Intel

Intel、次世代EUV露光装置で量産出荷した業界初の企業に

半導体

Intel、次世代EUV露光装置で量産出荷した業界初の企業に

ASMLのHigh NA EUV露光装置が、研究開発の段階を超えた。 1台約4億ドルの装置が量産ラインに入った ASMLは現地時間7月15日、Intel FoundryがIntel 18Aプロセスの一部レイヤーにHigh NA EUV(高開口数EUV)リソグラフィを適用し、Core Ultra Series 3(Panther Lake)プロセッサの量産出荷を開始したと発表した。 High NA EUVで製造したロジック半導体を量産出荷するのは、業界で初めてとなる。 High NA EUVは、従来のEUVスキャナー(NXEシリーズ)の開口数0.33を0.55に引き上げた次世代リソグラフィ技術で、1回の露光でより微細なパターンを描ける。解像度は約67%向上し、複雑なマルチパターニング工程を削減できる可能性がある。 代わりに、コストは跳ね上がる。装置1台の価格は3億8000万~4億ドルと従来型の約2倍で、1回の露光コストも約2.5倍とされる。 従来EUV(NXE)vs High NA EUV(EXE) 従来EUV

Intel、Core Ultra 200S Plusの値上げを認める。理由は「需要」

Intel

Intel、Core Ultra 200S Plusの値上げを認める。理由は「需要」

Intelが公式ページ上で無告知のまま書き換えていたCore Ultra 200S Plusシリーズの推奨小売価格について、Intel広報が値上げの事実と理由を認めた。3月の発売から3か月、「コスパ」で取り戻した信頼が揺らいでいる。 声明の中身 ドイツのIntel広報に取材したところ、以下の声明が返ってきた。 今回の価格改定は、サプライチェーンコストの上昇やCore Ultra 200S Plusに対する需要を含む、現在の市場環境を反映したものだ。これらの価格変更は、同様の要因に基づく他のIntel製品ファミリの価格引き上げと一致している。(Intelのドイツ広報がHardwareluxxに寄せた声明) 値上げの存在を認め、理由を2つ挙げた。サプライチェーンコストの上昇と、製品に対する需要の強さ。後者がポイントになる。 「需要が強いから価格を上げた」という説明は、企業の利益最大化としては正しい。だが、この製品が発売時に何を約束していたかを振り返ると、受け止め方は変わってくる。 299ドルが349ドルになった経緯 値上げ対象は、Core Ultra 200S Plusシ

Nova Lake-S、18コアにもbLLC搭載で計6段階に

Intel

Nova Lake-S、18コアにもbLLC搭載で計6段階に

Nova Lake-Sのリーク情報が続く。従来5段階だったbLLC搭載ラインナップに、18コア(6P+8E+4LP-E)構成が加わった。125Wのアンロックモデルと65Wのロックモデルの2本立てで、bLLCがCore Ultra 5の下位帯まで到達する。 bLLCが18コアまで降りた リーカーのJaykihn(@jaykihn0)が7月3日に投稿した情報によると、Nova Lake-Sの18コア構成(6P+8E+4LP-E)にbLLC搭載の125W SKUが加わった。同構成にはbLLC搭載の65Wモデルも存在しており、65Wとは別に125W版を新設した形になる。 Nova Lake -S 6+8+4 bLLC 125W SKU added Separate SKU from 6+8+4 bLLC 65W — Jaykihn (@jaykihn0) July

