Nova Lake、474Wの電力設計がマザーボードに降りてきた

Nova Lake、474Wの電力設計がマザーボードに降りてきた
Intel

Nova Lakeのデュアルコンピュートタイル構成に必要な電力が、ようやく設計図面の上で固まりつつある。リーク情報によれば、Intelは6月下旬にZ990マザーボードの電力設計ガイドラインを改訂し、マザーボードメーカーへ通達した。

PL2は474W、496Wではなかった

2月のリーク時点で出回っていたPL2の値は496Wだった。ほぼ500W。その数字が独り歩きし、Nova Lake=500Wという認識が広まった。だがJaykihn氏は当時から「古い値」「52コアのフラグシップ向けではなく42コアSKU向け」と否定していた。

今回、LC Tech Leaksが6月26日に投稿した情報では、Intelが改訂した電力設計で定めたPL2は474W。デュアルコンピュートタイル構成のNova Lake-S(最大52コア)が定格動作で到達する最大ターボ電力だ。474Wを超える消費電力はオーバークロック時の領域になる。

Nova Lake-S PL2電力プロファイル比較
構成PL2
Core Ultra 9 285K
(現行)
250W
Nova Lake-S
旧暫定値
496W
Nova Lake-S
改訂値
474W
旧暫定値(496W)はリーカーHXLが2026年2月に投稿した開発途中のデータ。Jaykihn氏が「古い値」「42コアSKU向け」と否定。改訂値(474W)はIntelがZ990マザーボードの設計指示としてメーカーに通達した値。ミニバーは496Wを100%基準で表示

496Wと474Wの差は22W。数字の大小が本質ではない。496Wはリーカーが開発途中の暫定データとして投稿した値、474Wはマザーボードメーカーへの設計要求として出された値という違いがある。Intelが「このボードはここまで耐えろ」と具体的に指示した事実が、今回の核心だ。

Z990にEPS 8ピンが3つ並ぶ

改訂されたZ990の電力設計では、CPU電源コネクタが初期設計の2つから最大3つに増える。LC Tech Leaksの投稿には実際のZ990基板の写真も添えられており、CPUソケット近くに3つの8ピンコネクタが並んでいる。

ただし、ここには整理が必要だ。

最初に出回った基板写真はEPS 8ピン2つとPCIe 8ピン1つの構成だった。これはIntelがZ990向けに最初に出した電力設計指示に基づくもの。LC Tech Leaksによれば、その後Intelは「修正指示」をマザーボードメーカーに送り、3つのEPS CPU電源コネクタに対応する設計へと変更された。つまり、Z990の電源設計は開発途中で少なくとも一度改訂されている。

だが、3コネクタは必須ではない。Jaykihn氏によれば、52コアの動作に3コネクタは不要で、より高い電力状態を解放するものでもない。Z990の175W Performance仕様のボードであれば、2コネクタでも3コネクタでも44コアおよび52コアのCPUは動作する。3コネクタはベンダーが任意で採用する「あると便利」な機能であり、CPUの性能プロファイルには影響しない。

Z970チップセットでは3コネクタ構成は採用されない見通しだ。

マザーボードが「電力クラス」で区分される

今回のリークで、Z990マザーボードが電力クラスごとにセグメント化される構造も見えてきた。

Jaykihn氏によれば、マザーボードは35W Baseline(cfgdwn)、65W Value/Performance、125W Baseline/Performance、175W Baseline/Performanceの4段階に分かれる。CPUのPL1よりも低いクラスのボードにCPUを載せた場合、CPUは自動的に低い性能プロファイルで動作する。

これはデュアルタイルの52コアCPUだけの話ではない。Nova Lakeではシングルタイル構成にも35W/65W、65W/125Wといったデュアルコンフィグ設定のモデルが存在し、ボードの電力クラスがそれらの動作にも影響する。bLLC非搭載のモデルがこの対象だ。

裏を返せば、175Wクラスに対応したZ990マザーボードであれば、44コアでも52コアでも動作が保証される設計になるということだ。Nova Lakeのデュアルタイルモデルを使うなら、175WクラスのZ990マザーボードが前提になる。

CES 2027に向けて

発売時期について補足しておく。Computex 2026で複数のマザーボードベンダーが900シリーズマザーボードを持ち込んでおり、Z990とZ970のプロトタイプが確認されている。複数の情報源がNova Lake-Sの発表をCES 2027、小売開始をQ1 2027と報じている。最初に出るのは28コアのシングルタイルモデルで、52コアのデュアルタイルモデルはそこから2〜3か月後、Computex 2027前後になる見通しだ。

474Wという数字は、自作PCユーザーにとって電源ユニットとクーラーの選定基準を書き換える。現行のCore Ultra 9 285KはPL2が250W。その倍近い電力をCPU単体で要求するボードが、来年前半には店頭に並ぶ。GPU側もNVIDIA GeForce RTX 50シリーズが高い消費電力で推移しており、ハイエンド構成のシステム全体で必要な電源容量は確実に上がる。

ただし、52コアのデュアルタイル構成は一般的なゲーマー向けではない。ゲームで52コアをフル稼働させる場面は現時点でほぼ存在せず、ゲーミング中のCPU消費電力は現行世代でも80〜100W程度にとどまる。シングルタイルの28コアモデルであれば、消費電力は現行世代と大幅には変わらない見込みだ。52コアの真価を発揮するのは、動画エンコードや3Dレンダリングなどマルチスレッド性能を全力で使うワークロードになる。

Nova Lakeの電力設計が「噂」から「設計指示」に移行した。マザーボードメーカーには、もう数字が届いている。

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