生成AI

AIで「上手くなる」ほど自分が消える、学生たちが書く違和感

AI

AIで「上手くなる」ほど自分が消える、学生たちが書く違和感

「いい文章だし、いい成績も取れる。でも、なんかありきたり。誰でも書けたかもしれない、自分じゃなくても」。AIで磨いた自分の文章を見て、学生はそうつぶやいた。 「自分じゃなくてもいい」と感じる学生たち カナダの大学・カレッジで、いまSTEM分野の学生たちのあいだに静かな違和感が広がっている。AI(人工知能)で文章を整えると、確かに上手くなる。成績も上がる。それなのに、できあがった文章を読み返すと「これは自分の声じゃない」と感じてしまう。 学術メディアのザ・カンバセーション(The Conversation)に、トロント大学(University of Toronto)オンタリオ教育研究所(OISE)の博士課程に在籍するヌルル・ハサン・モハマド(Nurul Hassan Mohammad)が記事を寄せた。自身のフィールドワークで繰り返し聞いたという学生の声を紹介している。技術的にはちゃんと書けている。でも「自分が書いたとは思えない」。この感覚が一過性のものではなく、複数の学生のあいだで反復していることが、彼の研究の出発点になっている。 KPMGカナダが2025年10月に公表した調

AI普及の足を引っ張るのは組織と、マイクロソフトが認めた

AI

AI普及の足を引っ張るのは組織と、マイクロソフトが認めた

「従業員は変えたい。でも会社が変わらない」という構造を、マイクロソフトが自社の年次調査で正面から認めた。AIの足を引っ張っているのは技術でも個人でもなく、評価制度と社内の空気の方だという。 「変革したい人」を罰している会社 マイクロソフトが5月5日に公開した2026年版「Work Trend Index」が、AI導入の停滞をめぐる議論に新しい角度を加えている。10カ国の知識労働者2万人を対象とした年次の働き方調査で、今年の主題は「変革のパラドックス」(Transformation Paradox)だ。レポートは結論部分で、組織を縛っているのは技術ではなく、組織自身が掲げる目標と評価軸だと言い切っている。 数字は明快だ。AIユーザーの65%が「すばやく適応できないと取り残される」と感じている一方で、45%は「業務をAIで作り直すより、いまの目標に集中するほうが安全だ」と答えている。前進したいという圧力と、保守したいという圧力が、同じ人の中で同時に働いている。 そして決定的なのが、AIで仕事の作り方を再設計したことに対して報酬を得ていると答えた人が、わずか13%しかいなかったとい

ペンシルベニア州、Character.AIを提訴 偽精神科医として診療

AI

ペンシルベニア州、Character.AIを提訴 偽精神科医として診療

ペンシルベニア州が、Character.AIのチャットボットが州の精神科医を装って医療助言を行ったとして、運営会社を提訴した。捜査員に対し、ボットは医師免許の番号まで偽造していた。 偽の精神科医「エミリー」がやったこと ペンシルベニア州が、AIチャットボットに対して具体的な法執行に踏み出した。 ペンシルベニア州務省(Department of State)の州医療委員会が5月1日、コモンウェルス裁判所にCharacter.AI(運営:Character Technologies, Inc.)を相手取り、無資格での医療行為を行ったとして提訴した。州知事自らが発表に踏み切ったこの種の取り締まりは、全米で初だとされる。 事の発端は、州務省の専門職行為調査官(Professional Conduct Investigator)がCharacter.AI上の「エミリー(Emilie)」という名前のチャットボットに接触したことに始まる。このボットはプロフィールに「精神科医。あなたは彼女の患者」と書かれていた。 調査官が「気分が落ち込み、空虚で、いつも疲れていてやる気が出ない」と打ち明け