Intel、270K Plusの定価を299ドルから349ドルへ引き上げ

Intel

Intel、270K Plusの定価を299ドルから349ドルへ引き上げ

3月の発売時に「300ドル以下で24コア」と高く評価されたCPUの価格が、メーカー自身の手で書き換えられた。 レビューの前提が消えた Intelが、Core Ultra 200S Plusシリーズの推奨小売価格(RCP)を公式製品ページ上で引き上げた。各製品の仕様ページに記載されたRCPは、いずれも発売時から改定されている。 270K Plusは289〜299ドルから339〜349ドルへ約17%、250K Plusは189〜199ドルから219〜229ドルへ約16%。いずれも公式の製品仕様ページで確認できる。 3月26日の発売当時、各レビューサイトが「300ドル以下で買える最高のオールラウンドCPU」「200ドル帯で最強」と評価した根拠は、あの価格にあった。270K PlusはCinebenchのマルチスレッドで当時500ドル超だったRyzen 9 9950Xに迫った。ゲーム性能もX3D以外のCPUをほぼすべて上回る。その性能を299ドルで出した点が「コスパの化け物」と称された理由だ。 Core Ultra 200S Plus 推奨小売価格の改定 $400$30

Linux 7.2-rc1公開。6年越しの安全対策が完了

Linux

Linux 7.2-rc1公開。6年越しの安全対策が完了

Linux 7.2のマージウィンドウが閉じ、最初のリリース候補が現地時間6月28日に公開された。パッチの3分の1をAMD GPUのレジスタ定義が占めているが、その裏では6年がかりのセキュリティ改善が完結し、AMDのHDMI 2.1対応やUSB4の新プロトコルなど、実用に響く変更が揃った。安定版は8月下旬の見込みで、カーネルのソースコードは総行数4389万行を超えた。 6年362コミット、strncpy()が消えた Linux 7.2で最も意味のある変更は、新機能の追加ではなく削除だ。 C言語の文字列コピー関数strncpy()が、カーネルのソースツリーから完全に除去された。6月20日のマージで、関数の実装そのものと全アーキテクチャ固有の最適化コードが一括で消えている。 Linuxカーネルからstrncpyが消えた。6年362コミットの結末Linuxカーネルから文字列コピー関数strncpyが完全に削除された。NUL終端を保証しない危険な仕様はバグの温床とされ、6年間で362コミット・70人の開発者がstrscpy等の安全な代替へ移行。Linux 7.2で19ファイル346行を

Nova Lake、474Wの電力設計がマザーボードに降りてきた

Intel

Nova Lake、474Wの電力設計がマザーボードに降りてきた

Nova Lakeのデュアルコンピュートタイル構成に必要な電力が、ようやく設計図面の上で固まりつつある。リーク情報によれば、Intelは6月下旬にZ990マザーボードの電力設計ガイドラインを改訂し、マザーボードメーカーへ通達した。 PL2は474W、496Wではなかった 2月のリーク時点で出回っていたPL2の値は496Wだった。ほぼ500W。その数字が独り歩きし、Nova Lake=500Wという認識が広まった。だがJaykihn氏は当時から「古い値」「52コアのフラグシップ向けではなく42コアSKU向け」と否定していた。 Z990 power architecture will feature THREE 8 PIN CPU power plug ( against 2 now ). @intel revised power design delivery reserves 474 Watts for a nominal performance on dual computing SKU. Over 474

「0.7nm」のどこにも0.7nmはない。プロセスノード命名の構造問題

半導体

「0.7nm」のどこにも0.7nmはない。プロセスノード命名の構造問題

IBMが6月25日に発表した0.7nm NanoStackチップに対し、インテルCTOとイーロン・マスク氏が命名規則を批判した。IBM自身もこの数字が実寸ではないと認めている。問題の根は深い。 発端はインテルCTOの指摘 IBMの0.7nm発表から一夜明けた現地時間6月26日、インテルのプシュカル・ラナデ(Pushkar Ranade)CTOがこの命名に異論を投げた。 ラナデ氏はIBMの発表を引用し、このチップ上に1nm未満のサイズで製造された構造は実質ゼロであり、この命名は意味をなさず誤解を招くと指摘した。かつてIBMでキャリアを開始し、半導体デバイス物理を専門とする技術者でもある。 True, we should switch to naming process nodes according to the number of atoms wide of the smallest feature size. That would be most accurate imo. — Elon Musk (@elonmusk) June

