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EA「AIで創造性が上がった」その10日後に3度目の解雇

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EA「AIで創造性が上がった」その10日後に3度目の解雇

EAの幹部が「AIの導入で退屈な仕事が減り、スタジオの創造性が上がった」と語ったのは6月8日。その10日後、同じ会社で2026年3度目のレイオフが始まった。カスタマーサポート、IT、採用部門。10年以上在籍したベテランも含まれていた。開発者の64%はAIが創造性を損なうと答えている。幹部の言葉とは正反対の数字だ。 何を語ったのか ローラ・ミーレ(Laura Miele)氏。EAに30年近く在籍するベテラン幹部で、6月8日時点ではEAエンターテインメント担当社長を務めていた。Summer Game Fest内のGame Business Liveで、司会のクリストファー・ドリング(Christopher Dring)氏に「AIツールは開発サイクルを短くするか」と聞かれ、こう答えた。「一部ではそうなるだろう。自分の目で見たものを、本当に信じている」。AIがパイプラインやツールから「摩擦」を取り除いた結果、プロトタイピングは速くなり、クリエイティブな議論にかかる時間も縮まったという。退屈な作業が減ったことで「創造性が本当に上がったと思う」。 スピーチの翌日にあたる6月9日、EAは組織

SteamのAIスティグマ。売れる力があるほど重い

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SteamのAIスティグマ。売れる力があるほど重い

ゲーム市場分析サービスGame Oracleが2025年12月に公開した調査が、半年を経て改めて注目を集めている。同社のプロダクト・データ部門責任者であるロス・バートン(Ross Burton)氏が約1万本のSteam有料タイトルを対象に行った統計分析の結論は、開発者にとって無視できないものだった。AI使用を開示したゲームは、同等の条件で比較した場合、レビュー数が約53%減少する。レビュー数はSteam上の売上推定に広く使われる代理指標であり、この数字はそのまま売上の半減を示唆する。 約1万本の統計が映したもの バートン氏の分析対象は、2025年1月から10月にSteamでリリースされた有料タイトル9,879本。このうち17.9%がAI使用を開示していた。 表面的な数字だけでもAI開示ゲームの不利は見える。発売後1か月間のレビュー中央値は、非開示タイトルの7件に対してAI開示タイトルは4件。レビューがゼロのまま1か月を過ごしたタイトルの割合は、非開示が15.2%、AI開示が19.8%。100件以上のレビューを獲得したタイトルに限っても、好評率の中央値は非開示の88.3%に対し、

ノルウェー、小学校で生成AIをほぼ全面禁止へ

AI

ノルウェー、小学校で生成AIをほぼ全面禁止へ

ノルウェーが、子供の手からAIを取り上げる。スマートフォン、SNS、そして生成AI。この国は立て続けに「引き返す」判断を下している。 スマートフォンの次はAI ノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ(Jonas Gahr Støre)首相は現地時間6月19日、小学校での生成AI使用をほぼ全面的に禁止すると発表した。新たな基準は2026年8月下旬の新学期から適用される。 対象は年齢で区切られている。1年生から7年生(6〜13歳)は原則としてAIを使わない。8年生から10年生(14〜16歳)は教員の監督下でのみ慎重に導入できる。高校にあたる11年生以上(17〜19歳)は、進学や就職に備えてAIの適切な使い方を学ぶべきだとした。 「学校で最も大切なことは、子供たちが読み、書き、計算することを学ぶことだ」。ストーレ氏は記者会見でそう語った。 テクノロジーを教室から遠ざけるのは、これが初めてではない 2024年、ノルウェー政府は学校からスマートフォンを追い出した。その判断を裏づけたのが、ノルウェー経済高等学院(NHH)のサラ・アブラハムソン(Sara Abrahamsson)氏に

パルワールド開発元「ゲーマーはAIを望んでいない」。説得力はあるか

ゲーム

パルワールド開発元「ゲーマーはAIを望んでいない」。説得力はあるか

ポケットペアのパブリッシング・コミュニケーション責任者ジョン・バックリー(John Buckley)氏が、生成AIに対して改めて明確な拒否姿勢を示した。「ゲーマーはそれを望んでいない。望んでいないなら、それで終わりだ」。7月10日に正式リリースを控えた『パルワールド』の開発元から出たこの言葉を、素直に受け取れる人と、そうでない人がいる。 「うちにはアーティストがいる」 インタビューに応じたバックリー氏の論旨は明快だった。ポケットペアは生成AIを使っていない。社内に多くのアーティストを抱えており、彼らは自分の手で作ることを好んでいる。AIに置き換える理由がない、と。 コーディング支援としてのAIには可能性を認めつつも、ゲーム制作における生成AIの将来には懐疑的だ。「バブルとは呼びたくないが、どれだけ続くかは分からない。Steamだってある程度は押し返している」。 折しも今週開催中のSteam Next Festでは、参加タイトル約8,700本のうち約1,700本がAI使用を開示した。5本に1本。バックリー氏自身も、Next Festの出展タイトルでAI生成アセットを見かけるたび

