サイバーセキュリティ

Microsoft、Mythos対抗のAIセキュリティ製品を準備

AI

Microsoft、Mythos対抗のAIセキュリティ製品を準備

AIが発見する脆弱性の件数が急増するなか、Microsoftが顧客向けの対抗製品を今月にも投入するという。 「Project Perception」の輪郭 MicrosoftがAIを使った脆弱性発見の新製品を準備していることが、The Informationの報道で明らかになった。社内コードネームはProject Perception。今月中にもローンチする可能性があるという。 AnthropicのClaude Mythos Previewと同様に、ソフトウェアの脆弱性を自動で発見・修正する能力を企業に提供する。Mythos PreviewはProject Glasswingを通じて限定公開され、1万件以上の高深刻度の脆弱性を発見してきたが、運用コストの高さが課題とされている。 PerceptionはMicrosoft、OpenAI、AnthropicのAIモデルを組み合わせ、タスクごとに最適なモデルを選ぶモデルルーター方式を採用する。コストを抑えながら同等の能力を実現するのが狙いだ。 価格は未定とされている。 MDASHの延長線上にあるもの この製品がまったく新しい

IBM株25%暴落、115年の歴史で最悪の1日を記録

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IBM株25%暴落、115年の歴史で最悪の1日を記録

IBMが決算発表の1週間前に暫定業績を開示し、株価は1日で25%超下落した。1987年のブラックマンデーを超える、創業以来最大の急落。 正式発表を待てなかった IBMのアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)CEOが現地時間7月14日、投資家向けの書簡を公開した。正式な第2四半期決算は7月22日に予定されているが、それを待たず暫定業績を開示した。 通常、企業がこの種の事前開示に踏み切るのは、市場の予想と実態の乖離が大きすぎて黙っていられないときだ。 暫定売上高は172億ドルで、前年同期比1%増。ウォール街の予想(約179億ドル)を約7億ドル下回った。調整後1株利益は2.93ドルで、予想の3.01〜3.02ドルに届かなかった。 事業別ではソフトウェアが5%増、コンサルティングが横ばい。インフラ部門は7%減だった。 IBM暫定Q2業績:予想との乖離 予想実績差異売上高約179億ドル172億ドル-7億ドル調整後EPS3.01〜3.02ドル2.93ドル-0.08ドルインフラ売上1桁台の減少-7%予想以上の悪化 ※暫定値。正式決算は7月22日に発表予定。

蒸留攻撃で年間60億ドル損失か、米AI大手が政府全体に警告

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蒸留攻撃で年間60億ドル損失か、米AI大手が政府全体に警告

中国AI企業による蒸留攻撃の経済的被害が初めて具体的な数字として報じられた。AnthropicとOpenAIは、トランプ政権と議会に対策を繰り返し求めている。 9か月分のリードが消えている 蒸留攻撃で米国のAIラボが被る損害は年間最大60億ドル(約9700億円)に達する。ブルームバーグが7月13日に米国当局の推定として報じた。シリコンバレーはトランプ政権に対し「存亡の危機になりかねない」と警告しているという。 ニューヨーク・ポストも同日、Anthropicに近い情報筋の発言を伝えた。現在、中国のフロンティアモデルは米国の約6〜9か月遅れとされるが、蒸留がなければその差は18か月以上に広がるとの見方だ。蒸留が9か月以上の差を埋めている。 蒸留(distillation)とは、高性能なAIモデルに大量の質問を投げ、その応答を使って別のモデルを訓練する手法だ。自社モデルの小型化など正当な用途で広く使われるが、競合の許可なくこれを行えば、数十億ドルをかけた研究開発の成果を安価に複製できる。 中国のAIモデルは数字の上でも米国に迫っている。利用者数の上位10モデルのうち6つが中国企業

GPT-5.6、政府審査13日で全面解放。3モデル同時投入の全容

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GPT-5.6、政府審査13日で全面解放。3モデル同時投入の全容

