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Metaのエンジニアリング組織再編 開発体制への影響を分析

AI

Metaのエンジニアリング組織再編 開発体制への影響を分析

20年かけて築いたエンジニアリング文化を、AI開発への焦りがわずか数週間で壊しつつある。代償はもう目に見える形で出始めた。 AIチャットボットが「鍵」を渡した 現地時間5月30日の週末、Instagramで異変が起きた。オバマ政権時代のホワイトハウス公式アカウント、米宇宙軍の最上級下士官のアカウント、Sephoraの公式アカウントなど、著名なプロフィールが次々と乗っ取られた。 手口は驚くほど単純だった。 攻撃者はVPNでターゲットの所在地付近に偽装し、MetaのAIサポートチャットボットに「アカウントが乗っ取られた。メールアドレスを変更してほしい」と頼んだ。それだけだった。チャットボットはそのメールアドレスがアカウント所有者のものかどうかを確認せず、攻撃者が指定した新しいアドレスに認証コードを送信した。パスワードリセットが完了し、アカウントは攻撃者の手に渡った。 フィッシングリンクも、マルウェアも、被害者のメールへのアクセスも不要。セキュリティ研究者のジェーン・ウォン(Jane Wong)氏も自身のアカウントを乗っ取られ、「知らないうちにパスワードが変更されていた」と報告し

英国が16歳未満のSNS利用を全面禁止へ。その先にある問い

テクノロジー

英国が16歳未満のSNS利用を全面禁止へ。その先にある問い

キア・スターマー(Keir Starmer)首相が現地時間6月15日、ダウニング街で記者会見を開き、16歳未満の子どもに対するSNSプラットフォームの利用を全面的に禁止すると発表した。年内に議会で規制を通し、2027年春の施行を目指す。対象はSnapchat、TikTok、YouTube、Instagram、Facebook、Xなど主要プラットフォーム。WhatsAppやSignalといったメッセージサービスは含まない。 2025年12月に世界で初めて同様の禁止法を施行したオーストラリアを超える範囲の規制を、英国は打ち出した。ゲームでの見知らぬ人物との通信やライブストリーミングの遮断、AIチャットボットの「恋愛コンパニオン」機能への18歳未満の利用制限など、SNSの外にまで網を広げる。 子どもの安全をめぐる政策として、これは間違いなく大きな一歩だ。だが、禁止の先にある問題は、まだ誰も答えを出していない。 「子どもに子ども時代を返す」という宣言 スターマー首相は会見で繰り返した。SNSは子どもを不幸にしている、いじめを助長している、精神的健康を損なっている、と。保護者の9割が1

MetaのAIサポートが招いたInstagram2万件超の乗っ取り

セキュリティ

MetaのAIサポートが招いたInstagram2万件超の乗っ取り

MetaのAIサポートツールに設計上の欠陥があり、2万件を超えるInstagramアカウントが乗っ取られた。AIにアカウント復旧の権限を与えながら、本人確認という最も基本的な工程を省いた結果だ。 AIが鍵を渡した Metaは6月6日付でメイン州司法長官室にデータ侵害の届出を行った。影響を受けた可能性のあるアカウントは2万225件。メイン州内だけでも30件にのぼる。 問題のツールは「High Touch Support」(HTS)。ログインできなくなった利用者がInstagramアカウントを取り戻すのを助ける、AI搭載のサポートシステムだ。Metaは2026年3月、このAIサポートをFacebookとInstagramの全アカウントに展開した。「提案ではなく、解決を」と銘打ち、パスワードリセットを含むアカウント復旧操作を、人のオペレーターに代わってAIに任せる仕組みだった。 ここに致命的な設計の穴があった。HTSはパスワードリセットの際、リクエスト者のメールアドレスがそのアカウントの登録アドレスと一致するかを検証していなかった。別のコードパスにバグがあり、無関係なメールアドレス

SNS各社は「教室の中」まで狙っていた(訴訟文書が示す手口)

SNS

SNS各社は「教室の中」まで狙っていた(訴訟文書が示す手口)

授業中にSnapchatの通知が鳴る。10代の「アンバサダー」がInstagramの販促グッズを友人に配る。YouTubeのアルゴリズムが、一次方程式の学習動画の次にコメディ動画を推薦する。これらは偶然ではなかった。 1,400学区の訴訟が開いた箱 米国で1,400を超える学区がMeta、Snap、ByteDance(TikTok)、Google(YouTube)の4社を相手に起こしている集団訴訟で、裁判所に提出された内部文書の内容が6月4日に報じられた。訴訟そのものは既報のとおりだが、今回新たに明らかになったのは、各社がどこまで具体的に「学校という場」を攻略しようとしていたか、だ。 文書によると、Snapchatは授業時間中に高校生のスマートフォンへ通知を送る機能を持っていた。通知の内容は、バックパックの中身や教室の様子を共有するよう促すものだった。ある内部戦略文書はこの行為を「机の下(under the desk)」での利用と表現していたという。Snapの社員がダークパターン(操作的なデザイン)に該当するリスクを指摘して通知のオプトアウト機能を提案したが、その提案は実行され

