2Gen5 x4Gen5 x4Gen5 x4
PCIe
総レーン
3434484848
チップセット
PCIe 5.0
0012812
チップセット
PCIe 4.0
1414121212
SATA44848
USB4/
TB4
11222
USB 3.2
20Gbps
22555
CPU OC×××
メモリOC×
※ Jaykihn氏による2026年2月リーク。Q970列は今回スペックシートが確認されたチップセット

CPU欄には「Intel Core Ultra 300S series DT processors」と記載があるが、Nova Lake-Sは Core Ultra 400S で展開されるとみられている。「300S」は古い仮称か、正式ブランド決定前に作成されたビジネス向け文書の痕跡だろう。

ボードはMicro ATXで、メモリはDDR5-CUDIMM×2スロット、最大128GB。拡張スロットはPCIe x16 Gen5×1、PCIe x16(x8動作)Gen5×1、PCIe x4 Gen5×1、PCIe x4 Gen4×1。映像出力はHDMI 2.1×1とDisplayPort 1.4a×2に加え、内部ヘッダ経由のDP出力を1系統備える。ストレージはSATA III×4、M.2スロット2基。LANはIntel I226V(2.5GbE)とIntel I219LM(1GbE)の計3ポート構成。TPM 2.0、シリアルポート、ウォッチドッグタイマーも備え、vPro対応のビジネス用途を強く意識した仕様だ。

PCIe Gen5スロットが計3本 という点は、ビジネスボードとしてはかなり充実している。Q970チップセットはZ990やW980と同じDMI Gen5 x4接続で、チップセット側から8本のPCIe 5.0レーンと12本のPCIe 4.0レーンを提供するとされている。今回のスペックシートはその情報と整合する。

CUDIMMが「ビジネス機にも」という意味

DDR5-CUDIMMはモジュール上にクロックドライバ(CKD)を搭載し、高周波数動作時の信号を安定させる規格だ。現行世代ではZ890マザーボードとの組み合わせが主流だが、Nova Lake世代ではCUDIMMが幅広いセグメントに広がるとみられる。

オーバークロックとは無縁のQ970ビジネスボードにまでCUDIMM対応が入っている。Nova Lake世代では、CUDIMMが高クロック追求のためではなく、標準的な安定動作のために必要な技術になる可能性がある。メモリスロット2本で最大128GBという構成は、64GBモジュール×2の計算。スロットが少ないぶん信号品質では有利になる。

USB 2.0の欄に「10Gbps」という異変

スペックシートで議論を呼んでいるのが、USB 2.0の欄に「10Gbps」と記載されている点だ。USB 2.0の規格上の最大転送速度は480Mbpsであり、10GbpsはUSB 3.2 Gen2に相当する。

仕様書のドラフト段階での誤記とみるのが自然だ。業務用マザーボードの初期文書では、USBポートの分類や速度表記が入れ替わることは珍しくない。900シリーズのUSBコントローラ仕様が確定する前の暫定表記と考えるのが妥当だろう。いずれにせよ、USB 2.0規格が10Gbpsに進化したわけではない。

ここ数週間で一気に固まった「Nova Lake像」

Q970ボード単体の話で終わらないのが、いまのNova Lakeプラットフォームの面白さだ。Computex 2026前後の数週間で、プラットフォーム全体の輪郭が急速にまとまってきた。

LGA-1954ソケットの実物が台北で確認された。 Computex会期中に撮影されたとみられる写真で、2レバー式リテンションメカニズム(2L-ILM)の採用が裏付けられた。LGA 1700以降続いていたCPUの反り問題に対する構造的な回答で、IHSへの圧力を両側から均一にかけることで冷却効率を改善する狙いがある。ただし2L-ILMは上位ボード向けのオプションとされ、全ボードに搭載されるわけではない。

ソケットが複数世代のCPUをサポートする可能性。 リーカーのJaykihn氏によると、LGA-1954はNova Lakeの次のRazor Lake、さらにその先の世代にも対応する見込みだという。64MBのBIOSチップを搭載するZシリーズボードが条件とされる。IntelのVPロバート・ハロック(Robert Hallock)氏も「将来のソケットで複数世代のCPUをサポートする方向」に前向きな姿勢を示している。たった2世代で終わるLGA 1851の反省を踏まえれば、実現した場合のインパクトは大きい。

GIGABYTEがComputexでZ990とみられるボードを展示。 ソケット部分はカバーで覆われ、チップセット名も非公開。だがEPS 8ピンCPU電源コネクタが3基搭載されており、最大52コア(16P+32E+4LPE)のNova Lake-S最上位モデルを見据えた電源設計と読める。背面にはUSB Type-Cポートが4基確認されており、Thunderbolt 5対応の可能性も指摘されている。

発売時期はまだ揺れている。 Intel CEOのリップブー・タン(Lip-Bu Tan)氏は2026年末を明言しているが、デスクトップ版の小売り開始はCES 2027にずれ込むとの見方もある。AMDのZen 6 Ryzenも2027年への延期が報じられており、両社の次世代デスクトップCPUがCES 2027に集中する展開も考えられる。

ビジネスボードが先に出てくる意味

自作ユーザーがQ970マザーボードを買うことはまずない。だが法人向け製品の仕様書がこの段階でリークされたこと自体が、900シリーズプラットフォーム全体の開発進捗を物語っている。

PCIe Gen5の充実したスロット構成、CUDIMMの標準化、2.5GbEの複数ポートといった要素は、そのままコンシューマ向けZ990・Z970ボードにも反映される。Nova Lakeはソケット寿命の延長、メモリ規格の世代交代、拡張性の底上げまで含むプラットフォーム丸ごとの刷新だ。パーツがひとつひとつ埋まって、全体像がいよいよ見えてきた。

参照元:momomo_us氏によるリーク

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