OpenAIのGPT-5.6が限定プレビューの開始から13日で一般提供に移行した。政府審査を経たフロンティアモデルとしては初の広域リリースとなる。 13日間で何が起きたか 6月26日、OpenAIはGPT-5.6を限定プレビューとして公開した。トランプ政権がフロンティアAIの公開前審査を求めた結果、一般提供ではなく一部のパートナー企業への限定アクセスに留まった。 7月8日夜(米国時間)、OpenAIは翌9日からの一般提供を予告した。商務省傘下のAI標準イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation)が評価を実施し、OpenAIの技術者はワシントンD.C.に滞在して対応にあたったという。 6月のAI大統領令は、AI開発企業に対して最先端モデルを公開前に政府へ提供し評価を受けるよう求める内容だった。法的強制力ではなく「自発的協力」の枠組みだが、Anthropicの輸出規制指令とは性格が異なる。OpenAIはこの枠組みを経て一般提供に至った最初の企業になる。 Sol、Terra、Luna GPT-5.6は3つのモデルで構成

Fable 5が復活。Anthropicが手放したもの

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Fable 5が復活。Anthropicが手放したもの

Fable 5が帰ってきた。6月12日の輸出規制で全世界から消えてから19日。米商務省は6月30日に規制を解除し、Anthropicは7月1日からFable 5の提供を再開した。Mythos 5も米国の承認済み組織への提供が続いている。だが復活したFable 5は、止められる前とは変わっている。セーフガードは厳しくなり、利用枠には上限がかかり、Anthropicは今後のフロンティアモデルについて政府への事前アクセスを約束した。規制を解くために、Anthropicは何を差し出したか。 何が変わったか 今回の再デプロイで、Anthropicはサイバーセキュリティ関連のリクエストを検知する安全分類器を再訓練した。Amazonの研究者が報告した手法は、99%以上の確率でブロックされるようになった。ブロックされたリクエストはOpus 4.8に自動転送され、ユーザーにはその旨が通知される。 引き換えに、誤検知は増えた。Anthropic自身がそう認めている。通常のコーディングやデバッグ作業がサイバーセキュリティ関連と誤判定され、Opus 4.8に回される場面が以前より多くなる。開発者にとっ

Fable 5とMythos 5の輸出規制が全面解除。18日ぶりにアクセス再開へ

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Fable 5とMythos 5の輸出規制が全面解除。18日ぶりにアクセス再開へ

6月12日に止められたClaude Fable 5が、18日後に返ってきた。何が変わったのか、政府もAnthropicも明かしていない。 商務省が3通目の書簡 6月30日(現地時間)、Anthropicは商務省からClaude Fable 5とClaude Mythos 5の輸出規制を解除する通知を受けたと発表した。アクセスは翌7月1日から順次復旧する。 We’ve received notice that the Department of Commerce has lifted export controls on Claude Fable 5 and Mythos 5. We'll begin restoring access tomorrow, and will share an update soon. We’re

Apple、iOS 26.5.2で29件の修正を前倒し配布

Apple

Apple、iOS 26.5.2で29件の修正を前倒し配布

Appleが現地時間6月29日にリリースしたiOS 26.5.2は、29件のセキュリティ修正だけを載せたアップデートだ。だが注目すべきは修正の中身ではなく、このアップデートが出たこと自体にある。 セキュリティ修正の前倒しという異例 iOS 26.5.2で修正された29件の脆弱性は、すべてiOS 26.6のベータ版に先行投入されていたものだ。WebKit関連が大半を占め、カーネルの修正も3件含まれている。iPadOS 26.5.2、macOS Tahoe 26.5.2も同日リリースされた。 従来、Appleはセキュリティ修正を次のバージョン(iOS 26.6など)にまとめて配布してきた。例外はゼロデイ脆弱性が実際に悪用されている場合で、そのときだけ緊急パッチが出る。今回修正された29件はいずれも悪用が確認されていない。にもかかわらず、AppleはiOS 26.6を待たずに修正を前倒しで切り出した。 Appleが語った理由 Appleは、AIがハッキングツールの開発を加速させており、修正の公開からユーザーの端末に届くまでの時間を圧縮する必要があると説明した。従来のリリースサイ

GLM-5.2がClaude超え。Semgrepの脆弱性検出で独立検証

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GLM-5.2がClaude超え。Semgrepの脆弱性検出で独立検証

