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AIトークンの請求書が届き始めた。企業の対応と業界標準化の行方

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AIトークンの請求書が届き始めた。企業の対応と業界標準化の行方

企業のAIトークンコスト爆発は既報の通りだが、事態はさらに広がっている。Uber、Microsoft、Walmartに続いてPricelineでも異常な請求が判明し、Linux FoundationがAIコスト管理の標準化団体を設立した。問題の認識から対策の段階に移りつつあるが、標準はまだ存在せず、出血はいまも続いている。 「使い放題」の終わり AIトークンコストの暴走は、一部の企業の話ではなくなった。 Uberが2026年の年間AI予算を4か月で使い切ったことは既報だが、同社はその後、従業員1人あたり月1500ドル(約24万円)のAIコーディングツール利用上限を設けた。Claude CodeやCursorなどのエージェント型ツールごとに個別の上限が適用され、超過には承認が必要になるという。社内リーダーボードで消費量を競わせていた企業が、わずか数か月で上限管理に転じた格好だ。 Microsoftも5月、Experiences + Devices部門(Windows、Microsoft 365、Outlook、Teams、Surfaceを担当)でClaude Codeのライセン

MicrosoftのMFA設定画面がまた落ちた

Microsoft

MicrosoftのMFA設定画面がまた落ちた

MicrosoftのMFA(多要素認証)の設定画面「My Sign-Ins」と、MFAの新規登録機能が再びダウンした。504 Gateway Timeoutエラーが発生し、ユーザーはMFAのセットアップもMy Sign-Insへのアクセスもできない状態に陥っている。7月1日のMFA完全義務化まであと1か月というタイミングで、だ。 何が起きているのか Microsoftは6月1日、MFAの設定とMy Sign-Insプラットフォームへのアクセスを妨げる障害が発生していることを認めた。管理センターではインシデントID「MO1329260」として追跡されており、影響を受けたユーザーには 504 Gateway Timeoutエラー が表示されている。 Microsoftによれば、障害は米国東部時間の午前5時ごろに確認され、「進行中のインシデント」(ongoing incident)に分類された。ユーザーへの影響が顕著な重大サービス障害という位置づけだ。影響を受けている地域についてはまだ明らかにされていない。 Microsoftは対応として代替の正常なインフラへのトラフィック切り替え

クラウドに預けたデータ、誰の法律で守られている?

セキュリティ

クラウドに預けたデータ、誰の法律で守られている?

スマホのロックを外して、隣の人にそのまま渡せるか。カナダのクラウド企業ThinkOnの創業者クレイグ・マクレラン(Craig McLellan)氏が投げかけた問いは単純だった。渡せないなら、なぜ外国政府がそのデータにアクセスできる状態を許容しているのか——と。データ主権をめぐる議論がカナダで加速している。だがこの問いは、ガバメントクラウドの5社中4社を外資に依存する日本にこそ突き刺さる。 米CLOUD法が変えたルール 2018年に成立した米国のCLOUD法(Clarifying Lawful Overseas Use of Data Act)は、データ主権の議論を避けて通れなくした法律だ。サーバーが東京にあろうがパリにあろうが関係ない。米国企業が管理するデータであれば、米国の司法命令に従って開示する義務を負う。管轄権の基準がデータの所在地から企業の本拠地へ移った。 2025年6月、フランス上院でこの構造が可視化された。マイクロソフト・フランスの法務担当ディレクター、アントン・カルニオ(Anton Carniaux)氏が宣誓の上で問われた。フランス市民のデータが米国政府に渡されな

米国防総省、Microsoftソフト一括調達にDellを指名

IT

米国防総省、Microsoftソフト一括調達にDellを指名

米国防総省が5年間で97億ドル(約1兆5500億円)のソフトウェア統合契約をDellに発注した。陸海空・宇宙軍から情報機関、沿岸警備隊まで、米軍全体に散らばるMicrosoft製品のライセンスを一本化する巨大案件だ。そしてこの契約の主役であるDellのCEO、マイケル・デル(Michael Dell)氏は昨年末、トランプ政権肝煎りの「トランプ口座」に62億5000万ドルを寄付したばかりである。 「デジタルの結合組織」という位置づけ 5月27日、国防総省の最高情報責任者(CIO)カーステン・デイヴィス(Kirsten Davies)氏がペンタゴンで記者会見を行い、契約の概要を明らかにした。正式名称は「Microsoft Department of War Enterprise Software Agreement II Core Enterprise Technology Agreement」。名称に含まれる「Department of War」は、トランプ大統領が2025年9月の大統領令で国防総省に復活させた旧称であり、議会での法的承認はまだ得られていない。 契約の中身は、Mi

