CHUWI、449ドルのWildcat Lake最安ノートを投入
MacBook Neoの半額で勝負するCHUWI UniBook。Intel 18A搭載で注目を集めるが、わずか2か月前のCPU偽装事件がこの製品にも影を落としている。
MacBook Neoの半額で勝負するCHUWI UniBook。Intel 18A搭載で注目を集めるが、わずか2か月前のCPU偽装事件がこの製品にも影を落としている。
449ドルでIntel最新プロセスを手に入れる
CHUWIがIntel Core 3 304を搭載した14インチノートPC「UniBook」を発表した。価格は449ドル(約7万1,000円)で、Intelの最新プロセスノードIntel 18Aを採用したWildcat Lakeプロセッサ搭載機としては現時点で最も安い。

Wildcat Lakeは、Intelが2026年4月に正式発表したバリュー向けプロセッサシリーズだ。上位のPanther Lakeと同じIntel 18Aノードで製造され、低価格帯でもIntelの最新製造技術が行き渡る設計になっている。
Core 3 304は、Pコア1基とLPEコア4基の5コア5スレッド構成で、ブーストクロックは最大4.3GHz。先に中国市場で登場したCore 5 320搭載機が600ドル前後だったことを考えると、CHUWIは1段下のプロセッサを選ぶことで150ドル近く価格を引き下げた格好になる。
スペックの中身を見る
UniBookの主な仕様は以下のとおりだ。
LPDDR5X 8GB、256GB PCIe 3.0 SSD、14インチ 1920×1200 IPS液晶(sRGB 100%)、53.38Whバッテリー、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、Windows 11 Pro搭載
ポート類は充実している。USB Type-Cが2基、USB Type-Aが3基、HDMI 2.0、有線LAN(RJ45)、microSDスロット、3.5mmオーディオジャックを備える。バックライト付きキーボードも搭載し、ファンによるアクティブ冷却を採用している。
MacBook Neoとの比較
意識している競合は明らかだ。AppleのMacBook Neoは日本で9万9,800円、米国で599ドル。同じ8GB/256GBの構成で比較すると、UniBookは約150ドル安い。
ただし中身の方向性はかなり異なる。MacBook NeoはA18 Proチップ、13インチLiquid Retinaディスプレイ、36.5Whバッテリーでファンレス設計。UniBookは14インチの大画面と豊富なポート、53.38Whの大容量バッテリーで勝負する。バッテリー駆動は最大20時間を謳う。
MacBook Neoにはない有線LAN、HDMI、USB Type-A、microSDスロットを全て備えている。周辺機器との接続を重視するなら、ポート構成だけでUniBookを選ぶ理由になる。
macOSが不要で、拡張性と接続性を優先するなら、スペック上は悪くない選択肢に見える。
| CHUWI UniBook | MacBook Neo | |
|---|---|---|
| 価格 | 449ドル (約7万1,000円) | 599ドル (9万9,800円) |
| プロセッサ | Intel Core 3 304 | Apple A18 Pro |
| コア構成 | 5コア 5スレッド | 6コアCPU 5コアGPU |
| メモリ | 8GB LPDDR5X | 8GB 統合メモリ |
| ストレージ | 256GB PCIe 3.0 | 256GB SSD |
| 画面 | 14インチ IPS 1920×1200 | 13インチ Liquid Retina |
| 色域 | sRGB 100% | sRGB (P3対応) |
| バッテリー | 53.38Wh 最大20時間 | 36.5Wh 最大16時間 |
| 冷却 | ファン (アクティブ) | ファンレス |
| USB-C | 2基 | 2基 |
| USB-A | 3基 | — |
| HDMI | 2.0 | — |
| 有線LAN | RJ45 | — |
| カードスロット | microSD | — |
| オーディオ | 3.5mm | 3.5mm |
| 無線 | Wi-Fi 6 BT 5.2 | Wi-Fi 6E BT 6.0 |
| OS | Windows 11 Pro | macOS |
8GBメモリとPCIe 3.0の制約
一方で、削られた部分も目につく。
メモリは8GBで増設不可だ。Windows 11を動かすには最低限の容量であり、ブラウザのタブを多く開いたり、複数アプリを同時に使ったりすると余裕がなくなる場面が出てくる。先行するCore 5 320搭載機が16GBを積んでいることを考えると、価格を下げるために真っ先に削られた部分だと分かる。
ストレージも 256GBのPCIe 3.0 SSD。Gen 3という世代は、2026年の新製品としてはやや見劣りする。日常的な体感速度に大きな差が出るわけではないが、コストカットの跡が見える箇所ではある。
信頼の問題──CPU偽装事件の影
スペックと価格だけを見れば、UniBookには確かに魅力がある。だが、この製品を語るうえで避けて通れない問題がある。

2026年3月、CHUWIのノートPC「CoreBook X」と「CoreBook Plus」でCPU偽装が発覚した。AMD Ryzen 5 7430Uを搭載していると謳いながら、実際には旧世代のRyzen 5 5500Uが載っていた。しかもBIOSレベルでCPU名が書き換えられており、WindowsのタスクマネージャーやCPU-Zでも偽の型番が表示される状態だった。
偽装はパッケージ、BIOS、OS上の表示、診断ツールの全てに及んでおり、チップを物理的に確認しない限り見抜けない状態だった。
さらにミニPC「UBOX」でも同様の偽装が確認され、計3機種に拡大した。AMDは公式声明で「一切関与しておらず、容認しない」と表明し、法的措置を示唆。CHUWIは「製造上のエラー」と釈明したが、BIOSレベルでのCPU名偽装がエラーで起きるはずはない。
問題の発覚後、CHUWIは報道機関に対して記事の削除を要求し、法的措置をちらつかせた。返品対応も付属品完備・原状回復が条件で、期限は2026年5月31日まで。偽装が発覚したUBOXは返品対象にすら含まれていなかった。
ODMの問題か、CHUWIの問題か
偽装に使われたマザーボードの製造元として、ODM企業のEmdoor Digitalの名前が浮上している。CHUWIのCoreBook Plusと、別ブランドのNinkear A15 Proで同一基板が使われていたことも確認された。
仮にODM側が偽装を行っていたとしても、自社ブランドで販売している以上、品質管理の責任はCHUWIにある。そして事後対応の不誠実さ──記事削除要求、曖昧な釈明、不十分な返品条件──は、仮に被害者だったとしても擁護しづらい。
買うべきか、見送るべきか
UniBookは、Intel 18Aプロセスの最新チップを449ドルで載せてきた。MacBook Neoにはないポート、大画面、大容量バッテリー。スペックシートは確かに魅力的だ。
しかしCHUWIは2か月前、スペックシートそのものを偽っていたメーカーでもある。
BIOSからOS表示まで偽装されていたCPU偽装事件を経て、CHUWIのスペック表記を額面どおりに受け取れるかどうかは、購入者自身が判断するしかない。
8GBメモリの制約、PCIe 3.0 SSD、そして信頼性の問題。これらを許容できるかどうかで、この製品の評価は大きく分かれる。
Intel 18Aの最新プロセスが7万円台で手に入る。その事実は間違いなく価値がある。ただ、「本当にCore 3 304が載っているのか」という疑問が購入前に頭をよぎるメーカーから買うかどうかは、また別の話だ。
参照元
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