プライバシー

米政府のマス監視、AIとデータブローカーで全国民対象に

AI

米政府のマス監視、AIとデータブローカーで全国民対象に

ペン州立大のプライバシー研究者アン・トゥーミー・マッケナが、米国におけるマス監視の全体像を解説する論考を公開した。日常的に使っているスマートフォン、自動車、アプリ、SNSが、どのような仕組みで連邦政府の監視網に吸い上げられているか。法的な歯止めがなぜ機能していないか。論点はシンプルだが、扱いは重い。 土曜の朝、あなたは監視されている 想像してほしい。土曜日、ホームセンターに車で向かう。そこから家に戻るまでのわずか数時間に、いくつのセンサーがあなたを記録しているか。 隣家のRingカメラがあなたの歩く姿を撮影する。自家用車はあなたの運転速度、行き先、同乗者、車内での発言、表情、体重、心拍数まで記録している。接続されたスマートフォンからは、メッセージや連絡先まで車に吸い上げられる可能性がある。そのスマートフォン自体も常時、通信内容、健康データ、使用中のアプリ、そして位置情報を、セルタワー・GPS衛星・Wi-Fi・Bluetoothを通じて発信し続けている。 ホームセンターに入れば、監視カメラがあなたの顔を識別し、店内の動線をトラッキングする。Apple PayやGoogle Pa

英Ofcom、Telegramを正式調査 児童虐待で遮断も

Telegram

英Ofcom、Telegramを正式調査 児童虐待で遮断も

英通信規制当局Ofcom(オフコム)が、メッセージングアプリTelegramをオンライン安全法違反で正式調査する。ドバイ拠点のTelegramは「全面否定」と反発し、プラットフォーム対規制当局の正面衝突が始まった。 Ofcomが動いた理由は「カナダから届いた証拠」 今回の調査は、カナダ児童保護センター(Canadian Centre for Child Protection)から寄せられた児童性的虐待コンテンツ(CSAM)に関する証拠が直接のきっかけになっている。Ofcomは証拠を受け取った後、独自にプラットフォームを評価したうえで、Telegramが違法コンテンツに関する義務を履行しているか調査する決定を下したという。 注目すべきはOfcomの動き方だ。英オンライン安全法(2023年制定、2025年3月に義務が発効)に基づく執行が、すでに単発の警告から体系的な摘発フェーズへと移行している。今年に入ってからだけでも、OfcomはX(旧Twitter)のGrokによる児童性的画像生成疑惑を調査し、複数のファイル共有サービスにハッシュ照合技術の導入を迫ってきた。Telegramはそ

PSN、UKとアイルランドで年齢認証を6月必須化

PlayStation

PSN、UKとアイルランドで年齢認証を6月必須化

ボイスチャットもメッセージも、顔か身分証を差し出さなければ使えなくなる。ソニーが英国とアイルランドのPSNユーザーへ通知を始めた。作成から18年を超えるアカウントでも例外はない。 「コミュニケーション機能を使いたければ、年齢を証明せよ」 現在、英国とアイルランドに登録されたPSNアカウントに、PlayStation Storeから通知が送られている。文面は、グローバル規制への対応としてメッセージやボイスチャットなどコミュニケーション機能を引き続き使うには年内の年齢確認が必要、という趣旨だ。 画面にはQRコードが表示され、スマホで読み取るとソニーの年齢認証フローに進む。認証方法は3つ用意されている。セルフィーを撮って顔から年齢を推定する方式、パスポート・運転免許などIDをスキャンする方式、携帯番号と契約情報の照合による方式。どれも面倒ではないが、どれも「誰かに顔かIDか電話契約情報を渡す」ことから逃げられない。 PSN年齢認証の3方式(UK・アイルランド) セルフィー ID書類 携帯番号 提出物 顔写真 パスポート・ 運転免許・ID

アルトマンのWorld、Tinderから「人間証明」の覇権を狙う

AI

アルトマンのWorld、Tinderから「人間証明」の覇権を狙う

Sam AltmanのWorldが、Tinderの虹彩認証バッジ導入を皮切りにZoom、Docusign、Oktaへと一気に触手を伸ばした。AI時代の「人間の入り口」を全部押さえに来ている。ただし各国規制当局は虹彩データの削除命令を連発している最中だ。 Tinderで始まり、日常のあらゆる入り口に伸びる触手 World(Sam Altmanが共同創業したID検証プロジェクトで、旧称はWorldcoin)が、サンフランシスコで開催した自社イベント「Lift Off」で一気に7つの統合先を発表した。Tinder、Zoom、Docusign、Ticketmaster、Eventbrite、Shopify、Okta。狙いは明快で、AIボットが人間のふりをしてあらゆるプラットフォームを荒らす時代に、「ここから先は本物の人間だけが入れる」という関所を片っ端から設置しに来ている。 Lift Offで発表された主要統合先と用途 サービス ボット対策 ディープフェイク対策 エージェント委任 主な用途 Tinder ● — — 認証バッジ表示 Zoo

GmailのGemini統合、Googleが「メールでAIを訓練しない」と改めて表明

AI

GmailのGemini統合、Googleが「メールでAIを訓練しない」と改めて表明

あなたのメールは、誰のものか。Googleがその問いに答えようとしている。 Googleが沈黙を破った理由 GmailへのGemini統合が進むなか、ユーザーの間で不安が広がっている。自分のメールがAIの訓練データに使われているのではないか。Googleは4月8日、公式ブログで改めてプライバシーポリシーを説明した。 Gmail製品担当VPのブレイク・バーンズは明確に述べている。Geminiを含む基盤モデルは、個人のメールで訓練されていない。Gmailに与えたアクセス権は、長いメールの要約といった個別のタスクにのみ使用される。 GmailのGeminiはデータを保持しない。受信トレイの中で安全に動作し、求められた処理だけを行い、その後は受信トレイを離れるよう設計されている。 この声明が今このタイミングで出た背景には、1月の「Gemini時代」発表以降、プライバシー懸念が収まらなかったことがある。 「プライベートルーム」という設計思想 バーンズはNew York Timesのインタビューで、Geminiのデータ処理を「プライベートルーム」に例えた。ユーザーの受信トレイは、