Fable 5の規制から16日。米国が止めたのと同等のサイバーセキュリティ能力が、中国のオープンウェイトモデルで確認された。セキュリティ企業Semgrepの独立ベンチマークで、Z.aiのGLM-5.2がClaude Codeを脆弱性発見の精度で上回った。中国のセキュリティ大手360は「中国版Mythos」の開発を発表し、ジェフリーズはこの動きを「DeepSeekモーメント」と呼んだ。 「Mythosが家にある」 6月22日、セキュリティ分析ツールを開発するSemgrepが公開したベンチマーク結果のタイトルは「We Have Mythos at Home」(うちにMythosがある)だった。 We have Mythos at Home: GLM 5.2 beats Claude in our Cyber BenchmarksAmong models given nothing but a prompt, the best open-weight

トランプ政権のAI規制を業界が懸念 政策変更と献金の関係を検証

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トランプ政権のAI規制を業界が懸念 政策変更と献金の関係を検証

シリコンバレーの億万長者たちは、バイデン政権のAI安全政策が米国のイノベーションを潰すと警告し、トランプ陣営に巨額を献金した。AIを自由に伸ばす、規制はしない。就任直後のトランプ大統領はその期待通りに動き、州レベルのAI規制を封じることに注力した。 2026年6月、その約束は跡形もない。 「バイデン式の規制が恋しい」 6月に入り、ホワイトハウスはAnthropicとOpenAIに対して立て続けに介入した。Anthropicの最上位モデルMythos 5とFable 5には輸出管理指令が出た。外国籍者へのアクセスを禁じる内容で、Anthropicは国籍の即時判別ができないため全ユーザーを遮断した。OpenAIにはGPT-5.6のリリースを政府が承認した約20社に限定するよう要請した。いずれもサイバーセキュリティ上の懸念が理由とされるが、具体的な基準は示されていない。 6月26日、ラトニック(Howard Lutnick)商務長官がAnthropicに書簡を送り、Mythos 5については100社超への再配布を許可した。ただしFable 5の制限解除には触れていない。同じ日にOp

基準なき規制がフロンティアAIを止めている

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基準なき規制がフロンティアAIを止めている

Fableが止まった。GPT-5.6も制限された。だが何が安全かの基準は、まだ存在しない。 「許可」の条件を、誰も知らない フロンティアAIモデルの一般公開が、米国政府によって事実上の許可制に移行している。 AnthropicのFable 5が輸出管理指令で全ユーザーから遮断されたのは6月12日。それから2週間、復旧のめどは立っていない。6月26日にはOpenAIのGPT-5.6が、政府が個別に承認した約20社のパートナーだけに限定リリースされた。フロンティアモデルの公開を米国政府が事前に制限したのは、これが初めてになる。 フロンティアAI規制の経緯(2026年2月〜6月) 2月Anthropicをサプライチェーンリスクに指定国防総省が指定。連邦機関での利用を禁止 3月Anthropicがトランプ政権を提訴サプライチェーンリスク指定の違憲性を主張 6月2日AIサイバーセキュリティ大統領令に署名「任意の」事前テスト提供を規定。事実上の事前承認制 6月4日Great American AI Act ドラフト公表超党派の連邦AI規制法案。269ページ 6月9

OpenAI、GPT-5.6を限定公開。Mythos級のサイバー能力

OpenAI

OpenAI、GPT-5.6を限定公開。Mythos級のサイバー能力

OpenAIは6月26日、次世代モデルGPT-5.6シリーズを限定プレビューとして公開した。昨日報じた米政府の事前介入を受けた段階的リリースだ。ただしOpenAIは発表と同時に、政府の承認プロセスそのものに異議を唱えている。 Mythos Previewと並ぶ、トークン3分の1 GPT-5.6シリーズは、フラグシップのSol、日常業務向けのTerra、高速・低価格のLunaという3つのモデルで構成される。命名体系も変わり、世代番号(5.6)とティア名(Sol・Terra・Luna)を分離した。各ティアは独立したペースで更新される。 最も注目すべき数字はサイバーセキュリティだ。ExploitBenchは攻撃能力をクラッシュからコード実行まで16項目のフラグで段階的に測る。SolはここでAnthropicのMythos Previewに匹敵するスコアを記録した。しかも出力トークン数は約3分の1で済んでいる。 ExploitGymはUCバークレーの研究者がOpenAIや他のフロンティアラボと共同で構築したベンチマークだ。ここでもSol・Terra・Lunaの全モデルが、推論時間を増