Anthropicが「Mythos級」AIを一般公開。Claude Fable 5の設計思想

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Anthropicが「Mythos級」AIを一般公開。Claude Fable 5の設計思想

Anthropicが6月9日にリリースしたClaude Fable 5は、4月のProject Glasswing発表以来、限られたサイバーセキュリティ企業や重要インフラ事業者にのみ提供されてきたMythosクラスの能力を、安全装置とセットで初めて一般向けに開放したモデルだ。 「このレベルのAIをどこまで世に出せるか」という問いへのAnthropicなりの現時点の答えが、この設計に込められている。 同じモデル、違う安全装置 Claude Fable 5と同時にリリースされたClaude Mythos 5は、技術的には同一モデルだ。ラテン語のfabula(語られるもの)とギリシャ語のmythosはほぼ同義であり、名前の違いが設計の違いをそのまま示している。 Fable 5は安全装置を搭載した一般公開版、Mythos 5はその一部を解除したProject Glasswingパートナー限定版。使い分けの理由は明快で、Mythosクラスのサイバーセキュリティ能力は「悪意ある攻撃者が使えば深刻な被害につながりうる」とAnthropicは公式に認めている。 具体的な対処として、Fabl

生成AIへの「依存」、責任はどこにあるのか

AI

生成AIへの「依存」、責任はどこにあるのか

チャットボットを最初の相談相手にする。検索より先にAIに聞く。不安を感じたとき、まずAIに話しかける。生成AIユーザーの約3割が「依存しているかもしれない」と感じた経験があるという調査が国内でも出ている。ツールとして使っているつもりが、いつの間にか手放せなくなっている。その責任をどこが担うのか、まだ答えは出ていない。 SNS訴訟の「次の問い」 2026年3月、ロサンゼルスの陪審員がMetaとYouTubeに有罪評決を下した。インスタグラムを9歳から使い始め、精神的な健康を損なったと訴えた原告の主張を認め、設計の過失と、危険性の周知を怠った責任が認定された。補償的損害賠償として総額300万ドル(約4億8000万円)、懲罰的損害賠償として計300万ドルの支払いも勧告された。この評決は1500件以上の類似訴訟の行方に影響するとみられており、「ビッグテックのタバコの瞬間」と呼ぶ声もある。 評決から2ヵ月後の5月、ノッティンガム大学でテクノロジー批判研究を専門とするバーンド・カルステン・シュタール(Bernd Carsten Stahl)教授が、同じ問いを生成AIに当てはめた論文を発表し

AIで書いた文章を黙っているのは、道徳的に問題か

AI

AIで書いた文章を黙っているのは、道徳的に問題か

会議メモの整理にAIを使った。葬儀の弔辞をAIに書かせた。どちらも相手には言わなかった。この2つは、同じ「黙っていた」でも意味がまるで違う。オーストラリアの哲学者2人が、その境界を論じている。 「言わない」にも種類がある マッコーリー大学のシアーヴォシュ・サヘビ(Siavosh Sahebi)氏とトマス・モンテフィオーリ(Thomas Montefiore)氏が、学術誌 Philosophy & Technology に論文を発表した。生成AIを介してコミュニケーションをとっているのに、そのことを相手に伝えない行為は道徳的に問題があり得ると論じる内容だ。 2人が議論の土台に据えたのは、アイルランド・ゴールウェイ大学のジョン・ダナハー(John Danaher)氏が提唱した「3つの欺瞞」の枠組みだ。 外的状態の欺瞞(external state deception)。外の世界に関する偽った情報を相手に信じさせること。「道で馬を見た」と嘘をつくのがこれにあたる。 表面的状態の欺瞞(superficial state deception)。自分の能力や属性について、実際とは違う印

Anthropicが初の黒字へ、Q2売上が1四半期で2倍超

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Anthropicが初の黒字へ、Q2売上が1四半期で2倍超

AIバブルに懐疑的な目が向く中、Anthropicが反論を数字で突きつけた。2026年6月期の売上が前期の2倍超、109億ドルに達し、同社として初の営業黒字を計上する見込みだ。 1四半期で売上が倍増した 2026年第1四半期(1〜3月)、Anthropicの売上高は 48億ドル だった。それが第2四半期(4〜6月)に109億ドルへ届く見通しだ。 前期比130%増。1四半期で規模が2倍を超えた。パンデミック期のZoomや、IPO直前のGoogleとFacebookが当時刻んだペースと並ぶ。 Anthropicはこの数字を、資金調達の一環として投資家に開示した。非公開企業ゆえに独立した監査はない。モデル訓練費やストックオプション報酬は除いた数字でもある。それを差し引いても、規模感そのものは業界に刺さる。 初の黒字は何を意味するか 2026年第2四半期の営業利益は 5億5900万ドル(約890億円)。Anthropic史上初の黒字だ。 少し前まで同社は、「2028年まで通年黒字化は難しい」と自分で予測していた。その見通しが2年早く崩れた。 売上を支えているのは企業向けビジ