英CMA、Microsoftを正式調査 業務ソフト独占を精査

Microsoft

英CMA、Microsoftを正式調査 業務ソフト独占を精査

英国の競争・市場庁(CMA)がMicrosoftの業務ソフトウェアに照準を定めた。9か月の調査を経て、2027年2月までに「戦略的市場地位(SMS)」の指定可否が決まる。Microsoftにとって、英国は次の戦場になる。 4番目の標的はMicrosoft 英国CMAは5月14日、Microsoftの業務ソフトウェアエコシステムに対するSMS調査を正式に開始した。2025年1月にデジタル市場競争法(DMCC法)が施行されてから、SMS調査の対象となるのはこれで4社目になる。 これまでに指定されてきたのは、Google検索、Appleモバイルプラットフォーム、Googleモバイルの3件で、いずれも2025年10月にSMS指定が確定した。米国テック大手のうち、Google、Appleと続き、今度はMicrosoftの番が回ってきた。 CMAが特に問題視しているのは、Microsoftの業務ソフト製品群を組み合わせる際に競合製品との連携が制限され、UK顧客の選択肢が狭まっているのではないか、という点だ。バンドル販売・相互運用性・既定設定。これらが原因で他社製品への乗り換えが阻害されて

BedrockでClaude請求約476万円、監視の死角

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BedrockでClaude請求約476万円、監視の死角

AWSコスト異常検出を設定していたのに、Amazon Bedrock経由でClaude Opusを使った利用者に約476万円の請求が届いた。アラートは鳴らなかった。「すべてのAWSサービスを追跡する」はずの監視に、見えない穴があった。 設定したのに、通知は来なかった ある読者が2026年4月、Amazon BedrockでAnthropic Claude Opusを試した結果、3万141.33ドル(約476万円)の請求を受け取った。本人は事前にAWS Cost Anomaly Detection(AWS コスト異常検出、以下CAD)で「絶対額100ドル以上かつ前比40%以上」というしきい値を設定済みだった。Bedrockを初めて使う33日前から、保険はかけてあったはずだった。 監視対象として読者が選んだのは「AWS Services」。AWS自身が「すべてのAWSサービスを自動的に追跡する」と説明している項目だ。読者はそれを信じた。だが、その「すべて」には大きな穴が開いていた。 AWS Marketplaceは「すべて」に含まれない CADの仕様を読み込むと、サポート外の

公開APIキー経由でGemini課金が発生 利用上限を超える条件を検証

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公開APIキー経由でGemini課金が発生 利用上限を超える条件を検証

Google MapsのAPIキーは「公開して構わない」と長年案内されてきた。そのキーが今、攻撃者の手でVeo 3やNano Bananaを叩き、開発者の口座から数千ドル単位を引き抜く窓口になっている。 「ブーン、3,000ドル請求しました」から始まる朝 求職者の面接支援ツールPrentusを運営するロッド・ダナン(Rod Danan)氏は今年3月、突然のメール通知でその日が始まった。Googleからの請求は3,000ドル(約47万円)。月50ドルで何年も収まっていた利用料が、一夜で60倍に跳ね上がっていた。 慌てて管理画面を開き、何が課金されているのかを探す。原因の特定に5分かかった。その5分のあいだに、追加で5,000ドル(約78万円)が請求された。 「『なにが起きているんだ?』と思った。アプリを開いて、『何が原因だ? どこから来てる?』と探す。それを突き止めるのは、正直そう簡単じゃない。探しているうちに5分経って、さらに5,000ドル請求された。『なんなんだこれは。金がただ吸い取られていく』と」 ダナン氏が支出上限を設定していたにもかかわらず、APIを止めるまでにクレ

Microsoft、イスラエル法人トップを倫理違反で解任

Microsoft

Microsoft、イスラエル法人トップを倫理違反で解任

イスラエル法人GMのアロン・ハイモビッチ(Alon Haimovich)と複数幹部が、Azureの非倫理的使用を巡る社内調査の末に職を解かれた。米テック企業が自社の国別子会社の経営陣を倫理違反で入れ替える展開は業界全体で見ても異例だ。 解任の引き金は「透明性の欠如」だった イスラエルの経済紙Globesが5月11日に報じた内容によれば、ハイモビッチは4年間務めたGM職を退く。後任は決まっておらず、Microsoft Israelは当面フランス法人の管理下に置かれる。離れたのはハイモビッチ一人ではない。ガバナンス部門の複数のマネージャーも同時に職を離れた。 社内調査チームはここ数週間、イスラエル現地に滞在していた。標的になったのは、イスラエル国防省との取引を担当する販売部門だ。調査が明らかにしたのは、Azureの利用パターンが利用規約に違反していた疑いだけではない。本社のグローバル経営陣に対してイスラエル法人側が十分な透明性を保っていなかった、という統治上の問題のほうが深刻に扱われた。 つまり、子会社が「何をやっているかを本社に隠していた」と判断されたことになる。グローバル企業