AlibabaによるClaude蒸留2880万回との分析 IPO前のAI開発を検証

AI

AlibabaによるClaude蒸留2880万回との分析 IPO前のAI開発を検証

2月に中国AI新興3社の蒸留攻撃を告発したAnthropicが、今度は中国テック最大手を名指しした。標的の格が、変わった。 アリババのQwenラボが動いた 6月10日付の書簡が、6月24日に報じられた。宛先は米上院銀行委員会のティム・スコット(Tim Scott)委員長とエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)筆頭理事。Anthropicはこの書簡で、アリババとそのAI研究部門Qwen(通義千問)によるClaudeへの大規模な蒸留攻撃を告発した。 数字だけで異常さが伝わる。2026年4月22日から6月5日までの約6週間で、約2万5000の不正アカウントを通じて2880万回以上のやり取りが発生した。狙われたのはClaudeのソフトウェアエンジニアリングとエージェント推論、つまりMythos Previewの商業的に最も価値のある能力だ。 2月の3社を単独で超えた Anthropicは2月、DeepSeek、MiniMax、Moonshot AIの3社がClaudeに対して産業規模の蒸留攻撃を行っていたと公表した。3社合計で約2万4000アカウント、1600

中国360が「中国版Mythos」を発表 規制後に派生AIセキュリティ製品が拡大

AI

中国360が「中国版Mythos」を発表 規制後に派生AIセキュリティ製品が拡大

Fable 5とMythos 5が米国政府の輸出管理で全面停止してから12日。中国のサイバーセキュリティ大手がMythos対抗を名乗り出た。360 Security Technology(三六零安全科技、上交所:601360)が、Mythosに匹敵すると自称するAIツールを正式に発表した。 「倚天屠龍」という名乗り 360の創業者ジョウ・ホンイー(Zhou Hongyi)氏が北京のISC.AI 2026カンファレンスで披露したのは、2つのAIセキュリティツールだ。総称は「倚天屠龍」。金庸の武侠小説『倚天屠龍記』(いてんとりゅうき)から取った名前で、原義は「天の剣と龍を屠る刀」。 脆弱性の自動発見を担う「屠龍鋒」(Tulongfeng)を、ジョウ氏は自ら「中国版Mythos」と呼んだ。もう一つの「倚天鎮」(Yitianzhen)は、サイバー防御とインシデント対応の自動化に特化している。 ジョウ氏は中国の最高政治諮問機関である全国政治協商会議の委員でもある。360が公開した講演録によれば、AIによる脆弱性発見を「国家戦略資産」と位置づけ、インフラ防御と攻撃の両面で使えると述べた。

セキュリティ大手11社のCRM流出。日本にも影響か

サイバーセキュリティ

セキュリティ大手11社のCRM流出。日本にも影響か

バンクーバーの競合分析SaaS「Klue」が侵害され、Jamf、Tanium、Recorded Futureなどセキュリティ大手を含む少なくとも12社のSalesforce CRMデータが窃取された。Jamf、Tanium、Recorded Futureはいずれも日本法人を持ち、国内企業の取引先情報を含むデータが流出した可能性がある。6月23日にはLastPassも被害を公表し、影響は広がり続けている。 使い捨ての鍵が残っていた 現地時間6月12日、Klueのインテグレーション基盤で不正アクティビティが検出された。侵入経路は、かつてサードパーティ連携のプロトタイプ用に作られ、そのまま放置されていたレガシー認証情報だった。 Klueは競合インテリジェンスを提供するSaaSで、顧客企業のSalesforceやGongにOAuthトークンで接続し、営業データを取り込む仕組みだ。攻撃者はこのレガシー認証情報を使ってKlueの基盤に侵入し、顧客がKlueに預けていたOAuthトークンを一括で収穫するコードを仕込んだ。 OAuthトークンはパスワードやMFAを必要としない。Salesfo