USB4STREAMがLinux 7.2にマージ。ケーブル1本のPC間転送が正式機能に

Linux

USB4STREAMがLinux 7.2にマージ。ケーブル1本のPC間転送が正式機能に

5月にパッチ段階で報じたUSB4STREAMが、Linux 7.2のメインラインに正式マージされた。USB4/Thunderboltケーブルで直結したPC間を、ネットワークスタックを経由せずに生データが流れる。 ケーブル直結のストリーム転送、メインラインへ 現地時間6月22日、USBサブシステムのメンテナであるグレッグ・クロー=ハートマン(Greg Kroah-Hartman)氏が、Linux 7.2-rc1向けのUSB/Thunderboltドライバ変更をリーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)氏に提出した。トーバルズ氏は異議なくGitマスターにマージしている。 目玉はUSB4STREAMだ。IntelのThunderboltメンテナ、ミカ・ヴェステルベリ(Mika Westerberg)氏が5月に提出したパッチは、Thunderbolt.gitの「next」ブランチを経て、今回メインラインカーネルに到達した。stream.cだけで1,698行。プルリクエスト全体では194ファイルに手が入り、約7,000行が加わった。 仕組みはシンプルだ。USB4/Thunde

Rust製zlib実装がIntel CPUバグを回避。C言語なら黙って壊れていた

Rust

Rust製zlib実装がIntel CPUバグを回避。C言語なら黙って壊れていた

zlibのRust実装「zlib-rs」の最新版0.6.4が6月21日にリリースされた。AArch64のチェックサム修正やAVX-512の最適化も含まれる。だが今回の本題は別にある。Intel Raptor Lake世代のCPUバグに対する回避策だ。 Raptor Lakeが引き起こしたクラッシュ zlib-rsは、Trifecta Tech Foundation(オランダ)が開発するRust製のzlib互換実装で、ISRGのProssimoプロジェクトが初期の開発を支援した。2024年4月の初版から採用が広がり、2026年5月にリリースされたFirefox 151.0.0でgzip圧縮・展開のデフォルトバックエンドに採用されている。 問題が起きたのは、Firefoxがzlib-rsを統合した直後だった。Nightly版でクラッシュレポートが上がり始め、ログには「論理的にありえない境界チェックの失敗」が残っていた。開発者はローカルでは再現できず、レポートが積み重なるにつれてパターンが見えてきた。クラッシュの報告元が、Intel第13・14世代Core(Raptor Lake)に

GPUクラッシュ解析の新標準。DirectX Dump Files始動

Windows

GPUクラッシュ解析の新標準。DirectX Dump Files始動

ゲーム中に画面が固まり、数秒後に「ディスプレイドライバーが応答を停止しました」という通知が出る。PCゲーマーなら一度は見たことがある、あの瞬間だ。原因を調べようにも手がかりはほぼない。ドライバを入れ直すか、それともGPUの設定をいじるか。結局は手探りで、同じクラッシュが再発しないことを祈るしかなかった。 その手探りに、ようやく共通の手がかりが生まれようとしている。Microsoftが6月18日、DirectX Dump Filesのパブリックプレビューを公開した。 GPUクラッシュに「メモリダンプ」が生まれる DirectX Dump Files(DDF)は、3月のGDC 2026でMicrosoftが発表した新機能だ。発表から約3か月、実際に開発者が試せるプレビューが動き始めた。 仕組みはシンプルに言えば、CPU側で昔からあるメモリダンプのGPU版にあたる。Windowsがグラフィックスドライバの応答停止(TDR)を検知した瞬間、GPU側の実行状態をまるごとスナップショットとして記録し、.dxdmpという拡張子のファイルに書き出す。 このファイルには、GPUが何をしていた