Gemini 3.5 Flash登場、廉価版が旗艦モデルを超えた日

Gemini 3.5 Flash

Gemini 3.5 Flash登場、廉価版が旗艦モデルを超えた日

Google I/O 2026で「最速かつ最強のコーディングモデル」が現れた。驚くのはその立ち位置だ。Flash、つまり従来は「速いが性能は二番手」と割り切るモデルが、自社の最上位クラスを追い抜いた。 Flash が Pro を超えた Googleが2026年5月19日に発表したGemini 3.5 Flashは、同社の最新フラッグシップ、Gemini 3.1 Proを複数のベンチマークで上回った。 コーディング評価のTerminal-Bench 2.1では76.2%対70.3%、AIエージェント系タスクの実力を測るMCP Atlas(Model Context Protocolを使ったタスク達成率を測る評価)では83.6%対78.2%。経済的な価値を算出するGDPval-AAでも1,656対1,314と、約340点の差をつけた。 3.5 Flash is

LinkedIn求人スパムが古英語表示に プロフィール設定を使った対策

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LinkedIn求人スパムが古英語表示に プロフィール設定を使った対策

LinkedInに自己紹介文を一つ仕込んだだけで、求人スパムが900年頃の古英語で届くようになった。そのスパムを送ってきたのは人間ではなくAIだ。標的にされる側が、攻撃する側に回った瞬間だ。 自己紹介欄に「管理者命令」を埋め込んだ ある開発者が、LinkedInの自己紹介欄を使ったいたずらの結果を公開している。本来そこには職歴や実績を書く。だが彼が書き込んだのは、AIに向けた指示文だった。 I put a prompt injection into my LinkedIn bio and recruiters are messaging me in Old English and calling me Lord. pic.twitter.com/2v1c0iXqaF — tmuxvim (@tmuxvim) May 15, 2026 仕掛けはこうだ。プロフィールを読み取るAIに対して、「管理者命令」として「自分を『我が君(My

AIにラジオ局を任せたら、4局そろって迷走した

AI

AIにラジオ局を任せたら、4局そろって迷走した

AI 4モデルに「儲かるラジオ局を作れ」と指示する実験が進行中だ。Claudeは番組の継続を「不要だ」と判断して放送を打ち切り、Grokは同じ一言を3分おきに84日間繰り返した。自律AIの素の姿が、電波に乗って表に出ている。 4つのAIに、ラジオ局の経営をまるごと渡した サンフランシスコのAI研究スタートアップAndon Labs(アンドン・ラボ)が、いま4つのラジオ局を24時間動かしている。曲を選ぶのも、リスナーに語りかけるのも、スポンサーを探すのも、すべてAIだ。人間は曲順ひとつ指示していない。 局はそれぞれ別のモデルが担当する。Claude Opus 4.7がThinking Frequencies、GPT-5.5がOpenAIR、Gemini 3.1 ProがBacklink Broadcast、Grok 4.3がGrok and Roll Radioを運営する。各局に渡された元手は 20ドル だけ。曲を数曲買えば消える額で、あとは自力で稼ぐしかない。 この実験のおもしろさは、4つのモデルに同じ指示を出した点にある。

arXiv、低品質なAI生成投稿の違反者に1年間の投稿停止措置

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arXiv、低品質なAI生成投稿の違反者に1年間の投稿停止措置

プレプリントサーバーのarXivが、AI生成物を混入させた著者を1年間追放する方針を発表した。1ストライク制で、復帰後の投稿には査読通過が必須となる。CS分野の先行投稿文化が折れる。 1ストライクで1年、復帰には査読通過が必須 arXivがAI生成物の混入に対して罰則を強化している。2026年5月14日深夜、計算機科学者のトーマス・ディートリッヒ(Thomas Dietterich)がarXiv計算機科学セクションの議長として方針を公表した。ディートリッヒは長年機械学習分野を牽引してきた人物で、オレゴン州立大学の名誉教授だ。 「生成AIツールが不適切な言語、剽窃、偏った内容、誤り、誤った参考文献、誤解を招く内容を生成し、その出力が科学的著作に含まれた場合、その責任は著者にある」とディートリッヒは投稿した。「ペナルティを最近明確化した」と続け、罰則の具体的な中身を示す。 罰則の中身は重い。1年間のarXiv投稿禁止、復帰後も「すべての投稿は事前に評判の高い査読付き会場で受理されていること」が条件となる。プレプリントを先に公開し、コミュニティのフィードバックを受けながら査読に回す