MetaのAIエージェントが世界の中小企業を変える

AI

MetaのAIエージェントが世界の中小企業を変える

WhatsAppやInstagram上の顧客対応を丸ごとAIに任せる「Meta Business Agent」が全世界で提供開始された。広告依存から脱却を図るMetaの新たな収益源が、商取引の形を塗り替えようとしている。 「店員のいない店」がメッセージアプリに現れた Metaは2026年6月3日、ロンドンで開催した年次カンファレンス「Conversations」で、AIエージェント「Meta Business Agent」の全世界展開を発表した。WhatsApp、Instagram、Messengerの3プラットフォーム上で、企業に代わってAIが顧客の質問に答え、商品を提案し、予約や販売までを完了させる。人間のスタッフへ引き継ぐタイミングは企業側が決められる仕組みだ。 マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は同カンファレンスで「あらゆる規模の企業に、顧客と話し、業務を回すエージェントを届ける」と述べた。 すでにWhatsAppとMessengerでは100万を超える企業がこのエージェントの初期版を利用しており、3つのプラットフォーム合計で毎日10億件を超え

ザッカーバーグ氏「今年はもうない」と発言 対象範囲と例外条件を確認

Meta

ザッカーバーグ氏「今年はもうない」と発言 対象範囲と例外条件を確認

全社員の10%にあたる約8,000人を削減した当日、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)が社内メモで言い切った。「今年は全社規模のリストラは予定していない」。 その言葉を読んだ従業員たちは、メモの「company-wide(全社規模)」と「expect(予定)」という単語を引用してコメントを書き込んだ。「物事は 『予期せず』 進むこともある」。 何が起きているか 5月20日、Metaは全世界で従業員の 約10% にあたる約8,000人の削減を実施した。同時に、約7,000人がAI関連の新部門へ異動する。削減と異動を合わせると、今週だけで全社員の 約20% が影響を受ける計算だ。 新設されたAI部門の名称は、Applied AI Engineering(応用AIエンジニアリング)、Agent Transformation Accelerator(エージェント変革加速)、Central Analytics(中央分析)といった具合で、コーディング・調査・データ分析など、

EFFがMeta批判、暗号化廃止で「ユーザーのせいにするな」

セキュリティ

EFFがMeta批判、暗号化廃止で「ユーザーのせいにするな」

Instagramのエンドツーエンド暗号化が5月8日に廃止された。Metaは「使う人が少なかった」と説明したが、EFFは「設計が悪いだけだ」と切り返している。 「使われていない」から廃止、というMetaの言い分 Instagramのダイレクトメッセージで使えたエンドツーエンド暗号化(E2EE)が、2026年5月8日付で姿を消した。送信者と受信者だけが内容を読める仕組みで、Metaのサーバーや捜査機関、ハッカーが中身をのぞけなくなる機能だ。 Metaの説明はシンプルだった。 「DMでエンドツーエンド暗号化にオプトインする人がほとんどいなかったので、Instagramからこのオプションを削除する。エンドツーエンド暗号化でメッセージのやり取りを続けたい人は、WhatsAppで簡単にできる」 つまり、使う人が少ないから廃止する、と整理した形だ。同じMeta傘下のWhatsAppがあるのだから、そちらを使ってくれ、と。一見すると合理的な判断に聞こえる。 だが、この説明の前提そのものに疑問を投げかけた組織がある。デジタル権利擁護団体のElectronic Frontier Found

医師より「ママ」が信頼される時代、米国50歳未満の半数

AI

医師より「ママ」が信頼される時代、米国50歳未満の半数

50歳未満の米国成人の半数が、健康とウェルネスに関する情報をSNSのインフルエンサーやポッドキャストから得ている。ピュー・リサーチ・センターが新たに公表した6,828人のインフルエンサー分析が、その輪郭を浮かび上がらせた。 医療資格を名乗らない過半数 ピュー・リサーチ・センターが米国時間5月7日に公表した報告書「Moms, Coaches, Doctors, Entrepreneurs」は、Instagram・TikTok・YouTubeで10万人以上のフォロワーを持ち、健康とウェルネスのコンテンツを定期的に投稿する6,828人のインフルエンサーを対象に、彼らが自分自身をどう紹介しているかを精査したものだ。 結果として浮かんだのは、医療の権威がもはやSNS空間では中心軸ではないという事実である。何らかの医療従事者を自認する人は 41% にすぎない。残り59%は、医師でも看護師でも栄養士でもない誰かが、健康についてのアドバイスをフォロワー数十万〜数百万人に向けて発信している。 内訳を見ると、コーチ(食事・フィットネス・ライフコーチ等)が31%、起業家が28%。「自分の体験」を権

Reality Labs損失40億ドル、累積800億ドル超え

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Reality Labs損失40億ドル、累積800億ドル超え

Metaのメタバース部門Reality Labsが2026年第1四半期にも40億ドル超の営業損失を出した。累積赤字は800億ドルを突破。AIへ大きく舵を切るザッカーバーグの戦略のなか、メタバースという旗印は次第に色褪せつつある。 売上4億ドル、損失40億ドルという構造 Metaが日本時間4月30日朝に公表した2026年第1四半期決算で、仮想現実・拡張現実機器を扱うReality Labs部門の数字が改めて市場の注目を集めている。売上高は4億200万ドル(約643億円)、営業損失は 40億3000万ドル (約6448億円)。売上のおよそ10倍の赤字を出し続けている事業だ。 ウォール街は損失48億2000万ドル、売上4億8880万ドルを予想していた。損失幅は予想より小さく、前年同期の42億1000万ドルからもわずかに改善している。だが「予想より傷が浅い」というだけで、構造的な赤字の性質は変わらない。 四半期ごとの推移を見ると、この事業の輪郭がはっきり浮かぶ。2020年第4四半期に独立セグメントとして報告が始まって以降、Reality Labsは21四半期連続の赤字を記録している。