トランプ大統領がApple×Intelの提携を宣言。その裏にある計算

半導体

トランプ大統領がApple×Intelの提携を宣言。その裏にある計算

AppleとIntelのチップ製造提携を、大統領が自ら語った。5月の予備合意報道から約6週間。両社はまだ何も認めていないのに、ホワイトハウスが先に既成事実を作りにきた。 大統領が仕掛けたタイミング トランプ(Donald Trump)大統領は現地時間6月18日、Truth Socialへの投稿でAppleとIntelの提携を明言した。NVIDIA、イーロン・マスク(Elon Musk)氏のTeraFab、そしてApple。3つの名前を並べて「Made in USA」の成果として誇示し、Intelの時価総額が「6000億ドルを超えた」と誇り、米政府の保有株の評価額が「600億ドル超」に達したと強調した。 The Technology the World relies on was invented in America. We all remember “Intel Inside.” Stupid Presidents took our Economy

AI企業への政府出資、閣僚2人の構想が割れる

AI

AI企業への政府出資、閣僚2人の構想が割れる

トランプ政権が検討するAI企業への政府出資案をめぐり、閣僚の間で資金の使い道が割れていることが明らかになった。Anthropicへの輸出規制が交渉の空気を壊し、業界の大半は拒否姿勢を崩していない。 「トランプ口座」か「政府系ファンド」か スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官とハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官が、政府がAI企業から取得する株式の使い道について異なる構想を持っていると報じられた。 ベッセント氏が支持するのは、AI企業の株式をトランプ口座の原資に充てる案だ。トランプ口座とは、2025年7月成立のOne Big Beautiful Bill Actで創設された18歳未満向けの税制優遇貯蓄口座だ。連邦政府が1人あたり最大1,000ドルの初期資金を拠出し、すでに400万人以上の子どもが登録している。AI企業の株式運用益をここに流し込めば「AIの恩恵を次世代に届ける」という政治的な絵が描ける。 一方のラトニック氏は、政府系ファンドへの充当を推している。重要鉱物のサプライチェーン確保を目的に複数の企業への出資を交渉してきた同氏

XPS 13が15万4800円で日本発売。米国の「599ドル」は別世界の話だった

PC

XPS 13が15万4800円で日本発売。米国の「599ドル」は別世界の話だった

DellがXPSブランドの再出発として投入したXPS 13が、日本でも販売を開始した。ただし米国で話題になった「599ドル」とは、かなり違う景色だ。 「XPS史上最安」の中身 Dellが6月16日に日本で発売したXPS 13(DX13260)は、Intel Wildcat Lake世代のCore 5 320を搭載するモバイルノートだ。CNCアルミ削り出しの筐体で1kg、厚さ12.7mm。XPSシリーズ史上最も薄く、最も軽い。 画面は13.4インチの2.5K(2560×1440)タッチ対応、最大120Hz、輝度500ニット。メモリはLPDDR5X 8GB(オンボード)、ストレージは512GB SSD。Wi-Fi 7とBluetooth 6.0を備え、52WhrバッテリーでNetflix再生は最大17時間を謳う。 Core 5 320は、Cougar Coveの高性能コア2基とDarkmont LP-Eの省電力コア4基による6コア構成。TDPは15W。

「エージェント向けCPU」という幻想の正体

CPU

「エージェント向けCPU」という幻想の正体

AIエージェント時代に必要なのは「新しいCPU」ではない。各社が争っているのは、汎用プロセッサに何の名前を貼るかだ。 全員が「エージェント向け」を名乗る異様さ Arm、NVIDIA、AWS、Intel、AMD。データセンターCPUの主要5社が、ここ3ヶ月で一斉に同じ言葉を使い始めた。「エージェント向けCPU」だ。 Armは初の自社製チップを「AGI CPU」と名づけた。NVIDIAのジェンスン・ファン(Jensen Huang)CEOはVeraを「エージェントのためのCPU」と呼んだ。AWSは6月10日に一般提供を開始したGraviton 5のマーケティングに、エージェントAIへの言及を散りばめている。Intelは6月のComputex 2026で、100kWラックに最大3万6864コアを詰め込むリファレンス設計を披露し、エージェント推論をうたった。AMDは先週、100kWラック換算でVera比3.3倍のスループットを主張するVenice EPYCのベンチマークを公開した。 全員が同じ市場を指差して「これは自分たちのために作られた」と言っている。 だが、冷静に見れば奇妙な光