Windows 11のシャットダウンが遅い原因はバグだった

Windows 11のシャットダウンが遅い原因はバグだった

シャットダウンを押してから画面が消えるまで、妙に長い。ハードウェアが古いのか、常駐ソフトが悪さをしているのか。心当たりを探して設定を見直した経験は、Windows 11ユーザーなら覚えがあるだろう。

その原因は、自分のPCにはなかった。Windows 11そのものにあった。


シャットダウン遅延の正体はBITSだった

現地時間6月23日にリリースされたWindows 11のプレビュー更新KB5095093(OSビルド26200.8737/26100.8737)で、Microsoftはシャットダウンが遅くなっていた問題を修正した。対象はWindows 11 24H2と25H2の両方だ。

犯人はBITS(バックグラウンド インテリジェント転送サービス)。Windows Updateのダウンロード、Microsoft Storeのアプリ更新など、多くのバックグラウンド転送を担うWindowsの基盤サービスだ。シャットダウン操作を受けてもBITSの停止処理に時間がかかり、「シャットダウンしています」の画面で数秒以上待たされる状態が続いていた。

KB5095093では、このBITSの停止処理にかかる時間が短縮された。すべてのPCで劇的に速くなるわけではないが、シャットダウン時に不自然な待ち時間が発生していた環境では改善が見込める。

BITSにまつわるトラブルは今年に入って繰り返し起きている。4月のセキュリティ更新KB5083769では、BITSが完全に応答不能になり、Outlookのアドレス帳同期やAutoCADの起動、アプリの自動更新まで巻き添えで停止する深刻な障害が発生した。あのときもシャットダウンの異常な遅延が症状のひとつだった。今回のKB5095093で修正されたのは、あの破壊的な障害とは別の、目立たなかったBITSの問題だ。派手に壊れたから直したのではなく、日常的に数秒ずつ発生していた遅延を、Microsoftがようやく修正対象にした。

タスクバーのアイコンが空白になる問題も修正

KB5095093にはもうひとつ、見過ごせない修正が含まれている。サインイン直後にタスクバーのアイコンが灰色の空白に化ける問題だ。

この症状が出ると、ピン留めしたアプリのアイコンが判別できなくなり、explorer.exeを手動で再起動するか、自然に復帰するまで待つしかなかった。Microsoftはリリースノートで、サードパーティの資格情報プロバイダーに関連するログイン・ロック画面の問題を修正し、タスクバーアイコンが灰色のプレースホルダーとして表示される頻度を下げたと説明している。

修正はタスクバーだけにとどまらない。explorer.exeはタスクバーだけでなく、スタートメニュー、右クリックメニュー、エクスプローラー本体など、Windowsのシェル全体を動かしている。今回のアップデートでは、OneDrive同期中にエクスプローラーの「ホーム」タブを開く動作が速くなり、仮想デスクトップの切り替えが安定した。スタートメニューやロック画面でアクリルぼかし効果が突然消えて再表示される不具合も解消されている。シェル拡張機能を使うアプリの起動も速くなった。

今回のアップデートの位置づけ

KB5095093は6月23日にリリースされたオプションのプレビュー更新で、全ユーザーへの段階的な展開は7月14日のPatch Tuesdayから始まる。セキュリティ更新は含まれておらず、7月の月例パッチに先行して新しい修正や機能を試す位置づけだ。Windows Updateの設定で「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」を有効にしているか、手動で更新を確認すればインストールできる。

なお、KB5095093にはシャットダウン修正やexplorer.exeの安定化以外にも、Point-in-time Restoreやカレンダー方式のWindows Update一時停止など多数の新機能が含まれている。

シャットダウンが遅いと感じていたなら、それはPCが遅くなったわけではなかった。Windowsが、自分のバックグラウンド処理を止めきれていなかっただけだ。

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